学校法人五島育英会 (東京都市大学)理事長 高橋遠  

健康、熱誠をもって社会で活躍する人材を育てる

学校法人五島育英会 (東京都市大学)理事長 高橋 遠 (たかはし はるか)

■プロフィール

1950年東京都生まれ。
1974年東京大学経済学 部卒業後、東京急行電鉄入社。
2011年専務取締 役就任。その後、東急ホテルズ、東急総合研究所 の代表取締役社長を歴任。
2017年日本秘書協会 理事長、2018年五島育英会理事長に就任。

東京都市大学をはじめとする「都市大グループ」を運営する学校法人五島育英会の高橋遠理事長に、これからの社会で求められる人物像を伺ってきました。

■学生時代から就職後のお話を聞かせてください

 私の親族には医学関係者が多く私自身も高校3年生までは医者を目指していました。ただ高校時代に文科系に進学する人が多いクラスだった影響もあり、最終的には文科系の大学に進学しました。スポーツに熱心に取り組んでいたこともあり、アルバイトは家庭教師くらいでしたね。
 就職活動に関しては、外交官を目指していましたが、東急電鉄に就職しました。外交官試験のために就職浪人も考えましたがいろんな人に相談をして、早く社会に出たほうが良いとアドバイスをうけて就職することにしました。今回もコロナで就活が様変わりしたと思いますが、一日で世の中ががらりと変わってしまうこともあるので、できることはしっかりやっておくことが大事です。やらずに後悔するより、やって後悔したほうがいい。
 東急では、まずは現場を知るということで駅員などを経験したのちに海外部へ配属されました。まだできたばかりの部署で日本の土地開発のノウハウを海外へ持ち込んで展開するという取り組みでしたが、かなり苦労しました。その後はアメリカでMBAを取得し、財務、秘書などの業務に就きました。東急ホテルズの会長を務めたのち、2年前に今の職につきました。

■どんな学生が社会に求められていると思いますか

 人は社会に出たら、決断力、判断力、主体性などいろいろな能力が求められますが、世の中は変化するものなので、変化を人よりも早く察知し、それに対してどう対応するかが特に大事です。
 そして、何事も人に伝えられないと始まらないので、かみ砕いて説明できる能力、相手に受け入れられる能力、いかにコミュニケーションがとれるかも大事です。また、これからグローバル化がさらに進み、少子化の影響で世界における日本の立場も変わってくるだろうと思います。それを踏まえて、海外で仕事ができる力をつけるといいのではないでしょうか。英語を学ぶこと。そしてそれだけではなく、英語で日本の文化を語り、自分の意見を言えるかどうかということも大事です。

■重点を置いている教育はどのようなものですか

 データサイエンス教育、グローバル教育の2つが力を入れていきたい教育です。ビッグデータ、AI、IOTなどが深く関わる社会が構築されつつある以上、こうした教育は必要になっていくと思います。そのため、現在は全学生を対象に、基礎的なデータサイエンスを学ぶ授業を取り入れています。
 グローバル教育としては、オーストラリアへの4ヵ月間留学などがあり、毎年300名ほどが留学しています。TOEICのレベルが高い人はニュージーランドで学べるプログラムがあり、年間名までが参加できます。
 海外でのインターンシップにも力を入れていましてね。東急グループの会社や取引先、OG、OBのネットワークを駆使して、3週間ほど行けるようなプログラムがあるんですよ。このインターンシップの仕組みは、本年、文部科学大臣賞を受賞しました。

■大学生へのメッセージをお願いします

 初代理事長の五島慶太が大切にしていた言葉として「熱誠(情熱、誠実)」というものがあります。失敗と成功の分かれ目において健康、熱誠があれば必ず成功するということを表しています。
 学生の皆さんにはこの言葉を咀嚼して、新型コロナウイルスによる社会の変化に負けることなく、物事に対して情熱をもって誠実に取り組んでほしいと思います。
 このような生活態度をとっていれば自らの成長をしっかりと自覚できるはずです。

学生新聞2020年10月号 武蔵大学4年 飯岡樹生

武蔵大学4年 飯岡樹生 / 日本大学3年 大橋星南

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