
- 運営スタッフ
- HOME
- 運営スタッフ
Archive for 運営スタッフ


第8回 全国豆腐品評会
一般社団法人 全国豆腐連合会(本社:東京都台東区上野、会長(代表理事):東田和久)は、全国6ブロックの地区大会予選より選出された「豆腐」の日本一を決める全国豆腐品評会を2024年9月7日(土)に開催しました。 我が国が世界に誇る伝統食品「豆腐」は、サスティナブルで優良な植物性タンパク質摂取源であることに加え、その機能性や汎用性の高さから世界から注目され「TOFU」として定着しています。品評会の様子を取材させていただきました。 ■一般財団法人全国豆腐連合会 会長(代表理事) 東田和久 豆腐品評会は「おいしい豆腐とは何か?」という疑問から始まりました。今回のイベントは8回目の開催で、初回は京都で行われました。私は京都で豆腐を作っていて、京都の豆腐もおいしいけれど、日本各地を旅して食べた豆腐がとても美味しかったことから、全国大会を開いてみようと考えました。日本の食文化において豆腐は欠かせないものであり、国産大豆を使ったおいしい豆腐を広めたいという思いが背景にあります。会場には、たくさんの豆腐が並んでいますが、豆の種類によって味が全く違うことを感じてもらいたいです。そして、手作りの豆腐は、同じ材料や条件でも、作る人によって味が変わる点が魅力です。今回出品されている豆腐は全て、オートメーション化された豆腐とは違い、人が関わって作っている豆腐だからこその、味の深さがあります。 ■一般財団法人全国豆腐連合会 副会長 大石眞太郎 今回のイベントで第8回目となりましたが、年々、参加者が一段と美味しい豆腐を作ろうと奮闘してくださり、豆腐のレベルが上がっています。豆腐のチェーン店を作るのは難しいかもしれませんが、将来的には地域の豆腐屋さんがパン屋さんのように町で利益を出せる形にして、スーパーに頼らなくても成り立つ豆腐屋が増えればいいなと思っています。国産大豆の自給率の低さの問題などもありますが、良い方向に進めるためにも、若い人にもぜひ豆腐のことを知ってほしいと思います。 ■日本豆腐協会 会長 三好兼治 日本の豆腐文化は世界で最も多様化しており、寄せ豆腐、木綿豆腐、絹ごし豆腐、充填豆腐など、見た目は似ていても味や食感が全く異なるんです。お店で並んでいる豆腐を見ただけでは違いが分かりにくいかもしれませんが、実際に食べ比べるとその違いがはっきりと分かると思います。特に若い人たちの中には、豆腐はあまり味がないと思っている人も多いのですが、何もかけずに食べてみると驚くほど味の違いを感じることができるはずです。 【審査方法】 豆腐の「味」、「風味」、「後味」、「食感」、「総合評価」の5項目につき各5点、ただし「好み」のみ1.25倍とし、その合計点にて評価する。 【審査対象】 木綿豆腐部門、絹ごし豆腐部門、寄せ・おぼろ豆腐部門、充填豆腐部門の4部門。大豆、(水)以外の原材料および豆腐用凝固剤以外の添加物を使用していないもの。 ■感想 ~取材を終えて~ この取材に参加するまで、豆腐は食感こそ異なれど味に大きな違いはないと思っていました。実際に食べ比べをしてみると、豆腐の食感や味、色味までもがそれぞれ全く異なっていて驚きました。生産者の方々の豆腐に対する熱い思いも伝わり、豆腐という食材の奥深さを改めて感じました。審査員一人一人の豆腐に対する愛情を取材を通じて実感しました。これからも全国豆腐品評会が長く続き、豆腐に興味を持つ若者が増えてくれたら嬉しく思います。 学生新聞オンライン2024年9月7日取材 城西国際大学1年 渡部優理絵 法政大学4年 島田大輝 / 城西国際大学1年 渡部優理絵

「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2024」受賞セレモニー
世界を変革する未来のイノベーターの発掘を目的に、30歳未満の30人を選出する「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2024」。その受賞者発表セレモニーが8月26日、東京・渋谷ストリームホールにて開催された。 「30 UNDER 30」は、『Forbes』US版にて2011年にスタート。世界を変革する未来のイノベーターの発掘を目的に、毎年若き変革者を選出してきた。第7回目となる今回は、80人以上のアドバイザーから候補者の推薦などの協力を得て、最終的に編集部にて30人を選出。アドバイザリーボードには、青井浩(丸井グループ代表執行役員CEO)、南場智子(デライト・ベンチャーズ・マネージングパートナー/ディー・エヌ・エー代表取締役会長)などの日本を代表する経営者が参加。また、きゃりーぱみゅぱみゅ、川谷絵音といった国内外で活躍するビッグアーティストや、世界中にファンを抱えるイラストレーター/アニメーターの米山舞など各界の実務家・有識者らもアドバイザリーボードとして参加した。 ■「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2024」Audi 特別賞(ENTERTAINMENT賞) 俳優 今田美桜 特別賞をいただけるとは思いもせず、大人になったような気分です。皆様に注目していただけていると思うと、大変嬉しい限りですね。周囲からはたくさん刺激を受け、今があると思っています。同じ芸能界であったり、地元の友人であったり、それぞれが活躍している様子を見て自分も頑張ろうと思えます。憧れの先輩方を見て、自分も後悔せず20代を終えられるように、目の前のことを一生懸命に取り組んでいきたいと思っています。そして、自分も刺激を与える存在になれるよう、一瞬一瞬を大切にしたいです。来年の朝ドラ「あんぱん」では主演を務めるので、皆様に観ていただけると嬉しいです。朝ドラの舞台である高知県にはよく行くので、車でゆっくりドライブしてみたいですね。 ■シンガーソングライター・a子(えーこ) 私はこれまで自分の信じる道を突き進み、周囲の支えを得ながら、様々なチャレンジを続けてきました。特に、今回の受賞は自分一人の力ではなく、多くの人々のサポートがあってこそだと感じています。仲間たちと共に新しいプロジェクトを立ち上げ、未来に向けた取り組みを進めている中で、こうした評価をいただけたことが大きな励みになります。私は常に、何か新しいことに挑戦することを大切にしてきました。これからも自分の信念を持ち続け、チームと共にさらなる高みを目指し、新しい価値を創造していきたいと思います。特に、社会に貢献できるプロジェクトに取り組むことで、私たちが次の世代にどんな影響を与えるかを考えながら、これからも努力を続けていきます。皆様の期待に応えられるよう、一層精進してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ■俳優 穂志もえか これまで、トモダチや周囲の人との繋がりや出会いを大切にしてきました。血がつながっていなくても、家族のように私のことを考えてくれている人たちがいて、彼らに支えられてきました。活動の原動力は、ねことお味噌汁です。家に帰ってねこを見ると頑張らなきゃなと思いますし、お味噌汁を飲むと体調も整って気持ちがシャキッとします。私は世界を変えようとか何かを切り開いていこうという強い目的意識を持って生きていません。どちらかというと流されるままに生きています。ただ、世の中にある風潮とかに縛られず1人1人が自分らしく生きていける世の中であってほしいと願っています。今回、この賞をいただけたということは、私のようなマイペースな生き方が認められた瞬間でもあると思うので、意味のあることだと考えています。これを励みにこれからの人生、活動を頑張りたいです。 ■特殊メイクアーティスト 快歩 幼い頃から、何かを想像したり、作ったりすることがとても好きでした。そのような私にとって、“特殊メイク”は自分の空想の世界を形にすることができる魔法のようなものなのでした。特殊メイクというものは、複雑な工程が多く、一人では作り上げることが難しいです。だからこそ、アトリエメンバーの存在は私にとって、必要不可欠な存在だと思っています。また、どんなときでも私を支え、好きなことをやらせてくれた両親にもとても感謝しています。 私は、今まで自分が好きなことややりたいことを追求し続けてきました。そうする中での私の原動力となっているのは、“想像できない不思議な世界をつくる”という想いです。誰もがみたことないような作品を作ることは、私にとってとても面白いことです。今後も“特殊メイク”を通じて、世界中の人々にワクワクを届けていきたいと思っています。 ■株式会社FinT 代表取締役 大槻祐依 Forbes JAPAN 30 UNDER 30はもとより知っていたので、今回賞をいただけて大変嬉しく思います。私は早稲田大学在学中に、SNSを使ったマーケティング事業を行う会社「FinT」を立ち上げました。社員は100名で、若者の活躍の場を広げたいという思いから、平均年齢は26歳と若いです。起業して8年目になりますが、若者の変化に対する対応力が強みであることは変わらず、毎年新しい景色を見させてもらっていますね。それは、やはり仲間の支えがあるからです。それぞれの強みを生かして「日本を前向きにする」ことを原動力に、日本初のグローバル企業を目指しています。最近、若者は未来に希望を持てなくなっているような気がします。日系企業の世界展開のお手伝いをすることで、日本の良さを海外に発信していくことが目標です。学生の皆さんには、ぜひ好きなことややりたいこと見つけて、とにかくたくさん試してみることをおすすめしたいですね。 ■令和ロマン 髙比良くるま お客様の支えがあって、今回の賞に繋がったと思っています。仕事上、家族や友人と過ごす時間よりも、お客様との時間の方が長いので、もしかしたら家族や友人よりもお客様の方が本当の自分を知っているかもしれません。お笑い芸人という職業は、お客様がいてはじめて成り立つので、いつも支えられています。私の原動力となっているのは大谷翔平さんです。彼とは同い年なんですよ。どんなに仕事で手応えを感じても、次の日に大谷さんがホームランを打っているのを見ると、「まだまだ自分も頑張らないと」と思います。まだ大谷さんを超えることを諦めていません。そして今、全国の小学校にボールを配ろうと思っているんです。彼が全国の小学校にグローブを配っていたでしょう?でも、グローブだけでは野球ができないことに、彼は天然だからまだ気づいていないんです(笑)。 ■受賞セレモニーを取材した感想受賞された皆さんは人生100年時代と言われる現代社会において30に満たないご年齢で世界を変えるイノベーターとして活躍されている方々でした。受賞者の方々が総じて仰っていたことは、学生時代はとにかく自分の楽しいと思えることを探すことです。何がしたいのか分からない時は、とにかく好きなことをしてみることで進むべき道がわかると教えてくださいました。私自身、将来のやりたいことは既に決まっていたのですが、これを機にたくさんチャレンジすることで今までとはまた違った将来が見えると強く感じさせられました。大妻中野高等学校3年 加藤眞優花 学生新聞オンライン2024年8月26日取材:中央大学3年 前田蓮峰/上智大学3年 白坂日葵/上智大学3年 池濱百花/国際基督教大学2年 渡邊和花/津田塾大学2年 石松果林/大妻中野高等学校3年 加藤眞優花

