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Archive for 運営スタッフ

学生新聞インターン

株式会社リアルゲイト 代表取締役 岩本裕

古い不動産に新しい価値を 株式会社リアルゲイト 代表取締役 岩本 裕(いわもと ゆたか) ■プロフィール 一級建築士、東京都市大学(旧武蔵工業大学)工学部建築学科卒業後、大手ゼネコンで、現場監督とアメフト選手として活動、その後デベロッパーにて土地の仕入れから企画販売を一貫して経験。2009年8月、「the SOHO」の運営を機に当社設立。代表取締役就任、2021年7月サイバーエージェントグループに参画、現在に至る。趣味はバスフィッシングと筋トレ(ベンチプレスは150㎏) 小さなシェアオフィスから始まった、遊休不動産の再生事業を行う株式会社リアルゲイト。ゼネコンやデベロッパーなどの経験を経てスタートした岩本裕代表に、ご自身が起業して上場するまでに至った経緯と仕事への思いを伺いました。 高校生の頃から大学は建築の道へ進もうと考えていました。当時は理系の勉強が好きで、同時に画家である母の影響を受けて絵を描くことも好きでした。次第に「理系分野が好きで、絵を描くことも好きならば、将来は建築が合っているのではないか」と思うようになります。さらに、せっかく大学に行くなら大学らしいスポーツがしたいと思い、小さい頃よく見ていたプロレスや格闘技を思い出して、体を張って競技するアメフトをやりたいと思うようになりました。そこで、建築学科があり、なおかつアメフトができる大学はどこかと考え、東京都市大学(旧武蔵工業大学)に進みました。ただ、大学時代はスポーツに夢中になってしまって、ほとんど勉強しませんでした(笑)。その影響もあり、建築学科で一番人気がなかった材料系の分野に進みました ■ビジネスマンとして負けたくない 当時はアメフトやラグビーのチームを作っているゼネコンがいくつかあり、その中の1つである大手ゼネコンに就職しました。建設現場の現場監督をしていましたが、土日出勤は当たり前でした。朝8時から職人さんたちをまとめてラジオ体操をし、夜の5時からは製図などを行います。水曜の夜や、週末にアメフトの練習もしていたので、本当に過酷な日々でした。でも、現場において、鉄筋や型枠、内装工など様々な職種の職人さんをまとめて1つのものを作っていく経験は本当に役に立ちました。当時は、仕事とアメフトを両立できていたので、「自分は仕事ができる人間だ」と勘違いしていました。入社から3,4年経って、アメフトの有名な選手が入ってくると、試合の出番も次第に無くなっていきました。仕事だけになると、できる方でもなかったので、「もう一度社会人として、ビジネスマンとして負けないようにレベルアップしよう」と思って転職を決意しました。 ■自分で作った物を売りたい 転職活動をしたのは、余っていた有給期間を消化していたときです。並行して宅建士や一級建築士の資格も取り、大手マンションデベロッパーに就職しました。資格を取ったからといって、図面を書けるわけでも、実務ができるわけでもないですが、資格を取ったことでなんとなく自信が持てるようになりました。転職先では施主としての工事監理もやりましたが、評価されやすいのは営業部門です。自分自身も評価される仕事がしたいと思っていたので、入社2年目に自ら志願して営業部門に移りました。すると、これまで技術的な部分の仕事をしていたこともあって、人よりも説明が明確にでき、営業で結果を出すことができたのです。人よりも圧倒的に売れて評価されることが面白くて、夢中になって営業をしていました。しかし、だんだんと仕事がつまらなくなっていってしまったのです。一級建築士の資格を持った上で、技術面や営業面もある程度理解できるようになってきたことで、いつしか「自分で土地を仕入れて、販売したい」と思うようになりました。そこで2度目の転職をすることになります。 ■迫り来る世界恐慌とリアルゲイトの創設 次の転職先は少し規模が小さい会社だったので、自分のやりたいことをやりやすい環境でした。自分の描いた通り自分で土地を仕入れて、それを販売して、利益を得る、正に自分が主体となってできる会社でした。しかし、2008年のリーマンショックによって、当時勤めていた会社が民事再生の対象になってしまいました。その時に再転職も考えましたが、独立するチャンスだと思い、リアルゲイトを創設しました。最初の事業はスモールシェアオフィスビジネスでした。いまから約15年前で、不動産の法人登記も1円からできるようになっていました。そのこともあってマンション内で法人登記をしたいという人が急増し、分譲マンションでは法的に法人登記ができないので、気軽に法人登記ができる小さなシェアオフィスを作ればニーズがあると思い、起業にいたりました。今では「古いものに価値を 不動産にクリエイティブを 働き方に自由を」という理念のもとに、古い不動産を収益性の高い不動産に再生する事業を展開しています。 ■ワンチームで作り上げる楽しさ リアルゲイトの強みは、不動産再生の企画から設計・建設、その後の運営までを一気通貫で行う点が挙げられます。これは各分野の専門家が1つのチームとなって、ほぼ社内完結で再生事業ができるからこそのものだと思っています。さらに、作りたいものをお互いに提案しあって、一つのものを作り上げることは、本当に楽しい作業だと思います。新卒で入社した社員もチームの一員として自分なりの意見をぶつけて、主体性を持って取り組んでいける環境になっているのではないでしょうか。 ■大学生へのメッセージ 将来の仕事に対して、「安定していて、自分に向いている仕事をしたい」と思う人も多いかもしれません。でも、恐らく自分に向いている仕事はないと思います。「向いている仕事はないかな」と探すことは、「どこかにお金が落ちてないかな」と探すことと同じで、なかなか見つかりません。ただ、どこかの企業に就職して、自分にできることが増えていくと、自分の向き・不向きがわかってきます。なので、とにかくチャレンジをして、トライしてから考えて、また実行するということが大切だと感じます。その繰り返しで本当の実力をつけることが、世の中でいう「安定」につながるのではないでしょうか。 学生新聞オンライン2023年9月20日取材 立教大学4年 須藤覚斗

学生新聞映画大賞

第1回 学生新聞映画大賞

TOP CONNECT 株式会社(東京都中央区/代表取締役 内田雅章、以下 TOP CONNECT)は、若者の映画館離れやコロナ禍の映画館利用率の低下をうけ、映画興行の復興を目的に「第1回 学生新聞映画大賞」表彰式を2023年10月17日(火)、セルリアンタワー東急ホテルB2ボールルーム(「学生新聞・小学生新聞発刊パーティ第2部内」にて開催いたしました。 <第1回 学生新聞映画大賞とは> 2023年1月1日~6月30日までに、東京地区において有料で初公開された60分以上の劇場用劇映画かつ、同一劇場で2週間以上連続して上映された邦画作品を対象に、大学生総勢200名が投票を実施。10作品の中から上位3作品の中で、男優賞(2枠)、女優賞(2枠)、若手俳優賞(25歳以下の男女各1名)、監督賞、脚本賞、主題歌賞の計6つの賞を設け、表彰。賞品総額は300万円(各受賞作品毎100万円)。 <ノミネート作品> ■怪物■東京リベンジャーズ2血のハロウィン編-運命-/-決戦-■劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』■わたしの幸せな結婚■岸辺露伴ルーヴルへ行く■レジェンド&バタフライ■なのに、千輝くんが甘すぎる■湯道■ネメシス黄金螺旋の謎■水は海に向かって流れる ©2023「怪物」製作委員会 / ©和久井健/講談社 ©2023 フジテレビジョン ワーナー・ブラザース映画 講談社 / ©2023劇場版「TOKYO MER」製作委員会 / ©2023 映画『わたしの幸せな結婚』製作委員会 / © 2023「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」製作委員会 © LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社 / © 2023「THE LEGEND & BUTTERFLY」製作委員会 / ©2023「なのに、千輝くんが甘すぎる。」製作委員会 ©亜南くじら/講談社 / ©2023 映画「湯道」製作委員会 / ©2023映画「ネメシス」製作委員会 / ©2023映画「水は海に向かって流れる」製作委員会 <ご協賛企業様> ※順不同 アース製薬 /ピップ / タマノイ酢 / ニューバランス / アデランス / アンファー / 杉本食肉産業 / マルハン...

大野詩織

ワーナー ブラザース ジャパン合同会社 社長兼日本代表 高橋 雅美

新しい価値で日本を世界のクリエイティブセンターに ワーナー ブラザース ジャパン 合同会社 社長兼日本代表ワーナーブラザース・ディスカバリー・ジャパン カントリーマネージャー高橋 雅美(たかはし まさみ) ■プロフィール 広告会社、コカ・コーラを経て、2000年よりエンタテインメントビジネスに従事。ディズニー時代は『アナと雪の女王』『ベイマックス』等のディズニーアニメーションビジネスの再構築をリード。2015年ワーナーブラザースジャパンに参加。2016年社長兼日本代表に就任。360度ビジネスを標榜し、ハリー・ポッタースタジオツアーやゲーム等、エクスペリエンスビジネスを含む『ハリー・ポッター/魔法ワールド』フランチャイズビジネスの構築及び邦画、アニメ等ローカルコンテンツ制作の強化、世界に向けての発信等に取り組んでいる。1959年東京生まれ。 数多くのヒット作を手掛けるワーナー ブラザース ジャパン合同会社(以下、ワーナー)。近年は、日本発の映像作品を世界に出していきたいという思いから邦画の製作にも力を入れている。また今年オープンしたハリー・ポッター スタジオツアー東京等フランチャイズビジネスの構築を進めている。様々なキャリアを経験されてきた高橋社長 兼 日本代表に、多くの人に映画を楽しんでもらうための工夫やこれからの展望について伺った。 大学では海外に興味があったことから国際政治を学びました。ポリティックスから精神分析学が好きになり、自分で本を読んで勉強もしました。また、時間がたくさんあったことや、好きなようにしなさいという親の考えもあったので、いろいろなアルバイトや雑誌を読む、好きな映画・音楽鑑賞、スポーツ観戦などをしていました。これらは、結果的に将来に役立っていると思います。 ■映画会社で働けるとは思っていなかった 大学卒業後は、好きなアートの世界で活躍したいと思っていました。海外が好きだったこともあり、外資系の広告会社に入社しました。仕事内容がとても面白く、13年の間に海外のマーケティングや広告的目線を意識したものづくり、英語など必要なことをすべて教えてもらったと思います。ずっと広告会社で働くつもりだったのですが、30代後半に日本コカ・コーラに誘われ、クリエイティブディレクターとして広告制作の責任者になり、CM撮影や新商品の広告制作を行いました。アメリカにCM撮影に行った時に、隣のスタジオではものすごい規模の映画を撮っていました。見学をさせてもらった時に「すごいな、自分もこういうところで働けたらいいな」と思ったのを覚えています。ただ、映画はずっと好きでしたが、映画会社で働けるとは正直思っていませんでした。その次に、今でいうeスポーツがやりたくてEAというFIFAサッカーなどのスポーツゲームを製作している会社に入りました。時期尚早という感じで思ったほど普及はしませんでしたが、個人的にはとても良い経験になりました。その後、ディズニーで11年働き、映画やホームエンターテインメントなど色々な仕事を学びました。そして映画製作をしたいと思いワーナーに入り、今年で8年になります。撮影時などにスタジオに行くと自分の好きなことをやらせてもらっている幸運を感じます。映画の製作に関わる大きな決定をいくつもする立場なので、素晴らしい映画を多くのお客様に良い形でお届けできるよう全体で考えた経営を心掛けています。 ■映画のメッセージでお客様を包み込む 今一番大きなビジネスなのは、ビックスクリーン&デジタルと言う、映画館とSVODと呼ばれる配信サービスです。そして、他社との違いは邦画と洋画の両方を取り扱っている点や、テレビドラマやアニメもしている点です。そのほかにも、商品やカフェなどのタッチポイントを増やすことで、映画のメッセージで多角的に消費者を包み込みフランチャイズを構築する360度ビジネスを展開しています。ハリー・ポッターのスタジオツアーや赤坂のハリー・ポッターカフェやショップなどの街づくりがその一例です。昔は洋画が7割ほどだったのですが、今では弊社で取り扱う作品は邦画が半分以上になっています。これは邦画を観る方が増えたことを受けて、ポートフォリオのバランスを考える必要があると思ったことと、日本の作品を世界に出していきたいということが理由として挙げられます。映画を製作する際は、いろいろな観点から考えています。過去にどのような作品がヒットしたのか、世の中がどのように動いているのかなどを参考にしつつ、エンターテインメントならではのユニークさも必要です。ヒットする作品を作るのは、総合的な視点は欠かせないなと思います。ワーナーの素晴らしいところは、会社全体に「良い映画を作りたい」というDNAがあることと、ピンチをチャンスに変えることです。会社として何がしたいかがはっきりしていて、うまくいかないかもしれないけどみんなで頑張ってみようという共通認識があります。ワーナーの100年の歴史を見ていくと、ヒット作に恵まれないなど厳しい時代は何度かありましたが、『マトリックス』など今までとは違う映画を製作するなど、新しいことに挑戦して、そのたびに道を切り開いてきたように思います。 ■ユニークな視点が必要 弊社で働く方には、ユニークな人に来てほしいと思います。優秀な方には、人と同じことが人よりもできる人と、人とは違うことができる人の両方がいると思います。しかし、今までと同じことはせず、新しい価値を作っていく必要があるので、事務能力の高さというよりは、新たな企画や戦略、ビジネスモデルの考案など新しい価値を作ってくれる人が必要です。外資系の会社で働いてきたこともあり、やはりユニークな視点が必要ですね。私の目指している新しい価値は、日本を世界のクリエイティブセンターにすることです。アメリカの素晴らしい映画を日本で紹介するというコアのビジネスを大きくするのはもちろん、事業を発展させるにはコアのビジネスと新しいことの組み合わせが大切だと思っているので、新しいビジネスにもいろいろと取り組んでいけたらと思っています。コアのビジネスに関しては、私どもはバラエティの会社と呼んでいます。一つのジャンルだけを追求するのではなく、これからもいろいろなジャンルに挑戦していきたいですね。 ■学生へのメッセージ 好きなことにチャレンジされる方が力を出せると思うので、ご自身の好きなことをやってほしいと思っています。今からご自分が情熱を傾けられるもの、得意だなと思うことを探してほしいと思います。それは必ずしも大学生のうちに見つかるとは限りません。20代でも30代でもいいと思います。パッションを持てることを見つけられたら、それに一生懸命に取り組んでみてください。 学生新聞オンライン2023年9月4日取材 上智大学短期大学部2年 大野詩織

