セゾン自動車火災保険株式会社 代表取締役社長 佐藤 史朗

仕事はお客さまと世の中のため。 初志貫徹の精神を忘れない

セゾン自動車火災保険株式会社 代表取締役社長 佐藤 史朗(さとう しろう)

■プロフィール

1981年大分大学卒業、同年安田火災海上保険(現損保ジャパン)入社。2015年取締役専務執行役員、2016年代表取締役専務執行役員、2018年代表取締役副社長執行役員、2020年4月セゾン自動車火災保険代表取締役社長に就任。損保ジャパンでは営業部門のトップとして、新たな取引先を次々に開拓。豊富な人脈を持ち、明るくエネルギッシュな人柄を慕う社内外のファンが多い。

保険とは形のないサービスであり、学生にとってはあまり馴染みがないかもしれない。しかし、時代に伴って保険業界にも様々な変革が必要となる。佐藤社長もこれまでに様々なチャレンジをし、周りがやっていないことも失敗を恐れず果敢に挑戦してきたそうだ。そんな佐藤社長の考える仕事の意義、そして「何かを変える力」とは。

 大学時代はバレーボールやテニスなど、スポーツに明け暮れて過ごしていました。 就職活動はいくつかの企業を受けていたのですが、最終的には安田火災海上保険(現損保ジャパン)に入社しました。  当時この企業は、社員=家族と捉えるような「ファミリー主義」を掲げていたのですが、就職面接の際にその社風がすごく伝わってきて、最終的な決め手となりました。また、当時は事故を起こしてしまった際に保険に入っていなかったため、経済的に困窮される方も多くいました。その中で、「保険金を受け取ることができて助かった」というお客さまからの御礼の手紙などを読んで、自分の仕事は人の生活を支える仕事なのだと実感しました。

■仕事における発想の原点は「お客さまのため」

 会社人生の中で、仕事はお客さまそして世の中のためにしていくものだとずっと考えてきました。お客さまが本当に困っていること、ニーズに対して、保険にはあまり関係のないことでもわれわれにできることならば一生懸命やる。それが信頼関係につながり、だんだんとビジネスに広がっていきます。では、現段階で当社はどうなのか。確かにダイレクト自動車保険は価格の面ではお客さまのニーズを満たしていると思います。しかし、本当にお客さまが安心して生活できるか、そう聞かれるとまだまだだと思います。もっと努力が必要であり、われわれの会社も保険業界全体も、変わっていく必要があります。
 また、デジタルの世界はどんどん新しくなっていきます。われわれの業界に関連づけると、安心・安全・健康という面でもデジタルでいろいろなサポートができますが、デジタルですべてが解決できるかというと、どうでしょうか。私はデジタル技術を使う際に最も気をつけるべきことは、そこに信頼があるかどうかだと思います。どんなに技術が発展しても最後は「人」。保険会社でも、コールセンターや事故対応部門などの人と人の接点の中で信頼関係が築けるかどうかが、今後も重要になってくるでしょう。
 他にも、例えば死亡事故を削減できないかという課題があったとします。事故が起きてから重要なことは、いかに早く救急搬送するかという、時間との勝負です。保険会社は過去のデータを用い、どういうシチュエーションで事故が起きたかで、どのくらい危険なのかが判定できます。例えば、 度の角度で当たると危ないというデータがあるとします。そして実際にそのような事故が起きた時に、いち早く適切な治療ができる病院を判断して搬送することで、死亡事故を減らすことができます。このように保険とは一見結びつかないようなことでも、課題を一つ一つ解決していくことが社会貢献に繋がっていくと考えています。

■モットーは「初志貫徹」

 今まで苦労してきたことはたくさんあります。特に、高い目標を決めて今まで先輩ができなかったことにチャレンジしたり、従来のビジネスモデルを変革するチャレンジをしたりした時は、とても大変でした。でも、どんなに辛い状況でも、最初に決めたことは徹底的にやり抜く。それが自分のモットーである、「初志貫徹」です。歯を食いしばって最後まで突き進んでいって、ついに成果が出ると、周りから信頼を受けたり上司から評価されたりなど、必ず報われてきました。思うに、何かを変えたいと思っても、その人自身の熱量だけでは変わらないことが多い。まず何かを変えたいと思ったら、上層部の人間を説得し、理解してもらう。これが自分の経験上、極めて重要でした。もちろん理解を求める際は、口だけでなくレポートなどの材料の用意も必要です。そしてその後は、志を持って前へ進むのみだと思います。
 仕事をする上で楽しかったことは、自分が苦労してチャレンジしたことに結果が出た時です。成果が出たことに対して、自分にとっては達成感、満足感があることはもちろん、それだけでなく、仲間が増え、上司に認められ、新たなことにチャレンジする機会を与えられるなど、どんどん活躍の幅も広がり道が開けていくことに楽しさを感じました。

■message

 会社に入ると本当にあっという間に時間が過ぎます。働き始めると責任も生まれるし、家族など支えていかなければならないものも増えます。ですから後悔のないように、失敗してもいいので若いうちからチャレンジし続けることを忘れないでほしい。
 あとは仲間を作ることも大切です。性別・年齢関係なく、お互いが本当に信頼できる、そして自分が大変なときに支えてくれる、そういう仲間をたくさん作ること。そのためには真摯に人と向き合い、相手が困ったときにはしっかり助けてあげることが重要です。健康に気をつけて、学生の皆さん頑張ってください!

学生新聞2020年10月号 慶應義塾大学 1年 伊東美優

慶應義塾大学 1 年 伊東美優/津田塾大学 3 年 北川明日真 /津田塾大学 1 年 佐藤心咲/津田塾大学 2 年 宮田紋子/ 津田塾大学 3 年 川浪亜紀/明治学院大学 3 年 小嶋櫻子

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