株式会社MS-Japan 代表取締役社長 有本 隆浩

考えている暇はない! 行動しなければ成功しない

株式会社MS-Japan 代表取締役社長
有本 隆浩(ありもと たかひろ)

1961年生まれ。大阪府出身。大学卒業後、株式会社リクルートを経て、28歳で株式会社日本MSセンター(現、株式会社MS-Japan)を設立し、代表取締役(現、代表取締役社長)に就任。1995年、業界ではいち早く人材紹介事業の許認可を取得し、管理部門特化型NO.1エージェントとして業界をリード。2016年12月マザーズに上場し、1年後の2017年12月に東証一部上場を果たす。

遊びまくっていた学生時代から一転、モノを売る営業の楽しさを知り、天性の営業力で人生を切り開いてきた有本社長。今の学生に伝えたいことは、まず行動すること。動いて失敗しても得るものがあり、それは必ず財産になるという。積極果敢な人生を送るための生き方の極意を聞いた。

考えている暇はない!
行動しなければ成功しない

私の学生時代は、とにかく遊びまくっていましたね。要領もよかったもので、2年生までにほとんどの単位を取っていましてね。それで、残りの2年間は遊ぶぞ! ということで、夏はサーフィン、冬はスキー、春と秋はテニス、常に麻雀。そんな日々でした。就職活動はほとんどしませんでしたね。説明会に行ったのは1回きりで、それも友人に連れて行かれたもの。某鉄道グループだったのですが、「うちのグループで上場している子会社を5社あげて」という人事に対して、「上場ってなんですか?」と聞き返していました。それくらい知識はなかったですし、就職意欲もありませんでした。

トップ営業マンと勝負
営業の天才誕生
 しかしそんな中、とあるサンドイッチ屋に就職することになりましてね。これが人生の転機でした。まず任されたのが、百貨店でのワゴンセール。夕方に、値引きしたサンドイッチを売る仕事。これ、私の天職でして、山積みのサンドイッチを20分足らずで売り切っていました。どこの百貨店でも即完売となりまして、「すごい新人が来たぞ」と社内で話題になりました。そりゃそうなんですよ。だって、実家が商店でしたから。物心もつかないうちから、大人に物を売っていたんです。営業力じゃ他の連中に負けません。
 とまぁ、こんな感じで営業の楽しさに目覚めまして、2社目に選んだのがリクルートでした。「社長に営業できる仕事」というキャッチフレーズに心を打たれ、「いろんな社長から経営のノウハウを学ぼう」という理由で転職しました。あ、そうそう、私、入社した日に勝負を挑んだんです。「この会社で一番売上を上げている営業マンは誰ですか?」と上司に聞き、その営業マンに電話をしました。「これから毎月、僕と売上で勝負しましょう」ってね。20代前半の若造が、日本一の営業会社のトップ営業マンに、入社初日に勝負を挑んだんです。そしてこの勝負、しっかりと勝ちました。あらゆる社内記録を塗り替え、日本一の営業会社のトップ営業マンになりました。
 私は、本当に社長にしか会わなかったんですよ。20代前半の若造が、「社長じゃないと会いません」と、部長だろうが役員だろうが、社長じゃなきゃ駄目だと突っぱねる。だって、社長から経営を学ぶためにリクルートに入ったんですから。で、社長にアポがとれたら、夢を語らせるんです。2時間くらいかけて、じっくりと。それで最後に、「その夢を実現させましょう」と、商品を出す。その商品によって社長の夢が実現するという未来図を、明確に描かせるんです。で、最後に「経営者なら、今決断してください」とサインを迫る。これで九割は落ちていました。それでね、もう一つ秘訣があって、他の営業マンが180万円で売っている商品を、僕は1,000万円で売っていたんです。そりゃあトップになれますよね。単価が5倍以上違うんですから。

世界中の頭脳を変える
教育財団を作りたい
 今後やりたいことですか……。うーん、財団を作りたいかな。実は、そのために上場したんですよ。人間の頭脳に革命を起こす財団を作りたいんです。人間って、脳みその10パーセントしか使えていないらしく、あのアインシュタインでさえ15パーセントしか使えていなかったとか。これって、教育のせいじゃないかなと思っています。世の中に溢れる知識を詰め込む教育によって、人間の脳みそのポテンシャルは死んでしまっているのではないか、と思うんです。だから、幼少期から徹底的に感性を鍛えて、脳みその20パーセントを使える人間が増えていけば、環境問題、核兵器問題、戦争など、世界レベルの問題が解決するんじゃないかと。最終的にはそういう教育機関を作るために財団を作りたい。そうして、僕の子ども、孫、ひ孫の世代が安心してこの地球に住んでいられるようにしたいですね。あとは、会社はまだ世に出ていないITやAIを駆使した、ビッグビジネスに取り掛かっています。

学生へのメッセージ
 今の学生に伝えたいのは、「とにかく行動しろ」ということです。考えている時間なんてもったいない。考えて、頭でっかちになって、結局何も得られない。そんな人間には絶対にならないでください。失敗したっていい、結果的に遠回りになってしまってもいい。とにかく行動してください。そこで得られたものは、何にも代え難い財産になります。

学生新聞2019年10月31日号より(慶応義塾大学4年 小川淑生)

早稲田大学2年 成在協/上智大学3年 森海渡/慶應義塾大学4年 小川淑生

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