コラム

テリー伊藤 コラムVol.13  英国紹介の古い本見つけました

押入れを探っていたら25年前の本が出てきた。『英国の一流品The BRITISH BEST』(読売新聞社1998年発行)。綺麗な写真構成のカタログ本になっている。英国王室御用達ブランドから始まりWEDGWOOD、ROYAL DOULTONなどイギリスが世界に誇る陶磁器類や、花柄でお馴染みのLAURA ASHULEYのカーテンやソファー、超高級車ロールスロイスの革張りシートで知られているCONNOLLY社のバッグなどの逸品が頁を埋めている。ファッション界ではVIVIENNE WESTWOODやKATHARINE HAMNETT。全く古く感じないデザインのPAUL SMITH、Burberrysも紹介されている。自動車界ではロールスロイスからミニまで網羅されているのだ。もちろんイギリス人が最も好むアフタヌーンティーの、格調高い紅茶の数々も。押入れ掃除の途中にも関わらず時間を忘れて古本に釘付けになってしまった。 私が一番驚いたのは25年前の商品だというのに全く色褪せて感じないことだ。普通古い日本のファッションカタログ誌を見た場合、なんとなく時代遅れの感じがするが、それが全くない。それどころか伝統を今に継承しているスタイルにホッとした気分と憧れ感が沸いてくるのだ!これって凄すぎる。日本もイギリスと同じくらい伝統はあるのに。私は流行りの物も大好きだが、この本を読んでいて「伝統を次の世代に伝える意識」が羨ましくなった。 何故なんだろう。日本でイギリス的ライフスタイルができないのは、残念ながら生活環境が違い過ぎるからなのでは。例えば洋服やカフェひとつにしても、ユニクロやスターバックスは大人気でどこのお店も混雑しているが、ジェームスロックの帽子を傍らに置いて優雅に花柄のカップ&ソーサ―で紅茶を飲んでいる人を昼時全く見かけない。私が大好きだった日比谷にあったスコーンが美味しく、紅茶ポットが冷めないようにキルト製ティーポットウォーマーをかぶせてくれた、街の素敵なティールームも無くなってしまった。寂しい。 こんな時代だからこそ伝統を感じる英国スタイルが必要なのでは。価値観を変えるトップファッションも人類の進歩には必要な事だけど、温故知新のことわざを省みることで実は新たなビジネスチャンスが眠っているのでは! 私、人間の感性は意外と進んでいないのではと最近思う。世界中で大人気の新型ミニも初代ミニのスタイルを限りなく継承している。実は統計学的にも世界の80パーセント以上の高額購買者は保守的という数字が出ているんです。イギリス人は古臭い、保守的などと揶揄されますが、もしかしたら世界で一番人間の本質を掴んでいるのかも。そんなことを押入れの前で考えていました!それにしてもポールスミスの細身の黒のタキシード欲しいな~!着ていく所ないけど! テリー伊藤(演出家) 1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ」LALALA USAでコラム連載中https://lalalausa.com/archives/category/column/terry

学生新聞インターン

全国信用協同組合連合会 理事長 北村信

信用組合の要として全国の地域と人々をサポート 全国信用協同組合連合会 理事長 北村信(きたむらまこと) ■プロフィール 1984年3月 早稲田大学政治経済学部卒業、同年4月 大蔵省(現財務省)入省。2019年7月 関東財務局長、2021年7月 全国信用金庫協会 専務理事を経て、2023年6月 全国信用協同組合連合会 理事長に就任。 全国に145ある信用組合の系統中央機関として、日本の金融の一翼を担う全国信用協同組合連合会。その理事長である北村信氏は、金融・財政・震災復興など様々な行政分野に携わり、関東財務局長などを務められた経験がある。信用組合が社会で果たしている役割や信用組合がなくてはいけない理由、そして、信用組合の今後について北村氏に話を伺った。 ■今に繋がるきっかけは行政学 大学時代は、政治や経済などを学びたいと考え、法律を学んでいました。より見聞を広めたいと思い、学内で行われていた著名な方の講演会にも積極的に参加していましたね。様々な勉強を続ける中で、特に関心を抱いたのは、政治学や経済学、社会学的な面を持ち合わせている行政学でした。大学3年生の時には行政学のゼミを取って、より深く学ぶようになったため、その頃から行政を職業の一つとして考えるようになったのだと思います。同じ年に公務員試験に合格したことから、官庁訪問をして、全ての役所を自分の目で見ることができました。その中でとりわけ惹かれたのは大蔵省(現財務省)と警察庁でしたね。一時は警察庁に行くことを決めていましたが、大蔵省の方から強い誘いがあったことで大蔵省への入省を決めました。2020年に財務省を退官してからは、農林中金総合研究所や全国信用金庫協会で働いていました。偶然ですが、どちらも「協同組織金融機関」と呼ばれる金融組織だったんです(笑)。 ■信用組合のサポートを通じて、地域を支える 現在、私が理事長を務める全国信用協同組合連合会(以下略 :全信組連)や我々全信組連がサポートする信用組合も協同組織金融機関の一つです。銀行と同じように預金や融資などの役割を担っていますが、最大の違いは組合員(お客さま)の利益を第一に考えているということ。一般的な銀行は株主の投資で成り立つ株式会社であり、営利を目的としていますが、信用組合は組合員をサポートすることが一番の目的です。そして組合員のサポートを通じて地域社会に貢献するという役割を持っています。私は、最も地域密着な金融機関は信用組合だと考えています。地域に密着しないと、信用組合としての役割を果たすことができないからです。信用組合は全国に145ありますが、それぞれの営業地域や、対象となる組合員はすべて異なります。例えば一定の地域の中で事業者や生活者を組合員とする“地域信用組合”のほか、警視庁や警察庁などの職員たちを組合員として一つの信用組合をつくっている警視庁信用組合のような“職域信用組合”など、様々な金融機関があります。このため、各信用組合が組合員に望まれるサービスはそれぞれ異なるものです。全ての信用組合の違いを認識し、それに相応しいサポートを考えることが、我々にとって最も重要な役割だと考えています。営業地域が限られた個別の信用組合だけで組合員へのサポートを考える際に、知見が足りないことも稀ではありません。そこで様々な情報を集めている系統中央機関である全信組連が、他信用組合の事例を紹介したり、あるいは全信組連の職員が信用組合に出向したりと、人的な支援も行っているのです。 ■社会の変化と共に変わる 財務省在籍時に、信用金庫や信用組合の監督を務める財務局の局長を2回経験したことは、地域金融機関の役割や課題をよく知る良い機会だったと思っています。現在、理事長という立場に就いたからにはこれからその経験を存分に生かしていきたいと考えています。地域社会にとってコロナは非常に大きなショックであり、地域の中小事業者の方たちにとっても売り上げが激しく落ち込むなど大きな変化を経験しました。そんな中、地域や職域などのコミュニティが求めるものに的確に応えられる信用組合は、なくてはならないものです。コロナだけでなく、少子高齢化やSDGsなど様々な変化がこの社会に訪れており、その中で信用組合に求められるものは何か、それをサポートする我々の役割はどうあるべきかを全国の信用組合と共に考え、取り組んでいきたいと考えています。学生からの認知度はあまり高くはないですが、全信組連では新卒採用も行っています。私たちは145の信用組合が何を一体求めていて、彼らの抱える課題は何かということを認識し、必要なサポートを提供しなければなりません。そして個別の信用組合とのコミュニケーションも重要です。だからこそ、一緒に働く方は、コミュニケーション能力と知的好奇心、そして金融機関としての業務に対する興味や理解がある方が望ましいですね。 ■大学生へのメッセージ    私が大学生の時には会社での出世を仕事における目標とする人がほとんどでしたが、皆さんの世代には自分が果たすべき役割を探し求めながら、社会貢献を目指している人が多い気がします。そんな皆さんの活躍に期待するとともに、是非国外にも目を向けていただきたいと思っています。昔に比べて我々を取り巻く環境は、ますますグローバル化してきています。そんな変革期にこそ、変化のスピードが一段と早い外国の事情にも精通していなければなりません。世界には日本と違う成り立ちの国々があり、多様な人たちによってこの社会が成り立っているのだと認識しなければならないのです。コロナウイルスの影響で国内に目が行きがちですが、できるだけ広い視野を持ち、グローバルな社会の中で自分たちは生きているという意識を若い皆さんに持っていただきたいです。我々の世代では出来なかったことでも、今の若者は達成できます。大谷翔平選手のように、アメリカで大活躍するスポーツ選手もいるのです。今までとは違い、様々な分野で活躍できる世界が広がってきている証拠です。ぜひ皆さんも果敢に挑戦を続けてください。 学生新聞オンライン2023年8月22日取材 国際基督教大学1年 若生真衣

大野詩織

デロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社 代表取締役社長 斎藤 祐馬

グローバルなプロジェクトを通して新たな会社を生み出す デロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社 代表取締役社長 斎藤 祐馬 (さいとう ゆうま) ■プロフィール慶応義塾大学卒業。2006年、公認会計士試験に合格し、監査法人トーマツ(現・有限責任監査法人トーマツ)入社。2010年よりトーマツ ベンチャーサポート株式会社(現 デロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社)の事業立ち上げに参画。2019年デロイト トーマツ ベンチャーサポート 代表取締役社長に就任。公認会計士。 国内最大級の規模でベンチャー企業への支援を行っているデロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社。会計士としての知識と数多くの経営者との会話やグローバルな視点で、ベンチャー企業の成長支援と日本経済の発展に取り組んでいる。早い段階で進路決定を行い、事業の立ち上げも行った斎藤祐馬社長に、新たな取り組みや今後の展望などを伺った。 中学生の時に父が脱サラして事業を始めたことや、高校1年生の時に公認会計士について書かれた本を読んだことなどがきっかけで、将来は経営者の支援をしようと決めていました。そこで、まずは公認会計士を目指すため、当時会計士の輩出が多かった慶応義塾大学経済学部に入学しました。将来の進路を決めたのは早かったかなと思います。大学在学中は公認会計士試験合格に向けて勉強に専念し、在学中に試験にチャレンジしましたが合格できませんでした。卒業後に3回目の試験を受けたものの受からず、3回分の奨学金を使い果たす一方で、コンサルティングファームで内定をもらったため、一度はこの会社に入社しようと思っていました。すると、母親が「もう一年頑張りなさい」と貯めたお金を差し出してくれました。それをきっかけに、コンサルティングファームの入社はとりやめ、アルバイトをしつつ平日1日15~16時間猛勉強をして、やっと公認会計士試験に合格することができました。試験には全く自信がなく合格発表も見に行かなかったほどでしたが、合格者にだけかかってくる監査法人からオファーの電話を夕方に受け、その場で泣き崩れたことを今でもよく覚えています。この2年間は大変でしたが、自分にとってよりやりたいことがクリアになりましたね。監査法人トーマツ(現・有限責任監査法人トーマツ)に入社後は、仕事が終わった夜や土日に業務外で多くの経営者と会いニーズを聞いてはできることをするという形でベンチャー支援を始めました。その後、4年の準備期間を経て、社内新規事業として社内で休眠していたトーマツ ベンチャー サポート株式会社(現・デロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社、以下DTVS)の再立ち上げに参画し、自分がやりたかったことを社内の新規事業として形にしていきました。2006年当時はベンチャー企業が一番苦しい時期だった一方、経営者のビジョンを聞き、支援を行うことが面白かったです。この時期に生まれた会社は今も活躍している会社が多いですね。 ■新しい会社を生み出していく 日本では時価総額トップ10、トップ100の企業の顔ぶれは30年以上変わっていないのですが、アメリカや中国を見てみると、30年前にはなかった会社が現在上位を占めています。今までにない会社が誕生し成長していくことが原動力となり、社会全体が成長しています。そのため、2030年までに日本の時価相場トップ10,トップ100の会社を塗り替えていくような、新しい会社を生み出す手伝いがしたいと思っています。当社は、現在、ベンチャー支援の会社の中では日本一の規模を誇っていますが、2030年までに1000人規模の会社となりアジアNo.1のイノベーションファームになることを目指しています。会社の業務としては、ベンチャーの成長支援、大企業の新規事業コンサルティング、政府のイノベーション政策実行を3つの柱としています。スタートアップ支援に関しては、資金調達支援や大企業との提携、PR、採用、システム開発など、様々な支援を行っています。大企業に向けたコンサルでは、大企業のベンチャー投資を行うCVCの立ち上げ支援などを通じて、ベンチャー投資や大企業の資本力やアセットとベンチャー企業の新技術や斬新なアイデアでオープンイノベーションを行うなど新規事業開発支援に取り組んでいます。以前は、大企業にベンチャーと関わる役割の部署がなく、ベンチャーへの投資や協業に関する相談をもちかけても相手にしてもらえない状況でした。そうした現状を変えるために、毎週木曜日の朝7時、大企業に向けてベンチャー企業がピッチを行うイベントを10年ほど続けています。オーディエンスがたった10名からスタートしたイベントも今では400名にまで成長しました。行政に関しては、ベンチャー支援の政策提言を行ったり、政策実行の受託を行ったりすることによって、挑戦できる環境作りを行っています。今年の2月に東京都が主催したアジア最大級の国内スタートアップが出展するイノベーションカンファレンスの実行サポートもさせてもらい、世界中から2万6千人ものの企業家や投資家に参加いただくなど成果を上げています。 ■起業家を輩出する企業に 当社の仕事を通して起業家の方と会う中で、自分で事業を立ち上げ成長させていくためのネットワークやグローバルで仕事をできる力、コンサルティング力を身に付けることができます。そして、3~5年経つと自分で起業しようというマインドになる人も多く、実際に当社の卒業生の中には起業家やベンチャー企業のCXOクラスで活躍する人も多いです。こうやって、ベンチャー業界で活躍する元DTVSメンバーがいると、様々な面で補完しあいながら仕事がすすみますし、実は採用力も上がっています。「起業家を輩出する企業」として、循環させていく方が上手くいくと、この何年かで感じています。新卒はポテンシャル採用のため、自分でこんなことがやりたい、という強い想いを持っている人を採用しています。また、行政などと一緒に仕事をすることも多いため、社会を良くしたいなどと、社会に気持ちが向いている人の方がフィットしているかなと思います。そして逆算して自分で考える行動力があることも大切ですね。 ■若手の社長を輩出する ベンチャー企業などの伸びている会社は大変なこともありますが、明るい雰囲気があります。そのため、スタートアップ企業を伸ばすために規制改革などいろいろな意味の支援をしていきたいですし、起業家教育の推進を行って起業家を目指す人を増やしていきたいです。短期では、大企業のやる気のある30代中心の若手の方々に対して社内ベンチャーを行う支援を行い、大企業の子会社の30代社長を300人輩出することに取り組んでいます。その結果生まれた30代社長は100人にのぼります。大企業の中に意思決定のできる若い人がいると、事業の展開のスピードが速いので、さらに成長も早くなります。 ■メッセージ こんなことがやりたい、などのビジョンや自身の存在意義が早く決まれば決まるほど、それが羅針盤となって、実現の可能性が高まると思います。また、自分だけでは解決できないことがあっても励まし合える仲間がいると心が折れずに取り組めるので、会うとポジティブになれる仲間も大切です。この2つを学生のうちに身に付けておくといいですね。 学生新聞オンライン2023年9月6日取材 上智大学短期大学部2年 大野詩織 Information ~ UPDATE EARTH コンペティションについて ~  UPDATE EARTH コンペティション対象者は全国民!破天荒解なビジネスアイデアや事業計画を募集。 デロイト トーマツ グループは、日本国内の起業家予備群や起業家、スタートアップなどを対象に、ビジネスアイデアや事業計画を表彰する「UPDATE EARTHコンペティション」を開催します。応募受付は、2023年10月16日(月)から12月15日(金)までとし、2024年3月2日(土)に表彰式の開催を予定しています。 詳細はWEBサイトをご覧ください。https://update-earth.com/ UPDATE EARTH とは?本プロジェクトは、日本全国の児童・学生(小・中・高・高専・大)から社会人までを対象に起業家育成講座を行い、起業に向けた裾野を広げるとともに、さまざまなイノベーションアワードやビジネスコンテストなどと連携し、ビジネスアイデアを全国から多数集め、支援対象となる起業家の発掘を行います。発掘活動から選抜されたスタートアップや起業家(予備軍も含む、以下「起業家」)のビジネスプランの事業化、海外展開を視野に入れた事業拡大を支援します。これまで、起業家の育成、発掘、成長支援はさまざまな機関や組織が個別に行っていました。本プロジェクトはこれらを全国規模、一気通貫で行うことを目的にした挑戦的な取り組みです。日本から世界を席巻する企業を生み出し、より良い社会に変革していくことを目指し、プロジェクトを「UPDATE EARTH」と命名しています。