株式会社ヤマダホームズ 代表取締役兼社長執行役員 清村浩一
チャンスに恵まれないことがあっても、絶対に心を腐らせてはいけない 株式会社ヤマダホームズ 代表取締役兼社長執行役員 清村浩一 (きよむらこういち) ■プロフィール1964年福岡県生まれ。1982年ベスト電器入社、執行役員経営企画部長 兼 社長室長を務めたのち、2018年株式会社ヤマダ電機に転籍。経営企画室経営戦略室長を務め、株式会社ヤマダホールディングス執行役員経営企画室長 兼 サステナビリティ推進室長を経て、2023年9月より株式会社ヤマダホームズ代表取締役 兼 社長執行役員に就任。 「くらしまるごと」をコンセプトに掲げ、住まいに関する様々なサービスを展開しているヤマダホールディングス。暮らしの大部分を占める住宅の販売に力を入れ、EV車や家庭用蓄電池、太陽光パネルによるエネルギーの自給自足を実現できるサスティナブルな住宅を生み出し続ける、ヤマダホームズの清村浩一社長に話を伺った。 ■入社当初は「偉くなりたい」という想いはなかった 高校時代、身体がとても丈夫でしたので、皆勤で出席していました。毎日休まずに通えたことは、私の唯一の自慢です。高校卒業後は、「ベスト電器」という家電量販店に入社し、家電製品を販売する販売員として働いていました。当時は新聞配達など中学生も働けた時代でした。家が経済的に苦しかったので自分が生きるために様々なアルバイトを経験したことで、大人の立ち振る舞いが自然と身についていたのでしょう。入社後の対面接客は、すんなりとこなしていました。今思うと私にとって接客業は天職だと感じています。学生時代の私は、社長になるなんて思ってもいませんでした。将来の展望で「偉くなろう」とか「お金持ちになろう」とはあまり考えておらず、ベスト電器で家電製品を売ることで、家電製品を通じてお客様に喜んでいただき、その成果が給料に反映されることにやりがいを感じていました。「人の上に立ちたい」とか「偉くなりたい」という欲はありませんでしたが、今振り返ってみて、誠実に働いていれば機会が与えられるんだなと、43年間経過したいま実感しています。 ■予想していなかった会社人生設計に社長という大役 2015年にベスト電器が経営危機に陥り、ヤマダホールディングス(当時:ヤマダ電機)に助けてもらい、グループ傘下に入りました。会社の歴史は、ヤマダホールディングスのほうが浅いのですが、規模や売上利益、資本は圧倒的にヤマダホールディングスが大きかったですね。グループ傘下後、5年ほどはベスト電器に残って仕事をしていましたが、6年前に自ら手を上げ、ヤマダに異動が出来ないか交渉しました。ヤマダに入社後は財務部に配属され、その後、経営戦略室長、経営企画室長といった役割を5年半ほど務めました。ちょうど60歳を迎えようとするタイミングで、山田会長より「ヤマダホームズの社長に就いてくれ」とお声がけいただきました。家電量販業界に長く携わっていたので、当然住宅のことなど知らないことが多いのですが、社長という役職に就くことは一生涯にあるかないかの大変貴重なことなので、自分の歴史を刻むためにも引き受けました。当時、山田会長が大勢いる従業員の中から私に声をかけてくださった理由はご本人しか知り得ませんが、山田会長の隣で3年ほど一緒に仕事をしていた経験があるので、「あいつだったら体力もあってヤマダホームズの再建に貢献してくれるのでは」と思ってくださったのではないでしょうか。 ■YAMADAスマートハウスで、お客様のニーズにより柔軟に対応 ヤマダホームズの住宅は、他社と比べ付加価値が高い住宅を販売しているという歴史があり、耐震性や気密性、断熱性、快適性、こういった強みを我々は既に持っています。住宅は人生で一番高い買い物です。ご予算やプラン、建物性能などお客様一人ひとりに合わせたニーズに対して真摯に向き合い、ご提案できるかどうかが、お客様満足につながる鍵ですね。お客様にもひとりひとり違った様々なニーズがあり、将来のプランやご要望、ご事情などは、実際に接してみないとわかりません。それらに応じて、最適な提案ができるように、いつも心がけています。最近ではEV車(電気自動車)の取り扱いも始め、住宅とワンセットにしたYAMADAスマートハウスを販売開始しました。太陽光パネルにより創られた電気を家で使い、余った電気はEV車に貯めていただけます。そうすることで昼夜問わず常に再生可能エネルギーでまかなうことができるため、環境にも優しく、かつ、災害時に停電した際にもEV車に貯めた電力を使用できるため、2~3日は生活ができます。また、家具などのインテリア製品を含めてセットで販売することで、お客様のニーズに合わせてより柔軟な提案ができるようになりました。 ■今後目指すのは、1年間で5000棟の住宅を建てること 現在、ヤマダホームズは年間3000棟ほどの住宅を建てていますが、今後は1年間で5000棟の住宅を建てられるように会社を成長させていきたいです。ヤマダホームズはそのポテンシャルを持ち合わせています。1年で5000棟の住宅を建てることができれば、ようやくハウスメーカーとして一人前の会社になれると思いますので、今後の目標としてぜひ邁進していきたいですね。 ■どんな苦境におかれても、絶対に心を腐らせるな 私は2023年9月16日に「ヤマダホームズ」の社長に就任しましたが、現在1800人の部下がいます。就任して部下の皆に伝えていることがあります。「仕事をするうえで辛いこともあるし、誰にも認められなくて自分を卑下してしまうことや、あるいは自分の置かれた立場を嘆くこともあるだろう。立ち止まる時があるかもしれないが、そういった時に絶対心を腐らせるな」と。確かにチャンスに恵まれない時もあるかもしれませんが、決して自分の心を腐らせずに、今、目の前にあることを確実にこなしていけば、必ず誰かがあなたの実力を見つけてくれます。あなたを見つけてもらうチャンスは訪れるので、絶対に腐ってはいけません。そのことを念頭において毎日仕事をしてください、と伝えています。このことは全て私の経験から得た言葉です。 ■学生へのメッセージ 未来の日本をつくるのは皆さんです。それを忘れずに、これから社会人になって、人として道を外さずに、毎日頑張って生きてください。それを実践すれば、自ずと結果がついてきます。社会に出れば困難なことや異なる考え方を持つ人にも出会いますが、それに怯むことなく自信をもって取り組んでください。未来の礎を作ってきたのが僕たちや先輩の世代なので、これからは皆さんの時代です。明るく元気に頑張ってください。 学生新聞オンライン2024年5月23日取材 京都芸術大学1年 猪本玲菜 高崎経済大学4年 髙橋邑弥 / 京都芸術大学1年 猪本玲菜 / 慶應義塾大学3年 塚紗里依 / 津田塾大学2年 石松果林 / 武蔵野大学4年 西山流生

テリー伊藤 コラムVol.31 大谷選手「50本塁打&50盗塁」に思いを馳せ
ドジャース大谷翔平(30)が2024年8月23日のレイズ戦で日本人初のサヨナラグランドスラムを放ち、メジャー史上最速で「40本塁打&40盗塁」を達成した。試合後、MVPコールの合唱が響き渡る中でのヒーローインタビューで大谷は「最後に打てて良かった。ドジャースに来てから一番の思い出になっていると思います。」と格別な瞬間に酔いしれた。スタンド総立ちのファンを見つめながら「今日は最後僕は打ちましたけど、そこまでのチャンスを作ってくれる作業が必要なので。そういう人たちのお陰で今日打てたのは自信になりますし、自分の役割を先ずはしっかりやりたい。」何処までも謙虚なのだ。余韻に浸るわけでもなく試合後20分でスタジアムを後にした。大谷は既に明日を見つめている。 今シーズン際立って盗塁の数が増えている。過去最高は2021年の26個、今シーズンは何処まで増やせるのか。隙あらば次の塁を狙う塁上の大谷は、まるで獲物を狙う豹のようだ。プレー中一瞬たりとも気を抜かない。これって本当に凄いこと。日本のプロ野球を見ると、ホームランバッターにはその役割があって、走りは走塁のスペシャリストに任せる傾向がある。オフのトレーニングも、ホームランを打つための肉体作りに専念する。チーム、監督はホームランバッターに怪我をされては困るので盗塁の指示を出さない。これは高校野球、大学野球でも同じではないか。ましてエースで4番なら尚更。それが野球の常識だと思っていたのに、大谷が覆してくれた。 「現役メジャーリーグで最もレジェンドな選手は誰か」の最強論争になると必ず2人の名前が出てくる。先ずはニューヨーク・ヤンキース、アーロン・ジャッジ選手。今シーズン2度目の60本塁打に挑む球史に残るスーパースターだ。ジャッジ選手のホームランを打つ能力、外野手としての守備能力、ランナーを刺す矢のような確実な返球は、メジャーリーグの過去を探しても例を見ない。もう1人はもちろん大谷選手。今シーズンはリハビリのため投手としては出場していないが、その実績には目を見張る。かつて投打で活躍した選手と言えば、最初にアメリカ野球殿堂入りした伝説のベーブ・ルースしかいない。大谷選手の優位な点は走塁ではないか。打って、投げて、走って、野球選手としてそれがどんなに凄い事かは大谷が立証している。「どちらが偉大な選手なのか?」はメジャーリーグファンにとって最もホットな話題では。しかし論争の結論は未だ決める段階ではないかも知れない。楽しみは後にして、今は大谷の「50&50」の達成を応援しないと! テリー伊藤(演出家) 1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ」LALALA USAでコラム連載中https://lalalausa.com/archives/category/column/terry

株式会社エキスパート 代表取締役 七里信一
誰よりも早く行動するからこそ、勝負に勝てる 株式会社エキスパート 代表取締役 七里信一(しちりしんいち) ■プロフィール株式会社エキスパート 代表取締役社長。東京都生まれ。高校卒業後に自衛隊に入隊後、看板会社で大工を経験した。その後、独立して内装業を営んだが、会社のサイトを作成したことをきっかけにインターネットのコンサルタントにシフトチェンジをした。現在では、6500人以上の生徒が在籍している生成AIの学校「飛翔」で学長を務めている。 自衛隊、大工、内装屋など、多様な経歴をもつ七里信一氏。現在、彼は生成AIエンジニア養成学校「飛翔」にて学長を務め、生成AIプロンプト研究所を運営しており、日本の生成AI業界のトップを走っている。今回は、そんな彼に生成AI事業を始めるまでの経緯、これからの時代に必要なことや大学生へのメッセージを伺った。 小さい頃は、親が飲食店・手芸ショップ・生地屋などの店舗経営をしていたため、お店の手伝いをよくしていました。中学校の頃には、親の飲食店で店長も任されていましたね。何かを売って、感謝され、その対価としてお金をもらうというビジネスの基礎を、この時期から経験できたのは非常に良かったなと思います。今、独立しているのもこの経験があったからですね。また、小学生の頃からパソコンにはかなり詳しかったです。小学校3年生の頃に父親が最新のパソコンを貰ってきたのが興味を持ったきっかけでした。その後すぐに、自分で本屋にいってプログラミングの入門書を買い、勉強を始めました。気づいた頃には、学校で先生に対してパソコンの使い方を教えていました。そのような幼少期を経て、高校卒業後は自衛隊隊員になり、看板会社に務め大工を経験し、独立して内装屋を営むことになりました。内装屋からインターネットの領域にシフトチェンジしたきっかけは、会社のサイトを作ったことです。内装屋へ独立したのはいいものの、当初は顧客リストもないため仕事がない状態でした。そこで、もともとパソコンの知識があったので会社のHPを作ることにしたんです。2003年当時、インターネットを使えるのはお金持ちだけだったので、会社役員や会長などといった方からの依頼がたくさんきました。多い時には、1日5件も予約が入ることもありました。そして、無事に内装屋の仕事を獲得できたのですが、お偉いさんはあまりインターネットに詳しくなかったので、並行で彼らにインターネットコンサルも行うことにしました。そしたら、めちゃくちゃ儲かることに気づき、2005年ごろには内装屋の仕事をやめてネットコンサル一本に絞りました。現在は生成AI関連のサービスを取り扱う会社の代表をしています。 ■誰よりも早く行動するから、結果が手に入る 生成AIを取り扱っているのは、今一番売れる商品だからです。生成AIが出てきた時は本当に衝撃的でした。初めてChatGPTを叩いた時のことをいまでも鮮明に覚えています。「メルマガを書いてください」というプロンプトを打ち、出力され出した最初の20文字を見た段階で、私はこれを極めるために生まれてきたのだと思いました。その日中に直近数ヶ月の予定を全部キャンセルして、睡眠と会社以外の全ての時間はAIを触ることに費やしました(笑)。私は、実はたくさんの「日本で初めて〇〇した人」という称号を持っているんですよね。今では当たり前になったメルマガに添付ファイルを付けたのも私ですし、日本で初めてコロナ融資コンサルタントをしたのも私ですし、SEO対策が出てきた時もほぼ1番乗りでやりました。先ほどお話しした内装屋さんのサイトを作ったのも、たしか日本で10番目くらいだった気がします。このように私は誰よりも早く新しい領域を開拓するということを大事にしているのですが、これのメリットは、大きく2つあると考えています。1つ目は、周りに知識がないことです。新しい領域というのは自分に高度な専門知識がなくとも、周りがもっと知識がないため比較的簡単にコンサルをすることができるのです。例えば、LINEが流行り出した時に、LINEの本を20冊買ってスライドにまとめコンサルをしたのですが、本の内容をまとめただけなのに非常に喜ばれました。2つ目は、追い風が吹いているということです。新しい領域というのは市場がまだ未成熟で、これからどんどん拡大します。例えば、日本の生成AI市場は、いま大体1000億円規模の市場ですが、今後10年で1兆円規模の市場になると言われています。早いうちから市場のシェアを握っておけば、市場の成長に合わせて勝手に規模や売り上げも伸びていくという寸法です。だからこそ私は、いいものを見つけたら、誰よりも早く学んで教える側に回るということを大事にしているのです。 ■これからの時代を生き抜くためには、複数のことに手を出そう 今後、生成AIによって万人の技術レベルの差が縮まってくると私は考えています。例えば、昔は10〜20年修行してやっと一人前に家を建てられるのが当たり前の世界でした。しかし、いま道具がどんどん発展していて3年くらい修行すれば簡単に家を建てられるようになりました。これと同じことが生成AIでも起こります。ノーコードや画像生成AIなどの発展により、10年以上経験を積んだ人と2,3年経験を積んだ人の技術レベルが同じになってくるのです。結果、ホワイトカラーの仕事が激減したり、価格崩壊が起こったりするでしょうだからこそ、読者の皆さんには、いろいろなことに手を出してみて欲しいです。いまはひとつを特化する時代ではありません。たとえ時間をかけて1つのツールや技能を極めたとしても、技術革新によって代替される可能性が高いためです。だから、一気に3つくらいのことを、本気で取り組むことを持って欲しいです。 ■大学生へのメッセージ 大学生に伝えたいこととしては、2つあります。1つ目は、とにかく誰よりも早く行動して欲しいということです。これに関しては今回の記事を通して伝わっていたら嬉しいです。 2つ目は、年配の人に好かれましょうということです。自分で言うのもなんですが、自分はかなり年配の方に好かれるタイプです。そんな僕が考える彼らから好かれるためのポイントは4つです。1つ目は、当然のこととして礼儀正しいこと。2つ目は、お礼をきちんとすること。僕は人と会う時は、どれだけ昔のことでも必ず感謝するということを大事にしています。3つ目は大袈裟に喜ぶこと。4つ目は、その人が喜ぶことを褒めること。特に、その人が自慢したいことや褒められたいことを引き出せるキラークエスチョンを投げかけると良いです。若いのだから、年配の方の力を借りていろいろ挑戦してみてください。 学生新聞オンライン2024年6月22日取材 法政大学4年 鈴木悠介 武蔵野大学4年 西山流生 / 昭和女子大学3年 竜澤亜依 / 国際基督教大学3年 中村悠琳 / 国際基督教大学2年 丸山実友 / 京都芸術大学1年 猪本玲菜 / 専修大学3年 増田音生 / N高等学校2年 石川輝 / 上智大学3年 網江ひなた / 國學院大學2年 寺西詩音 / 早稲田大学3年 湯浅克巳 / 法政大学4年 鈴木悠介 / 東洋学園大学4年 石原秀真

