ミサワホーム株式会社 代表作執行役員 作尾 徹也

時代の最先端分野に携わり、社会にとって不可欠な企業に

ミサワホーム株式会社 代表作執行役員 作尾 徹也(さくお てつや )

■プロフィール

東京電機大学工学部卒業後、1981年ミサワホーム株式会社入社。戸建住宅の営業や営業企画、商品開発等に従事し、商品開発部では世界初の発売となったゼロ・エネルギー住宅の開発を手掛けた。2006年執行役員、2012年常務執行役員、2014年取締役常務執行役員、2018年取締役専務執行役員。2022年より代表取締役社長執行役員を務める。

月面有人基地への応用を視野に入れた南極での実証実験など、独自の路線で発展を続けるミサワホーム株式会社。住宅業界を牽引する一社として、日々成長し続け、売上・利益とも増加の一途をたどる。作尾社長が思い描く、ミサワホームのビジョンについてお話を伺った。

建築は、機能性や利便性を追求するだけではなく、デザインや遊び心も包括する。そんな建築に深く関わりたいと思い、工学部に進学し建築を学んだ。大学生活は、課題のための材料や高価な建築の本を買うためのアルバイトに追われ、とても忙しいものでした。しかし、同時に建築の面白さや奥深さに惹き込まれていったのもこの時期でした。

■常識外れが成長の壁を超える

建築に関わるさまざまな会社を調べていく中で出会ったのがミサワホームです。最終面接で、同席された創業社長の熱い思いやビジョンに感銘を受けて入社を決意。入社してみて何でも意見が言える風通しのよさを感じました。入社して7年間は戸建住宅の営業に従事し、その後、企画や商品開発に20年近く携わりました。そこで感じたのは、ものづくりは売れるものを作るだけでは不十分であるということ。もっと人々がワクワクするものを提供したい。そうしたことができる企業でありたい。ミサワホームでは半世紀にわたって南極・昭和基地の建物の建設サポートをしています。さらに、月面の有人拠点への応用を視野に、南極で移動する基地(住まい)の実証実験も行っています。常識外れなプロジェクトと思うかもしれませんが、実際に南極の昭和基地に施されている高度な断熱技術は、ミサワホームの住居に応用されています。また、この数年で住宅に求められる要素が大きく変わりました。たとえば、在宅勤務やオンライン学習が急速に普及したことで、リモートワークの環境が住宅に求められています。家で過ごす時間の増加に伴い、収納量もこれまで以上に必要になりました。そうしたニーズに応える提案の一つにミサワホームの「蔵のある家」があります。家族団欒の開放的なリビングやちょうど良い距離感のワークスペース、一般的な量の3倍もの収納を設けることも可能です。動かすことのできる間仕切りを使用して1つの部屋を2つに仕切るなど、スペースを効率的に使う提案もしています。この「蔵のある家」に関しても、お客さまの新たなニーズへの対応など今後も改良を重ねていきたいと思っています。

■ミサワホームのポテンシャル

ミサワホームは戸建住宅や賃貸住宅などを建設する新築請負事業のほかに、リフォームなどを行うストック事業や街づくり事業、海外事業、介護事業に取り組んでいます。特に近年は、ストックや街づくり、海外の事業が伸びており、会社の売上・利益は年々増加しています。長年取り組んできた事業の多角化が形になってきたと感じています。そんな我々が目指すのは、皆さんに「ミサワホームっていいよね」と思っていただける、より社会に必要とされる会社になること。ミサワホームならではの価値をもっと作り、磨いていきたい。そのために、社員一人ひとりが自己研鑽することが求められます。社会に必要とされる人財が増えれば、会社も大きく変わる。こうした人財の可能性は当社のポテンシャルであり、当社では社員がより研鑽できる環境を整備していきます。また、ミサワホームが持つポテンシャルの一つに、エネルギーの自給自足が挙げられます。住宅などの建物一つひとつに太陽光発電設備を取り付けて、それぞれが独立して毎日消費するエネルギーを賄っていくのは難しいものです。その解決策となるのが地域全体でエネルギーを融通しあう考え方です。たとえば、地域で暮らす住宅と稼働している工場ではエネルギーを使う時間帯が違うため、それぞれが発電した電力を効率よくシェアすることができます。地域で見た場合にも、エネルギーの自給自足の実現には課題が多々ありますが、実現に向けて実証実験を行っていきます。さまざまな企業に参画いただき、連携しながら取り組むことで必ず実現できるはずです。このようなミサワホームの“伸びしろ”を広げていき、より素敵な会社にすることが私の使命だと考えています。

■message

皆さんはすでに勉強をされて知識もあります。あとは、より深掘りして考えることが大切です。そのためには、余裕を持つことを心掛けてください。人生に余白があってこそ、新しいモノや考えを生み出すための余地が生まれます。目的を持たない時間を過ごしてみるのも良いでしょう。また、学生だからできることをたくさん経験してください。たとえば、アルバイトはさまざまな職種に関われる貴重な機会になります。大学での授業はもちろん、それ以外に、実際に見て触れて感じた経験によって、新たな価値観が生まれます。勉強で得た知識での成長も重要ですが、さまざまな経験や価値観の形成による成長には、さらに大きな価値があります。余裕を持ち、偏見を捨てる心構えを持つことで、社会に出たときに楽しく仕事に向き合い、成長できるようになります。

学生新聞2023年4月1日発刊号 明治大学4年 酒井躍

國學院大學3年 島田大輝/東海大学4年 大塚美咲/専修大学3年 竹村結/上智大学4年 八木彩花/明治大学4年 酒井躍

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