イベント・企業紹介

FRAGRANCE DAY 2023

フレグランス業界全体をより一層盛り上げていくため、株式会社フィッツコーポレーションが主催した「FRAGRANCE DAY 2023」。イベント内では、フレグランスアドバイザーのMAHOさんが、レディース・ユニセックス・メンズの三部門において、ユーザー投票で選出されたトップ3のフレグランスを発表、表彰した。また、自身がプロデュースするフレグランスブランド「プア ナナラ」を立ち上げ、フレグランス業界に貢献した人に贈られる『FRAGRANCE Person of the Year』を受賞した池田美優さん、自身初となるフレグランスブランド「bgm」の誕生を発表したEXILE TAKAHIROさんも登壇し、商品の魅力や香りへのこだわりについて語った。 ■主催挨拶 株式会社フィッツコーポレーション 取締役 新野 裕信さん 弊社の企業理念である「豊かさが香るものづくり」をもとに、1人でも多くの人に豊かな香りのある生活を届けたいという思いで、このイベントの開催を決定しました。コロナ禍で外出が制限される中、日常での香りに興味を持つ方が増えてフレグランスに注目が集まりました。今、フレグランスの可能性と価値を改めて感じています。「香り」に関わる全ての関係者の方と手を取り合って、日本をより豊かな香りのある世界にすることを目指して、今後もフレグランス業界を盛り上げていきたいと思っています。 ■FRAGRANCE Person of the Year 受賞 池田 美優さん 私は、香りに対するこだわりがとても強いんです。そんな細かなこだわりを追求して生まれた「プア ナナラ」が、ブランドの立ち上げから2年ほど経った今、このような賞を受賞できて嬉しいです。 「プア ナナラ」のコンセプトは「ナチュラル&エフォートネス」。飾らない自然体な「私っぽさ」を表現したくて、みなさんが日常的に使える香りを目指しました。50個以上の試作品を通して、性別も年代も問わず使える親しみと、私らしい個性を両立させたものができたと思っています。最近では、フレグランスとは別の新しい香りのシャンプーとトリートメントを発売しています。香水シリーズから作ったヘアケア商品で香りもしっかりとするので、ハイブランドみたいだと好評です。ぜひ手に取ってみてください。 「プア ナナラ」の第一弾は、海をイメージしたナチュラルな甘さの「サニーモア二」と、ジャスミンのようなフローラルな香りの「モーニングピカケ」でした。その後、少し大人っぽくて落ち着いた香りの「メティルアナ」を新商品として含め、現在は三種類を販売しています。私にとって香水はもはや身体の一部。いつもバックに「ミニ ナナラ」と呼んでいる小さい容量の香水を入れて、仕事前に気合を入れるときに使っていますね。また、部屋やファッション、その日の気分によって香りを使い分けたりもします。甘めのスカートを履いたときにはサニーモアニ、大人っぽい服を着た時はメティルアナ、みたいに…。欲張らないナチュラルさがある「プア ナナラ」の香りを楽しんでもらえると嬉しいです。 ■新ブランド「bgm」発表 EXILE TAKAHIROさん 小学生の頃から母親の香水を勝手につけていたほど、昔から香りを身近に感じていたので、ようやく自分に「どタイプ」な香りを作ることができて、とても嬉しいです。長い時間をかけて香りを制作しているうちに、自分の香りの好みについて再認識できた点も新鮮でしたね。 「bgm」というブランド名には、自分が音楽活動をしていることもあり、BGMのように日々のライフスタイルにそっと寄り添いたいという思いを込めました。音楽も香りも当時の情景を思い出すきっかけになる点が似ていると思います。だから、香水のボトルにある波形のデザインも、音楽をイメージしたものにしました。それぞれの商品によって、異なる楽曲の波形を用いているところも小さなこだわりです。 今回は、しっとりとした優しい香りの「041(SEA)」、太陽をイメージした清潔感のある「003(SUN)」、ほんのり甘めで女性におすすめの「087(ハワイ語でオハナ)」の三種類を作りました。僕は、TPOに合わせて使い分けたり、041をベースとして、003や087を重ね付けしたりするなど、自分なりに香りを楽しんでいます。フレグランスは、日々の思い出を少し贅沢にしてくれるものだと思います。みなさんの心を少しでも明るくし、寄り添いたいと思うので、ぜひ、12月8日の発売を楽しみにしていてください。 ■FRAGRANCE DAY 2023に出席した感想 (立命館大学2年 大澤硝希) 目に見えるものに対して意識を向けてしまいがちな私にとって、目に見えない「香り」の良さを売りにする香水をテーマとしたイベントはとても新鮮でした!香水のモチーフになっているお花などが飾られており、視覚からも楽しめるようにしていたので香水についての知識が全くない私でも楽しめました。「プア ナナラ」の調香をする際、トレンドの香りを入れてしまうことに疑問を感じたお話など、香りに限らず、制作過程から池田美優さんらしさの詰まった製品なのだなと感じました。また、TAKAHIROさんが新製品「bgm」を重ね付けしているとおっしゃっていたので、ぜひ自分も真似してみたいです! 学生新聞オンライン2023年11月7日取材(執筆・構成) 上智大学2年 吉川みなみ

伊東美優

株式会社ホリプロ 代表取締役社長 菅井敦

「文化をプロモートする」基礎はマネジメント力にあり。 株式会社ホリプロ 代表取締役社長 菅井敦(すがいあつし) ■プロフィール 生年月日  1961年12月7日学  歴  1984年3月  明治大学 商学部 卒業職  歴  1984年4月  株式会社ホリプロダクション(現・株式会社ホリプロ) 入社1995年4月  プロダクション本部 プロダクション一部 課長2000年6月  マネージメント事業部 プロダクション一部 部長2003年4月  メディア事業部執行役員2010年6月  取締役 映像事業部執行役員2013年6月  取締役 マネージメント第一事業部執行役員2016年6月  常務取締役 マネージメント第一事業部執行役員 就任2022年6月  代表取締役社長 就任 これまで数多くの人気タレントを輩出してきた大手芸能プロダクション、ホリプロ。名実ともに、日本のエンターテインメント業界を牽引する企業の一つだ。そして本日お話を伺ったのは、大学卒業後に新卒でホリプロへ入社し、昨年6月に晴れて社長就任となった菅井氏。今回は菅井氏のこれまでのキャリア、そしてホリプロの強みや魅力について詳しく語っていただいた。 大学時代は、どこにでもいるごく普通の学生でしたね。キャンパス近くで一人暮らしをしていて、学校にはほぼ毎日行っていましたが、仲間を見つけては授業をサボって麻雀に行ったりして。それでも要領良く立ち振る舞って成績は悪くありませんでした。実は、私が大学1年生の時に松田聖子がデビューしたんですね。私が通っていた明治大学は大半の学部の1、2年生が和泉キャンパスで過ごすのですが、なんと私が1年生の年の和泉祭に、松田聖子がステージ出演していたんです。当時は一般的な大学生らしくアイドルが好きだったので、とても印象に残っています。また、私が大学生だった当時は、バブルが膨らむ前でわりと景気が良かったんですね。大学生に人気な業界は商社や金融などで、私も周りと同じようにそれらの業界を受けていました。結果、山一證券という会社に内定をいただいたんです。しかしある日、学校の掲示板を通りかかると、採用情報の書かれた1枚のビラが目に止まったんです。なんだか私を呼んでいるような、そんな気がしました。それが、何を隠そうホリプロの募集要項だったんです(笑)。青春の記念にでも受けてみようかと、選考を受けてみたところ、なんとトントン拍子で最終面接まで進んでしまって。その時、仮に自分がホリプロを選んだ場合の未来を想像してみたんです。「想像もできない人生になるんじゃないか」と、一気にワクワクが止まらなくなりました。このことがきっかけで、山一證券はお断りして、新卒でホリプロへ入社することを決めました。 ■1年目は「できない社員」だった 入社してすぐ、若い女性タレントのマネージャーを担当することになりました。とはいえ、新卒の学生がすぐに1人のタレントをマネジメントできないため、先輩の担当マネージャーの下で勉強しながら、サブマネージャーという立ち位置で仕事をしていました。そんなマネージャー業ですが、当時はかなり苦戦したんです。担当していたのは、芸能界に入ったばかりの10代半ばの女の子。しかし芸能界では花が咲かないまま、彼女は3年後に事務所を去ることになりました。マネージャーとしても、コミュニケーションが全然上手く取れず、結局お互い最後まで心を開いて対話をすることができませんでした。私自身、当時はかなり落ち込みましたね。しかし当社の創業者であり、私が入社した当時の代表だった堀さんが、そんな時声をかけてくれて。「タレントが売れないからって暗くなるな。お前のせいな訳ない。そんなにお前は偉いのか」という言葉でした。この言葉を聞いたとき、スッと気持ちが楽になったんですね。それと同時に、仕事に対してより前向きになれたんです。その日からマネージャー業の捉え方や、仕事へのマインドセットが変わっていき、任せてもらえる仕事の幅も次第に広がっていきました。転機となったのは、数ある事業部の中でプロダクション1部という主に俳優をマネジメントする部署の部長を務めたこと。ホリプロという会社は、元々音楽事業に強い芸能プロダクションだったのですが、私が責任者になってから、ドラマや映画に力を入れるようになり、いまではホリプロといえば、ドラマ・映画の主演俳優たちがたくさんいるプロダクションへと成長しました。昨年代表取締役社長への就任が決まったのは、この点が評価されたのかなと思います。 ■芸能界だからと言って、特別なことはない 当社は「文化をプロモートする人間産業」という企業理念を掲げる中、数多くのタレントを輩出し、映像・音楽・舞台など様々なコンテンツを生み出してきました。生み出す力を最大化できるのは、当社がマネジメント力を基礎としているからだと思います。創業以来、蓄積してきたノウハウを、新しく入社してくれた社員はもちろん、所属する全タレントへも浸透させています。また多くの芸能プロダクションが存在する中で、当社の魅力は組織のクリーンさにあると考えています。学生さんはともかくその親御さんの中には、昨今のニュースなどを通じて、芸能界にマイナスイメージを持っている方もいると思います。しかし、当社はこれまで一度も信頼を削ぐような問題は起こしていません。これは創業者の堀威夫が語ってきた「社会人としてあるべき姿」が、長く受け継がれているからに他なりません。道に反したことは、芸能界だからといって許されることではありません。今後も多くの方から信頼されるホワイトな会社であり続けたいですね。 ■マネジメント力はすべての基礎 精神的にも肉体的にもタフであることは、当社で活躍するために第一に必要です。私たちの仕事は、タレントをマネジメントすることが基礎となるため、ここに辛さを感じてしまう人は向かないかもしれません。マネージャーとして求められるのは、客観的かつ長期的にタレントの才能を見いだし、伸ばしていくことです。タレントの才能は千差万別でマネージャーの仕事にはマニュアルがなく、向き合い方はタレントによって変わってきます。こういった点を面白がって仕事する学生さんに、ぜひ私達の仲間になってほしいですね。 ■大学生へのメッセージ 最近は転職サービスのCMなどを目にすることも増えましたが、現代社会はどこか「リセットボタンを押して何度もやり直せる」と思っている人が多いように感じます。ですが、最初は上手くいかないことがたくさんあって当たり前なんですよね。私も新卒で当社に入社したときは、1番できない社員だったのでよくわかります(笑)。だからこそ、学生の皆さんにはリセットボタンを押したくなった一歩手前で、「もう少し頑張ってみよう」と踏みとどまってほしいです。継続が新たな可能性を生み出すことも大いにありますよ。 学生新聞オンライン2023年10月5日取材 慶應義塾大学4年 伊東美優

