矢島舞美 全力で、楽しむ!

女優 矢島舞美 (やじままいみ)

■プロフィール

1992年2月7日生まれ。埼玉県出身。2002年、約3万名の応募からハロー!プロジェクト・キッズに選ばれ、2005年6月11日アイドルグループ『℃-ute』(キュート)を結成し活動するも、2017年6月12日に℃-ute解散。
解散後は女優として活動中。主な出演作は、ドラマ『ルパンの娘』『科捜研の女Season 20』、映画『初恋』など。舞台は『銀幕の果てに』『フラガール – dance for smile -』『朗読劇 ラヴ・レターズ』などがある。

アイドルグループ『℃-ute』の元リーダーとして活躍していた矢島舞美さん。『℃-ute』のメンバーの一員として突っ走ってきた彼女が、解散を決意して飛び込んだ新しいソロの世界。グループから個への道へ進んだ彼女の決意と血のにじむような日々……。そんな彼女の仕事に対する思いを取材しました。

■芸能界を目指したきっかけは、『天才てれびくん』

子どもの頃は、ピアノや習字、英会話、ソフトボールなど、習い事をたくさんしていて、忙しかったですね。「兄がやっているものは自分もやりたい……」という気持ちが強かったので、一時期は少年野球チームにも参加していました。

芸能界に入るきっかけになったのは、小学校5年生のとき。当時、NHKの『天才てれびくん』の新メンバー募集があることを知って、受けようと決めました。芸能界に興味があったというよりは、『天才てれびくん』で同世代の子たちが楽しそうにしているのを見ていて、「私もやってみたい」という感覚が強かったです。あとは、両親が共働きだったので、「私も一緒に働きたい」という気持ちもありましたね。

ただ、肝心の『天才てれびくん』のオーディションには、期日を間違えていたのか応募することができず……。そこで、代わりに当時開催されていた「ハロー! プロジェクト・キッズ オーディション」を受けて、合格し、芸能界の道へと進みました。

■忙しい日々を支えてくれたのはオーディションで受かった仲間たちの存在

オーディションに受かった後は、学校が終わると地元の埼玉から都内に通って日々レッスンを受けていました。事務所は「義務教育はしっかり卒業しよう!」ということで、仕事は学校が終わってから行くのが原則でした。2007年に℃-uteが芸能業界にデビューした後でも、学校の行事も全部参加して、学業と仕事を両立させていました。

ただ、仕事が始まってからは毎日が忙しくて、友達と遊ぶタイミングが激減しましたね。仕事が休みの日にたまに友達と遊ぶことしかできなくて、「みんなは部活とかを楽しんでいていいな」と羨ましくなることもありました。

ただ、支えられたのは、オーディションで受かった仲間たちがいたからこそ。一緒に受かったメンバーは、全部で15人いたんですが、全員同年代で同じような境遇、同じような条件で頑張っていました。「友達ともっと遊びたいな」という気持ちもありましたが、仲間のおかげで「辞めたい」とか「辛い」という気持ちを抱くこともなく頑張れました。それよりは、本当に日々与えられる課題をどんどんこなしていくことに必死でしたね。

■リーダーを辞めたいとも思った。だけど……

℃-ute時代は「自分はリーダーとしてどうやってみんなをまとめていったらいいのか」と仲間のことで悩むことが多かったです。ときにはリーダーを辞めたいと思うこともありましたね。でも、周りの方が「それぞれのやり方でいいんだよ」とアドバイスをしてくれたり、6歳から幼なじみのように過ごしてきた仲間も助けてくれたり。仲間がいたからこそ、諦めずに頑張れたんだなって思います。

芸能活動は興味本位で始めたけど、自分が苦手だった事でも頑張った末に褒められると、「次はもっと大きな目標を達成したい」と思えるんです。次々出てくる新しい目標を1つずつ達成するのは楽しいですよね。あとは、応援してくれる方が増えていくのもうれしかったです。たとえば、ファンレターも最初は全然こなかったのに、イベントやライブなどを続けていくと少しずつファンレターの数が増えていく。そうした変化を感じるたびに、「もっとたくさんの人たちに応援してもらえるようになりたい」と思うようになりました。

■「とりあえず、全力でやってみる!」がポリシー

いま、お芝居のお仕事をさせていただく中で、共演者の演技を参考に、自分の演技の仕方を変えることはあります。主演をやらせていただいた舞台『銀幕の果てに』では、世界観や表現が難しくて、自分自身が何を言っているのか分からなかったこともあります(笑)。

でも、ただ分からないじゃなくて、分からないなりに全力でやってみたら、なんとなく自分なりの答えが出てきました。同じセリフでも全力でやるかやらないかで演技も全く違ってくるし、たとえ全力でやって自分のやり方が間違っていたとしても、それを笑ってくるような人はいなかったですね。

これからもお芝居やモデルなどいろいろなお仕事をいただくと思いますが、そのたびに全力で向き合っていきたいです。そして、「この役、この子にやらせたい」って誰かから必要とされたり、「この人がいるから作品がもっと良くなる」と思ってもらえる存在になりたいです!

■多くのことは、実際にやってみると大したことない

学生時代は、若くて1番エネルギーもパワーもあると思うので、やりたいことに全力でやってみたらいいと思います。もしそれがダメでも、失敗から得られることもあるから、とにかく全力でやることが大事ですね。

「安心できる未来が欲しい」っていう気持ちもわかるし、環境を変えるのは怖いと思うけど、多くのことは「実際にやってみた後に意外と大したことなかったな」って後からケロッと話せるようになることが多いです。また、「自分の悩みなんてちっぽけだったな」って思える時がくるから、肩の力を抜いて、色んなことに挑戦して欲しいと思います。

学生新聞オンライン2021年3月17日取材 立教大学 2年 須藤覚斗

専修大学 4年 石岡慶也 / 津田塾大学 3年 川浪亜紀 / 立教大学 2年 須藤覚斗

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