俳優 円井わん
“地縛”をほどき、みんなで作品を作りあげていく

俳優 円井わん (まるい・わん)
■プロフィール
円井わん(まるい・わん)1998年1月3日、大阪府出身。2016年から俳優活動をスター
ト。映画『KONTORA-コントラ』、『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』では主演を務める。
ドラマではNHK連続テレビ小説『虎に翼』、『ばけばけ』、TBS日曜劇場『GIFT』など話題作に出演。
2026年7月3日(金)よりテレ東系にて放送開始のドラマ24『ストレンジ -伊藤潤二の夜も眠れぬ奇妙な話-』の第3話『地縛者』(7月17日(金)放送予定)で、主人公・浅野結衣役を務める円井わんさん。今回、円井さんに伊藤潤二作品への思いや役作り、自身が抱えてきた“地縛”のような経験、学生へのメッセージを伺った。
本作品のオファーをいただいたときは、どうしようかなという気持ちが大きかったです。原作者の伊藤潤二先生の世界観を壊したくないという思いもあり、仮にオファーを受けた場合は、大変な作品になるだろうなと感じていたからです。『地縛者』をはじめ、他の作品もそうですが、ホラーでありながらファンタジー要素も強く、完成形が想像できなかったこともあり、かなり悩みました。
一方で「伊藤先生の作品に出演したい」と思っている俳優が多い中で、良い機会をいただいたという嬉しい気持ちもありました。最終的には、「頑張らせていただきます」という思いで、引き受けました。
伊藤先生の作品は、誰もが抱いたことのある感情や感覚を、漫画の中で独自の切り口で表現しているところがとても斬新だと感じています。そのため、作品そのものを一つのアートとして捉え、魅力を感じている方も多い印象があります。
もちろん、独特な絵のテイストも大きな魅力の一つですが、日常の中で誰もが感じる思いや違和感を巧みに具現化している点が、作品の大きな特徴だと思います。日本のドラマではあまり見られない表現や世界観が数多く詰まっているからこそ、それを実際に演じることはとても面白そうだと感じました。
■主人公・浅野結衣を演じるうえで意識したこと
最初に脚本を読んだときは、後味の悪い作品だと思いました。原作漫画も読んでいたので、どうやって撮るのだろうと想像がつかなかったのです。しかし、実際に現場に入ってみると、なるほどと納得しました。道端に地縛者がたくさんいるというシーンも撮りましたが、思ったよりも街の景色に溶け込んでいて、驚きました。役作りをするうえで大切だったのは、“ありえないけれど、ありえるように考える”ということです。山田監督とも意見交換を行ったことで、よりお芝居をしやすい環境になったと思います。
浅野は少し暗さを持ちながらも、自分の芯を持っています。私も、“我の強さ”があるタイプなので、そのあたりは救われました。
また、演じるうえで「声」を意識しました。私は普段、自然体の声で演じることが多いのですが、浅野を演じるときは少し高めに設定しました。彼女はハキハキ話す子ではないように感じたので、高めの声でゆっくり話すことを意識しました。
■ドラマ24『ストレンジ -伊藤潤二の夜も眠れぬ奇妙な話-』の見どころ
誰にでも、トラウマや愛着のあるもの、場所、人は少なからずあると思います。『地縛者』は展開がとても印象的で、「そう来たか」と思わされるような予想外の展開を楽しんでいただける作品だと思います。先の読めない面白さがあり、とても魅力的な作品になっているのではないでしょうか。
また、本作はオムニバス形式のため、それぞれで雰囲気が違うところにも注目しながら、ぜひ全編を通して見てほしいです。