学生新聞インターン

特定非営利活動法人 ITコーディネータ協会 会長 野村真実

DXで需要が高まるITコーディネータ。現場視点でIT経営支援 特定非営利活動法人 ITコーディネータ協会 会長 野村真実(のむらまさみ) ■プロフィール年齢61歳(2023年10月現在)鹿児島県出身。鹿児島大学理学部卒業。日本ユニシス㈱にて17年、金融機関向けSE、PM業務に従事後、社内ベンチャー第1号案件で3年間新サービスを企画・実行。独立後15年、中小企業の現場で経営と情報化を支援。2022年6月より現職。 近年のDXブームに伴い、注目度が高まっているITコーディネータ。DXを推進したい中小企業や自治体では、現場視点でその役割を担う人材確保は切実な課題となっている。そのような役割を持つ専門家として、20年前からITコーディネータプロセスに先見の明を見出していた野村会長に、協会の取り組みや今後の展望についてお話いただいた。 学生時代は、大学前にできたリンガーハット鹿児島1号店でのバイトや塾講師、バンド活動など、様々な経験をしましたね。特に刺激的だった経験は、大学内で設立されたIT会社のメンバーとして携わった鹿児島県庁の仕事です。私はオペレーターとして、県庁のサーバールームでプログラムを実行する役割を担いました。まだ個人向けのパソコンが世に出始めた時代に、学生として最先端技術に触れる経験はとても面白かったですね。その後、日本ユニシス株式会社に就職して、金融機関向けシステムの主管部に入り、SEやプロジェクトマネジメントを担いました。仕事を通じて、「金融機関は地域の中小企業に対してIT化支援もすべきではないか、その際はITコーディネータプロセスを活用すべきだろう」という仮説を抱き、社内ベンチャーを立上げ、その後独立しました。中小企業支援現場での経験を活かし、ITコーディネータ向けツールの開発や人材育成の仕事を担い、2022年6月より当協会会長に就任しました。 ■“IT経営におけるプロフェッショナル”の育成組織 ITコーディネータとは経済産業省が推進する資格で、2001年の制度創設以降、資格取得者は右肩上がりで増加し、現在では7千人を超えています。ITコーディネータの仕事は主にIT戦略作成とRFP(Request For Proposal)を使った調達です。まず、経営者へのヒアリングや業務フローの可視化を行い、どのようなIT化が必要か整理をします。そして、システム会社の見積もりと提案をもらい、経営者と共に比較検討して最適なIT導入を支援します。つまり、ITコーディネータとは「現場視点で中立的に動き、情報を整理して、あるべき姿を一緒に考えるIT経営のプロフェッショナル」なのです。2001年に特定非営利活動法人として設立された当協会では、「ITコーディネータによる中小企業支援」を大きな柱とした様々な取り組みを行っています。まず、ITコーディネータの育成及び資格の認定です。世に役立つITコーディネータを育成するために、どのような試験や研修がよいか喧々諤々な議論を行い、研修や試験などのコンテンツ作成をしています。次に、ビジネスマッチングです。現場経験を積みたいITコーディネータと経営支援をしてほしい事業者を繋ぐための公募やIT経営カンファレンスを開催しています。そして、継続学習のサポートです。時代の変化に応じて、IT知識をアップデートする研修や交流会を開催しています。 現在の採用については、中途採用のみで、人材が足りない分野ごとにメンバーを集めています。ゆくゆくは新卒採用も行う予定ですが、未だ協会自体に新卒の育成ステップがありません。どこを目指し、どのように育成していくのか、ステップを描くことは非常に大事です。今は、過渡期の段階ですね。 ■DXの波、鍵は“成長のループ” 全ての資格はあくまで入口ですが、こうした継続学習やビジネスマッチングの仕組み自体が必要不可欠になりつつあります。特に近年は、金融機関の資格者がぐっと増え、一段と増加傾向にあります。背景には金融庁の「リレーションシップバンキング」指向が強まり、金融機関における地域企業に対する継続的な支援の必要性が高まったためです。地方銀行では、全行員がITパスポートを取り、そのうち中小企業支援を行う方はITコーディネータも取得する流れが起きています。例えば、茨城の地方銀行様は、ITコーディネータ400名を目指す計画を立てています。また、自治体のIT支援も増えています。河野デジタル大臣が行政DXを掲げているように、自治体のIT化は急務と言えるでしょう。協会としては、自治体向けのDX人材を育てる研修を始め、未経験者でも自治体支援ができるようなスキームを作成しています。こうした金融機関や自治体DXの流れに伴い、ITコーディネータは今後ますます価値が高まるでしょう。組織の展望としては「成長のループ」を構築していきたいと考えています。「自治体はこうで、中小企業はこうすればよい」というように、ぐるぐると同じループを回し続けることでスパイラルアップしていく仕組みです。参考にしたい例が、アマゾンのジェフ・ベゾスが創業前に描いた「ダブルループ」です。この絵を見た時に、組織が成長するためには良いループを持つことが重要だと気づかされました。ITコーディネータ全員にこの価値観を広め、中小企業を支援する際は「成長のループ」をイメージしながら指導にあたってほしいと考えています。ITコーディネータといえど、全てのIT技術を知る必要はありません。ノーコードやセキュリティーなど各自の得意分野を育て、興味を追求し、共に成長し続ける組織を築いていきたいですね。 ■大学生へのメッセージ 一番大事なことは興味を持つことです。大人たちは多くの知識が必要と言いますが、それは理想論であって、本当に組織で求められる人材とは、仕事に興味を持ち、さらに深掘りして研究できる人だと思います。また、学生時代のうちに「工夫の意識」を身に着けてほしいですね。ボランティアやアルバイト、部活など何でも構いません。従来のやり方に固執せず、何か工夫できることはないか考えてみてください。「興味と工夫」は、組織で活躍するカギになると思います。 学生新聞オンライン2023年9月27日取材 専修大学4年 竹村結

前田蓮峰

映画「TOKYO, I LOVE YOU」2023年11月10日公開

「東京–TOKYO-」を舞台に3つのSTORYで構成された2023年11月10日公開の映画「TOKYO, I LOVE YOU」の出演者のみなさま、中島央監督にインタビューをさせていただいた。 ■リヒト役 山下幸輝 主人公のリヒトは思ったことや感情を素直に伝えられる人間です。僕自身は物事を伝える時に壁を作って気を遣ってしまうタイプなので、演じるにあたり普段の自分と真逆だからこそ新鮮で楽しかったです。いつか主役を演じてみたい!という役者の目標の一つが叶って、嬉しさがこみあげてきた半面で不安もありましたが、いろんな人の作品を見たりしてたくさん研究しました。この映画は男7人の熱い友情の物語がベースです。「誰かのために頑張る」という話なので、様々な感情を表現した作品になっていると思います。普段は感情を隠してしまいがちですが、演じることで自分の感情を発散できたり、いろんな方と会話し演技で向かいあうことで、人との繋がりを深く感じることができます。これからさらに演じる機会が増えると嬉しいですね。この作品を見ることでみなさんの日々の活力になってくれたら嬉しいです。 ■ノア役 坂井翔 出演が決まった時は自分なんかでいいのかなという気持ちと同時に嬉しさがありました。ノア自身は自分の世界を持っていて、周りの人たちがワイワイしている時でも一歩引いてみんなを見ているようなキャラクターです。自分自身も1人でいる時間が好きなので、浮きすぎないようみんなの中に溶け込めるように役作りに励みました。この映画は6人が1人のためにどこまで頑張り切れるのか?といった友情がメインの作品になっています。年を重ねて環境が変わっていくにつれて、仲が良くても会えなくなることもあるし、親友のためにどこまで頑張れるのかが見どころですね。僕はやりたいことがあったわけではなく、たまたまきっかけがあって芸能界に入りました。俳優を始めてみたら楽しくて、今に至っています。学生のみなさんもやりたいことが見つからなくても焦ることはないし、恥じることもないです。何か見つけられたのなら、胸張って続けて楽しめれば自分の武器になると思います。 ■ユージン役 下前祐貴 中島監督に直々に会って話し合いをして、ユージン役をオファーしていただきました。この役を演じてみたいと思っていたので、とても嬉しかったです。ユージンはグループの中でリーダー的な存在です。7人の中で最年長ということもあり、自分自身リーダー気質な部分があるので、みんなを引っ張っていこうという気持ちで臨みました。ユージン、レイ、ダンの3人の場面でユージンが2人を引っ張っていくシーンは3人で納得するまで何度も撮り直したので注目して欲しいです。この作品は恋愛、家族愛、友情愛の「3つの愛」がテーマです。好きなもの・目標・大切なものは実は一番近くにあると思います。そんな自分の大切なものを見つめ直すきっかけになる映画です。俳優業を始めて6年目ですが、最初は有名になりたいという単純な動機でした。しかしそんな浅い意識では周りに置いていかれてしまう。困難なことを達成した時にその仕事の本当の意義について知ることができると思います。きっかけは些細なことでかまいません。皆さんも素直に自分がしたいと思ったことに挑戦してみてください。 ■シモン役 松村龍之介 今回初めて末期の患者役を演じる機会をいただいたのですが、自分が経験したことない役だからこそいつも以上に研究し丁寧に演じようと、撮影に臨みました。シモンは主人公リヒトの親友であり、重い病気を患っていても仲間を思いやる非常に優しい慈愛の心を持つ人物です。この映画の魅力は親友が一つの目標を胸に突き進んでいく姿です。万人が共感しやすく、何か夢中になれるものについて思い出させてくれる作品になっています。俳優とは色々な人生を体験できる職業だと思っています。今回シモンという新たな人生を体験させていただき本当に嬉しく思います。今後、共演した方はじめ現場でご一緒した方、作品を通じて自分を知ってくれた方に笑顔になってもらえるように頑張りたいと思います。学生という期間は人生の中でものすごく短いけど一生物の思い出を培える時間です。やりたいことを原動力にしてチャレンジして楽しい学生生活を送ってほしいですね。その経験が将来の財産になるはずです。 ■ハル役 羽谷勝太 オーディションの際、監督に「完全にハルだね」と言っていただき、今回の出演が決まりました。主要キャストとしての出演は初めてだったので、非常に嬉しかったです。ハルは家庭環境でつらい経験をしています。だからこそいつもみんなを笑わせるようなムードメーカー的な存在です。友人が重病を患い、暗い雰囲気の中なんとか仲間たちを励ますハル。細部の絶妙なリアクションまで拘りました。本作は恋愛、家族愛、友情愛、この「3つの愛」がテーマです。大切なものは一番近くにあると思い出させてくれるこの作品を通して、見てくれた人を笑顔にすることができたら嬉しいです。学生のみなさんには今自分がしていることを最大限に楽しんで欲しいです。楽しんでいるからこそ見えてくるものがあり、道が切り開けると僕は思います。楽しくなければ時には一歩引いてもいい。一歩下がる勇気と楽しめる勇気があれば、社会に出たときに生きてくると思います。 ■レイ役 島津見  レイはお調子者ではあるのですが、優しい目でみんなを見守り、周りの人を輝かせるための努力ができる人です。僕は普段はしゃぐような人間じゃないからこそギャップがあったのですが、稽古を重ねていく中でメンバーの中のレイの立ち位置が学んでいきました。正直王道のストーリーですが、なんとなく忘れてしまいそうな実はみんなが持っている熱い感情を思い出させてくれる作品になっています。映画の中でレイが歌うシーンがあるのですが、歌が好きだということもあり、レイ役のお話をいただきました。好きなことは捨てたものではないなと感じましたね。歌で仕事をいただけたので、趣味の延長線上でも音楽を続けていきたいです。またいつかヤクザ役など自分のロジックとは全く違う人間性を演じて、追体験をしてみたいです。大学卒業後、就職するという一般的な流れにとらわれてしまいがちですが、学生の時間は自分で自分の幸せの尺度を見つける時間だと思います。自分が何をしている時が一番幸せなのかを見つけて、人生を歩んでほしいです。 ■ダン役 西村成忠 今回の作品は友人との絆がテーマです。友情が大事と誰でも思っていますが、なぜかけてはいけないのかを言葉にしようとすると難しいです。再発見なのか再確認なのか発見なのか人それぞれですが、心の中でどれだけ友情がしめているのかがわかる作品となっています。ダンはグループの中ではっちゃけているわけではないですが、仲間思いで、相手とコミュニケーションをしっかりとり、関係性を大事にできるキャラクターです。今まで感情を大きく表現する役の経験が少なかったので、みんなにアイデアをもらったりしながら引き出しを探していく作業はとても楽しく、役作りを通して知らない自分を発見することができました。役者は新しいことにチャレンジできることが魅力です。知らない人になることができます。自分の体を通して表現したことで、見てくれた人の心が動いてくれると嬉しいです。どんなチャレンジでも冒険でも取り返しがつかないということはありません。チャレンジは素敵なことなので、みんなには一歩を踏み出してほしいです。 ■ミカ役 田中美里 脚本を見せていただいた際、他の作品にはない不思議な世界観が素晴らしいと思い、出演したいと思ったところ、出演が決まりとても嬉しかったです。最近では珍しいリハーサルがしっかりとあったので、いつも以上にみんなの意見を共有し合うことができました。どの作品でもそうですが、私はいつも自分と作中のキャラは全くの別物と考えています。今回私が演じたミカは重要なこともすべて速いテンポで話します。監督に「さらさらと早く言って欲しい」とオーダーをいただいたのですが、かなり重要な台詞も速いテンポで話すので、難しかったですね。また見てくれる人に印象づけることを意識しました。この映画は多種多様な個性を持つ演者たちが集まった作品となっているので、今までの映画にはない魅力がたくさん詰まっています。若者7人が各々葛藤を抱え、それ乗り越えていく物語です。学生のみなさんは特にいろんな葛藤があると思います。7人の誰かと自分を重ね合わせてみると解決のきっかけが見つかるかもしれません。 ■監督 中島央 今回、この映画を作ったきっかけは全世界の人が純粋に面白い!と思えるエンターテイメントに溢れた映画を作りたいと思ったからです。日本のお客様はもちろんですが、海外のお客様に向けても、日本の映画がもっと評価されるような、徹底的に娯楽性を追求したエンタメ作品を作りたいという強い意志を持って、制作に至りました。ですので、私の中に生まれたキーワードは、“王道“、“直接的“、“万人が共感できる“の3つでした。よって、比喩的な歪曲表現を避け、全世界の人に等しく刺さる人間の根源的な感情を映画内で表すことを意識しました。それが、今作品のテーマである恋愛、親子愛、友情の「3つの愛」です。これらは、国を問わず、誰しもが感じる本能的な欲求・感情だと私は考えています。この3つのテーマを現実ではあり得ないけど、ギリギリ信じられるような「ハイパーリアル」な描写で追求した映画になっているので是非、劇場で見て頂きたいです。私はいつも、大人になったら何かにならなければいけないと思っていました。しかし、実際は何になる必要などなく、今作品のテーマである、<一番大切なものは実は一番近くにある>、一番大事なものは今のあなたがすでに持っているものなのです。ぜひ、皆さんには自分の個性を今一度見つめ直してこれから、大きく伸ばしていって欲しいです。 映画「TOKYO,I LOVE YOU」11月10日(金)ロードショー 舞台挨拶(東京)※チケットはローソンチケットにて発売https://l-tike.com/cinema/mevent/?mid=703984 【第一回】●場所:新宿ピカデリー●日時:11 月 11 日(土) 18:40 の回 上映後舞台挨拶●登壇者:山下幸輝(リモート出演)、島津見、下前祐貴、西村成忠、坂井翔、中島央監督※登壇者は予告なく変更となる可能性がございます 【第二回】●場所: 池袋 HUMAX シネマズ●日時:11 月 19 日(日) 16:00 の回 上映後舞台挨拶●登壇者:山下幸輝、小山璃奈、草野航大※登壇者は予告なく変更となる可能性がございます 【第三回】●場所:新宿ピカデリー●日時:11 月 19 日(日) 17:50 の回 上映後舞台挨拶●登壇者:山下幸輝、小山璃奈、草野航大※登壇者は予告なく変更となる可能性がございます 舞台挨拶(群馬)※チケットは11/4(土)0:00~劇場HPにて発売 https://www.smt-cinema.com/site/isesaki/index.html ●場所:MOVIX伊勢崎●日時:11 月 12 日(日) 13:00の回 上映後舞台挨拶●登壇者:加藤ナナ※登壇者は予告なく変更となる可能性がございます ・映画「TOKYO,I LOVE YOU」公式ホームページ https://tokyo-iloveyou.com/ ・映画「TOKYO,I LOVE YOU」公式X(旧Twitter)  https://mobile.twitter.com/TOKYO_ILOVEYOU ・映画「TOKYO,I...

