ヒューリック株式会社 代表取締役社長 前田隆也

『変革とスピード』をモットーに、必要とされる事業に果敢に挑戦し続ける

ヒューリック株式会社 代表取締役社長 前田隆也 (まえだたかや)

■プロフィール
1962年生まれ。1984年東京大学工学部卒業後、大成建設に入社し不動産開発に従事。2007年ヒューリック入社後、不動産開発第二部長、事業企画部長、不動産統括部長、開発事業第一部長を歴任。取締役専務、副社長を経て、2022年3月より代表取締役社長(現任)。

都心の駅近、中規模の物件を数多く手がけるヒューリック株式会社。『変革とスピード』をモットーに、不動産事業にとらわれず、時代に合わせて社会に必要とされる領域に積極的に投資を進めている。こうした多種多様の事業に取り組み続けるヒューリックの企業としての精神を、代表取締役社長の前田隆也氏に伺った。

大学に入学してすぐに自転車競技のクラブに所属し、ひたすら自転車に乗っていました。土日が主な練習日でしたが、平日であっても部室に行けば誰かが居て、一緒に自転車で走りに行くことがほとんど。大学時代は勉強を含め、他のことはあまりしていなかったと思います。

■ヒューリックに入った経緯

大学三年生の時に、都市工学を専門にしました。とは言いつつも、この分野は専門領域が幅広く、加えて当時はバブルの最中であったため、大学卒業後は、金融や信託、コンサルティングファームなど、様々な業種に就職する傾向がありました。その中でも私は広告代理店を志望し、大手広告代理店の面接を受けましたが、惜しくも縁がありませんでした。しかし、リゾート開発や都市開発を多く手がける大成建設という会社がもう一枠人員を募集していたため、私は大成建設に入社することを決めたのです。
大成建設は、主にゼネコンに分類される企業で、デベロッパーが企画したプロジェクトを実行していく役割の会社でした。しかし年月を重ねるにつれ、手伝いではなく、デベロッパーとして自らの手で開発事業を企画したいと思い、その中でも、当時から都心の好立地の物件の建替に注力していこうとするヒューリックに魅力を感じ、2007年に転職することとなりました。

■大規模ではなく中規模の物件を

ヒューリックは、1957年に富士銀行(現みずほ銀行)の店舗管理を目的とした「日本橋興業株式会社」として創業しました。当時、保有物件の多くは好立地にありながら銀行店舗として利用されており、不動産の観点では、立地の優位性が十分に生かされているとはいえない状況にありました。当社はこうした物件に着目し、建替を進めることで、収益力を高めてきました。これらの物件は主に中規模ビルと呼ばれ、ワンフロア約1,000坪の大型ビルに対し、250〜300坪程の面積です。我々が中規模に目を向けたのは、大規模ビルの入居テナントは大企業に限られてしまうのに対し、中規模ビルは中堅・中小企業でも入居できるという背景にあります。日本では中堅・中小企業が企業数の大半を占めており、中規模ビルはテナントの裾野が広いことから、入れ替わりが生じた場合でも次のテナントが格段に決まりやすいという特性があります。これにより、ヒューリックの保有物件の空室率は僅か0.4%と、マーケット平均を上回る高い稼働率を実現しています。
また、ヒューリックは少数精鋭の組織です。人口減少が進む日本社会においては、少人数でいかに効率良く価値を生み出すかが重要だと考えています。そのため、事業エリアを東京23区に絞り、規模が大きく人手を要する分譲マンションには取り組まないなど、「やらないこと」を明確にしています。社会の変化をいち早く察知し、狙いを明確にした事業経営こそが我々の強みであり、ヒューリックが飛躍を遂げたきっかけなのだと思います。

■不動産事業を核として多様な価値創造を行う

2024年からは、海外事業にも取り組み始めました。当初は自己資本が小さく海外事業が抱えるリスクを負うことができないという判断で非注力分野としていましたが、継続的な利益成長で自己資本が厚くなったことに加え、国内の人口減少トレンドを踏まえ会社として成長し続けるために海外に目を向けることにしました。現在はアメリカ、シンガポール、インド、ベトナムに展開しており、収益の過半はアメリカによるものです。アメリカは日本と打って変わって、移民などにより人口が増えている国です。アメリカでは高齢者住宅に投資しています。介護士不足が深刻な日本とは対照的に、アメリカでは比較的安定した人材確保が可能である点に着目しました。
また、環境・インフラ事業にも取り組んでいます。自社で太陽光をはじめとする再生可能エネルギー由来の発電設備を開発・保有しており、ヒューリックグループで使用する電力の全てを再生可能エネルギーによって賄っています。また、ホテルや高級温泉旅館の開発・運営など観光事業にも取り組んでいます。さらに成長分野でM&Aを積極的に活用して多様な成長事業の取り込みながら事業領域の拡大に取り組んでいます。概して、ヒューリックは社会の変化を捉えながら、必要とされる事業を展開し、高い成長性と安全性を両立しているのです。

■どのような学生を求めるか

不動産を核としながら、様々なことに興味を持ち、多様な事業にチャレンジしたいと考える学生とヒューリックは相性が良いと思います。企業を取り巻く環境は常に変化しており、それに応じてヒューリックの取り組む事業も変化していきます。しかし、新しいことに挑戦し、成長し続けたいという企業姿勢はこれからも変わりません。そのため、一つのことにとらわれず、幅広い物事に関心を持って行動できる学生こそ、ヒューリックが求める人材だと考えています。また我々は、やりきる力を非常に大切にしています。関係者と意見が衝突したときも、反対されたからと簡単に諦めるのではなく、どうすれば双方にとって良い着地点を見出せるかを考え続け、粘り強く再挑戦できる人を私たちは求めています。

■学生へのメッセージ

お話したように、私は大学時代、自転車競技ばかりしていました。ですが、その中で、学部学科の違う仲間たちと自転車競技含め、色々なことをしたおかげで、背景の違う様々な考え方を知り、関心を持つことができたと思います。ですので、学生のうちは、様々なことに興味を持ち、挑戦して欲しいと思います。

学生新聞オンライン2026年2月20日取材 早稲田大学2年 中澤京平

早稲田大学2年 中澤京平/上智大学 4 年 今泉雄成/国際基督教大学 3 年 若生真衣

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