医療法人社団 翔友会 品川美容外科 理事⻑ 綿引 ⼀

常に機嫌良く!機嫌をコントロールする

医療法人社団 翔友会 品川美容外科 理事⻑ 綿引 ⼀(わたひき はじめ)

1985年鹿児島大学卒業。1988年品川美容外科を開設。医 療法人社団翔友会理事長として品川美容外科・スキンクリニックを 中心に、レーシック眼科、審美歯科、ストレス治療など、医療をよ り身近に、より多くの方々に提供している。また、医師及びスタッ フの技術水準の向上に取り組み、最高の医療を提供するとともに、 診察費の最適化の両立を目指している。

美容医療の世界では業界最大手である品川美容外科。日本に美容医療が今ほど身近ではなかった時代に、美容医療の可能性にいち早く気付き、品川美容外科を開業。業界の草分的な存在となった。このように先見の明のある綿引理事長に、事業を成功に導くための秘訣や経営手腕についてお話を伺った。

最初、私は北海道大学工学部で原子工学について学んでいました。しかし、医療を学びたいという思いがどうしても強くなり、思い切って鹿児島大学の医学部に入り直し、医師を志すことになりました。大学生時代はどこにでもいるような普通の真面目な学生でした。それなりに楽しい学生生活を過ごせたと思っています。

鹿児島大学卒業後は美容外科の道に進みました。当時は、美容外科への道を志すのは珍しかったのですが、これからの時代は病気といったマイナスのものをなくす医療だけでなく、美容医療のように、プラスに働く医療が伸びていく時代になると直感的に感じていました。

そこで当時美容外科業界で有名だった十仁病院で経験を積むことにしました。その後、満を持して開業したのですが、開業当時は本当に大変でした。当時、日本ではまだまだ美容外科が少なく、美容外科医師自体も日本に100 人もいなかったのです。おかげで患者様のご予約がいっぱいで、連日連夜、朝の10時から夜中の12時まで休む暇もなく働くという日々が、3年間も続きました。

◾️品川美容外科の成長の秘訣

私と同じ時期に美容外科の分野で開業した仲間は多くいましたが、ほとんどうまくいかなかったと思います。その理由は多店舗展開の失敗です。最初は上手くいくのですが、次第に経営的に行き詰っていったのです。一方、私は派手なことをするのではなく、コツコツと目の前の患者様のために尽くしていました。振り返ってみると、地道に患者様に向き合っていくことが失敗しなかった要因の一つのように感じます。患者様を大事にして、自分たちの提供できる最大限のものを提供し続ければ、気に入ってくださった患者様は、また当院に来てくださるだろうと考えています。このことは美容外科業界だけでなく、どこの業界でも同じです。お客様が何を望んでいるのかを突き詰めていければそのビジネスは伸びていきますし、それができなければ衰退していきます。規模を大きくすることは二の次です。大きな船は安定しますが、小回りが利かなくなってしまうものです。それでは従業員やお客様の声を拾いにくくなってしまい、衰退の一途を辿ることになるでしょう。

一方、みんなが満足してくれるものを提供し続ければ、自然と成長していきます。規模は勢いに任せて大きくするものではなく、自然と大きくなっていくものだと私は考えています。

それともう一つ大事なことは、働いてくれている人たちは何のために働いているのかということを常に考えることです。理由は人それぞれ違うとは思いますが、みんなに共通しているのは自分自身が幸せになりたいからだと思います。患者様が満足して幸せになり、スタッフもやりがいを感じて幸せになり、それを見て私自身も幸せになる。つまり、全員が楽しく幸せになれる会社であり続けたいと思っています。

◾️自分と向き合い常に機嫌良くあれ

「今は辛いけれど将来は必ず幸せになるんだ」と多くの人が言いますが、その幸せになる将来はいつ来るのでしょうか? 過去からしたら今が将来ですし、将来など気づいたら今になっています。将来幸せになるのではなく、今幸せにならなければいけないと私は思います。今を楽しく生きるため、ひいては人生を楽しむために私が心がけていることが一つあります。それは常に機嫌良くあることです。幸せなときは、どんなときでしょうか? いろいろなシチュエーションがあると思いますが、全てに共通するのは機嫌が良いときだと私は思います。

常に機嫌良くあるためには他の人に機嫌を良くしてもらおうと思うのではなく、自分自身で機嫌を良くすることが必要です。私はと言えば、毎朝お風呂に入り気分を良くし、「人生最高」と3回言うことで朝から機嫌良く過ごすことができます。

これは私が一緒に働く人に求めることでもあります。一緒に働くならばいつも機嫌が良い人と働きたいと誰でも思いますよね。仕事とは100やっても50ぐらいはうまくいきません。たとえうまくいかなくても、自分が興味をもって楽しく機嫌良く仕事をし続けていれば、やがてうまくいくことが増えてくるものです。

◾️message

機嫌良くすることを大事にしてください。威張ったり自己中心的になっては絶対にいけません。これは仕事中だけでなく、どんなときも意識してください。そうすれば、自然と周りの人たちから好かれます。好かれると自分のいいところを周りの人は見てくれるようになり、やりたいことに協力してくれるようになります。自分の成し遂げたいことを実現するのに周りの人の力はとても大切です。

もう一つはやりたいことにどんどんチャレンジしてください。もし失敗したとしても、日本で食べていけなくなることはそうそうありません。勇気をもって一歩を踏み出してください。きっと今まで見えなかった世界が見えてきますよ。

学生新聞別冊2022年7月1日発刊号 法政大学3年 鈴木悠介

明治大学4年 山本真人 / 日本女子大学4年 神田理苑 / 法政大学3年 鈴木悠介

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