株式会社アズパートナーズ 代表取締役社長 兼CEO 植村健志
「企業風土」を残しつつ、テクノロジーで介護を変える 株式会社アズパートナーズ 代表取締役社長 兼CEO 植村健志(うえむらけんじ) ■プロフィール早稲田大学卒業。上場デベロッパーにて共同住宅開発に従事。東証一部上場企業の常務取締役を経て、2004年にアズパートナーズを創業し、代表取締役に就任。首都圏を中心に、介護付きホーム(介護付有料老人ホーム/一般型特定施設入居者生活介護)と在宅介護事業であるデイサービス等の運営を行う。一般社団法人 全国介護付きホーム協会 副代表理事も務める。 首都圏を中心に介護付きホーム「アズハイム」を運営している株式会社アズパートナーズ。現在、介護付きホームの数は27箇所にまで拡大し、ご入居者からも高い支持を得ている。その最大の魅力は、現場を支えるテクノロジーだという。代表取締役社長の植村健志氏に創業から経営、社員の働き方、会社の今後の方向性について話を伺った。 幼少期から野球一筋の生活を送っていたので、大学に入ったら何か別のことを始めたいという想いがありました。そこで、大学入学後に調理師の免許を取り、4年間和食屋で板前として厨房に立ち続けました。その一方、大学ではスキーツアーやイベントを企画するサークルを立ち上げ、スポンサーをつけて利益を上げたりもしました。この時の体験が、今の経営の基礎となったのかもしれません。 ■いい仲間と楽しく仕事ができる会社に 大学を卒業してからは、新卒で入社した会社で約10年間働きました。その後、一度転職をして考えたのは「会社は企業風土が大事」だということ。そして、30代後半になると「自分自身で企業風土を作るために、起業したい」という思いが強く湧いてきました。その時に、どんなビジネスが良いかを考えた結果、思い至ったのが「高齢者の住宅」です。世の中は少子高齢化が進んでいて、高齢者がどんどん増えています。そこで、それまで住宅産業で働いていた経験を活かして「高齢者の住宅」を作ろうと考えました。これが、会社創業のきっかけです。「良い企業風土を作る」という想いで創業したため、創業から20年間大切にしているのは「いい仲間といい仕事をする」ということです。そして、周囲の方々から「アズパートナーズの人って良いよね」と言っていただけるような会社を目指してきました。最初、この業界に入ったとき、自分が想像していたよりも、実際の介護の職場環境はひどいものだと知り、衝撃を受けました。高齢者はどんどん増えていく中で、職員はみんな疲れており、若者が入ってもすぐに去ってしまう。このままだと大変な事態になるという危機感を、ひしひしと肌身で感じました。だからこそ、この会社は、社員みんなが楽しんで働けるような会社にしようと決めました。 ■業界を震撼させたテクノロジーの導入 もう一つ、この業界に入って気が付いたのは、「この業界は、圧倒的にテクノロジーの導入が遅れている」ということです。私がこの業界に入った当初は、介護の記録が全て手書きで、全てがアナログで管理されていました。人手が足りず、人員を増やせば赤字になってしまう状況で、人が少なくても社員がゆとりを持って働くには、テクノロジーの導入は必須だと考えるようになり、デジタル技術を導入し効率化を進めていこうと決意し、業界に先駆けて積極的に導入していきました。こうした取り組みを魅力に感じ、多くの若い人材が集まってくれたおかげで、今は新卒社員が中心となって現場が回るようになりました。 ■生産性向上につながった「EGAO link®(エガオリンク)」 数あるデジタル機器の中でも、私たちが評価されたのは、2017年にスタートした「EGAO link®」です。これは、当社が主体となって考案したもので、各種メーカー様の機器をリンク(つなぎ合わせ)させることで、スタッフの業務負荷の軽減および情報の一元化を目的に開発しました。このシステムは、ご入居者のベッド上での状態把握や、呼吸や心拍、介護の記録などを全てスマートフォン一台で管理できるようにまとめたものです。よって、スマートフォンを見るだけで、各居室のご入居者が今どのような状況かがわかります。従来の介護付きホームでは、記録、見守りセンサー、ナースコールなどは全て別々の会社の商品をそれぞれの機器ごとに管理していたのですが、このシステムの開発によって、業界で初めて全ての機能をまとめて、効率的にスマートフォンで管理ができるようになりました。導入には1事業所あたり2,000万円から3,000万円ほどのコストがかかるため、当初は迷いもありました。しかし、デジタル化を進めたことで効率の良い人員配置が可能になり、生産性も向上しました。各ホームで総労働時間の大幅な短縮を実現することができたため、コストダウンだけでなく、お客様に向き合う時間を増やすことができたのです。かつて夜勤に3人の配置が必要だった60室規模のホームでも、導入後は2人で回るようになりましたし、長い目でみれば決して高い投資ではありません。 ■介護の世界でより発信力のある存在になる 我々には、様々なお客様がいます。だからこそ、社員にも色々な人がいて良いと思っています。特定のタイプや性格を設定する必要ありません。勉強ができる人、音楽が得意な人、スポーツが得意な人、様々な人たちが活躍できる会社でありたいと考えています。また「業界を変えたい」「制度設計をやりたい」「広報をやりたい」など、それぞれ仕事に想いを持って望める方に入っていただきたいですね。そして何よりも、うちの企業風土に共感してくれる方に入社いただきたいです。楽しんで仕事をするためには、仕事に想いを持つことが不可欠です。自分の仕事にどんな意味があるのかを考えなければいけません。もちろんどんな想いを持つかは自由なので、一人ひとりに耳を傾けつつ、その中で会社として何ができるのかを考えなければならないと感じています。どのようなサービスや制度があれば、社員やお客様が喜んでくれるのかをしっかりと意識したいですね。これからは、この会社をもっと若い人たちが活躍できる場にしていきたいと考えています。そして企業風土、文化を残していきたいです。若い人たちが中心となってこの介護の業界を盛り上げて、変える。テクノロジーをこの業界に浸透させるためには、我々がもっと発信力を持つ会社にならなければならないと感じています。また、介護の会社でありながら、介護のDXサポート事業やAIケアプランなど、他社とも協力しながら色々と取り組んでいきたいです。テクノロジーや人材、サービスをどんどんこの業界に発信しながら、新しいことに挑戦できるこの環境下で、いまだかつてないような事業もスタートさせたいですね。 ■大学生へのメッセージ 若い人達は何かにチャレンジして、なおかつそれを楽しんでほしいです。チャレンジはハードルが高いと感じ、失敗を恐れて躊躇してしまうかもしれません。ただ、私は経営をしてきて、「チャレンジは楽しい」ということを30年かけて知りました。そして学生さんが何かチャレンジするときのリスクは、ほとんどリスクではないと思うことができます。「チャレンジは楽しい」ということを頭に入れておくと、就活でも何でも色々楽しくなっていきますよ。 学生新聞オンライン2024年5月17日取材 国際基督教大学2年 若生真衣 中央大学4年 松島鈴音/国際基督教大学2年 若生真衣/津田塾大学3年 小川蘭

テリー伊藤 コラムVol.30 徳利(とっくり)がタートルネック
パンケーキを食べながらこんな事考えていた。これって昔ホットケーキって言っていたよね。最初の2年間くらいそれに気がつかず別の食べ物だと思っていた。冷静に見るとホットケーキは上にバター、パンケーキはゴージャスに生クリーム、フルーツ、生チョコレート等が乗っている。これって新装開店のお店が、店内の調度品を豪華にして値段設定を高くしている感じ。氷いちごもストロベリーフラッペに変身し女性に大人気。芸能人にもいます、改名して心機一転デビュー。スパゲティもいつの間にやらパスタになり、代官山のイタリア料理店ではスパゲティは死語になりつつ。ミルクコーヒーはカフェオレになって気取ってワンランクアップ。 食べ物ばかりじゃない。背広もいつのまにかスーツに。スラックスもファション雑誌ではトラウザーになっていた。ももひきがスパッツからレギンスに2段階出世。ジーパンはジーンズからデニムへの転身。とっくりのセーターはタートルネックに。 街を見渡すと食堂街がフードコートに。下町築地育ちの私にとって余りの変身ぶりに、先日行った横浜のモールのフードコートではどうやって食券を買っていいやら、オーダーの仕方にも戸惑うばかり。外国人観光客のことをいつからかインバウンドという。最近の円安傾向で喜んでいる外国人目当てに、調子に乗って高額で料金設定しているインバウンド価格のお店が増えてきたのには困ったもんだ。 夏になると毎年ニュースになった日射病も熱中症に改名。かつては仕事をしない連中をプータローと呼んでいたが今やニートとなって、なにやら意味ありげ。仕事しなくても正義がある感じになっているのが不思議なのだ。TV特番でよくやっていた「宇宙から謎の円盤がやって来た」も「未確認物体UFO現る」とカッコ良くなる。おそらくNASAなどの宇宙船を見て、いくらなんでも宇宙の果てからくるのに円盤型はないだろうと感じたのでは。話を続けよう。「あいつ助平な男」と言っていたのが「エッチな男」に、助平とエッチは別物のような感じがするがその議論は別の機会に。AV女優も知らない間にセクシー女優に。私個人としてはセクシー女優のほうがそそられるが…。 言語って面白い。名前ひとつでまさに心機一転するが、考えてみるとイメージチェンジの為に日本語が外国語に変わっただけでは。これはまずい。日本の言葉を盛り上げ成長させていく方が痛快なはず。外国映画でKARAOKE、SUSHIって日本語が出てくると嬉しくなる。とっくりのセーターはお酒を入れる徳利が語源。こんな素敵な言葉、死語にしたくない。と言いながら私は生クリーム大盛りのパンケーキ食べてます。 テリー伊藤(演出家) 1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ」LALALA USAでコラム連載中https://lalalausa.com/archives/category/column/terry

