田中珠里 根底にあるのは、チャレンジャー気質と非現実を体験する楽しさ
女優 田中珠里 (たなか しゅり)
1998年12月14日生まれ。京都府出身。
2019年、NHK「だから私は推しました」に出演。2020年、MBS/TBS「荒ぶる季節の乙女どもよ。」の本郷ひと葉役では再現度が話題となり、同年配信ドラマ「妖怪人間ベラ〜Episode0〜」では副島かおる役を怪演。今年1月の舞台「BASARA」では主演を務め、活動の幅を広げている。
10代の頃から多くのドラマや舞台に出演し、初主演映画『ディスコーズハイ』では主人公・瓶子撫子役を演じる女優・田中珠里さん。「今まで個性的な役を演じることが多かった」と語る彼女に、女優業の魅力や楽しさ、これまでに成長を感じた部分や今後挑戦したい役柄などについて伺った。
「いろんなことに挑戦したい」という気持ちが原動力に
元々母がアマチュアの歌手をしていて、自分も幼少期から歌うことが大好きでした。また小学2年生の頃から劇団に所属し、自然とお芝居にも興味を持つようになり、将来は歌やお芝居のお仕事がしたいと思うようになりました。そして「第13回全日本国民的美少女コンテスト」でファイナリストに選んでいただいたことを機に、芸能界に入ることになりました。
16歳でドラマに初出演させていただいてから、これまでたくさんの役に挑戦してきました。私自身、これまで頂いた役はかなり個性的なキャラクターが多いと感じているのですが、それがお仕事の楽しさに繋がっています。例えば『妖怪人間ベラ〜Episode 0〜』というドラマでは、気の強いいじめっ子の役をやらせていただいたのですが、今までで1番演じるのが難しく、演じれば演じるほど刺激的でもある役でしたね。全身に血糊を塗って撮影するなど、かなり体当たりのシーンも多かったのですが、非現実世界にいる感覚が個人的に凄く楽しくて。
毎回特殊な役が多いのはなんでなんでしょうね(笑)。もしかしたら、私の根底にあるチャレンジ精神が伝わるのかもしれません。私の中にはいつも「いろんなことに挑戦したい」という想いがあって、異質でユニークなキャラクターを演じられることにいつもワクワクしています。自分の人生だけでは絶対に経験することのない非日常を体験できるのが、女優業の大きな魅力だと感じますね。お芝居をしていて、役を通して自分の殻を破れる瞬間は、本当にやりがいと楽しさを感じます。その瞬間を味わうためにも、お仕事には誠実に向き合います。後悔はしたくないので、自分のできる100%を常に出し切ることを意識しています。台本はお風呂場にまで持って行ってボロボロになるまで読み込んで、どんなに自分と異なる役でも理解しようと努力しています。もし、そんな私の熱意が伝わって、お仕事をいただけるのであれば本当にありがたいです。
とにかく特殊な現場だった『ディスコーズハイ』
『ディスコーズハイ』は、まず現場がとにかく特殊でした(笑)。まず、監督がこんなに動き回る現場は見たことありませんでした。撮影現場ならではのトラブルもありましたが、監督を中心にアットホームな雰囲気があって、私もリラックスしてお芝居ができました。何よりもこの作品に関わるスタッフ全員が「みんなで良いものを作り上げよう!」という士気が本当に高くて、私も「もっと努力しなくちゃ」と刺激をいただきました。
今回私が演じた瓶子撫子(へいし なでこ)は、周りに対して思うことがあってもあえて口に出さず、自分の感情は抑え込むような女性でした。周りには強いように見せるけど、実は少し不器用で弱い部分もある人物で、私自身の性格とリンクする部分もあり、共感できる点も多かったです。だからこそ、真面目に精一杯頑張る撫子の姿は多くの人の心に響くものがあると思います。ぜひ、私と同世代の若い方にも観てほしいですね。
ライバルは常に自分自身
10代の頃から芸能のお仕事をさせていただいて、最近はいい意味で緊張しなくなりました。昔は監督とのコミュニケーションや共演者との距離感など、演技以外での悩みも多かったのですが、今は緊張がなくなった分、現場ではお芝居に集中できるようになりました。それには大きな成長を感じています。
もちろん今でも緊張することはあります。例えば私は元々アイドル活動をしていたこともあり、自分よりも年上の方と接する機会が多かったので、同世代の方とのお仕事は少し緊張します。特に同世代の女優さんとお芝居するときは、「負けたくない!」というライバル心も強くなります。ただ、「誰みたいになりたい」というよりは、「自分に負けたくない」という気持ちが大きいですね。周りを敵だと思うのではなく、常にライバルは自分だと感じています。
一番の目標は唯一無二の女優になること
自分の強みは、なんでも楽しみながらやれること。だから、どんなお仕事にも挑んで、自分の殻をどんどん破っていきたいです。私はチャレンジ気質が強くて、とにかく「誰もやったことないことをやりたい」と思っています。いま一番挑戦してみたいことは、とことん“狂った役”です。行動や言動、すべてが異質と見なされるような人物を演じたいです。例えば、殺人鬼とか……?!なぜなら、自分の性格や価値観とかけ離れていればいるほど、演じることが楽しいと感じるからです。もっとさまざまな作品を経験して、視聴者の方を裏切るようなお芝居がしたいです。いろんな個性をもった素晴らしい女優さんがたくさんいると思いますが、私は「何者か」になるのではなく、自分自身を極めて、唯一無二の女優になりたいです。
大学生へのメッセージ
やりたいことはどんどん声に出してみてほしいです。声に出さないとしても、書いて文字にするなど、どんな形でも表現することが大切だと思います。自分の中に閉じ込めず吐き出すことで、誰かが聞いてくれて次のステップに繋がったり、夢が叶ったりすることが、実際にあるからです。少しでも自分がやりたいと思えたことは、恥ずかしがらずに伝えてみてくださいね。
学生新聞オンライン2022年6月14日取材 慶應義塾大学3年 伊東美優
日本芸術センター第13回映像グランプリ発掘賞
神戸インディペンデント映画祭2021 奨励賞
その「好き」が才能。
目に見えないものに翻弄される音楽業界だからこそ音楽がど真ん中にあるべき
7月8日(金)よりアップリンク吉祥寺ほかにてロードショー
キャスト:田中珠里 下京慶子 後藤まりこ
監督・脚本・撮影・編集・楽曲制作・整音:岡本崇
公式サイト: https://plisila.wixsite.com/mysite
Twitter: @raidiochandesu
Facebook: @discordshigh
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