コラム

テリー伊藤 コラムVol.12  タータンチェックで公園に行こう

NHKラジオの園芸番組で面白い話をしていた。ゲストの女性園芸家が30年前に英国式庭園の勉強にイギリス留学をした時の話だった。日本ではその当時DCブランドの黒い服が大流行していて、彼女も得意気に全身真っ黒なファションで毎日庭園に行っていたらしい。ある日、顔見知りになった高齢の女性から声を掛けられた。「庭園に咲く草花と同じような明るい色の洋服を着てみたらどうですか?きっと花達はお友達と思って話かけてきますよ。」と言われ、改めて周りを見渡すと英国人はピンク色、水色、オレンジ色、淡いラベンダー色の服を着ていたそうだ。以来、明るい色の洋服に着替え、花と身近になったことを楽しく話していた。 確かに自然界に「黒い花」は余り見かけない。四季を通しても、梅、桜、コスモス、紫陽花、チューリップ、ひまわり、南の島に咲くハイビスカス等私の好きな花は皆色鮮やか。黒色の花が思いつかない。なので、花達は黒服に馴染みが無いかも。花好きのイギリス人らしいエピソードだが納得してしまう。 全身黒ずくめのファッションは今も大流行している。都会を歩いても、地方都市を訪れても、公園を散歩してもビックリするほど沢山の黒ファッションの方を見る。確かに黒でトータルすると失敗も少ないし着回しも出来る。着こなしをさほど気にしなくて済むし他人からオシャレに思われる。そんな理由からいつの時代も黒色が流行の中心にいるのも分かる。特に若い頃は黒で決めて見たくなるものだ。私も30代はお金も無いのに無理してヨージ・ヤマモトやコム・デ・ギャルソンの黒い洋服を着ていた。 とは言っても、最近見かける親が子供に黒を着せるのはどうなの。キャンパスに絵を描く絵具やクレヨンには、沢山の色を使ったり、馴染んだり、混ぜたりして「色の変化の面白さ」や「色彩と出会う大切さ」がある。色を知る事がどんなに楽しい事か。これって洋服にも言えるのでは。 私からのお勧めは、取り敢えず楽しい色を着倒すこと。同色系で合わせる必要も考える必要は無い。クリスマスシーズンもやって来る。色多彩なタータンチェック柄は絶対にお勧めです!タータンには沢山の種類があり、アウターに良し、パンツやスカートもOK、手持ちの黒服との相性も抜群。私、既に冬に向けて赤タータンチェックのパンツ購入済み。これで朝の散歩路、花達との会話は弾みます!気分が乗ったら一緒にラブソングを歌う事も予想されます。皆さんもどうですか、チャックのマフラーで公園に出掛けてみませんか。素敵な出会いが待っていますよ。 テリー伊藤(演出家) 1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ」LALALA USAでコラム連載中https://lalalausa.com/archives/category/column/terry

学生新聞インターン

株式会社アイデミー 代表取締役 執行役員 社長 石川総彦

先端技術を浸透させ、社会の進捗を加速 株式会社アイデミー  代表取締役 執行役員 社⻑  石川聡彦(いしかわ あきひこ) ■プロフィール東京大学工学部卒。同大学院中退。在学中の専門は環境工学で、水処理分野での機械学習の応用研究に従事した経験を活かし、 DX/GX人材へのリスキリングサービス「Aidemy」やシステムの内製化支援サービス「Modeloy」を開発・提供している。著書に『人工知能プログラミングのための数学がわかる本』(KADOKAWA/2018年)、『投資対効果を最大化するAI導入7つのルール』( KADOKAWA/ 2020年)など。 「先端技術を、経済実装する。」というミッションを掲げる株式会社アイデミー。2023年6月に東京証券取引所グロース市場に新規上場も果たした。そんな同社を学生時代に起業し、上場企業まで成長させた石川社長のストーリーを伺った。 ■教師になるか起業するか 教師になりたくて、東京大学文科三類に入学しました。一方で中高時代の小さなビジネスを回す真似事から得た成功体験や、学生起業家の先輩方のプロダクトに触れるうちに「起業したい」という想いを抱きはじめました。その想いに気づいてからは、東大を拠点に活動するビジネスコンテスト運営団体「KING」に入り、ビジネスの基礎を学びながら、代表としての活動も始めました。そんな中、学生時代に作ったプロダクトで世界を変えている起業家がいることを改めて目の当たりにし、「教師よりも、もっとたくさんの人に影響を与えられる仕事をしたい」と考え、「起業の方に舵を切ろう」と決意したのが大学1、2年の頃でした。起業家の多くが理系出身ということと、起業するならテクノロジーベースの会社と考えていたことから、理転し工学部への進学を決めました。KING卒業後、私自身さまざまなビジネスコンテストに出場し、とあるビジネスコンテストで優勝することができました。今のアイデミーの事業とは異なるアイディアでしたが、評価をいただいたことや、身近な先輩が起業で成功したのを間近に見ていたことから、「自分でもできるはず」と思い、大学3年の6月に今の会社であるアイデミーを起業、さらに、会社経営に集中するために休学も決めました。 ■マーケット選びが成功の鍵 様々なビジネスを行ったものの、なかなか軌道に乗らず復学をしました。就活へ気持ちが傾きながらも「ここで諦めたら勿体ない」と切り替え、再度起業へ挑戦しようと決めたんです。そこで、環境を変えるために、一度会社をリセットしてはじめようと、2017年に、VC(ベンチャーキャピタル)からの出資を受けました。それまで自分でビジネスを考え、自分のやりたいことをやっていたのですが、VCの方と話をするなか、AIをおすすめされたのもあり、AIのマーケットに狙いを定めるようになりました。 復学した当時、大学の研究室で水処理をAIを使って最適化するという研究をしていたこともあり、0からAIを学習することの難しさは身を以て学んでいました。今後AIを事業に活用することの可能性も感じ、オンラインでAIなどの先端領域の知識を学べる教育プラットフォームサービス「Aidemy」を開発しました。社会ニーズにマッチしたサービスだったこともあり、爆発的に利用者が伸びていきました。さらに、他のVCからも出資を受けてビジネスを拡大。結局、大学院に行く時間がとれなくなってしまったため、大学院は中退し、経営に専念しました。 ■人材育成はスタート 現在、多くの企業で、デジタル人材やAI人材が不足しています。その課題解決の手段として提供しているのが、法人向けサービス「Aidemy Business」です。基礎的な知識から実践的な応用技術まで180以上の幅広いコンテンツを取り揃え、それら全てを自社で制作しています。Netflixのようなビジネスモデル、と言うと分かりやすいかもしれません。 ただ、人材育成はあくまでスタートです。私たちの目指す本質的なゴールは、育成された人材がその知識を元に新しい技術を作り、デジタルをもって課題解決をするところにあります。そのため、育成後の人材とアイデミーのコンサルタントが二人三脚でシステムを作る事業展開も行っています。このような伴走支援まで行う会社は日本で唯あまり例がなく、他社との大きな差別化だと思いますね。 ■今後の展望 最新の技術が社会に広まるのに10年かかったところを5年に短縮できたら、その5年分の世界を進歩させているのと同じことだと思うんです。だからこそ、先端技術を経済実装することで、新しい技術の浸透を加速させたいと思っています。今は、環境に配慮したテクノロジー、GX(グリーントランスフォーメーション)に注目しており、攻めのマーケティングを通じて人々の価値観の変化を促し、技術進化を推進していきたいと考えています。 また、上場企業としても更なる成長を目指し、偉大なる先輩起業家たちに追いつき、追い越していくことを目標としています。上場はあくまで、400メートル走が終わって、これから42.195キロのフルマラソンが始まるような感覚です。上場はある種マイルストーンで、ここから先100倍以上長い道のりをぶっちぎって駆け抜けていきたいと思いますね。 ■大学生へのメッセージ 大企業からスタートアップへの転職はもちろん、その逆の雇用も近年では当たり前になってきました。特に大企業に興味がある人は、1年ほど休学して留学感覚でスタートアップに勤めてみてください。様々な環境に身を置くことで、そこで積んだ経験から視野が広がり選択肢が増えていくことに気づくと思います。スポーツ選手が他のスポーツをしていたらプロとして活躍していなかったかもしれないように、数ある選択肢の中から自分に合った環境を見つけほしいと思います。そのためにも、ぜひ学生時代に様々な挑戦や多くの経験を重ねてください。 学生新聞2023年8月1日 慶應義塾大学2年 山本彩央里