株式会社物語コーポレーション 代表取締役社長 加藤央之
「なりたい自分」を描くことが、自分の人生を豊かにするはじまり 株式会社物語コーポレーション 代表取締役社長 加藤央之(かとうひさゆき) ■プロフィール1986年愛知県生まれ。神奈川大学卒業後、物語コーポレーションに新卒入社。 店舗勤務からお好み焼事業部事業部長、業態開発本部本部長、副社長などを経て2020年9月に代表取締役社長に就任。経営理念推進・サステナビリティおよびマーケティング領域を管掌。 焼肉きんぐや丸源ラーメン、寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵など、多くの業態で成功を収めている物語コーポレーション。国内外の店舗数は700店舗を超える。今回は、そんな物語コーポレーションの代表取締役社長である加藤央之氏に、学生時代の話や物語コーポレーションの強み、大学生へのメッセージなどをお伺いした。 私が将来について真剣に考えるようになったきっかけは、就活の面接でした。「あなたのなりたい自分はどんな自分ですか」と聞かれ、答えられなかったのです。その面接があった夜、ファミレスに行き自分のなりたい将来像について初めて真剣に考えました。何日も考えた結果、自分はダサい大人にはなりたくない、すなわち、「かっこいい大人」になりたいのだと気づくことができました。その後、「かっこいい大人」をブレイクダウンし、ロールモデルについて考えてみると、高校時代にバイトをしていたうどん屋さんの店長に行きつきました。私が彼のことをかっこいいと思った理由は、大きく2つあります。1つ目は、彼の人間力です。誰に対してもちゃんと自分の思ったことを口に出し、実行していた彼は、自分の中に芯があり非常に活き活きとしているように見えました。2つ目は、彼のプロフェッショナル性です。彼は1人で独立してうどん屋さんを運営していたのですが、仕事に対する真摯な姿勢に惹かれました。そんな彼が独立前に働いていた会社こそ、この物語コーポレーションなのです。就職説明会に参加して経営理念である「Smile & Sexy」を知った時、彼は独立後もこの理念に従って生きていたからかっこいいのだと感じました。最終的に、この会社でなら自分は人間力とプロフェッショナル性を磨き、芯のあるかっこいい大人になれると思い、入社を決めました。入社当初は、実は10年くらいこの会社で学んだのちに独立しようと思っていたのですが、今は社長をやっています。理由は2つあります。1つ目は、よりプロフェッショナルなことに挑戦できるからです。当然のことですが、多店舗展開を狙わず1店舗を繁盛させるのと、100店舗の出店を見据えた最初の1店舗を繁盛させるのだと難易度が違います。1店舗だったら技術がある料理人を雇うことや、実地調査でその地域に供給が足りていない店を出店することで勝つことができるかもしれない。しかし、100店舗だとどこに出店しても差別化できるということを考えなければいけません。自分はフードビジネスのプロとしてどちらにチャレンジしたいかという観点で、独立よりも物語コーポレーションでやっていくことを選びました。2つ目は、シンプルにみんなと働くことが楽しいからです。自分にとって会社の仲間はすごく大事であり、心温まる仲間です。彼らと一緒にこれからも働きたいなと思い、独立よりも物語コーポレーションを選びました。 ■理念と人財こそが強み 物語コーポレーションの強みは理念と人財です。飲食業界はすでに成熟しきっているマーケットであり、明確な差別化を生み出すことは非常に難しいです。だからこそ、小さな差別化を積み重ねていかなければなりません。例えば、接客の質や仕入れルートの改善による値段の見直しなど、些細なことでも実践し、お客さまから選ばれるお店になることが大切です。そして、このような小さな差別化を生むのは、結局人なのです。ここで指す人の定義を表しているのが、弊社の経営理念である「Smile & Sexy」です。Sexyとは自分の考えややりたいことを、誰に対しても臆せず正々堂々と発信しようという意味が込められています。しかし、いくら積極的に発信したとしても、その人自身が感じの悪い人であれば、周りからの協力を得られずやりたいことを実現することは難しいでしょう。一方、Smileには笑顔に象徴される人間力を磨き、応援される人になろうという意味が込められています。このように自己表現の姿勢(Sexy)と応援される人間力(Smile)を両立した人を目指すという理念に共感した人財が、弊社には集まっています。また、この理念や一人ひとりの自己実現を後押しするために、社内ではさまざまな工夫をしています。例えば、新入社員ではなく幹部候補生、中途社員ではなくキャリア社員と呼ぶことにより、少しでも発言をしやすい環境づくりを行っています。他にも、月に一回「なんでも提案実行委員会」という新メニューの提案やオペレーションの改善案、人事制度への意見など、大小問わず店舗から意見を吸い上げる制度もあります。ここで挙がった意見は、幹部陣が精査して実行可否を決め、もしやらないものが出た場合にも全て理由付きで返答を行なっています。このように理念に共感し、自己表現する姿勢がある人財が多いからこそ、たくさんの発信から議論が生まれ、深まり、弊社は焼肉やラーメンなど業態に縛られずに、お客さまに選んでもらえるお店でいられるのだと思っています。 ■今後の展望 今後の展望として、「成長戦略3本柱」を掲げています。1つ目は、選ばれるブランドづくり(NO.1戦略)です。国内市場はすでに成熟し、今後縮小していきます。だからこそ、お客様に選ばれるお店になりシェア率を上げていければなりません。そのために、今後も小さな差別化を重ねていきます。2つ目は、成長を加速させる新業態開発です。一般的に、フードビジネスの会社が大きくなる時というのは、1つのヒットフォーマットが生まれた時だと考えています。最初のヒットフォーマットというのは、再現性のないひらめきから生まれたものだったりすることもあるので、この成功要因を自分たちの知見としてため、他のブランドにもどんどん拡大していきたいです。新たな業態はすぐに開発することはできないので、調子のよいブランドがあるうちに新業態開発に取り組み、未来の成長エンジンを今からつくっておく必要があります。ちなみに、3年前に初出店した「焼きたてのかるび」は、未来の成長ドライバーになれると期待をしています。3つ目は、海外事業の展開加速です。日本の人口は減っていますが、世界の人口は増え続けています。例えば、インドネシアの平均年齢は29歳で、人口も増え続けています。このように今後伸びていく市場に身を置くことが重要だと考えています。他にも、北米や東南アジアの諸国にも展開を進めていきたいと考えています ■大学生へのメッセージ 一度きりの人生、ぜひ自分らしく生きてください。1日24時間のうち、8時間が睡眠、8時間がプライベート、8時間が仕事だとした時に、多くの人はプライベートを充実させようとします。一方で、仕事はお金を稼ぐための手段であり、耐える時間だと思っている人が多いのではないでしょうか?でも、もし、その仕事すら楽しめれば人生を2倍楽しむことができます。そのために大事なことは、何事も自分自身の意見を持つことです。自分がいいと思うものは何なのか?自分だったらどうするのか?ということを考え、勇気を持って発信してみてください。物事を自分ごと化して、目標とする結果を追い求めていく。そこから生まれる「自分らしく生きているという充実感」が、自分の人生をより豊かにし、誇りを持つことにつながるのです。 学生新聞オンライン2024年6月25日取材 法政大学4年 鈴木悠介 法政大学4年 鈴木悠介 / 慶應義塾大学3年 山本彩央里

歌手 ・俳優 阿部顕嵐
不安な未来を楽しむか、悩むか。人生はその違いで大きく変わる 歌手 ・俳優 阿部顕嵐 (あべあらん) ■プロフィール1997年8月30日生まれ、東京都出身。俳優としての活動を中心に、映画、ドラマ、舞台と幅広い作品に参加。また、「7ORDER」のボーカルとしての音楽活動や、自身のオリジナル映像やグッズの企画プロデュースなど、活動は多岐にわたる。 中学1年生から芸能活動を始め、舞台やドラマ、映画など俳優として活躍し、音楽活動では「7ORDER」のメンバーである阿部顕嵐さん。前向きでブレない姿勢が印象的な阿部さんに、仕事をする上で心がけていることや今後の展望、前向きでいられる秘訣などを伺った。 ■活動していたからこそ、勉強に力を注いだ学生時代 僕が中学1年生だった2010年に、母が事務所に履歴書を送ったことがきっかけでこの業界に入りました。小さい頃は野球が大好きだったので、芸能界に興味はありませんでした。当時はスマートフォンが発売されたばかりの頃で、「これを買ってあげるから行ってほしい」とお願いされ、オーディションに行きましたね。結局スマートフォンは買ってもらえなかったのですが(笑)。元々勉強が好きな方で、活動しているからこそ勉強もしなくてはいけないなという思いが強くなり、より勉強をするようになりました。この活動をしていなかったら、奔放に遊んでいたかもしれないです。小さな頃から通っていた塾に加え、予備校にも通い、学校と活動と両立していました。学生時代から、勉強と活動といった二足の草鞋を履いている感覚がありますね。大学へ行くのは親孝行からだったのですが、勉強ができるとカッコいいという想いで頑張っていました。表彰や成績上位の掲示など、やった分だけ目に見えて結果が出たことが学生時代の自信に繋がりました。 ■すべての経験は、いずれ繋がって活きてくる 音楽もお芝居もダンスも、すべてが繋がっていると感じます。それぞれにリズムや流れがあるので、繋がりが見えてきますね。たとえば、お芝居の仕事で相手とやり取りをする場面では、相手を感じて返すことが大切です。その呼吸はダンスや音楽のセッションと似ていて、両者にも活きているのかなと思っています。演技は勉強に近いと思う部分もあります。作品一つひとつのシーンには、「こう見せたい」という目的がありますよね。どこが大事なのか理解した上で、ゴールから逆算して自分がどうアプローチするかを常に考えています。ただ、全部覚えても必要ないこともあるので、いらないことは省いて、効率よく作品にアプローチするようにしています。趣味として映画を観る時も、その映画のテーマを考えながら見ることが楽しいです。中学1年生から芸能界に入りましたが、今思えば、いろいろな大人と遭遇し、まるで社会人1年目のようでした。僕はありがたいことに環境に恵まれていたので、とんとん拍子でここまでこられたのですが、常にライバルがいる厳しい世界で戦ってきた経験は、いろんな意味で現在に活きていると思います。 印象的な作品は16~17歳の時に初主演したドラマ『近キョリ恋愛~Season Zero~』ですね。主演をとして真ん中に立つのは簡単なことではないので、仕事に対してより一層の責任感を持つようになりました。勉強もかねて演技メソッドの本を読むこともありますが、お芝居については実際に経験することが一番の勉強だなと思います。常に学び続ける姿勢を大事にしていて、「自分は上手い」と思わず、常にビギナーズマインドで取り組んでいます。これは僕の好きな禅の考え方でもあります。真っさらな状態で挑むことで、新しい知識をスポンジのように吸収でき、上達に繋がるのではないかと思います。去年出演した舞台『ラビットホール』は現実的なお芝居をもっとしたいなと思うきっかけになりました。共演者の方や演出家さん、スタッフさんなど全員が刺激的で、純粋に楽しかったですね。悔しいことも楽しいこともありますが、もっと前向きになろうと思えた作品でした。7ORDERとして活動し始めて、人のありがたみをより感じました。CDのシーリングスタンプを一つずつ自分たちでやって梱包したことも、直接は見えない相手だけど支えてくれている人たちを感じられたよい経験だったなと思います。 ■自分らしく前向きに 僕は多方面で様々な活動をしていますが、「どこに行っても自分は自分だ」という気持ちが軸にあります。場所によって求められることは違いますが、素直な気持ちで取り組み、自分がわくわくできて、自分らしくいられることを重視しています。この仕事のやりがいであり、僕自身の生きがいは、自分たちが良いと思うことを協力して作り上げて発信し、いろいろな人に反応してもらえること。いいものを作ろうという一心で集まれるのも素敵だし、それが形として残るのも良いなと思っています。僕は常に前向きなのですが、10代の頃は一喜一憂することも多く、落ち込むこともありました。その経験があったからこそ今は「考えていても仕方がない」という考えに行きつきました。常に前が見えない中で歩き続けているような人生を、楽しくとらえるか、悩んでしまうか。僕の場合は前者のタイプで、どちらを選ぶかで人生の方向性が大きく変わると思っています。あと、体を動かすなど、自分がリラックスできるものを見つけることも大事だと思います。「これをしたら気持ちが前向きになる」という瞬間を増やすことがおすすめです。 ■今後の活動拠点として「世界」を見据える これからは、より俳優活動に力を入れていきたいと思っています。興味があるものは何でも挑戦してみたい。特に、古典的なドラマが好きなので、大河ドラマなどの時代劇に出たい思いがあります。尊敬する俳優は真田広之さんなのですが、ハリウッドと日本のチームが手掛ける『SHOGUN 将軍』のように、国内外の作品にも挑戦したいです。海外で活動の場を得ることができたら、日本の文化を世界に発信していきたいですね。 ■大学生へのメッセージ 自分が興味のあるものは、すぐに行動してほしいなと思います。僕自身も意識しています。思い立った時にすぐ動かないとその後タイミングを逃してしまうので、「明日ではなく今日やろう」と先延ばしにしないように心がけています。20歳の時に一人旅でアメリカを周ったのですが、良い意味で怖いもの知らずだった学生時代の経験は、今に深く活きています。「何に価値を見いだすか」という自分のものさしを大切に、先のことはあまり考えすぎず、今を全力で生きていきたいです。 学生新聞オンライン取材2024年3月15日 上智大学短期大学部2年 大野詩織 立花朱音/上智大学短期大学部2年 大野詩織/中央大学2年 前田蓮峰/駒澤大学4年 本多杏衣/國學院大學1年 寺西詩音

テリー伊藤 コラムVol.29 凄いぞ!オリンピック日本男子体操
パリ2024オリンピック体操男子団体がリオデジャネイロ大会以来2大会ぶりに金メダルを獲得。前回の東京オリンピックで中国に0.103点差で敗れた悔しさを晴らし、0.532差で中国に逆転勝利した。おめでとう体操JAPAN!私は感化されやすいタイプ、TVのスポーツ中継を見ていると、すぐその気になって体を動かしたくなる。マラソン、野球、空手、サッカー、スケート、ボウリング、サーフィンなど中継が終わると同時に家を出て行くことも。しかし体操は絶対に無いと言うか有り得ない…。 改めて体操競技を見ると、床、あん馬、吊り輪、跳馬、平行棒、鉄棒のどれを見てもレベルが高すぎてマネの仕様がない。床運動をみてもせいぜい私ができるのは布団の上ででんぐり返しするか、壁に向かって逆立ちするくらい。あん馬は、あん馬台の角に膝をぶつけて倒れるのが落ちだ。吊り輪は持ったはいいがそのまま動けずベランダに干された洗濯物状態になるのが目に見えている。跳馬は助走の段階で足がもつれて跳馬台にも届かず転倒、仲間に救助される。平行棒も腕力が無いので最初から平行にならない。一番厄介なのが鉄棒、競技が始まる前にスタッフの手を借りて鉄棒に手を添えるが、直後に落下する。仮に上ったとしてもその時点で力尽きる。 古くはウルトラC・ムーンサルト、後方片手車輪から、アドラー、現在最高クラスのGにランクされているカッシーナなどの超難易度高技など、宇宙旅行に一人で行くより無理。更に団体競技におけるプレシャーがどれ程大変なものか。今回日本の絶対的エース橋本大輝選手が二種目のあん馬で落下してしまった。しかしそこからの立ち直りが凄かった。「引きずっていたが、仲間が背中を推してくれた。」絶対に諦めない気持ちで最終種目鉄棒に向かう。自らの演技で勝敗、金メダルを手にするかが決まる。実力と共に凄まじい精神力が求められる。勝利インタビューで「今回の金メダルは私自身だけでは絶対に獲れなかった。仲間の力です。」と甘いマスクに微笑みを浮かべて話す。仲間と勝利を分かち合える団体スポーツの素晴らしさに感激したが、改めて体操競技は見るものであって自分では無理だと痛感。スポーツ競技は沢山あるが、一番身体能力が必要なのが体操ではないかと思ってしまう。彼らはいつの時点で体操競技を志したのか。小学校時代にすでに自分の才能に気づいていたのか興味深い。 東京は猛暑で屋外スポーツをする環境じゃない。そんな訳で私は冷房の効いたスポーツクラブのランニングマシンに乗りながら、オリンピック、パラリンピック日本選手の応援に専念する。頑張れニッポン! テリー伊藤(演出家) 1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ」LALALA USAでコラム連載中https://lalalausa.com/archives/category/column/terry

