ジェイフロンティア株式会社 代表取締役社長執行役員 中村篤弘

目の前のことを突き詰めれば、自分の人生の使命に出会える

ジェイフロンティア株式会社 代表取締役社長執行役員 中村篤弘(なかむらあつひろ)

■プロフィール

1980年、神奈川県相模原市生まれ。 大学卒業後、ドラッグストアでの医薬品の販売業務からスタートし、EC向けインターネット広告代理店の責任者に就任。

2010年より 「ジェイフロンティア株式会社」 の代表取締役。 多くのヘルスケア関連商品のEC事業の立ち上げに携わり、10年以上、毎年3商品は100万個以上のセールスを記録するヒットメーカーに。 同社が提供するオンライン診療プラットフォーム 『SOKUYAKU』 は、導入した病院・薬局数は 7,000件を超える。

オンライン診療やオンライン服薬指導。処方薬宅配などをワンストップで行う日本初のプラットフォームである「SOKUYAKU」や、健康食品をはじめとする自社ブランド商品も販売するジェイフロンティア。ヘルスケア領域で急成長を果たす同社の創業社長である中村篤弘氏が、創業に至った経緯やビジネスに対して抱く思いを伺った。

学生時代は、とにかく何事にも一生懸命な学生でした。人生を振り返ると、目の前にあることをただひたすらにやる日々の連続でした。当時から何事にも一生懸命になれたことが、ジェイフロンティアの上場の準備の時にすごくいきてきたと感じています。私が医療や福祉などに関心を持ったひとつのきっかけは、私の祖父は要介護者だったり、兄が病院で働いていたりと、医療が身近だったことです。祖父の介護や兄の働き方を見ていると、日本の薬局では薬を取りに行くだけでも午前中いっぱいの時間がかかったり、別の人が取りに行くことができず、本人が受け取りにいかないといけなかったり。はたまた、通院の送迎に時間を取られたり、という医療現場の非効率な現状を目の当たりにしていました。学生時代から医療業界への課題意識を持っていたことがきっかけで、医療関係への進路を決めました。

■マーケットを自分で作り、その風上に立ちたい

大学を卒業した後は、某ドラッグストアへ就職を進みました。その会社では医薬品や化粧品の販売を行っていたのですが、当時は楽天やAmazonができ始めた時期で、それを受けて「今後は店舗販売ではなく、時代はEコマース中心の時代になっていくのではないか」と思い始めました。そこで、ネットでものを売ることに興味を持ち、広告代理店へと転職し、インターネットのEコマース向けの集客販促事業の責任者を経験しました。 ただ、私はヘルスケア関連のプロダクトを担当してきたものの、当初は経営者を目指していたわけではありません。ただ、代理店で働くうちに、どんなに良いプロダクトでも、マーケットがないと売れないということを少しずつ感じるようになりました。100万円を超えるにもかかわらず売れる商品もたくさん見てきましたし、安いから売れるという訳でもありません。もちろん広告だけで売ることも難しい。マーケットがなければ、モノは売れないのです。マーケットを自分自身で作れば、時代の風上に立てるのではないか。そこで、リアルとバーチャルで商品を販売することを学び、現在のジェイフロンティアを創業しました。

■誰一人取り残さないために

私自身がヘルスケアの領域で重要視しているのが、未病と予防です。「いつでも」「どこでも」「誰でも」医師、薬剤師と繋がって薬が受け取れる社会を実現する上で、自社サービスの「SOKUYAKU」をもっと拡大させたいと思っています。SOKUYAKUは、日本初のオンライン診療、オンライン服薬指導、処方薬宅配のワンストップ・プラットフォームです。イメージとしては、薬剤師がいち早く患者さんに薬を届ける薬版の出前館のようなもの。 たとえば、現況で離島にはたくさんの人がいるのですが、この方達が薬を買うのはそう簡単ではありません。しかし、SOKUYAKUでは薬剤師が直接薬を届けるため、交通アクセスの悪いところに住んでいる人や身体が不自由な人でも、来院なくして薬を手に入れることができます。少しずつできることを広げていった結果、北海道でも当日発送が可能になりました。今後もより多くの地域で即日の発送を可能にすることで、SOKUYAKUがさまざまな方にとってもっと身近なものになればと思っております。また、未病という観点から健康食品をはじめとする「ケンビキョウイイ」(健康・美容・教育・癒し・医薬・医療)に特化した自社ブランド商品も通信販売しています。商品を通してもより健康な方が増えることを願っています。

■message

自分の人生をよくしたい。そんな思いでさまざまなことに対して好奇心をもち、頑張っている人や、成長意欲の高い人はすごく魅力的に見えます。また、会社に入ると、上司や先輩に言われたことはやれて当たり前の世界になってきます。できる人は相手の期待値を大幅に超える人が多く、1頼んだことが10になって返ってきます。どうしてこうした差が生まれるのかというと、些細なこと一個一個の積み重ねだと私は思います。

吉田松陰の言葉に「至誠をつくしなさい」という一言があります。簡単にいうと、目の前のことをとにかく一生懸命やりなさい、ということなんです。私は、それぞれの人は生まれた以上は「使命」があると考えています。よく勘違いされますが、人生は「どれだけ生きたか」ではなくて、「どう生きたか」が大事です。1日1日を大切に生き、一個一個のことをやり詰めて、つきつめる。すると、自分の「使命」に気づくかと思います。使命に気づいている人と、使命に気づかない人には圧倒的差が出てきます。この使命に気づくと、一つ一つの仕事に意味を見出すことができて、無駄な時間がなくなります。20代の働き方で人生が決まると私は思っています。大学生のみなさんには、有限である人生の1日の時間を無駄にしないよう、ぜひ「自分の使命」に気がついて欲しいです。

学生新聞オンライン 2022年9月7日取材 法政大学1年 佐伯桜優

中央学院大学4年 田根颯人 / 法政大学1年 佐伯桜優 / 日本大学3年 和田真帆

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