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株式会社ノバレーゼ 代表取締役社長 荻野 洋基

「人」を大切にすることで作りあげられる最高の結婚式 株式会社ノバレーゼ 代表取締役社長 荻野 洋基(おぎの ひろき) ■プロフィール青山学院大学経営学部卒業後、2004年に(株)ノバレーゼに新卒2期生として入社。名古屋、宇都宮でのウエディングプランナー経験後、3年目でマネージャーに昇格。2008年よりゼネラルマネージャーとして浜松、名古屋、鎌倉、横浜の各店舗を担当。2016年3月、代表取締役社長に就任。現在に至る。 「Rock your life」という企業理念を掲げ、日本と海外合わせて65店舗にブライダル事業を展開している株式会社ノバレーゼ。代表取締役社長の荻野洋基氏は売り上げ実績よりもノバレーゼらしさを大切にしたいと話す。感動的な結婚式を提供するためにノバレーゼがあるべき姿について伺った。 ■大学で初めて味わった野球とは違う世界 小学生から高校生まで野球三昧の生活を送り、それ以外の世界を見たことがなかった私にとって、大学生活の全てが新鮮だったのを覚えています。大学在学中はアルバイトや趣味に没頭し、刺激的な毎日を過ごしていました。様々な人々と出会い、その仲間たちと共にコミュニケーションを取る。そんな大学生活は充実していて非常に楽しかったのですが、私自身心の中でどこか満足感を得られていない感覚がしていました。野球をやっていた頃に感じられていた達成感や成長しているという実感は得られなかったのです。 ■ノバレーゼの大人たちに惹かれて 大学で満足感を得られなかったことが私を奮い立たせ、もう一度何かに夢中になって目標を達成したいという感情が芽生えさせるようになりました。しかし、様々な会社の説明会に参加してみてみたものの、どうしても自分が将来働いている姿が想像できなかったのです。何よりリクルーターの方や目上の人とお話ししても、この人みたいになりたいと思うことができませんでした。しかし、たまたま友人に誘われて行ったノバレーゼの説明会で、私がそれまで大人に対して抱いていたイメージや概念が一変しました。そこにいたのは、通学中いつも見かける疲れた大人たちではなく、輝いている社長と社員さん達。自分の未来が目の前にいる先輩方の姿だと想像したら胸が高鳴りました。それがノバレーゼに惹かれた大きな理由ですね。 ■前社長から受け継ぐ精神 社長に就任する前は、結婚式場の責任者を長い間やっていましたが、そこでは常に自分がその施設の社長だと思い込むくらいの責任を持ちながら仕事をしていました。また前代表取締役社長の浅田さんに直接電話をして考えを伺うことも多かったです。特に、何か大きな決断をする前にはよく相談しましたね。そのため浅田さんには私の仕事に対する熱意や会社への愛をよく理解して頂いていました。しかしこれは社長と現場の距離が近かったからできたことだったのです。そのため私が社長に就任してからこれまで「スタッフとの近さ」を大事にする精神を引き継ぎながら、彼らが輝ける環境づくりに尽力しています。  ■ノバレーゼの「人」とは 「類は友を呼ぶ」という言葉のように、この会社には同じDNAを持った人たちがいる感覚があります。今まで何かに熱中した経験があったり人を喜ばせる場が好きであったりと、周りに支えられて生きてきて、何か恩返ししたいという想いが強い人たちが集まっているのでしょう。私たちが必要としているのは協調性や自走できる力、考える力を持っている人、そして少しのことで感動できる心を持っている人ですね。またその人に結婚式を担当してもらいたいかをお客様目線で考えて採用するかを決めています。「人」によって会社は良い方向にも悪い方向にも変わってしまいます。ノバレーゼのスタッフが提供した結婚式が最高だったと、ノバレーゼの「人」を褒めていただけるような会社を目指しています。 ■ノバレーゼにしかできないこと 仕事は大変で辛いというイメージを持ちがちですが、実際は幸せでワクワクするものです。ノバレーゼはこの「ワクワク」を大事にしています。例えば「Rockの日」という心が揺さぶられる休暇を年2回設けたり、年間MVPとして最も活躍したスタッフを称えたりして、スタッフがどうやったら楽しく仕事ができるか、何をしたらワクワクするのかを常に考えています。結婚式というのは笑顔で溢れる時間なので、お客様に感動や幸せを届けるためには自分たちが幸せであることが第一なのです。そして、現場のスタッフに常に伝えていることは「お客様の目線に立つ」ということです。私たちはお客様を長い時間拘束して接客するのではなく、会場のご案内から見積もりの説明まで全て2時間以内と決めています。長時間の接客が定着している業界内では非常に珍しいと思いますが、会場の都合で接客時間を決めるのではなく、お客様のご要望を最優先するよう、スタッフに伝えています。また、私たちの結婚式場の多くは1日2組、午前と午後の完全貸切制です。同じ会場で他のお客様と被ることがないので、自宅のように結婚式場を使っていただくことができます。さらにノバレーゼではドレスや引き出物、写真撮影など付帯サービスの大半を内製化しているため最新のサービスを提供することも可能です。弊社でしかできない質の良いサービスを結婚式当日に実際の目で見ていただき、新郎新婦様だけでなく参列者の方にも提供することで、ノバレーゼを多くの人から信頼される会社へと導いています。 ■大学生へのメッセージ これからの日本を引っ張っていく皆さんはダイヤの原石です。批判を恐れず何事にも前向きに頑張って欲しいと思います。何かやりたいことや夢があればそれに向かって全力で取り組んでください。もしまだ何も決まっていない子がいれば、就職活動について一つアドバイスをします。会社を決めるときには給料や福利厚生を重視するのではなく、目の前にいる先輩が自分の未来だと思うとワクワクするかが基準だと思ってください。こんな人になりたいと思える会社で仕事をすると自分の成長につながります。今は世の中が2、3年後どうなるか変わるか予測できない時代ですが、そんな時代だからこそ1番の安定は給料ではなく皆さんの成長です。挑戦、成長し続けることを忘れず、まだまだ沢山の可能性があるこの日本を明るくしていってください。 学生新聞2023年7月31日 国際基督教大学1年 若生真衣

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女優・モデル・インフルエンサー 高梨優佳

「自分」だからこそできること、日々表現し続けていく 女優・モデル・インフルエンサー 高梨 優佳(たかなし ゆか) ■プロフィール2001年7月21日生まれ、福岡県出身。Z世代の女性を中心に支持を集める22歳。総フォロワー150万人超を誇り、TikTokでは多くの演技コンテンツが話題に!! 現在はテレビや雑誌へ活動の幅を広げ、JELLY専属モデルとしても活躍中。10/27公開の映画『ラスト17デー』では初主演を務める。 高校の新聞部を舞台に思春期の葛藤や成長を強く体験する17歳を描く青春映画『ラスト17デー』。今回は女優だけでなく、モデルやインフルエンサーとしても活躍される主演の高輪優佳さんに本映画の魅力や女優としてのやりがいについてお伺いした。 ■引っ込み思案を変えてくれたのは学芸会のオーディション 今でこそ映画に出演したりモデルとして活動していますが、実は小さい頃はとにかく人見知りで、「人前には絶対に出たくない!」と思うほど引っ込み思案でしたね(笑)。そんな中で「人前に出て活躍したい!」と思うようになったのは、小学校5年生のときでした。学芸会の役を決めるオーディションがあったのですが、そこでどうしてもやってみたかった役があったんですよね。その劇はコメディ調のもので、やりたかった役は一番劇中で笑いをさそう役だったんです。以来、突然、「人前で目立ってみたい! 知ってもらいたい!」と感じるようになって、演技や女優に興味が湧くようになりましたね。 ■演技の楽しさを再認識したSNS活動と事務所のレッスン 高校に上がるタイミングで演劇を学んでみたい思いが強くなり、通常の授業でも演技を学べる高校に進学しました。ただその学校は演技の基礎中の基礎しか学ぶことができなくて、お芝居の魅力などは学べなかったのであまり楽しいとは言えませんでした。そんな学生生活の中で力を入れたのが、TikTokやInstagramでの活動です。高校時代にTikTokやInstagramなどのSNSの普及が始まったのですが、まだ周囲の人は誰もやっていなかったので「やってみたら面白そう!」と思い、やってみました。そこから毎日動画などを投稿していたのですが、当時はTikTokが大きな流行ではなかったので、周囲からは「なにしてるんだろう?」という目線は感じていました。ただ、どこかで「お芝居をしたい」という思いがあったので、毎日SNSで自分を発信できたんだと思います。高校を卒業してからモデルの活動を中心にしていた際に、今の事務所での演技のレッスンがスタートしました。そのレッスンに通ううちに「やっぱり演技って楽しい!」と感じるようになって、演技により力が入るようになりましたね。 ■同期に負けないために、キャラを自分に溶け込ませる 今でも演劇の活動を続けられているのは、周囲の仲間たちのおかげだと感じています。自分はとても負けず嫌いなので、同期の人たちがどんどん活躍していくといい刺激になりますし、自分も頑張らなければと思いますね。その人達に負けないためにも演技では、台本には書かれてないキャラクターのストーリーや背景を想像して自分に落とし込んだり、共演者のいいところを観察して取り入れたりしています。自分が演技をする際にそのキャラへ完全になりきれた時はとても達成感があります。 ■自分とそっくりだからこそ主人公になれた 今回の映画『ラスト17デー』のオーディションは、非常に緊張しました。元々共演者の石川翔鈴さんとは知り合いで、かつ、審査も同じ組だったので、より緊張しました。合格を知った時は本当に嬉しかったです。撮影については、共演者たちと年代が近かったので仲良く和気藹々とできたのですが、ワンカットのジーン撮影は大変でした……。ミスしたらやり直しという大変さもありましたが、一方で、ワンカットが長い分、キャラとしての感情を強く演じられたと思います。この作品で演じた主人公の細谷くるみという役を演じる中で、キャラクターのストーリーや背景を想像するのはもちろん、なるべく自分に寄せようと工夫しました。くるみという人物は一人で物事を考えたり、誰かと比較してしまったりする部分があり、自分と非常にそっくりでした。あまりにも似てるので感情移入しすぎて、カットがかかっても、くるみのままだったこともありました。劇中ではくるみが何もできなかった後悔から葛藤したり、その葛藤を乗り越えたりするシーンが描かれているのですが、このシーンは多くの人に共感をしてもらえると思います。自分も含めてどの年代の人にもこういった経験があるはずなので、学生だけでなく、多くの人がエネルギーをもらえる作品になっていると思います。そのシーンではくるみが泣きじゃくる場面もあるので、ぜひ私の演技にも注目してほしいですね(笑)。 ■憧れてくれるファンのために、努力は惜しまない 今後も演技の活動に力を入れていき、ゴールデンタイムのドラマにレギュラー出演するのを一つの目標にしています。モデルや女優として活動する中で、ありがたいことに自分に憧れてくれる方もいらっしゃいます。その方たちの目標でいられるようにこれからも努力していきたいですね。他にも小さい頃から洋服や本のデザインをするのがとても好きだったので、具体的には決まっていませんが、デザインのお仕事もしていけたらなと考えています。 ■自分は自分。だから他人と比べずに自信を持つ。 学生の頃は周囲に同じような人たちがいるので、自分と他者を比べてしまうことがたくさんあると思います。ただあくまでも自分は自分なので、自分がしてきた努力を否定しないで肯定してほしいと思います。もしその中で失敗してもいつか必ずなにかに活かされる日が来るので、自分に自信を持ってがんばってほしいと思います。 映画『ラスト17デー』 高梨優佳、初主演。17歳の最後に、踏切を渡る老女を助け、一躍有名になった幼馴染の橘直樹をきっかけに17歳のうちに輝きたいと空回りする青春学園映画。10月27日(金)からシモキタ – エキマエ – シネマ『K2』より順次公開予定。出演:高梨優佳 木村魁希 石川翔鈴 吉田翔 齊藤英里監督:片山拓 片山拓監督コメント 17歳という年齢は理由なくイライラしたり、むしゃくしゃしたりと感情を思いっきり表現できる貴重な時期だと思います。しかし時が過ぎてしまうとその経験を忘れてしまうので、改めてその感情豊かな時期を体験してほしいと思いこの作品を作りました。今回、主演を務めてくれた高梨さんは真面目で、役に対する読解力がとても高い方です。キャラクターを深く解読してくれて、監督の僕ですら気づかなかったくるみの新たな魅力を引き出してくれましたね。そういったひたむきに役に向き合うところが非常に素敵だと思います。 学生新聞オンライン2023年9月10日取材 武蔵野大学4年 西山流生

コラム

テリー伊藤 コラムVol.11  100円ショップの化粧品が凄すぎる!

100円ショップがドンドン進化している。武蔵小山商店街にある、ご存知「ダイソー」に久しぶりに行ってきた。行く度に商品構成には驚きなのだが、ますますパワーアップしていた。まずは女性の化粧品の豊富さ。マスカラ、ファンデーション、マニキュア、つけまつげ、口紅全て100円!! 昔は夏になると大手化粧品メーカーの資生堂やカネボウなどが水着モデルを全面に打ち出し大キャンペーンを掲げ、高価な商品を販売していたものだ。その中から夏目雅子、藤原紀香、アグネスラム、山口智子、服部真子あの国会議員蓮舫さんなどを発掘、大スターになっていった。それだけではなく、化粧品のCMからは多くのヒット曲も生まれた。カネボウは布施明「君はばらより美しい」、YMO「君に胸キュン」、ザ・ビーナス「キッスは目にして」、資生堂は世良公則「燃えろいい女」など、チョット挙げただけで私たち世代はすぐに思い浮かべる事ができる。そうなんです、化粧品メーカーが時代や若者文化を完全にリードしていた。 時は流れ・・・・若者たちが無理して高額な化粧品を買わなくなってしまった。もちろん資生堂やカネボウ化粧品が売れていないわけではないが、以前のような勢いは感じられない。そこで登場するのが100円ショップなのだ! 想像してみて欲しい。初めてのデート、初めてのキッス、男の子の胸は前日からときめいているはずだ!キッスってどんな味がするの?ナンシー・シナトラ「レモンのキッス」の大ヒット曲にもあるようにレモン味なのか?妄想は尽きない。しかしなのだ!現実は100円ショップの味なのだ。彼女と物凄く接近した時にみる「つけまつげ」もダイソーなのだ。複雑な気持ちになりかけたが・・・思案・・・私、間違っていました!例え100円化粧品であっても、彼女を愛していれば関係ない!大切なのは愛でしょ!そうでした。大反省でした。皆さんも100円ショップ行ってみてください!色んな発見がありそう。 テリー伊藤(演出家) 1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ」LALALA USAでコラム連載中https://lalalausa.com/archives/category/column/terry