株式会社REAL JAPAN 代表取締役 高崎圭悟
自分の特性・価値に気づいて、人生を切り拓く 株式会社REAL JAPAN 代表取締役 高崎圭悟 (たかさきけいご) ■プロフィール1985年群馬県生まれ。株式会社REAL JAPAN代表取締役/NPO法人 地方創生機構 代表理事。研修講師・YouTuber・イスラエル観光親善大使。・研修事業:通算800回以上開催、のべ8万人以上が受講。・YouTube総再生数250万回・インスタグラム総再生数1800万回・保守派の世界最大カンファレンス『CPAC JAPAN』に登壇。 独自の研修プログラムを通じて、自分らしい生き方を提案する株式会社REAL JAPAN。代表取締役の高崎圭悟さんは自身の経験を通じた研修・講演会事業の展開に加えて、日本最大級の国際政治カンファレンスであるCPAC JAPAN 2023のパネラーや、イスラエル親善大使などマルチな活躍をされている。そんな高崎さんに過去の経験や事業内容、また、これからを生きる人々に伝えたい思いをお伺いした。 ■「お金」に対するコンプレックスを感じていた 信州大学に在学していた頃は、中学生からはじめたスノーボードに力を入れていました。骨折をしたままでもなお滑ったり、長野県内の大会で優勝したりと本当に夢中でした。一時期はプロになろうとも考えていましたが、スノーボードの先輩方からプロ生活の厳しさ・先のなさを教えられて断念しました。当時、僕の家庭はあまり裕福とは言えず、なんとか大学に進むことができたという状況でした。「お金で困りたくない!」という思いや貧乏に対するコンプレックスを抱えていたため、就職活動は給与が高い大企業を中心にエントリーをしていました。大学卒業後はインターンシップにも参加をしていた富士通長野システムエンジニアリングに、SEとして入社することができました。 ■お金を稼ぐが心が満たされず、すべてを投げ捨てた 入社後は、1年目からソフトウェア特許を6件出願したり、営業部と開発部の先輩を集めてプロジェクト立ち上げて21件の特許を出願したりと、全力で業務に取り組んでいました。自分で言うのもなんですが、そのお陰で「最年少課長になれるぞ!」と太鼓判を押されるほど、出世コースに進んでいましたね。しかし、最年少課長になるには、「最速でも30歳以降。それに加えて課長の枠が空く必要がある。」と言われ、どちらも自分の力ではどうにもできないため、「このまま頑張ってもなぁ」とモチベーションが下がるように。そんな中、東京出張の際に出会った人から、いわゆるネットワークビジネスに勧誘されました。当時はその実力主義の世界が、自分には魅力的に感じ、富士通を退職して参画しました。そのビジネスでは、月収250万円以上、年収3000万円近く稼ぐことができ、金銭的にはかなり結果を残すことができました。小さい頃からのコンプレックスだった「貧乏」を解消できた、と感じていました。しかし、その一方で、どこか空虚で仕事に対する満足感を得ることができませんでした。どのビジネスもそうですが、特にネットワークビジネスでは、結果を残せる人もいる一方で、結果が出せずに借金を抱えてしまう人も多くいました。彼らを見て、「自分のせいで悲しむ人や不幸になる人が生まれている。本当にこれでいいのか?」と考えるようになり、引退し、それまで得ていた収入も手放すことを決めました。 ■お金や成績などの結果主義ではなく、「使命」を追求する。 自身のしていることが悪いことなのではないかと葛藤している時にちょうど出会ったのが、キリスト教の牧師の方でした。そのことを通して自分のこれまでやってきたことを悔い改め、お金を目指すことをやめ、人がもともと生まれ持った使命に進もうと考えるようになりました。一般社会では、お金や成績など(最近ではフォロワー数・再生数など)の「結果・数字」を出さないと認められない、いわゆる成果主義が蔓延しているように感じます。そのど真ん中にどっぷりいた人間だからこそ、その違和感や問題点がイヤと言うほどわかるのです。そして、これは学生さんにも伝えたいことですが、この成果主義というものは、学校の中にも深く浸透しているイデオロギーです。数字の結果を出せない者は、落第者のレッテルを貼られてしまいますよね。でも、人間というのはそういう一つの指標で図れるものではなく、それぞれに生まれ持った特性があり、天から与えられた使命がある生き物だと思うのです。80億人の人間は、それぞれに違った特性があり、本来は優劣で図れるものではありません。そのような、一人ひとりの人間は神が創った最高傑作であるという前提に基づいて、ある牧師によって開発された研修メソッドを教わる機会がありました。一人ひとり違う人間の脳の特性を大きく4種類に分類し、生まれたままの特性を理解し、その強みを活かすことで、アイデンティティを回復し、人を助けていこうというアプローチ。それが、現在の研修事業であるRevivalシリーズの研修にもつながります。 ■人と人とを一致させる研修「Revival Union」。人間の脳の特性を4つの属性で捉え、個人の強みに着目 「Revival Union」では、脳の使い方に合わせて人を「勇」「誠」「義」「礼」の4つのタイプに分類します。「勇」は失敗を恐れず行動する人、「誠」はロジカルに計画を立てて達成する人、「義」は目的やビジョンで生きる一貫性を求める人、「礼」は人間関係や感情を大事にする人です。この4つのタイプには得意・不得意があり、それぞれのタイプが互いの弱点を補っています。日本では弱点や苦手分野を克服させ、完璧な人間を求める傾向が強いと思います。そのため、何か1つできないことがあると存在を否定され、アイデンティティが低くなってしまいがちです。この研修ではまず自分自身のタイプと得意・不得意を理解して、「自分らしさ」を再確認する一方で、他者のタイプ、つまり「違い」も理解していきます。「違い」を認識することで、互いにできること・できないことを明確にして、支え合う気持ちを育んでいきます。人々が喧嘩をしたり、争いをしたりしてしまうのは、「違い」を認めず同質化を試みた結果です。だからこそ、他者の「違い」を理解するこの研修は、人間関係において非常に有効です。また、自分の強みを発揮して生きることが、喜びをもって仕事をすることに直結します。それが、それぞれの使命を生きることに繋がってくるので、この研修はとても有用だと感じています。 ■学生たちへ。時代は急激に変化している。古い体制の評価は気にしなくていい。 最近の若い世代は特にそうですが、昔と違って家や車など、個人で何かを「所有したい」という欲求や誰かと「競争する」という発想が少なくなり、先に説明した「成果主義の呪縛」から自然と逃れている人が増えているように感じます。何よりも、生成AIやドローンといった新しい技術が次々に生み出されていて、既存の業界や考え方がどんどん破壊されています。これからはもっと加速度的に変化していきます。こういった時代や技術による社会の変化の流れは、抗おうとしてもムダで、必ず来る大きな波のようなものです。古い考えや概念の会社や組織はあっという間に消えさっていくので、いま現在の社会に求められているものではなく、技術革新の先を見据えた人生戦略を立てることを、学生さんたちには強くおすすめします。具体例を挙げると、今のホワイトカラーの仕事もブルーカラーの仕事も、軒並みAIにとって替わられることは誰でも想像がつくと思いますが、それらの消えていく仕事のスキルなどを今から勉強することは致命的な戦略ミスです。そうではなく、「AIを使いこなす」「AIで何ができるかを考える」など、思考の視座を上げて、メタ認知力を鍛えることを推奨します。そして、自分の個性を大事にしてほしいです。これからは、ChatGPTのようなことしか言えない人間は社会的な価値がゼロになっていきます。つまり、AIっぽくない人間・尖っている変わった人間の価値が上がり、当たり障りのない意見しか言えない人間は無価値になっていくということです。なので、資格やスキルがあるとかないとか、テストの点数などに一喜一憂するのではなく、そもそも自分自身の存在自体に価値があり、それを表現すればするほど社会的な価値も上がっていくのだと思って、高いアイデンティティをもって生きていっていただけたらと思います。 学生新聞オンライン2024年5月27日取材 武蔵野大学4年 西山流生 武蔵野大学4年 西山流生 / 京都芸術大学1年 猪本玲奈

テリー伊藤 コラムVol.28 パンの耳 美味しすぎる
コンビニで「寒天入りわらび餅」を購入した。冷蔵庫で冷やして早速食べてみると…すこぶる美味しい。きな粉と餅の相性が絶妙。大満足なのだ。昔懐かしい和菓子は一時絶滅状態だったが、スーパーマーケットやコンビニエンスストアのお陰で完全復活したのでは。かりんとう、乾燥芋、草餅、水ようかん、ボンタン飴。更に、こんぺい糖に代表される昔駄菓子屋さんで売っていたきびだんご、当たり付きガム、麩菓子、ココアシガレット、甘酸っぱいイカなどの懐かしい商品も容易に手に入る。挙げ出したらきりがない。 ご飯ものだって、昔はおにぎりやお稲荷さんは家庭で作るもので、お店では売っていなかった。大好きな赤飯は段取りも大変だし、私の家でもお正月やお祝い事の時にしか作ってもらえず、年に数回ほどしか食する事が無かった。それが今や「赤飯おにぎり」は毎日食べることが出来る。当時は有難みをもって食べていたが今やそれは無い、しかしいつでも食べられる便利さは魅力的だ。 長い間お祭りなどでしか見る事がなかったラムネも復活した。飲むたびに聴こえるビー玉の音色が子供時代に引き戻してくれる。カルピスも再び脚光を浴びている。家庭で作る濃縮カルピスではなく、出来上がったペットボトルのカルピスは自分で作る味と違うので最初は違和感があったが、今ではすっかり慣らされてしまった。菓子パン関係もありました。青エンドウ豆で造ったうぐいすパン、あんこをカステラで挟んだシベリア、ジャム・チョコレート・カスタードクリームの3つの味が楽しめる三食パンなど大物パンが大復活している。嬉しい限り。 そんな時、とんでもない大物が目の前に登場した。「パンの耳」です。皆さん知っていますか。パン粉は時々見かけますが、そうではなくて食パンの端の堅いところやサンドウィッチの周りだけカットして販売している商品です。横浜本牧「本牧館」で発見!何と大量に入っているのに50円と激安。子供の頃学校近くのパン工場で買った思い出があり、懐かしいのなんのって。そのまま食べるのではなく、家に持ち帰りオーブントースターで焼いた後、熱くなったフライパンでバターを絡め、お砂糖をまぶす。作り方をネットで調べたのでこれがベストかどうか判らないが、取り敢えず完成。試食タイムに移る。テーブルの横には牛乳。ベストマッチではないか。カリカリになったパンの耳にお砂糖、昔友達と公園で食べた思い出の味が一瞬で蘇る。わずか50円でタイムスリップ出来るのだ。近頃流行の高級食パンも良いけど、50円パンの耳も絶対にいい!誰でも家庭で簡単に作れる。挑戦してみませんか。 テリー伊藤(演出家) 1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ」LALALA USAでコラム連載中https://lalalausa.com/archives/category/column/terry

