深田恭子 一日一日を大切に、充実した日々を送り、それが未来に繋がっていったらいい
<プロフィール>
深田 恭子 (ふかだきょうこ)
1982年、東京都生まれ。第21回ホリプロタレントスカウトキャラバングランブリ受賞から芸能界の道へ。ドラマ「FIVE」でデビュー。女優、歌手、タレントとして活躍中。ネイルクイーンやブルーリボン賞など、数々の賞も受賞。
「私と恋におちて」という言葉を発端に展開していく映画『恋愛戯曲~私と恋におちてください。~」。この映画の主演女優として、一人三役をこなし、輝いている深田恭子さん。デビューから14年。女優としてさらに成長された印象を受ける。「学生キャリア新聞」では、学生ならではの視点から深田さんに質問をぶつけてみた。
「私と恋におちて」から始まる恋愛
映画『恋愛戯曲~私と恋におちてください。~』は「恋におちて」というセリフをきっかけに進む異色のラブストーリー。 ファンタジー、コミカルさ、リアリティ……といった要素の高次元でのバランスが映画らしい映画という印象を与える。
深田さん演じる人気脚本家 :谷山真由美が椎名桔平さん演じるテレビ局のドラマ制作担当に冒頭のセリフで仕掛ける “強制恋愛”について深田さん個人は「ナシ、ですね (笑)。この二人にはあった話であって、“強制恋愛”という言葉があると、みなさんに強制してしまう気がして。その言葉からはじまるというと、その言葉通りになってしまうと思うので、後付けでならあっていい言葉だと思います」と語る。
だが “強制恋愛”はやがて本物の恋愛に変わっていく。その過程の描写は印象的だ。
また、劇中で深田恭子さんは、人気脚本家(谷山真由美)、セレブ作家、地味な主婦の三役を演じているのも見所。観ているわれわれは「誰が本当の深田さんに近いのだろうか」と素朴な疑問が湧く。今まで深田さん演じてきた中で、自分本来の性格と似ている役はあるのだろうか?
「いつも役を演じる時は、似ているところを探して演じるのではなく、役をそのまま演じるようにしているので、共通点や共感する部分はなくてもいいかな、と思います」
さすがプロ! 深田さんが三つのキャラクターを演じているのもこの映画の魅力の一つだろう。
“恋”か“仕事”を選ぶなら
普段出演されている映画やドラマでは恋する女性の役が多い印象の深田さん。個人としては“恋”か“仕事”なら、どちらを選ぶのだろうか?
「生活ができるなら “恋”ですね。でも、生活ができるという仮定がないなら、やはり仕事を選びますね。私は自分が一番大事なので、仕事と恋愛、両方に打ち込めるのはうらやましいです。谷山さんは恋をしながらお仕事も、っていう彼女なりのバランスがとれているのかな、と思いました」
人気脚本家・谷山真由美は、恋を自らの仕事のエネルギーに変換するタイプの人間。だが、人気作家ゆえか、周囲は谷山のわがままを容認し、神経をすり減らせる。その谷山真由美のキャラクターについて深田さんは「仕事をする上では、谷山さんのように人にあたったり、大声を張り上げたり、イライラしないことを第一に考えていますね。ストレスは、一回発散しちゃうと我慢できなくなってしまうんじゃないかと思うんです。また、もうひと山乗り越えれば穏やかになれるのかと感じました。私の場合は、なるべく穏やかにいるように心がけて、素敵な30代になろう、と思っています」と、自分の未来に重ね合わせながらのコメントをくださった。
「自分磨き」と「ポジティブ思考」
仕事も恋愛も頑張る女性が増えている中、深田さんが自分磨きのために実践していることは、「悲しい気配がある方向にはなるべく行かないこと」だそうだ。「楽しい人がいる方向、ここに行ったら楽しそう、という方向に行って、自分を笑顔にしてあげるようにしています。悲しいことばかり、嫌なことばかりがあると口角が下がってきてしまうと思うので。笑ってばかりいるとほうれい線ができてしまうとわかってはいるのですが、なるべく日々笑顔でいたいです。立ち向かわなきゃいけないこともありますが、自分から楽しい方向に向かっていくのがいいんじゃないかな、と思いますね」
ちなみに深田さんのヘコんだ時の回復法は、「聞こえはよくないのですが、最初からすべてに諦めることです。期待をしない=ゼロの状態なので、ほんの小さなことでも嬉しく感じたり、何でもプラスにとらえられたりするんです」
学生時代の自分を振り返って
学生にとっては、少し上のお姉さんにあたる深田さん。最後に示唆と愛情にあふれたメッセージをくださった。
「お父さんやお母さんの言うことをよく聞いて、たくさん親孝行してください。また、この映画を通して、お仕事を頑張る女性や恋に臆病になっている人たちに力をわけてあげられたらいいなと思います。この映画はいろいろなエピソードが出てくるので、どこかしらで共感していただけると思います。私自身、目標を作るのはあまり好まないので、あえて作らないようにしています。一日一日を大切に、充実した日々を送り、未来につながっていったらいいなと思います」「日々の充実が未来を作る」自然体の深田恭子さんから出た言葉が私たちの心に深く響いた。
学生新聞2010年10月号より
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