三戸なつめ 個性を大事にし、これからもファンの皆さんに伝えていきたい
■プロフィール
1990年2月20日生まれ。奈良県出身。
2015年に中田ヤスタカプロデュースによる『前髪切りすぎた』でアーティストデビュー。
2018年より、本格的に俳優としても活動を開始し、ドラマ&映画「賭ケグルイ」に出演。NHK連続テレビ小説「おちょやん」では実母役に挑戦する等、今後も多数のドラマや映画の出演を控えており、モデル、タレント、女優として幅広いジャンルで活躍している。
トレードマークである短い前髪で、NEWクレラップのCMなどが話題となった女優の三戸なつめさん。モデルや女優をはじめ、様々な分野で活躍をする彼女の想いとは。また、彼女にとっての仕事やファンの存在はどのようなものかを伺った。
■服飾を学びながら読者モデルを始めた学生時代
小さい頃から洋服が好きだったことと、当時読んでいた『ご近所物語』という漫画で描かれるキャンパスライフに憧れを持ったことから、服飾の専門学校に通うことにしました。私は子供服を専攻し、洋服のデザインを考えたり生地を選んでミシンで縫ったりと、ゼロから洋服を作る勉強をしていました。学校生活は課題が多く大変でしたが、友達と徹夜して洋服を作ったり、文化祭ではチームで考えて洋服を作ったりと、かけがえのない日々だったと思います。
そんな忙しい日々を送りつつ、読者モデルのお仕事もしていました。読者モデルは、関西の雑誌『ガールズスタイル』のスナップを撮られたことがきっかけです。もともと雑誌を読むことが好きでスナップを撮られることにも憧れがあったので、撮られた時はとても嬉しかったですね。モデルの仕事と勉強との両立は正直大変でしたが、学校の先生が読者モデルをしていることに理解を示してくれたり、周囲の友達なども助けてくれたりしたおかげで、なんとか進んだ学生時代でした。
■モデルや女優、コラボデザインまで。幅広い活躍に至るまで道のり
芸能界に進んだきっかけは、読者モデルをしていた雑誌とアソビシステムとの合同イベントで、声をかけてもらったことがきっかけです。当時、読者モデルとサロンモデルの活動を続けていく中、服飾以外でいろんな活動をしてみたいと思うようになり、それが叶えられるのが芸能活動だと思って、話をもらって芸能界に飛び込みました。
2015年に中田ヤスタカさんプロデュースの『前髪切りすぎた』でデビューしました。
当時の髪型、オン眉については、中学生の頃からずっとオン眉で、自分的には可愛いと思っていたので、曲に使ってもらえた上、それが皆さんにも個性として知ってもらえたので嬉しかったですね。現在は女優のお仕事と、ブランドさんとのコラボでウンナナクールという下着のブランドでルームウェアーを作りました。他にもWEB版のファッション雑誌のモデルやYouTube活動など色々なことをしています。
基本的に私はいただいた仕事はNGを出さないようにしているんです。その理由としては、「いろんな活動をしたい」という思いと、わざわざ自分のことを見てくれて、お仕事を提案していただいている相手の気持ちに応えたいという思いがあるからです。これからも三戸なつめとしていただいたお仕事は全部受けていきたいですね。
■自分のためより、誰かのためのほうが頑張れる
演技のレッスンを受けている中で、よくその先生から「三戸なつめは何を伝えていきたいんだ」と言われていました。丁度コロナ期間で時間もあったので、自分には何ができるのだろうと、よく考えていました。そんな中、ファンの方々からのメッセージの中で「生きる活力が見つかりません」とか「ご飯が喉を通りません」というようなネガティブなメッセージをいただいていました。自分には何ができるのだろうかと考え、苦手だった料理をはじめ、それをSNSで発信してみました。正直見栄えはしませんでしたが、ファンの人たちから、「なつめちゃんのご飯を見ていたら頑張らなくてもいいんだ」とか「勇気が湧いてきた」など反響がありました。コロナでお仕事は減っていましたが、そんなSNSの反響などを受けて「ファンの方々がいるから頑張れているのだ」と改めて気づきました。私は自分のために頑張るより、誰かのための方が頑張れる。そう思うようになったんです。今後の活動としていろんなことに私は挑戦していますが、みんなにパワーを与えられるように頑張っていきたいです。
■人と違っても大丈夫。好きなことを発信して
大学生のみなさんには、大きく分けて2つのことを伝えたいです。1つ目は、自分の「好き」をもっともっと大事にして欲しい。好きがわからない人でも、自分がときめいている瞬間はあると思います。そのようなことには敏感に反応して欲しいですね。それは個人の感情でもあるので、そのような個性を大切にしていって欲しいです。また、世の中はみんながいいと思っていることがいいとされる風潮があり、人と違うことをするのに抵抗を感じている人がいると思います。そういう人たちには、「マジで大丈夫だから、自分の好きなことを発信していって欲しい」と伝えたいです。
2つ目は、自分の意思を持ち、今やっていることを諦めずに頑張ってほしい。特に専門職の道だと、一概に「楽しい」や「好き」という感情だけではやっていけない世界だと思います。つまずくことはあると思うけれど、ずっと頑張っていれば、その経験は無駄ではないと思いますし、何か達成できると思います。例え失敗してしまったとしても、自分の考え方次第でいい経験だったと思えるようになると思うので、なんでも諦めずに続けていって欲しいです。
学生新聞オンライン2021年3月16日取材 文教大学2年 早乙女太一
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