GAKUSEI RUNWAY 2024 SPRING&SUMMER
2024年6月16日(日)リバープレイス(大阪府大阪市浪速区湊町1丁目3-1)にて、GAKUSEI RUNWAY 2024 SPRING&SUMMERが開催された。「GAKUSEI RUNWAY 」は関西コレクションが展開するコンテンツで、日本中の学生の「夢」を叶えるイベントです。関西コレクション実行委員長でKANSAI COLLECTIONの中川康之会長にイベントにかける想いと、ステージ出演したレジェンド学生さんへお話を伺った。 ■株式会社KANSAI COLLECTION 代表取締役 会長 関西コレクション実行委員長 中川康之 私達は日本中の女子学生が夢を叶えられるステージを提供したいという想いでGAKUSEI RUNWAYを開催しています。今回の来場者数は一万人以上と最大規模のステージで、出演者の気持ちを昂らせられるようなステージを目指しています。皆さんの憧れであり、トレンドを体感できるKANSAI COLLECTIONにもつながるGAKUSEI RUNWAYは、一万人以上のお客様が選ぶ選抜モデルが出るというところが魅力です。 今後はこのようなイベントを大阪だけではなく、47都道府県すべてのエリアで実施していきたいと思っています。事業的には地域を代表する企業様に主催をしていただき、フランチャイズ展開を視野に入れています。その地域で生まれ育った子が自分の地元で初めてステージデビューできるといった夢を叶える場を作っていきたいです。 学生の間は勉強や遊び、スポーツなどたくさんのことにチャレンジしてください。体験を通して、いろんな気持ちやいろんな瞬間に立ち会えると思いますが、自分が本気でやりたいことに覚悟を決めて狭く深く頑張ってほしいですね。 ■レジェンド インタビュー ※2023年12月10日開催GAKUSEI RUNWAY受賞当時の部門 ◇小学生低学年グランプリ 千原ゆら Q1 挑戦しようとしたきっかけお母さんに「やってみたら?」と勧められて、やってみたいと思ったので挑戦しました。 Q2 グランプリをとった時の気持ちとランウェイを歩いた感想グランプリをとれてKANSAI COLLECTIONも歩けたことをみんなに知ってほしい!と思っていました。「私を見て!」という気持ちで歩きました。 Q3 KANSAI COLLECTIONへ出演した時の気持ちトップバッターでお客さんも多く、距離も長かったので緊張したけど、せっかくグランプリをとったのだから堂々と歩かないとという気持ちで臨みました。 Q4 今後の夢や目標モデルでありつつ有名な女優さんになりたいです!アンミカさんのように面白くて良い人を目指しています。 O5 GAKUSEI RUNWAYを目指す仲間や後輩へのメッセージ緊張してても笑顔で、みんなと一緒にいたら緊張も忘れられると思うので、一生懸命頑張ってください。応援しています。 ◇小学生高学年グランプリ COCOA Q1 挑戦しようとしたきっかけ元々GAKUSEI RUNWAYに出ていた友達に一生に出ようと誘われて出場を決めました。 Q2 グランプリをとった時の気持ちとランウェイを歩いた感想まず心臓がドキドキで飛び上がりました。信じられない気持ちと目標だった夢のKANSAI COLLECTIONで歩けるということも本当に嬉しかったです。とても緊張したけど、前回より自信をもって歩けました。 Q3 KANSAI COLLECTIONへ出演した時の気持ち緊張の方が大きくなるかなと思ったのですが、楽しいという気持ちの方が大きくて堂々と歩けたと思います。 Q4 今後の夢や目標みちょぱさんのように面白くて、綺麗なモデルさんや女優さんになりたいです! O5 GAKUSEI RUNWAYを目指す仲間や後輩へのメッセージ胸が張り裂けそうなくらい緊張していても、笑顔だけは忘れずに歩いてほしいと思っています。応援しています。 ◇中学生グランプリ 中川乙葉 Q1 挑戦しようとしたきっかけ前大会でグランプリを取っていた友人の姿を見て、私もKANSAI COLLECTIONを目指そうと思い挑戦しました。 Q2 グランプリをとった時の気持ちとランウェイを歩いた感想結果がどうなるか不安な気持ちもありましたが、グランプリを取れて嬉しかったです。ステージは観客との距離も近くて少し緊張しましたが、楽しく歩くことができました。 Q3 KANSAI COLLECTIONへ出演した時の気持ち前にも出演したことはあったのですが、1人で歩くのは初めてでした。緊張もありましたが、全力を出し切れたと思います。 Q4 今後の夢や目標モデルや女優などマルチに活躍したいです! O5 GAKUSEI RUNWAYを目指す仲間や後輩へのメッセージ緊張してもニコニコの笑顔と自信があれば、必ず自分の魅力に気づいてくれる人がいます。頑張ってください。 ◇高校生グランプリ Rairu Q1 挑戦しようとしたきっかけKANSAI COLLECTIONのTikTokライブがきっかけです。第一回大会から出場しています。 Q2 グランプリをとった時の気持ちと今日ランウェイを歩いた感想第1回大会から出ていたので、選ばれた瞬間は涙が出るほど感情が昂りました。とても嬉しかったです。お客さんが名前を呼んで応援してくれていたので、安心して歩くことができました。 Q3 KANSAI COLLECTIONへ出演した時の気持ち緊張もありましたが、自分らしく堂々とパフォーマンスをすることができました。観客からのリアクションも嬉しかったです。 Q4 今後の夢や目標国内のコレクションを全制覇して、パリコレに出ることが目標です! O5 GAKUSEI RUNWAYを目指す仲間や後輩へのメッセージ思い切り自分の個性を出すことができたら、絶対に目標を達成できると思います。自分らしく頑張ってください。 ◇大学・専門学生グランプリ 奥穂乃香 Q1 挑戦しようとしたきっかけ最初はなかなか勇気が出ませんでしたが、学生最後の思い出として挑戦しました。 Q2 グランプリをとった時の気持ちとランウェイを歩いた感想まさか選ばれるとは思っていなかったのでびっくりしましたが、家族や友人の前で結果を残せたことが嬉しかったです。またKANSAI COLLECTIONに対して気合が入ったことを覚えています。ステージはリラックスして最大限のパフォーマンスができたと思います。 Q3 KANSAI COLLECTIONへ出演した時の気持ちリハーサルから緊張していましたが、本番は「やってやるぞ!」という気持ちで歩くことができました。家族や友人からの応援の影響も大きかったです。 Q4 今後の夢や目標社会人生活とモデル活動の両立を目指しています。まだまだこのようなイベントに出続けたいです! O5 GAKUSEI...

マテリアルグループ株式会社 代表取締役CEO 青﨑曹
PRを通して、より面白く、より熱い日本を創る マテリアルグループ株式会社 代表取締役CEO 青﨑曹 (あおさきそう) ■プロフィールマテリアルグループは、あらゆるビジネスのマーケティングコミュニケーションを総合的に支援する専門事業集団です。「Switch to Red.」をビジョンに掲げ、「すべての個性に情熱を灯し、可能性を最大化する」ことをミッションに、クライアントの事業課題をともに解決し、クライアントと社会の関係性を強化するパートナーとして成功に寄与します。 企業やサービスのストーリーを紡ぎあげ、PR発想に基づいてクライアントのビジネスを支援するマテリアルグループ。「PRの力で日本をより面白く、熱くしていきたい」と語るのは、同社代表の青﨑曹社長。ご自身が抱く、強く熱い想いを中心に、お話を伺った。 ■「いま」に生きる学生時代と、入社の決め手 高校3年生から大学時代にかけての5年間は、アパレルショップでアルバイトをしていました。なぜなら、服が好きだったからです。そのため、大学時代は、勉強や課外活動よりも、アルバイトに力を入れた生活を送っていましたね。アルバイトを通じて、お客様との対話は相当な数を行ってきたおかげもあり、初対面の方との会話から、その方の好きなものを予想し、ご提案する販売経験は、今にも生きていると感じます。一方、アパレル業界での就業体験を通じて、「好き」と「働く」は大きく異なることを実感しました。そのため、自分の将来を考えた時に、アップサイドを取りにいく余地のあるマーケットかつ、「人」を大切にしてくれそうな会社に入ろうと考え、PR会社であるマテリアルに入社を決めました。 ■マテリアルグループならではの強みは「人」 私たちは、PR発想をコアにしたマーケティングコミュニケーション全般を支援するPR会社です。従来型の広報業務は企業の広報予算にアクセスすることで、メディア露出獲得のための施策が主流となりますが、これらに留まらず、マーケティング課題全般を支援することで、企業の広告宣伝・マーケティング予算にアクセスし、広告・デジタルをふくむ統合的な施策をご提供することができます。これらのビジネスモデルを支えているのは、「人」です。プロジェクトごとにプロデューサーを中心としたチームを組成するプロジェクト型で取り組むほか、プランニングの専門セクションを有している点は業界内でもユニークだと思います。PRのスペシャリストによる緻密なコンサルティングが、このビジネスモデルを支えています。加えて、国内外を含めてさまざまな賞をいただいていますが、これも「人」が基軸になっています。弊社には年齢に関係なく、手を挙げることで多くの機会が得られる仕組みがあるため、チャレンジ意欲のあるメンバーが活躍する環境が整っています。このように、たとえ新人でも経験が少なくとも、プロジェクトに主体的に携わることのできる仕組みが、弊社の高い競争力を支えています。また、「良い人が多い」点も大きな強みです。弊社が掲げるバリューのひとつに、「Be a hero(誰かの英雄であれ)」がありますが、このバリューを体現するスタッフが非常に多いと感じています。プロジェクトでは、クライアントと直接やりとりする人が主役に見えがちですが、弊社にはチームでプロジェクトを完遂させるという文化が根付いているため、自分の功ばかりを築こうとするのではなく、「この人たちのために自分がヒーローになろう」という意思を持ったスタッフが多いですね。 ■人への投資を惜しまない企業風土 「人」への投資は、惜しまずに行います。たとえば、評価制度です。マネジメントメンバーたちは、“チームでつくる価値”を強く意識するため、公平性・透明性が担保されるよう、評価基準を共有し、複数のプロセスを重ねて最終的に評価を行うことを徹底しています。これにより、適切な評価が可能になります。次に、全従業員が月に1回、自分たちの視座・スタンスが下がっていないかを、マネジメントとメンバー間で確認しています。多い部署では、週に1度、アングルチェックミーティングを行いながら、目標を共有しています。さらに、パフォプレという人事評価ミーティングも行っています。これは、マネジメント層が、自分のメンバーたちのパフォーマンスを経営陣に責任をもってプレゼンするという制度です。その他には、コアタイムを設けていないスーパーフレックス制度もあります。また、夏季・年末年始以外に年1回5連休を必ず取ってもらう休暇制度があるのですが、チーム全員がこの制度を利用するとさらにインセンティブが出る仕組みを作ることで、周囲に気兼ねなく取りやすく仕組み作りも行っています。 ■今後の目指す姿・実現したい未来 今後の目標は、PR業界でNo.1になることです。私は、PRパーソンの持つポテンシャルは可能性に満ちていると考えており、その地位は今以上に向上すべきだと思っています。そして、その可能性を大きく左右するのがルールメーカーです。どんな業界でも、トップがその業界ルールを決めるものです。日本中のPRパーソンが、今よりも良い環境、良い対価、良い社会的地位に立つためには、私自身がルールに携わる人間にならなければならない。そのために、まずは弊社が業界No.1になる必要があります。その結果として、PRパーソンの存在感や任される仕事の幅が広がり、業界が発展する。最終的に、国内外で一定の力を発揮できるマーケットに育てていければと考えています。加えて、PRを通して、日本をより面白く、熱くしていきたいです。昨今の日本の国際競争力は少しずつ低下しているように感じ、悔しい思いをする場面もあります。私は、この国の産業・サービス・その根底にあるクラフトマンシップが大好きなので、PRの観点から真に価値ある“個性”を盛り上げることのできるPRエージェンシーにしていきたいですね。 ■大学生へのメッセージ 私たちのバリューには、「Make New.」というものがあります。PR業界は古い業界ですが、若い経営陣が率いている組織は当社くらいだと思っています。前例のないチャレンジに臆することなく、未来の可能性を信じ切ることのできる人には、非常にワクワクする会社です。「古い業界だからきっと変わらないだろう」と受け入れるのではなく、どんどん挑戦してほしいですし、私は代表として、新入社員として入ってきれくれるみなさんの能力を引き上げるための努力を惜しみません。No.1のPRエージェンシーを目指したいという思いに共感してくれる学生の方に、私たちの門を叩いてもらえたら非常に嬉しいです。 学生新聞オンライン2024年5月14日取材 高崎経済大学4年 髙橋邑弥 慶應義塾大学3年 塚紗里依/中央大学4年 松島鈴音/京都芸術大学1年 猪本玲菜/高崎経済大学4年 髙橋邑弥