和田真帆

井村屋グループ株式会社 代表取締役社長(COO) 大西安樹

他社とは異なる常にオリジナリティーある商品を 井村屋グループ株式会社 代表取締役社長(COO) 大西安樹(おおにしやすき) ■プロフィール1959年1月4日生まれ。82年関西学院大学法学部卒、同年井村屋グループ入社、08年執行役員経営企画統括部長、10年上席執行役員経営戦略部長、11年取締役IMURAYA USA,INC.出向CEO・COO、14~15年常務取締役、16年代表取締役社長、19年から取締役、「井村屋スタートアップランニング㈱」代表取締役社長を兼任。23年4月1日から井村屋グループ㈱の代表取締役社長兼最高執行責任者(COO)。 創業125年以上の歴史をもつ井村屋グループ。肉まんやあんまん、水ようかんなど、誰もが知る日本人のソウルフードを提供し、長年愛され続ける秘訣や、長い歴史の中で大切にしている想いについて、代表取締役社長(COO)の大西安樹さんからお話を伺った。 大学時代は必要な単位を取って、レストラン、ホテルのベルボーイ、引越しなど様々なアルバイトをしていました。そんなことをしている間に、就活の時期があっという間にきましたね。私の時代は現在と異なって手書きのエントリーシートを書いていた時代です。当時の私は「メーカー=会社を代表する商品がありそれが社会に貢献している」というイメージが大きかったのでその観点から会社探しをしていました。 ■昔から愛され続ける井村屋の商品 井村屋は2021年で創業125年を迎えました。いろんな人に愛され続け、現在は中国・アメリカ・マレーシアなどのご縁ある国で海外展開もしています。海外での商品展開で意識していることは、味です。日本の商品をそのまま持ってきて提供することもあれば、現地に合わせて提供するなど国ごとによって商品のスタイルは変わってきますね。味に関する捉え方は本当に面白く、特に「甘い」という味覚は国によって結構変わってきます。これはアメリカで聞いた面白いエピソードなのですが、日本人がケーキを作ってアメリカ人にあげたら「砂糖を忘れてないか?」と言われたというくらいです(笑)。会社のポリシーは、他社のマネ・人のマネをせずにオリジナリティーある商品を作ることです。たとえば、弊社は肉まん・あんまんを扱っているのですが、中華まんである胡麻あんまんではなく、和風のあんまんを開発したのは当社が初めてです。あとは長期保存可能な市販用の水ようかんを最初に作ったのも当社ですね。そうやって常に新しいものに挑戦しようという想いで商品開発を行なっています。また、弊社はカステラ・水ようかんなどは常温、豆腐は冷蔵、アイスや肉まん・あんまんは冷凍と、温度帯も意識して商品の製造を行なっています。商品に対する温度帯独自のノウハウや歴史は製造時に今も大切にしています。 ■一人ひとりの長所を仕事に 皆さん何かしら長所があると思うんですね。是非その長所を生かした仕事をしていただきたいと思っています。その中で、特に私が学生さんに対して「この人と一緒に働きたい」とも思う人は、何かに打ち込んできた人です。何かに一生懸命になってきた人は自分のベースがあり、打ち込んできたことに対して自分の意見を持っていると思うからです。あと、他人を思いやれる人ですね。会社はチームワークが大切になるので。「何かに打ち込んできた人」「他人を思いやれる人」こういう人と働きたいです。 ■学生のうちにできることを楽しむ 社会人になると自由な時間が少なくなるので、学生の時代にしかできないことをどんどんやっていってほしいです。たとえ失敗してもいいと思うんです。挑戦したことに価値があり、今後に活きてくるはずなので。学生の時にしかできないことにどんどんチャレンジしていって下さい。 学生新聞2023年7月28日 日本大学4年 和田真帆

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株式会社リソー教育  代表取締役社長 天坊真彦

子どもたちの未来を考えるからこそできる教育 株式会社リソー教育  代表取締役社長 天坊真彦(てんぼうまさひこ) ■プロフィール 1990年東京大学文学部を卒業。塾での講師経験を経た後、1995年株式会社日本教育公社(現株式会社リソー教育)に入社。2014年取締役に就任、2015年に社長、2019年に副会長を経て、2022年より代表取締役社長へ再度就任、現在に至る。「すべては子どもたちの未来のために」を企業理念とし、完全一対一の本物の個別指導を難関校進学に至るまで提供するとともに、「勉強プラスワン」という考え方でスポーツ・芸術・文化支援活動を始めとする社会貢献活動にも積極的に取り組んでいる。 完全一対一の進学個別指導塾「TOMAS」をはじめ、教育を中心とした幅広い事業を展開するリソー教育グループ。子供の教育に携わる同社は、どのような思いで生徒と向き合い、事業を展開しているのか。株式会社リソー教育の代表取締役社長である天坊真彦氏にお話を伺った。 大学時代は友人たちと演劇に熱中しており、演劇の稽古の合間にアルバイト(塾講師)へ行くというような日々を過ごしていました。大学卒業後も演劇を続けようと思い、当時行っていた塾講師のアルバイトを続けていたのですが、30歳で、ちょうど子どもも産まれるタイミングで「このままではいけない」と思い、環境を変えることを決心しました。「自分に向いていることは何か」、過去の自分を振り返ったところ、やはり先生として「生徒にわかりやすく教えることが好き」ということを再認識しました。そんな時、当社の求人広告を見つけ、個別指導ということに魅力を感じて入社を決めました。何も知らず、生徒に直接指導ができるものだと思って入社したのですが、業務は保護者対応や講師のフォローなど、教室運営が中心でした。それでも、生徒たちが成長していく様子を目の前で見ることができるので、やりがい満載でした。ただ、在籍年数が長くなり経験を重ねるにつれて責任も増してきて、指導対象が生徒ではなく社員や講師になっていったことで、これは本当に自分がやりたかったことなのかと悩んだこともありました。そんなときは、生徒の笑顔を思い出し、生徒のためになると信じることで乗り越えていくことができました。これらの思いや経験が自分の成長に繋がったと思っています。 ■子どもたちの未来を第一に リソー教育グループでは、「すべては子どもたちの未来のために」という企業理念を掲げ、教育を中心とした事業を幅広く展開しています。「TOMAS」では進学個別指導塾のオンリーワンポジションとして中核を担い、生徒一人ひとりに合わせた進学個別指導で高い合格実績を出しています。「名門会」では、プロ社会人講師が生徒を指導することで、通常の指導では目の行き届かないところまで教育しています。また、「伸芽会」では小学校受験を控える、就学前の子どもの受験をサポートする体制を整えることで、リソー教育グループとして就学前から大学受験まで一貫した支援を行っています。ほかにも「スクールTOMAS」では、学校内に個別指導塾を導⼊し、⽣徒⼀⼈ひとりに合わせた一対一の個別指導を提供しており、「プラスワン教育」では、子どもたちが社会を生きる上でより必要とされる行動力・判断力・挑戦心・協調性などを身につけられるよう、様々な体験授業などを展開しています。 ■「一対一」が教育の本質 教育の基本かつ理想は「一対一」だと考えています。「一対多数」の形式は、教える側の都合でしかありません。それだと生徒それぞれに合わせて指導することはもちろんできず、生徒の理解にもばらつきが出てしまうため、本当の意味での教育になりません。だからこそ、当社では、生徒一人ひとりに向き合って教えることを大切にしています。コロナ禍においても「TOMAS」の良さである「一対一」の指導をすべく、できる限りの感染対策をしっかりとすることで、早い段階から対面授業を再開しました。そんな教育現場も近年ではAIやICTなどが取り入れられており、大きく変化していると言われています。しかしながら、教育の本質は変化するものではありません。「誰かが誰かに教えることで、できるようになっていくもの」であり、「一対一」かつ対面で指導することが教育の本質だと考えています。この「誰かが教え、誰かが学ぶ」という今後も変わらないシステムの中で、子どもが学習して成長していく環境を提供し続けていくことが大切です。当社ではそんな場所を守るべく、これからも取り組んでいきます。また、成長を見守る講師に関しては、生徒のことを第一に考え、相手の立場になれるような人を採用しています。生徒の将来を左右する可能性がある仕事なので、大きなやりがいを感じることができる一方で、大きな責任も伴います。生徒の将来のためにも、学ぶことを楽しいと感じてもらうため、生徒に合わせた講師が必要になります。生徒は十人十色で、それぞれ相性や価値観は違います。だからこそ、生徒に合わせた教育を行うべく、多種多様な講師が在籍しており、生徒の成長をサポートしています。 ■子どもを第一に考えるからこそできる事業 現在、新規事業として不動産会社であるヒューリック株式会社とコナミスポーツ株式会社と連携し、「こどもでぱーと」の開設準備を進めています。「こどもでぱーと」は子どもに関するすべてがこの1か所で完結できる場所です。本事業は、「子どもの一生を支えたい」という思いを持つ企業同士が集まってスタートしました。ほかにも、共働きのご家庭の「習い事に通わせる時間はないものの、様々な経験をさせてあげたい」というニーズにより、コナミスポーツ株式会社と「伸芽会」でタッグを組み、文武両道型の学童保育もスタートしました。このように教育に重きを置きながらも、子どもたちの個性やご家庭のニーズなどを踏まえて事業展開できるのが、リソー教育グループの強みの1つです。 ■大学生へのメッセージ 学生時代はやりたいことができる時間がたくさんあります。今になってそれを痛切に感じます。可能性は無限大だからこそ、何事にも恐れず躊躇せず、勇気を持ってチャレンジしてほしいです。失敗してもいい。失敗からこそ学ぶことができます。一気に何かを変えるのではなく、一歩ずつで構いません。学生時代の貴重な時間を大事に突き進んでいってください。 学生新聞オンライン2023年8月3日取材 國學院大學3年 島田大輝

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ヤマハ株式会社 代表執行役社長 中田卓也

世界中の人々のこころ豊かなくらしを実現する ヤマハ株式会社 代表執行役社長 中田卓也 (なかたたくや) ■プロフィール1958(昭和33)年、岐阜県生まれ。慶応大学法学部卒業後、1981年に日本楽器製造株式会社(現 ヤマハ株式会社)入社。PA・DMI事業部長、取締役執行役員、アメリカ現地法人社長などを経て、2013年に代表取締役社長に就任。2017年から取締役代表執行役社長。 楽器といえば、ヤマハと言われるほど世界中の音楽プレイヤーから愛されているヤマハ株式会社。そんなヤマハを入社当初から支えてこられた代表執行役社長の中田卓也氏に、ヤマハの魅力やお客様に対する想いなどを伺った。 学生時代は、音楽に夢中でしたね。高校ではバンド。大学生になってからは、シンセサイザーを使って音楽を自分で作っていました。バンドを続けても良かったのですが、冨田勲さんの演奏に大きな衝撃を受けまして。自分も音楽を作ってみたいと思ったことが、シンセサイザーを始めたきっかけでした。  幼少期から物作りが好きだったのでメーカーに就職しようと思い、就活を進めていました。自分の好きなことを仕事にしたいというよりは、自分が興味のあることに関係した仕事の方が人生が面白くなるのではないかと思い、数ある企業の中からヤマハを選んだことを今でも覚えています。音楽が好きでヤマハに入社しましたが、20代の私はコンピューターやクレジットカードなどの新規事業に携わりました。新しいことにチャレンジすると、その分野の第一人者になることができます。大変なこともありましたが、新規事業に携われてよかったと感じています。 アメリカで販売会社の社長をする機会もありました。日本でもアメリカでも仕事は本質的に同じなのですが、現地の人々の文化やバックグラウンドが自分たちと異なるので、少し苦戦したことを覚えています。また、現地に行って初めてわかることもあれば、理解したくても出来ないこともたくさんありました。だからこそ、大変に感じることも多かったのですが、今、社長として会社を経営する上で、アメリカでの経験は、業務に活きていると感じています。 ■ヤマハの技術で、時代を繋ぐ 当社は、技術力に富んだ会社だと思います。一般的な楽器メーカーは、一つの種類の楽器を専門的に作る専業メーカーが多いです。ですが、ヤマハは専業ではなく、色々な楽器を幅広く製造しています。創業当時のヤマハはオルガンを中心に作っていましたが、ピアノや管楽器、ギターとどんどん範囲を広げていきました。 また、当社は創業当時からサステナビリティを大切にする会社でもあり、現在は“サステナブルキーボード”というヤマハの技術や想いが沢山詰まった新しい楽器の試作などにも取り組んでいます。楽器にはさまざまな木材が使われています。木材という資源は、有限のものです。持続可能な形で木材を使うために私たちにできることを考える中で試作されたのがこのサステナブルキーボードです。これは、さまざまな楽器づくりで発生した未利用材を使用して試作しました。技術力を活かし、木材を無駄にせずに製品を生み出す。このようなことはとても価値のあるものだと考えています。 ■世界中の子どもたちに音楽・楽器の楽しさを 世界中のより多くの子どもたちに、楽器・音楽の楽しさを経験してもらうために、“スクールプロジェクト”という取り組みを行っています。この取り組みでは、新興国の学校・教育機関と提携し、キーボードやリコーダーなどの楽器を体験できる環境を整えています。私自身、インドネシアの学校に視察に行った際に、楽しんでいる子どもたちの様子や嬉しそうな表情の保護者の皆さんを見て、このプロジェクトの意義を強く感じました。2023年3月末時点で、既に7カ国で200万人超える子どもたちがこの機会に触れました。この取り組みで今すぐに収益が上がるわけではありませんが、10年後・20年後に繋がる取り組みですし、子どもたちの笑顔を見ることができるのがとても嬉しく励みになっていますね。 ■ありがたい仕事をするために必要な“志” ヤマハの事業は、仕事をすればするほど、人々の笑顔を増やすことができるというとてもありがたいものだと感じています。世界中の人々がこころ豊かなくらしをおくれるよう、今後も“音”や“音楽”を原点に培ってきた技術と感性をもとに、事業を展開していきたいです。私たちの事業は、人々の幸せに通じます。私はこれは本当に有難いことだと思っています。 また、このように価値のある仕事をする中で、ヤマハグループで働く仲間が大切にしている5つのキーワード(ヤマハウェイ)があります。それは、「志、誠実、自発、挑戦、執着」です。この5つの中でも、特に働く上で大切なのが、“志”というキーワードです。仕事をする中で、困難や壁に衝突することもあるでしょう。そういった時に、「働きたい、こうしたい」という強い想いを抱くほどに、その想いが原動力となって乗り越えることができると思うのです。だからこそ、こういった想いをヤマハグループで働く仲間は大切にしていますし、今後もそんな仲間たちと働いていきたいと思いますね。 ■学生へのメッセージ 自分自身の好奇心を大切にして、色々なものに興味を持って欲しいですね。そして、興味を持ったら即行動。必ずしも成功するとは限らないでしょう。ですが、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も」という言葉があるように、行動しない限り成功することはないのです。また、挑戦してみることで自分に合うものに出会えるきっかけになるかもしれません。そして、前向きでいることも同じくらい大切です。苦しい時こそ、口角を上げてたくさんのことに挑戦していってほしいですね。 補足: ■試作中のサステナブルキーボードは期間限定でヤマハ銀座店に展示中企画展示『「楽器の木」展』 第2弾をヤマハ銀座店にて開催 「サステナブルキーボード」2種を展示https://www.yamaha.com/ja/news_release/2023/23053101/ ■スクールプロジェクトについてはこちらhttps://www.yamaha.com/ja/about/initiatives/school_project/ 学生新聞オンライン2023年8月24日取材 国際基督教大学1年 渡邊和花

