株式会社プレミアムウォーターホールディングス代表取締役社長 萩尾陽平

日本のおいしい水を世界へ届ける

株式会社プレミアムウォーターホールディングス代表取締役社長 萩尾陽平(はぎおようへい)

1978年福岡県生まれ。高校卒業後、アメリカの大学へ留学。大学院進学を前に一時休学し、23歳でエフエルシーグループの前身となる会社を起業。2004年、株式会社エフエルシー設立。2016年、経営統合により株式会社プレミアムウォーターホールディングスの代表取締役社長に就任。趣味はトライアスロン、ゴルフ、水泳。

保有契約件数115万件を突破、業界シェアNo.1を誇る、プレミアムウォーターHD。ユニークな生き方や考え方を持ち、営業一筋で走り続ける萩尾社長。世界一と言われる国の経済・歴史を現地で体感し、皮膚感覚でつかむ社長だからこそ伝えられる、社会で大切なことは何かを伺った。

 高校卒業後、すぐにアメリカの大学に進学したのですが、ネイティブと比べると語学力にかなり差があり、授業内容を理解するだけでも苦労しました。私は18歳の頃から、なぜこの国の経済が強いのかなどを考えることに興味があり、若いうちにアメリカに行き世界一の場所を肌で感じたいと思っていました。
 当時、現地で感じたことや経験したことが、いま会社を経営する際の会社をどう強くしていくかや組織論に活かされていると感じます。国の歴史を学び、国がどう強くなってきたかは、会社をどう大きくしていくかと共通していると思うからです。
 在学中に医学を志し、大学院を目指しましたが、親の収入だけでは学費が足りず、1年休学し日本へ一時帰国しました。そして資金を貯め、アメリカへ戻ろうと思いました。
 日本では朝から晩までアルバイトに励み、歳の時に独立し、いまの前身である会社を作りました。会社が成長していくにつれ、結果が出ることに喜びを感じ、アメリカには戻らない選択をしました。
 当時の仲間と何気ない会話から上場しようと決めましたが、調べるうちに1つの商材だけでは上場できないことがわかり、取り扱う商品を増やそうと考え、そのときに出会ったのがウォーターサーバーです。サーバー販売は、アウトバウンド営業で獲得したわりには他商材と比べ解約率が非常に低く、需要と供給のバランスが合う商品だと気づきました。また、自社の営業力で差別化が図れるビジネスモデルであったため、急速にウォーターサーバーのビジネスにのめり込んでいきました。はじめは代理店という形で、さまざまな会社のウォーターサーバーを販売し、その後、より良い製品を販売したいという気持ちから、メーカーにオリジナルブランドを製造してもらう「OEM」という形をスタートさせましたが、せっかく販売するのであれば、自社で工場を持つメーカーになりたいという気持ちが日々高まってきました。当時、国内最大の天然水の品質と生産能力を持ったウォーターダイレクト社と、国内最大の営業力を有する弊社が統合することで、さらに業界のシェアを拡大することができると思い、現在のプレミアムウォーターホールディングスが誕生しました。

■会社の価値を最大化させるのが一番のやりがい

 水は「安心・安全・おいしい」が重視されますが、安心・安全な水だけでは差別化は図れません。私たちは、ユーザーを増やすことで水源を増やし、製造コストを下げ、配送効率を上げることで、業界での優位性を創出しています。開発からアフターサービスまで一貫して手掛けることができるからこそ、より魅力的な商品・サービスを提供できると感じます。とはいえ、日本でのウォーターサーバーの普及率は、業界全体でも8パーセントほどです。まだまだ成長できる環境はありますので、自社で20パーセントまで伸ばし、1000万ユーザーを目指したいと考えています。
 上場しているため、会社への投資をどれだけ最大化できるかに尽きると思います。株価をあげることも大事ですが、企業価値の最大化が一番の責任であり、そこにやりがいを感じます。

■共感できて自分の道標がはっきりしている人

 一緒に働きたいと考えるのは、『自社の活動を通じて人々の生活を豊かにし、そして世界で一番愛される会社へ』というビジョン、『社会的意義を果たし、地方創生を実現する』というミッション、弊社をもっとも象徴させる『自由と責任』というPWHDスタイルに共感できる人です。
 雇われているという感覚ではなく、自分自身を成長させ、自分の価値を高めることで高給と好待遇を常に求めていける人材が集まってくれたら嬉しいと思います。
 従業員持株会も、自分の頑張りが会社の企業価値に繋がっていると感じられることが大切です。社員が会社に投資したいと思える会社にしていかないといけません。みんなの努力の結果が株価に現れ、結果として社員の資産を増やすことができれば、皆の人生がより良いものになっていくと思います。
 私自身はアポイントがあるときにだけ出社し、予定を入れすぎないようにしています。時間に追われるのではなく、経営においては考え、創造する時間が大切だと考えるからです。結果を出すことは最低限のことであり、空いた時間を自分で作り、よりクリエイティブな仕事ができるかが、トップに求められていると思います。
 水という資源は、世界においても大変貴重な天然資源であります。日本の天然水の良さを、まずは日本の人にわかっていただくこと。そして、日本の天然水をこれまで以上に、世界に発信していけるよう、価値と信頼性の確立をしていければと思います。

■message

 自分たちは学生だからと言って可能性を狭める必要はありません。生まれたときから社会の一員です。いつかはみんな親を守らないといけないし、家族を持ったら子どもの成長も見守らないといけない。みんなとのレースはすでに始まっています。学生だからという言葉に甘えず、さまざまなことにチャレンジし、たくさん失敗することで、社会の一員として経験を積んでいってもらいたいです。

学生新聞2021年4月号 駒澤大学4年 安齋英希

日本大学3年大橋星南/慶應義塾大学1年伊東美優/明治大学2年山本真人/中京大学2年安田竜也/駒澤大学4年安齋英希

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