MBS『三ツ矢先生の計画的な餌付け。』制作発表会見
2020年から2022年まで「マンガよもんが」(ぶんか社)で連載され、今年1月に待望の単⾏本化された、松本あやか原作の人気漫画『三ツ⽮先⽣の計画的な餌付け。』が実写ドラマ化し、2024年7月25日(⽊)よりMBSドラマフィル枠(MBS:毎週⽊曜25時29分〜、TVK毎週木曜25時~ほか)にて放送がスタートします。本作は、大人の色気を纏った50代のイケオジ有名料理研究家と、元球児でピュアでまっすぐな雑誌編集者が《美味しいごはん》と《丁寧な生活》によって心を通わせていくヒューマングルメラブストーリーです。イケオジ有名料理研究家・三ツ矢歩役には、シンガソングライター・山崎まさよしさん、三ツ矢に心も胃袋も掴まれる雑誌編集者・石田友也役には、酒井大成さん(さかい・たいせい)がW主演を務めます。放送前日7月24日(水)の本ドラマの制作発表会見に山崎まさよしさん、酒井大成さんが登壇しました。 ■山崎まさよしさん(三ツ矢歩役) 料理研究家で同性愛者という役どころです。これまで犯罪者とか少し変わった役を演じることが多かったのですが、この多様性の時代にお話をいただいて、やってみたら面白いかなと思いお受けしました。地上派ドラマ26年ぶりの主演だったこともあり「ええんかな?」と思ったのですが、やってみて良かったです。大成くんは好青年で、何より芝居に真摯に向き合っている姿に心打たれました。僕は投げ出しがちなんですよ(笑)。でも彼はプロなんですよね。役への向き合い方に尊敬しています。現場で「明日頑張りましょうね」「走りましょうね」と声をかけてくれて、励まされました。スタッフも監督もプロフェッショナルで、原作に対して意気込みがすごく見えた現場でした。暑い中とても大変だったと思うけれど、しっかり動いてくださって、とても感謝しています。 ■酒井大成さん(石田友也役) 元球児で、女性誌の若手編集者という役どころです。ピュアで真っすぐな性格なんですが、過去の劣等感や悔しさを抱えながら三ツ矢先生と出会い、成長していきます。僕はオーディションで合格して、この役を演じさせていただくことになりました。石田くんは元々プロ野球選手を目指していて、僕もずっとサッカーをやっていたので共感しながら役作りができることにワクワク感がありました。山崎まさよしさんは、大・大・大先輩でレジェンドという印象が強かったので、初めてお会いした時はすごく緊張しました。でも、現場で1ヵ月間ご一緒していく中で、優しい山崎さんだったり、ダジャレを言って現場の空気を明るくしてくれるお茶目な山崎さんだったり、色んな一面を知ることが出来ました。根っこの部分に揺るぎないものを持っている方だと知って、こういう素敵な大人になりたいなと思いました。劇中に出てくる料理はどれも再現度が高くて、めちゃくちゃ美味しかったです。原作からそのまま映像化されたような料理を毎話食べることができて幸せでした。 ◆第1話で特に見て欲しいシーンは? 山崎:やっぱり出会いのシーンですかね。彼が訪ねて来たときに、非常に奇妙な格好で出てきます(笑)。サングラスしたキャリーさんみたいな・・・。撮影中はすごい暑かったです。でも、あの出会いがあってこその展開なので、とても印象に残っています。 酒井:僕は、石田の夢のシーンですね。とにかく石田の妄想が過激すぎて(笑)。1話だけではなくて、これからどんどん出てきます。コミカルに描かれているので、ぜひ楽しみにしていて下さい。 ◆オープニング主題歌、山崎まさよし書き下ろし「フリト」について 山崎:同性愛者でも、動物でも無差別に愛するという想いがあります。曲名は、劇中の中で年の差や性別を乗り越えていくキーとなっている犬の「フリト」からとりました。 酒井:近い距離でご一緒させてもらった分、楽曲を聞いた時に「ああ、あのアーティストの山崎まさよしさんだ!」と鳥肌が立ちました。 ◆視聴者の方へのメッセージ 山崎:こういった設定の中で見てもらうと「こういう形もあるんだな」と思うようなドラマだと思います。BLというジャンルもありますが、差別的なものではなく、見てて温かい気持ちになれるものだと自分でも撮影して思っているので、楽しみにしていてください。 酒井:この作品を通して大切な人に「会いたいな」「食卓を囲みたいな」と思っていただいたり、そういう人がいることのありがたみ、料理が感情をつなげてくれることの素晴らしさを感じていただきたいです。そして、何より作品をご覧になって心温まっていただけたら嬉しいです。 「三ツ矢先生の計画的な餌付け。」 キャスト:山崎まさよし 酒井大成川面千晶 三原羽衣 今森茉耶丸山智己/宇野祥平 原作:松本あやか「三ツ矢先生の計画的な餌付け。」(ぶんか社刊)監督:野尻克己脚本:吉川菜美音楽:原田智英制作プロダクション:レプロエンタテインメント製作:「三ツ矢先生の計画的な餌付け。」製作委員会・MBShttps://www.mbs.jp/mitsuyasensei/ 学生新聞オンライン2024年7月24日取材 東洋大学 2年 越山凛乃

株式会社ヒノキヤグループ 代表取締役社長・CEO 近藤昭
枠に囚われるな。何事にも興味と疑問を持とう 株式会社ヒノキヤグループ 代表取締役社長・CEO 近藤昭(こんどうあきら) ■プロフィール 1967年兵庫県神戸市生まれ。慶應義塾大学卒業後、大手生命保険会社や外資系保険会社勤務を経て、2001年に株式会社ヒノキヤグループの前身である株式会社東日本ニューハウスに入社。専務取締役、副社長を経て、2009年株式会社桧家住宅(現・株式会社ヒノキヤグループ)代表取締役社長に就任、現在に至る。 従来の概念を覆す住宅用全館空調システム「Z空調」を生み出した、ヒノキヤグループ。看板商品であるZ空調の魅力を世の中に発信し、多くの人に理想の家を届けている。現社長である近藤昭氏は、32歳のころ、全くの未経験で住宅業界に飛び込んだ。そんな近藤昭氏の学生時代から社長に就任するまでの経験、Z空調開発までの道のり、家づくりや仕事に対する思いについて伺った。 ■全ての経験が今につながっている 学生時代はサークルやアルバイトに力を入れ、多くのスポンサーをつけたイベントも開催していました。このような経験を通して、自然とお金儲けやブランディングについて学んでいたのかもしれません。また、私の時代は、景気がよかったものですから、1ヶ月ほどアメリカにもいきましたね。そこで、見たものや感じたことは今でも鮮明に覚えています。大学卒業後は、保険会社に就職しました。いわゆる日本の昔ながらの文化が根付いている会社で、その上司をみた時に自身がなりたい姿とのギャップを感じ、将来性も見いだせなくなり、2年ほどで外資系の保険会社に転職しました。名もなき会社でしたが、新製品を売ることにやりがいを感じて、7年間働きましたね。この会社に勤めている時に、結婚し、32歳の時、全くの未経験ではあるものの、義父の会社である当社に入社しました。入社当時から、管理職のような仕事を任されていましたが、前職でも人のマネジメント業務は行っていたので特に問題はなかったですね。当社で働き、勉強する中で、気づいたことがあります。自分では大手になればなるほど商品を安く売ることができると思っていたのですが、住宅業界は逆なんですよね。大きな会社ほど値段が高く、小さな会社ほど値段が安いことが多い。これに気づいた時は、面白いなと思うと同時に、自社では良い品質のものを良心的な価格で提供したいという思いが生まれました。 ■常に変化、変革を求めている やはり、当社の魅力はZ空調ですね。一年中家の温度を快適に保つことができ、玄関や脱衣場、廊下も温度が変わらないので、身体にも家計にもやさしい全空調です。特許も取得しています。Z空調を確立するまでには、約3−4年かかりましたね。私は、入社してからすぐ自分の家を建てたのですが、吹き抜けにこだわったところ、夏は熱く、冬は寒く、とても快適だとは言えない空間になってしまいました。どうして快適な温度に保たれないのだろうかと、ずっと考えるようになりました。転機となったのは、現場発泡型(吹付)断熱材の会社(日本アクア)との出会いです。ちょうど、世の中的に地球温暖化が問題になり始めたころで、断熱材への注目度も高まっていました。そこで、「現場発泡型の断熱材を使えば、家の温度を快適に保ち、省エネも実現できるのではないか」と考えたんです。家を建てたこと、地球温暖化、断熱材の会社との出会いが偶然重なって、Z空調の開発に至りました。新しいことを始める時、一番大切なことは、自分たちで考えて、こうあるべきだと思うことを実現することです。私も常に理想とする住宅を追い求めてここまで来ました。他社と差別化を図ったからアイデアが生まれたのではなく、理想の家を作ることを最優先にした結果が他社との差別化につながっていると思います。実は、これまでをふりかえってみて「大ピンチだったな」と思うことは、一度もないんです。その理由は、私が常に変化や変革を求めているからだと思います。42歳の時、社長に就任したのですが、前社長である義父に次のように言われました。「50歳になる時、会社の売り上げを1000億、利益を50億にしてください」と。これを社員全員の前で言われたのには、びっくりしました。でも、今となっては言ってもらえてよかったと思います。当時の当社の売上は約160億円、利益は約7、8億円だったんですね。しかし、そこからがむしゃらに頑張り、経常利益50億円を達成ができ、直近では75億円になりました。これも、「理想の家を作る」という思いと、常に変化、変革を求めていたから達成できたのだと思っています。 ■一緒に働きたいのは、実行力のある人 自分でよく考え、実行する人。そんな人たちと一緒に働きたいですね。日本人は、言われたことを言われた通りにやるというマインドで働いている人が多いように感じます。しかし、これでは会社が駄目になってしまうんですよ。例えば、ルールがあるならば、そのルールに意味があるのか考える必要があると思います。そこに意味があるのであれば、従う必要があります。でも、「昔からそうだから」「世の中がそうだから」という理由で、そこに疑問を持たずに従うのは違うと思うんです。思考停止に陥らず、何に対しても疑問や興味をもつ。間違っても、失敗してもいいから、とにかく考えて思いついたことはまず実行してみる。そういう人たちが会社をより良い方向へと導いてくれると信じています。 ■大学生へのメッセージ これからの時代、自分自身でしっかり考えなければいけない時代になってくると思います。日本はこれからどうなっていくのか、世の中はどうなっていくのか、どのような仕事が必要になってくるのか。このようなことについても考えなければいけません。自分が社会人になった頃は、言われたことを行えばなんとか生きてこられる時代でした。しかし、これからはそうはいきません。色んなことを考えて、どんどん実行していかないといけない時代なんです。繰り返しになりますが、何をやるにしても、思考停止に陥らず、常に様々なことに興味や疑問をもって、実行に移すことが大切です。これの積み重ねが、自分自身の成長に繋がり、新しい分野に可能性を生み出すきっかけになります。学生の皆さんには、このような姿勢を常に持ち続けてもらいたいです。 学生新聞オンライン2024年5月30日取材 国際基督教大学2年 丸山実友 立教大学4年 緒方成菜 / 国際基督教大学2年 丸山実友