第3話『地縛者』(7月17日(金)放送予定) 場面写真 ©「ストレンジ -伊藤潤二の夜も眠れぬ奇妙な話-」製作委員会
■学生時代の過ごし方
高校時代は楽しい毎日を過ごしていましたが、人生の中で一番つらかったのは中学生の頃でした。まるで地獄のような日々でした。オカルトの話ではありませんが、周囲の声がすべて聞こえるような感覚があり、全部が悪口に聞こえてしまい、苦しかったです。
その頃の経験から、「いつか役者として見返そう」という思いを抱き、24歳まで生きてきました。しかし、自分の芝居が評価されたり、出演した作品がヒットしたりしたとき、嬉しい気持ちの一方で、見返すという感情への違和感が生まれるようになりました。あの頃は、その思いだけでいたけれど、「誰かを見返すために頑張らなくてもいいのだ」と思えたその瞬間、自分の“地縛”が解けたような感覚がありました。
高校時代は、ヒップホップに取りつかれていました。朝から晩まで踊り、ダンスイベントやライブイベントがあれば、ヒップホップをしている人たちが集う場所へ見に行っていましたね。また、バンド活動もしていて、ドラムを担当していました。
■仕事をするうえで意識していること
仕事をするうえで意識していることは、フラットであることです。「みんなフラットで、みんなフェアであること」。誰が上、誰が下ということは絶対にないと思っています。
私は芸能生活10年目になりますが、活動を始めた頃は、立場や権限の強い人に対して誰も意見を言えず、従うしかないような現場もありました。そのような状況の中で、「誰のためのモノづくりなのだろう」と疑問を感じたこともあります。
現在は、ハラスメント防止の講習やリスペクトトレーニングなどが広がり、業界全体の意識も変わってきています。しかし、制度やルールだけではなく、一人ひとりが相手への敬意を持ちながら作品づくりに向き合うことが何より大切だと思っています。お互いを尊重し合える環境だからこそ、より良い作品が生まれるのではないでしょうか。
■大学生へのメッセージ
今しかない時間を、ぜひ思いきり楽しんでほしいと思います。楽しいことだけでなく、苦しいことや悩んだ経験も含めて、そのすべてが自分自身の財産になります。だからこそ、どんな経験も大切にしながら過ごしてほしいです。
また、今周りにいる人たちとのつながりも大事です。大学時代に出会った人と、社会に出てから思いがけない場所で再会したり、仕事や人生の中で再びつながったりすることは少なくありません。
今一緒に過ごしている仲間や支えてくれている人たちとの時間は、かけがえのないものです。ぜひ、そのつながりを大切にしながら、充実した学生生活を送ってください。
学生新聞オンライン2026年6月4日取材 東京薬科大学4年 庄司春菜
ドラマ24 「ストレンジ -伊藤潤二の夜も眠れぬ奇妙な話-」

【放送日時】
2026年 7月3日(金)スタート 毎週金曜 深夜24時12分~24時52分 放送
【放送局】テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビせとうち、テレビ北海道、TVQ 九州放送
【BSテレ東】
2026年7月12日(日)スタート 毎週日曜 深夜24時00分~24時40分 放送
【配信】
各話放送終了後から、動画配信サービス「Lemino」「U-NEXT」にて第一話から最新話まで
見放題配信
▶Lemino:https://lemino.docomo.ne.jp/
▶U-NEXT:https://t.unext.jp/r/tv-tokyo_pr
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▶テレ東HP(ネットもテレ東):https://video.tv-tokyo.co.jp/
▶Lemino:https://lemino.docomo.ne.jp/catchup/2-1-113-7
【原作】
伊藤潤二『伊藤潤二傑作集』『魔の断片』(朝日新聞出版刊)
【脚本】
保坂大輔、稲本達郎
【監督】
山田篤宏、下津優太、近藤亮太
【主題歌】
IVE「JIGSAW」
【チーフプロデューサー】
北川俊樹(テレビ東京)
【プロデューサー】
野部真悠(テレビ東京)古賀奏一郎(SS工房)鈴木健太郎(ROBOT)平田樹彦(ダブル・フィールド)
【制作】
テレビ東京 SS工房
【製作著作】
「ストレンジ -伊藤潤二の夜も眠れぬ奇妙な話-」製作委員会
【公式HP】
https://www.tv-tokyo.co.jp/junjiito_strange/
【公式X】
@tx_strange
【公式Instagram】
@tx_strange
【公式TikTok】
@tx_junjiito_strange
【ハッシュタグ】
ストレンジ #伊藤潤二 #奇妙な話

東京薬科大学4年 庄司春菜


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