学生新聞インターン

株式会社テレビ東京 「シナぷしゅ」統括プロデューサー 飯田佳奈子

赤ちゃんに寄り添い続け、社会のデザインを変えていく 株式会社テレビ東京 「シナぷしゅ」統括プロデューサー 飯田佳奈子(いいだかなこ) ■プロフィール 飯田佳奈子1988年生まれ、群馬県出身。東京大学文学部フランス文学科を卒業後、2011年テレビ東京に入社。2018年に第一子を出産し、2019年に職場復帰してすぐに「シナぷしゅ」の企画書を提出。以降、「シナぷしゅ」の制作面の総合演出だけでなく、ビジネス展開も含めたコンテンツ統括プロデューサーを務める。2022年第二子を出産。二児の母。 赤ちゃんが泣き止むと話題の民放初の赤ちゃん番組「シナぷしゅ」(毎週月曜~金曜 あさ7時30分~8時00分 テレビ東京系列6局ネット)。“幼児向け番組と言えばEテレ”の独壇場?だった現代に、「シナぷしゅ」はなぜ生まれたのか。生みの親である統括プロデューサーの飯田さんが、子育ての中で見直したテレビの在り方とは。番組に込めた想いや、仕事と育児の両立について考えを伺った。 学生時代は、アルバイトをとにかく沢山経験しました。家庭教師、ファミレスのウェイトレス、新幹線乗車前のお菓子販売員など、色々取り組む中で自分の特性を知ることができました。例えば、新幹線乗車前は急いでいる方が多いので「提供の速さ」が求められます。ファミレスは毎日来ている方もいるので「居心地の良さ」が求められます。お客様によって異なるアプローチを通し、自分に合った働き方やコミュニケーションの取り方を知ることができました。 就職活動は、ESや面接で会社から選ばれる仕組みに疑問をもっていました。自分が働く場所は自分で選びたいのに、なぜ人に決められるのだろうと。「ここなら働いてやってもいいぞ!」と、今思えばかなり上から目線で活動していましたね(笑)。大学院進学も視野に入れて3社だけ受けて、内定をいただいたテレビ東京に入社しました。 ■赤ちゃん向け動画コンテンツに新たな選択肢を 「シナぷしゅ」を思いついたのは一人目の子どもの産休・育休中です。子育てを始めて、自分自身赤ちゃんに対してなぜか「テレビを遠ざける傾向」があることに気がつきました。私だけでなく周りの母親もテレビは子どもの発達に悪いというイメージをなんとなく抱いている。地域の子育て支援センターでは母親たちが眉をひそめながら、「昨日、子どもに1時間もテレビ見せちゃった・・・」と後ろめたそうに話していました。 そこで初めて、自分の仕事に疑問を抱いたのです。子育て世代においてテレビは”害悪”なのだろうかと。しかし、共働き世帯が多く祖父母の支えも少ない現代の子育てに、動画コンテンツは欠かせません。母親はとても孤独で、一日の中で動画頼みの時間が多くあります。加えて、妙に感じたのは「Eテレ一強」の状態です。大人向けのコンテンツはたくさんの選択肢があるのに、乳幼児向けは民放各局のタイムテーブルになく、Eテレしか選択肢がない状態が長く続いていました。”赤ちゃん”と一括りに言っても色んな個性があるのだから、選択肢が一つしかないのはとても不自由です。 また一方で、YouTubeではEテレやアンパンマンを模倣した手作りの動画が何十万回も再生されていました。親心としては、どうせ見せるなら、模倣の動画でなく良質なコンテンツを見せたいはず。赤ちゃん向けの番組をつくり、選択肢を増やして、公式に配信もしよう。この想いから、育休復帰後すぐに「シナぷしゅ」の企画を提出、番組制作を始めました。 Eテレが変わらない伝統的スタイルであれば、「シナぷしゅ」は“変わり続けるアップデートスタイル”です。「シナぷしゅ」は去年と今年でも全く違います。1回の放送でに約1~2分のショートコンテンツが10コーナーあるため、トライ&エラーの精神で新しいコンテンツにどんどんチャレンジしています。 ■赤ちゃんが自由で生きやすい社会へ 番組制作にあたり大事にしていることは、「赤ちゃんへの感覚的アプローチ」です。コンテンツが難しくならぬよう、低月齢の子が五感で咀嚼できる表現を心掛けています。例えば、3か月の子は寝転がって見るので、縦の動画を横から見ます。新コーナーを作る時は横からの見え方も気にします。また、キャラクターの「ぷしゅぷしゅ」には、“自由に生きてほしい“という願いが込められています。一般的に、赤ちゃん向けのキャラクターは原色が多く目が大きめです。そこで我々は、赤ちゃんの頭の中の真っさらな状態に近い“自由な存在”を表現しました。白黒の「ぷしゅぷしゅ」を好きな色に塗っていいよと、色や模様は見る側の赤ちゃんに委ねています。自由自在に姿形を変えられるとは、いわば“枠にはまらない“こと。ここから先の時代を生きていく子どもたちに自由にクリエイティブに生きてほしいですね。大きな野望としては、「シナぷしゅ」で社会のデザインをじわじわと変えていきたいと考えています。先日は一歩踏み込み、映画を公開しました。今時の赤ちゃんは映画も見るのか、と普段子どもと接点がない方の頭に”赤ちゃん“というワードがチラッと浮かぶ。これだけでも社会がじわじわと変わっていく一歩になります。赤ちゃんがより生きやすく、今後の日本に希望が持てる社会づくりに「シナぷしゅ」が役に立てばいいなと思います。 ■自分の人生は自分でデザイン 今は毎日記憶がないくらい必死で働いています。(笑) 男女平等を目指していても、女性がキャリアを描くことはとても難しいです。たとえ、旦那さんが協力的でもなかなか5対5にはなり得ません。 ただ、私はもはや仕事と育児において「両立」という言葉自体が苦しいと思っています。両立という単語は、両方ちゃんと立てている状態を意味しますが、その日によってどちらかがバタンと倒れることもあります。私も、2人目の子どもを出産した時、自分が手掛けたシナぷしゅ映画の制作中でした。子どもを育てたい気持ちはもちろんありましたが、自分が手掛けた仕事から離脱したくない気持ちが勝りました。最終的に、必要不可欠な産休をいただいて、育休0日で仕事に復帰。とにかく大変でしたが、自分がやりたいことは追求できました。これが正解かどうかはわかりませんが、自分らしい働き方を模索することはできたと自負しています。仕事は楽しく、子どもがいることも幸せです。これからも、自分の人生の歩み方は自分でデザインしていきたいですね。 学生新聞オンライン2023年8月23日取材 専修大学 4年 竹村結 赤ちゃんとかつて赤ちゃんだったみんなへ。「シナぷしゅ」がおくる、 0 歳から楽しめるはじめての体験。「シナぷしゅ THE MOVIE ぷしゅほっぺにゅうワールド」DVD 2023年9月27日(水)発売! 商品名:シナぷしゅ THE MOVIE ぷしゅほっぺにゅうワールド価格:税込み2,750円(税別2,500円)収録時間:本編約50分+特典映像特典映像:さつえいのうらがわ、「エンドロールぷしゅ」フルアニメーション、予告編集商品サイト:https://columbia.jp/synapusyu/発売元:『シナぷしゅ THE MOVIE ぷしゅほっぺにゅうワールド』製作委員会販売元:日本コロムビア株式会社 ©SPMOVIE2023

大学理事長・大使館

iU 学長 中村伊知哉

大学を創りあげるのは生徒自身! 世界一面白い大学を生徒と一緒に創りあげる iU 学長 中村伊知哉(なかむら いちや) ■プロフィール京都大学特任教授、東京大学研究員、慶應義塾大学特別招聘教授、デジタル政策財団理事長、CiP協議会理事長、国際公共経済学会会長、日本eスポーツ連合特別顧問、大阪・関西万博2025 事業化支援PTプロジェクトリーダー、理化学研究所コーディネーターなどを兼務。1984年、ロックバンド「少年ナイフ」のディレクターを経て郵政省入省。MITメディアラボ客員教授、スタンフォード日本センター研究所長、慶應義塾大学教授を経て、2020年4月よりiU学長。内閣官房、内閣府、総務省、文部科学省、経済産業省などの参与・委員を歴任。著書に『新版 超ヒマ社会をつくるーアフターコロナはネコの時代―』(ヨシモトブックス)、『コンテンツと国家戦略』(角川EPUB選書)など多数。1961年生まれ。京都大学経済学部卒、大阪大学博士課程単位取得退学。博士(政策・メディア)。 「全員起業、全員インターン」をビジョンに掲げる情報経営イノベーション専門職大学(以下iU)。世界で初めて「イノベーション」を大学名に入れ、今後の未来を担う若者たちの輩出を目指している。変化が激しい現代に新しい大学を立ち上げた背景やその想いについて、学長である中村伊知哉氏にお話を伺った。 学生時代は勉強よりもバンド活動に熱中していました。周りがどんどんプロになっていく一方、「バンドで食べていけるのか」と自分の将来が不安になり、就職活動をすることを決心したんです。就職活動では、「自分と同じように、何かに熱中している人たちのサポートをしたい」という想いを軸にしていました。そして、国の様々な制度を取り扱っていた郵政省(現、総務省)に入省しました。郵政省では、法律を作ったり予算のプロジェクトを手掛けたりするほか、2001年には総務庁、郵政省、自治省を統合した新たな役所である、総務省の立ち上げなどに従事しました。15年間郵政省で働き、一区切りがついたタイミングで、アメリカに渡りました。アメリカでは、大学と協働して行う「子供とメディアの研究所を創るプロジェクト」や、「ポップカルチャーのプロジェクト」などに取り組みました。海外では、このように企業と大学生が一緒にプロジェクトを進めることがよくあります。しかし、当時の日本ではこのような取り組みはほとんどありませんでした。そこで、「日本でも企業と大学が新しいものを創りあげることのできる大学を作りたい」という想いが芽生え、iUの創設に至りました。 ■教育の手段として掲げているのが「起業」 iUは、ビジネスシーンで活躍できる人を育てる学校で、全員が起業することを掲げているため、就職率0%が学校の目標です。しかし、「全員起業」といいつつも、あくまで起業は1つの教育の手段であると私は考えています。起業は「自分で学び、必要な知識を習得する力」を身につけることができる方法のひとつです。そんな自発的に動く力を学生には育んでもらえるように学校創りに取り組んでいます。そのため、本学では多数の客員教授や連携企業、インターンシップを導入し、いろいろなバックグラウンドを持つ大人と触れ合う機会を設けて学生たちの刺激になるように働きかけています。また、30人いる専任の教員は大学出身者が少ないこともあり、柔軟な発想に富んでいることも特徴です。教員一同で生徒が楽しめるようなユニークなカリキュラムを作成し、生徒が学びを楽しめる場所にできるように試行錯誤しています。このような環境を提供することで、自分のやりたいことを考えて行動できるような、社会で活躍する人材を育てられるのだと思います。今後は、学生のやりたいことの実現のため、我々の学校創りについて関心のある学校や教授を増やし、繋がっていくことで大きなコミュニティを形成していきたいです。実は、iUでは「起業」のほかにも意識していることがあります。それが「壊して創ること」です。これからは従来のルールなどが通用しない変化の時代になっていくのではと思っています。そんな時代を生き残れるのは、変化することを楽しめる人たちではないでしょうか。実際、学生たちに「コロナはピンチか、チャンスか」と問うと、みんなが即答で口を揃えて「チャンス」と答えます。社会が逆境なときこそ、従来の考え方を壊し、新たな考え方で、新しい概念やルールなどを生み出すことが社会の希望になると思うんです。コロナをチャンスと捉えられるような逆境で上を向くことのできる学生たちが、今後の社会に様々な影響を与え、社会の希望になってくれるだろうと今から楽しみですね。 ■世界一面白い大学を創りあげる 私の目標は「iUが世界一面白い大学」と呼ばれることです。面白い大学にすることで、多くの学生の夢を後押しすることが出来ると思うからです。そのように呼んでいただけるように、現在は様々な取り組みやカリキュラムを作成しています。しかし、大学の評価は、卒業生が社会に出て活躍をして、初めて得られるものです。そのため、本学が評価されるにはまだ時間がかかると思います。ただ、大切なのは周りの評価ではなく、学生たちの評価です。学生たちに「学ぶことは楽しい」「iUに入ってよかった」と思ってもらえるように、初めて大学でテレビ局を作ったり、世界中の学生と繋がれるような国際的なメディアを作ったりと、画期的かつ学生のしたいことを実現できるような大学にしていきたいです。そうしていくことで、自然と大学としての評価はついてくると思います。ビジネスではできないけれど、大学ならできることは社会にはたくさんあります。だからこそ、学生たちにはたくさんチャレンジして欲しいです。そして、今後はいろんな人たちとお互いの考えや妄想をぶつけ合って欲しいです。本学は、そこで生まれたアイディアを実現できる場を提供し、ビジネスの垣根を超えた「社会と大学の架け橋」にしていきたいです。 ■大学生へのメッセージ 「大学生のときにしかできないことは何か」を真剣に考えてほしいです。そして、社会人になってからではできないことに今のうちに挑戦してください。大学生のときに考え、行動に起こすなど、様々な経験をした人は学ぶことの重要性をいち早く知ることが出来るとともに、経験という宝を得ることができます。そういう人は社会で大いに活躍できるはずです。今後の社会で活躍できる力を身につけるためにも、「学ぶ意識」を常に持ち続けてください。 学生新聞オンライン2023年8月9日取材 國學院大學3年 島田大輝