LINE DigitalFrontier株式会社 執行役員COO 平井漠
人々に楽しんでもらえるサービスを提供する
■プロフィール
大学卒業後、電子写真集などの制作に携わった後、携帯キャリア公式電子漫画サービスの企画を担当。2013年、LINE株式会社に入社し「LINEマンガ」を担当。2018年、分社化に伴いLINEDigitalFrontier株式会社へ出向。2019年2月、同社執行役員に就任。2020年、COOに就任。
多くの人が「LINEマンガ」というアプリで漫画を読んだことがあるのではないだろうか。電子コミックサービスとして日本でもトップシェアを誇り、マンガをスマホで読むという習慣を作ったサービスの一つと言っても過言ではないだろう。そんな「LINEマンガ」のサービスを提供している平井COOに、業界トップだからこそ語れる魅力や夢を伺った。
大学生のときは、正直あまり真面目な学生ではなかったです。授業もそこそこにバンドをやって、アルバイトをして、という感じで自由な学生生活を送っており、卒業式の日には広島でバンドのライブをしていました(笑)。そんな感じだったので、就職活動もしておらずそのまま音楽を続けていました。大学卒業後は、音楽をしながら編集プロダクションでアルバイトをして、企業年鑑の制作やひたすら電話取材をしていました。
しかし、26歳になったときにバンドが解散することになりました。音楽を完全にやめるつもりはなかったのですが、きちんと働こうと思い、出版社のモバイルサービスを作っているIT系の会社に入りました。入社理由はもともとエンタメが好きだったことや、出版業界に興味があったこと、そしてモバイルという当時これから成長していくであろう業界だったので、楽しそうだと思ったからです。その後、いくつかの会社に転職をし、携わるものが電子コミックになったりという変化はありましたが、私自身はサービスを作ることが好きで、今を含めてずっと“サービス作り”に携わっています。
■みんなが楽しめるサービスを提供する
昔はガラケー、今はスマートフォンとIT技術は革新していますが、どれだけいいサービスを作ることができるかという核の部分はずっと変わっていません。みんなが楽しめる、盛り上がれるサービスを作りたい、そのように思いながら、常にさまざまなアイデアを考えている気がします。電子コミックにおいても、単に紙が電子におきかえられたということだけではなく、オンラインサービスになったからこそ出来ることがあります。それを見つけて、より楽しめるものを提供していきたいと思っています。
マンガ文化が世界に広がり、作り方自体も少しずつ変わってきている変革期にあって、マンガが発展していくところを、自分たちがこの業界の中でイニシアティブをとって関わっていけることにやりがいを感じています。技術や時代の変化は苦労だとは思っていませんし、逆に、変化があるからこそ楽しいと言えます。
■マンガをもっとグローバルに展開
現在、「LINEマンガ」では70万点以上を配信し、オリジナルや独占・先行配信作品も700以上あります(’22.1現在)。これからも新しい作品が生まれて、ユーザーにも作家さんにも事業者にもメリットがあるプラットフォームとして発展していきたいです。
特に、世界的に見たときに、我々の会社はその中心で動くことのできるポテンシャルのある会社だと思っています。オリジナル作品を海外へ発信したり、逆に海外の作品を日本で配信することもできます。というのも、「LINEマンガ」が所属する電子コミックプラットフォームのグローバルグループ“WEBTOONworldwideservice”は、アプリのダウンロード数は全体で2億ダウンロードを超えていて、この業界において圧倒的な1位です。そのようなグローバルに活躍できる立場だからこそ、今後もどんどん世界展開し、マンガというコンテンツのパフォーマンスをもっと上げ、ユーザーにとっても作家にとっても良い環境を提供していきたいです。そして、ユーザーに選ばれるNo1のサービスを提供している会社になりたいですね。これは私自身の夢でもあって、「やったな」と思う成果を残すことができたら嬉しいです。
■求めるものはチームワーク
一緒に働くならやっぱりマンガが好きな人がいいですね。そして、サービスを考えるのが好きであったり、自分でこの仕事が向いているって思えたりする人の方がいいと思います。ただ、サービスを作るうえで、一人でできることは限られていて、チームワークが大切になります。そのため、チームワークが発揮できる人と一緒に働きたいですね。
また、自分が作った機能やサービスがユーザーに受け入れられるといった成功体験はモチベーションが上がり、やりがいにつながります。以前、「LINEマンガ」をリニューアルしたときに、売上が倍くらいになるなど明確に結果が出たことがあって、とても印象に残っています。もちろん、失敗の中にも学びはたくさんあって、一つひとつが大事なことです。そうやってみんなでサービスを作り上げていけるといいですね。
■message
私は学生のときに音楽にはまり、いろいろなアルバイトもしてきました。振り返ってみるとそういったさまざまな経験が今の仕事に役立っていると思います。一番時間があったなと思うのは学生時代ですし、働き始めるとやりたくてもやれないことがたくさん出てきます。学生時代はやりたいことをやって欲しいです。後々の人生で経験として生きてくることがたくさんあります。ぜひやりたいことに挑戦してみてください。
学生新聞2022年4月号 東洋大学2年 濱穂乃香
この記事へのコメントはありません。