映画監督 亀井岳
学生時代のうちに、「一生追いかけられるもの」を見つけてほしい 映画監督 亀井岳(かめい たけし) ■プロフィール1969年9月3日生まれ。大阪府出身。大阪芸術大学美術学科卒業、金沢美術工芸大学院修了。2001年、造形から映像制作へと転身。旅と音楽をテーマに、ドキュメンタリーとドラマを融合させるスタイルで映画を監督。監督デビュー作はモンゴルの喉歌をテーマにした「チャンドマニ~モンゴル ホーミーの源流へ~」(09)。マダガスカルの人々の営みと音楽を主題にした2作目「ギターマダガスカル」(14)は、2016年にマダガスカルの首都アンタナナリヴでも上映された。本作は、監督3作目となる。 8月3日公開の映画『ヴァタ~箱あるいは体~』。同作の監督と脚本を務めた亀井岳さんは、「今作は人と人の関わりの映画」であり、作中では「人と亡くなった人との関わり」が描かれているという。そんな亀井さんに映画を作り始めたきっかけから今作への思いや見どころについてお話を伺った。 ■作品の記録から始まった映像制作 元々、金沢美術工芸大学在学中は、彫刻をずっと勉強していました。ただ在学当時は自分が納得できる作品は、まったく作り上げられていませんでした。大学院を卒業した後、能登半島の中学校の美術の先生として働き始め、空間自体を造形するインスタレーションと呼ばれる作品を学校の柔道場に制作しました。その作品は一時的な展示だったので、記録する必要があり、自分のビデオカメラで制作過程を撮影し5分ぐらいの映像に編集しました。その時「この感じで作品を作っていけるかな」と感じ、アートワークとしての映像作品を作り始めました。納得のいく作品を作れることもあったものの、美術館やギャラリーのように立ったまま途中から見たり、途中で見るのをやめたりするのでは無く、「もっとちゃんと見てほしい」と思うようになりました。映画館なら最初から最後まで座って見るので、映画ならちゃんと見てもらえるだろうという変な動機から映画を作ろうと考えました(笑)。 ■映画を作る中での苦悩と楽しさ 僕は今まで手掛けた3本の映画すべてを海外で作ってきたので、日本ほど整ってない過酷な現場で撮影を続けてきました。体調を崩しても自分で何とかしなくてはいけないですし、現地の人とコミュニケーションをとるのに何人もの人を挟まなければならないこともありました。一番きつかったのは、マダガスカルでの撮影中です。ダニに体中噛まれたものの、現地では痒み止めなども手に入らず、痒くて眠れない夜が続きました。今思い出しても、大変だったなぁと思いますね。映画を作るのは楽しいこともしんどいこともたくさんあります。楽しいだけで出来上がるほど甘くはないですが、基本的に好きなことをやっているので全部「楽しい」とくくれるのは幸せですね。 ■前作があったからこその今作 学生時代からマダガスカルの音楽が好きで、前作『ギターマダガスカル』を作ろうと思いました。マダガスカルの音楽自体がその土地の儀礼や考え方と結び付いていることは分かっていたのですが、現地で撮影をする中で「マダガスカルの音楽自体は祖先との交流のためにある」というさらなる深みがあることに気づかされました。それは『ギターマダガスカル』のテーマではなかったので、また時間を変えて取り組む機会があったらいいなと思っていた想いが、今作につながっていると思います。そして、『ヴァタ~箱あるいは体~』を制作するきっかけになったのは、前作の撮影中に今作のテーマでもある「箱」を運んでいる人と遭遇したことです。前作と今作は一連の流れの中にはありますが、前作はドキュメンタリーとドラマを融合した作品だったのに対し、今作はファンタジー要素のあるフィクションなので、作り方などは少し違っています。 ■撮影中の印象的なエピソード 撮影で山の中に入って、祖先の役の方と二人きりになった時、僕は見通しをよくするため鉈で木を払っていたんです。そうしたら、殺されると思ったのか、祖先役の方がそのまま逃げていなくなってしまいました。その方を探すのに丸一日かけて、結局見つからず、キャスティングし直すことになりなした。その場にマダガスカルの方がいればよかったのですが、言語が喋れなかったし、申し訳なかったなと思います。楽しかったエピソードで言うと、彼らは本当に音楽が好きで、雨で撮影ができない時もみんな演奏して楽しんでいましたね。映画にも演奏をしているシーンがあるのですが、その時の演奏は映画以上に楽しかった。音楽というと演奏する側と聴く側と分けて考えがちですよね。でも、彼らは演奏している人もしてない人も、聴いているだけの人もその場でダンスしている人も、みんなで空間を共有している状態が音楽なんです。そんな混然一体となる感じはやはり素晴らしいですね。それを、映画で表現したかったんです。 ■作品を通じて「一番大事なのかは何か」をつかみとってほしい この映画には「人と人との関わり、人と亡くなった人との関わり」が描かれています。亡くなった人は実際は見えませんが、この映画では出てきます。私たちはインターネットなど見えないものに縛られる時代に生きています。このように、見えないものは、昔も今も自分たちの生活に深く関わりがあるわけです。ただ、そのなかで一番大事なことは何かを感じてほしい。特に学生さんに、その感想を聞きたいですね。この映画はマダガスカルの音楽と死生観を描いています。遠い国の話ですが、全く異質で遠いものではなく、我々にとって身近な映画になっているところが見どころだと思います。私達日本人には祖先の概念があります。だからマダガスカルと生活は全く違うけど、同じように亡くなった人が祖先になって、その祖先に会えたら良いなと思う気持ちがあって、その想いを音楽が現実化させるという流れは、日本に住む私達にも想像しやすいのではないかと思います。 ■学生へのメッセージ 僕がいまやっていることの大半は、自分が大学生の時に出会ったことや向き合ってきたことだと感じます。その時の経験がすべてで、それが何だったのかをひも解くために創作活動しているようなところがあります。だから、学生さんにとっていまは非常に大事な時です。自分の本当に求めているものを見つけて欲しいです。いま、求めているものを見つける方法はいくらでもあります。これから先、見つけたナニカを一生追っていくのだと思います。 学生新聞オンライン2024年7月1日取材 東洋大学2年 越山凛乃 映画『ヴァタ~箱あるいは体~』 出演:フィ、ラドゥ、アルバン、オンジェニ、レマニンジ、サミー監督・脚本・編集:亀井岳撮影:小野里昌哉 音楽:高橋琢哉録音:ライヨ トキ製作:亀井岳 櫻井文 スアスア配給:FLYING IMAGE2022/日本、マダガスカル/85分/カラー/アメリカン・ビスタ/ステレオ© FLYING IMAGE 8月3日(土)より渋谷ユーロスペース、8月24日(土)より大阪・第七藝術劇場ほか、全国順次公開 公式サイト:vata-movie.com公式X: https://www.twitter.com/vatamovie公式Facebook: https://www.facebook.com/VataMadagascar公式Instagram:https://www.instagram.com/vata_movie ★劇場公開記念イベント★大阪・東京開催! 【大阪】前作『ギターマダガスカル』上映&トーク 日時:7月28日(日)16時オープン 17時上映料金:¥1,000円(1ドリンク込み)上映:『ギターマダガスカル』(2014)トーク:亀井岳(監督)×吉本秀純(音楽ライター)場所:シェ・ドゥーブル大阪府大阪市西区阿波座1丁目9−12https://chef-doeuvre.jp/ 【東京】ミュージシャン来日ライブ&トーク 日時:7月31日(水)19時オープン 20時開演料金:¥1,000円+投げ銭演奏:ジュスタン・バリ(マダガスカル)&マルク・シュミリエ(フランス)DJ:AMA UUトーク:亀井岳(監督)場所:ワールドキッチン バオバブ東京都武蔵野市吉祥寺南町2-4-6 B1FTEL:0422-76-2430https://wk-baobab.com/

テリー伊藤 コラムVol.27 サマーシュトレンって知ってますか
鎌倉の行きつけのパン屋さんPINYに、クリスマス季節に大人気の「シュトレン」が、何と真夏にも関わらず「サマーシュトレン」と名乗って並んでいた。大好きな焼き菓子なので思わず買ってしまった。シュトレン(Stollen)とは、ドイツ生まれの焼き菓子で、日本語では「坑道」の意味らしい。トンネル型の焼きケーキの上にレーズン、レモンピール、オレンジピールを乗せ、真白な粉砂糖を乗せると、まさに冬の山小屋を思わせる雰囲気に。通常クリスマスの一か月前に購入して少しずつ食べる習慣となっている。近年日本でもシュトレン人気は高く、有名ケーキ屋さんが競って販売している。そんな真冬のアイドルが、真夏の湘南に登場したのだ!作戦は大成功らしい。 季節違いの食べ物を考えてみた。「冷やしおでん」も自動販売機で売っているくらい今や人気者になっている。だったら「冷やしお雑煮」もいいかも。お雑煮をお正月だけにするのは勿体ない。考えてみたら、当たり前になっている「冷やし中華」「冷やしたぬき」「冷やしきつね」だって元は暖かいうどん、蕎麦しかなかったはず。この間まで海外では「アイスコーヒー」は存在しなかった。そう言えば、ピザにはタバスコが定番だが、今女性の間では蜂蜜が人気らしい。妄想が膨らむ。 だったら「冷やしサウナ」はどうだろう。炎天下の元で働く皆さんにキンキン冷えたサウナ。10分入った冷え冷えの身体を程よい湯加減の湯船にざぶーん、コレいいかも。冷えた休憩室に、アツアツの堀こたつを鎮座させて食事を楽しんで貰う。身体は暖かいのか冷えているのか判らないがメニューは豊富だ。「冷え冷え焼き鳥」「コールド肉まん」「冷やしカレーライス」など冷やしメニューと「熱湯チョコレート」、ふたを開けるとはじけっ放しの「アツアツポップコーン」など、アトラクションメニューが盛り沢山。いかかですか。 話が脱線してしまいましたが。こんな感じで新商品って出来ていくのかな。それにしてもクリスマス好きの私は、12月にしか会えないサンタクロースともっと会いたい。ミッキーマウスだってディズニーランドに行けば1年中会えるのに、サマーサンタクロースには会えない。暑いと可哀想なのでアロハシャツでもOK、会いたいね。でもサンタが登場するシチュエーションが無いかも。海で水上スキーやっていても普通だし。世界のアイドルだから、立派な「夢のサンタクロースランド」を誰か作ってくれないかな!沖縄あたりに。岸田総理大臣も構想ぶち上げて欲しい!そうなったら沖縄の新たな観光名所になるのに。そんな夢物語を実現して欲しいものだ。 テリー伊藤(演出家) 1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ」LALALA USAでコラム連載中https://lalalausa.com/archives/category/column/terry

芸人 高速ぷりん
お笑いに捧げるこの人生。目指せ、日本一のお笑い芸人 芸人 高速ぷりん つるまるゆうと・れいたぴ。 ■プロフィール【つるまるゆうと】北海学園大学4年と【れいたぴ。】北海道大学大学院1年からなるコンビ。北大落研研究会所属、結成1年目。北海道大学生お笑いコンテストDAICON初代・二代目王者。大学生M-1グランプリ第5位。M-1グランプリ2022.2023 2回戦敗退。 北海道大学生お笑いコンテストDAICON初代・二代目王者。「ギャ~グショータイム」から始まる828個のギャグを持つつるまるゆうとさんと、キレキレの頭脳を持つれいたぴ。さん。大学生でありながら、お笑い芸人として挑戦を続けるお二人に、お笑いに対する想いや今後の夢について伺いました! ■学生時代はどんな風に過ごしていたんですか? れいたぴ。:小学校の頃からお笑いが大好きで、YouTubeなどを通してたくさんのネタを見ていました。大学に入る前からお笑いサークルに入ろうと思っていたので、迷わず北海道大学の落語研究会に入りましたね。しかし、コロナがあって家にこもる生活が続きました。本格的にお笑いに熱をいれたのは、大学3年生になり学校が再開してからです。その落研で、相方であるつるまると出会いました。 つるまる:小さい頃から目立つことが好きでした。芸人を意識したのは、大学3年生の時でしたね。彼女に振られて、何か頑張って欲しいと言われたときに落研の存在を知り、すぐに入ることを決めました。初日でれいたぴ。に出会いました。お笑いコンテストの締め切り前だったので、すぐコンビを組んで応募したのが、コンビ結成のきっかけです。 ■本格的に芸人を目指した経緯は? れいたぴ。:学業が忙しくなってきて、お笑いと学業の両立はできないと感じたことがありました。そのとき「もうお笑いは諦めて、趣味としてやっていこう」と思っていました。芸人になりたいという気持ちをどこかで抑え込んでいたのだと思います。しかし、つるまるがひたすら説得してきて、気がついたら、家出して、大学院をやめるという決断をしていました。 つるまる:僕が必死になってれいたぴ。を丸め込んだんですよね。こんなに面白い人を見たことがなくて、どうしてもこの人と一緒にお笑いをやりたいと思いました。れいたぴ。は一見クールに見えますが、実は誰よりも熱量があって、覚悟をもっていると感じています。彼のお笑いに関しては絶対的な信頼があるので、彼の考えてくれるネタを楽しみながら、歯を食いしばって全力でついていきたいです。 ■お笑いのやりがい・魅力は? れいたぴ。:お笑いが心の底から好きで、生活全てをお笑いに捧げることが理想なので、今は楽しいという気持ちしかないですね。もちろんお金のことや、スランプにおちいることなど日々大変なことはありますが、今は踏ん張るしかないと思っています。お笑いは世の中になくてはならないものだと思っています。ストレス解消にもなるし、人間の深層心理を代弁するものでもあります。人が面白いと感じることって、時代によって変わっていくんですよね。そういった細かいところを表すことが出来るのは、日本のお笑いならではの魅力だと考えています。 つるまる:お笑いが大好きで、自分たちがめちゃくちゃ面白い!と思ってネタをやっているので、お客さんが笑ってくれる時や、盛り上がってくれる時が本当に嬉しいです。お笑いは、世間の歯車にはなっていない職業だと思います。しかし、人を楽しませることに人生を捧げている芸人さん達が本当にかっこいいなと感じます。これまで受け継がれてきた、日本にしかない緻密なお笑いの文化がもっと根付いて、さらに気軽にお笑いライブを見に来れるような社会になって欲しいです。 ■今後の目標は? れいたぴ。:コンビとしては、日本一。まずはM1グランプリでの優勝を目指します。先のことはあまり考えすぎず、とにかく目の前の人を笑わせる。これを大切にしていきたいです。個人的な夢は、しまじろうが本当に大好きなので、いつかベネッセさんと関われたら嬉しいです。子ども向けのネタとかも得意なので、いつかやらせていただきたいです! つるまる:コンビで日本一を目指し、ピンでも日本一になりたいです。R1グランプリで優勝して、俺だって出来るんだぞというところを見せつけて、れいたぴ。を見返したいです(笑)。個人としての夢はフジテレビの「逃走中」に出ることです。芸人になろうと思ったきっかけも、大好きな「逃走中」に出られると思ったからなんですよね。いつか出演して、的場浩司さんみたいなかっこいい立ち回りがしたいです(笑)。 ■大学生へのメッセージをお願いします。 れいたぴ。:夢を持って生きてください。普通に大学行って就職して結婚する人生もいい。だけど正解はないし、いつだってやり直せる。やりたいことにとにかく挑戦することをやめないで欲しいです。 つるまる:何かに一生懸命になって欲しいです。大学生という時間が、振り返って本当に楽しかったと思えるように、とにかく頭や身体を全力で動かして、好きなことをやってください。 学生新聞オンライン2024年3月23日取材 立教大学3年 緒方成菜 津田塾大学1年 石松果林 / 立教大学3年 緒方成菜 / 日本大学1年 大森雨音 / 法政大学3年 鈴木悠介 / 国立音楽大学3年 岡部満里阿