俳優 豊嶋花 / 俳優 倉悠貴 映画『マッチング TRUE LOVE』
登場人物全員、どこか“いびつ”。歪んだ人間関係に注目を

■女優 豊嶋花(とよしまはな)
2007年3月27日生まれ。東京都出身。1歳から芸能活動を始め、ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」Netflix映画「新幹線大爆発」などで注目される。近作に主演ドラマ「黒崎さんの一途な愛がとまらない」など。
■俳優 倉悠貴(くらゆうき)
2019年、フジテレビ系ドラマ『トレース~科捜研の男~』で俳優デビュー。20年には池田エライザ初監督作『夏、至るころ』で映画初出演にして初主演。その後も映画『ブルーロック』『教場 Requiem』などに出演。
大ヒットを記録した映画『マッチング』の続編となる『マッチング TRUE LOVE』に新キャストとして参戦した豊嶋花さんと倉悠貴さん。複雑に交錯する愛と謎めいた世界観の中で、二人はどのように役と向き合ったのか。役作りのこだわり、そして同世代の大学生へ向けたメッセージまで、作品の魅力を余すところなく語ってもらった。
■お二人の役への向き合い方は
豊嶋:前作が大ヒットした作品の続編に出演させていただけるということで、最初はすごく光栄に思いましたし、「精一杯頑張ろう」と気を引き締めました。私が演じた愛羅という役は、物語の中で巻き込まれていく描写が多く、驚いたり叫んだりするお芝居が中心でした。だからこそ、周りのキャストの方々や観客の皆さんの感情を、リアクションによって自然と引っ張っていけるような存在になりたいと思い、それを意識して役に臨みました。
倉:前作が非常に好評だった分、新キャストとして作品に参加するメンバーは誰もが少なからずプレッシャーを感じていたと思います。ただ、僕が演じた役柄はすごく謎めいたキャラクターだったので、プレッシャー以上に「どういうアプローチで演じようか」とワクワクする気持ちの方が大きかったです。
■作品を通して学んだ「人の死」と「生命の重み」
豊嶋:劇中で日常では考えられないような怒涛の展開が続いていくのですが、脚本を初めて読んだときは「愛羅と輪ちゃん、二人の関係性は一体どうなっているのだろう?」とすごく複雑に感じました。私が演じる愛羅は前作で姉を亡くすという大きな過去を抱えています。そのため愛情の送り方や受け取り方が分からなくなっていて、自分の気持ちの矛先をどこに向けたらいいのか迷子になっている描写がたくさんありました。だからこそ、土屋太鳳さん演じる主人公の輪ちゃんに対しても、単純な感情だけではない複雑な思いを抱いています。その「心の引っ掛かり」のような部分を常に根底に置きながら演じることを大切にしました。
愛羅を演じたことで、「自分の本当の気持ちに気づいてあげることの大切さ」を改めて実感しました。相手の気持ちは分からなくて当たり前だけど、自分の気持ちだけは自分自身が一番理解してあげなきゃいけない。本質をしっかり受け止めることが、自分が幸せになるための第一歩なのだと感じました。
倉:この作品の登場人物はどこかいびつで、全員が何かしら自分以外の何かを「演じながら生きている」ような感覚があります。だから正直一度脚本を読んだだけでは関係性の解釈に苦しむ部分がありましたね。登場人物たちが互いに求めていたものがたまたまそこにあり、それを運命だと感じてしまう。周りから見ればどんなに歪んだ愛情に見えたとしても、本人たちにとっては偽りのない切実な感情だったのだと解釈しました。
また僕の役はホラー特有のわかりやすいリアクションがあまりなかったので、最後まで何も通じず謎めいた雰囲気を維持することが役割だと思って演技を作っていきました。姿勢やポケットの手の入れ方、あえて異質な空気感を出すために『DEATH NOTE』の「L」のような不気味な座り方を意識してみたり、身体的な工夫を凝らしてみたりしましたね。
人が命を落とすシーンも多い作品なので、「人の死を知っている人とそうでない人の違い」や、命に対してどこまでの重みを置くのかが、役によって全然変わってくるんだなという学びがありました。



■予想を裏切る怒涛の展開
豊嶋:作品の見どころとしては、誰もが予想できないスリリングなストーリー展開です。後半にかけて急展開が続いて、「えっ、この人が⁉」と何度も裏切られる感覚を味わっていただけると思います。考察する暇もないほどのスピード感で物語が二転三転していくので、その急展開や意外性を存分に楽しんでほしいなと思います。
倉:実はかなり「笑える映画」でもあるなと思っているのです。若い世代に向けたテンポの良さがあって、アクションや恋愛、そしてサイコホラーやサスペンスの要素が凝縮されていながらも、すごく見やすい。映画のどの部分を切り取ってもインパクトがあって楽しめるような作品になっています。
■毎日違う私に出会える、俳優のお仕事
豊嶋:私はすごく飽き性なのですが、幼少期から18年近く続けているこの俳優という仕事は特別です。毎日違う人間になれて、違う人生を生きられることが何より楽しいですね。特にやりがいを感じるのは、自分が思っている感情と、見ている人に伝わる表現との「ギャップ」を埋めていく作業です。出会えた役と巡り会えた人々と、素敵な作品を作ることに、一生を賭けていきたい一心です。
倉:撮影や取材を通して毎日いろんな人に出会えて、いろんな場所に行けることが俳優業の最大の魅力だと僕も感じています。また、映画とかドラマとか、自分が出たものをずっと残せることも魅力の一つですね。自分がどうありたいかという「芯」や「エゴ」をこれからも大切にしていきたいです。
■大学生へのメッセージ
豊嶋:年齢を重ねるごとに、新しい一歩を踏み出すことに躊躇したり引け目を感じてしまったりすると思います。だからこそ、今やりたいと少しでも思っていることがあれば、無理にでも挑戦してみてほしいです。今この年代だからこそ飛び込める環境や挑戦があると思うので、後から後悔しないためにも、自分の直感を信じてどんどん行動を起こしてみてください。
倉:大学生は、毎日過ごす時間のすべてが絶対に無駄にならない貴重な時期だと思います。「今日は何もできずに一日を無駄にしちゃったな」と落ち込む必要はまったくありません。気の乗らない飲み会に行ったことや、一日中家で寝て過ごしたような日であっても、後から振り返れば愛おしくて大切な時間だったと思える日が来ます。一見すると「無駄」に思えるような時間すらも大切にしながら、今しかない大学生活を思いきり楽しんでほしいです。
学生新聞オンライン2026年8月20日取材 青山学院大学2年 松山絢美

映画『マッチング TRUE LOVE』
出演:土屋太鳳
佐久間大介 クァク・ドンヨン
豊嶋花 倉悠貴
9月25日全国公開予定
原作・脚本・監督:内田英治
共同脚本:木江恭
製作:『マッチングTL』製作委員会
製作幹事・配給:KADOKAWA
制作プロダクション:角川大映スタジオ
制作協力:LONDO BELL
■公式HP:https://movies.kadokawa.co.jp/matching/
■公式X:@movie_matching
■公式Instagram:@movie_matching
■公式TikTok:@movie_matching
©2026『マッチングTL』製作委員会

青山学院大学2年 松山絢美/日本大学 2 年 太田萌日/京都芸術大学 1 年 猪本玲菜
撮影:広田成太


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