女優 穂志もえか 幾度の挑戦で見えてきた女優としてのやりがい

女優 穂志 もえか (ほし もえか)

■プロフィール
1995年8月23日生まれ。千葉県出身。上智大文学部卒。特技はバレエ、コンテンポラリーダンス。 2017年に女優デビューし、昨年は映画「窓辺にて」(今泉力哉監督)に出演。2021年は映画「花束みたいな恋をした」(土井裕泰監督)や「街の上で」(今泉力哉監督)でヒロインを好演。ドラマでは「大豆田とわ子と三人の元夫」主人公・大豆田とわ子(松たか子)の勤める住宅建設会社経理部員・羽根子や「#グラップラー刃牙はBLではないかと考え続けた乙女の記録ッッ」主人公あかね(松本穂香)の友人・ちこなどキャラクターの強い役を演じた。現在、TBS系金曜ドラマ「100万回言えばよかった」に出演中、主要キャストの一人として真田広之も参加しているアメリカテレビシリーズ「SHOGUN」の放送も控える。

ミスiD2016にてグランプリを受賞し、現在は女優として活躍している穂志もえかさん。映画『生きててごめんなさい』ではヒロインの莉奈を演じた。今回はそんな穂志さんに女優としてのやりがいや映画でのエピソードについて伺った。

■自己表現との出会い

 私が演じることに初めて触れたのは、クラシックバレエでした。バレエは4歳から14歳まで続けていて、小学校高学年の頃には「授業が終わったらすぐバレエのように、」と私の生活に組み込まれていき、そのせいか中学生の頃には、私のバレエへの情熱は燃え尽きてしまいました。ただ、このバレエの経験が私に自己表現の楽しさを教えてくれたきっかけになったと思います。
 バレエをやめてからは何をしたらいいのか、私には何が残っているのだろうと模索した結果、バレエをやっていた時から憧れがあった女優業に挑戦したいと気が付きました。当時の私はキラキラしていた女優さんたちに憧れていたのだと思います。高校生で事務所に所属し、そこで受けた演技のレッスンは本当に楽しかったです。しかし、大学受験の時期と被っていたのと、想像していた芸能界のイメージが少しずれていたこともあり、事務所を辞め女優業からも離れました。
 そんな私に転機が訪れたのは大学2年生の時です。当時の私は一度離れたとはいえ、まだ女優への憧れがありました。そこで知人からの勧めもあり、講談社主催の「ミスiD2016」に出場を決めたのです。ありがたいことに約4000人の応募者の中からグランプリに選んでいただき、大学4年生の時には、映画「少女邂逅」で初主演を務め、女優業が本格的にスタートしました。現在は良縁にも恵まれ、今の事務所に所属して活動をしています。

■見えてきたやりがいと展望

 元々キラキラとした女優さんたちに憧れて志した女優業。憧れを抱いていた当時と今では自分の中のやりがいがかなり変わったことを感じます。当時はキラキラした芸能界にいられることや、演技をすること自体が楽しくて。もちろん今でも演技をすることは楽しいです。しかし今はそれ以上に、私の演技がお客さんに伝わりリアクションが返ってくることも私のやりがいとなっています。先日、私の出演作を観ていただいた方からDMを頂きました。話したことの無い人にDMを送ることは、みんな多少なりとも緊張すると思います。勇気を出して送ってきてくれたのだなと分かる、彼女からの長文のメッセージはとても嬉しく、モチベーションに繋がりました。
今後は舞台での演技にもチャレンジしてみたいです。いい所を切り抜いてもらえる映像に対して、自身の一挙手一投足が観られる舞台。舞台での経験を通して、更に色々なものを伝えられる女優になりたいと思っています。ぜひ積極的にチャレンジしていきたいです。
また、海外の作品にももっとチャレンジしていきたいと思っています。以前アメリカテレビシリーズ『SHOGUN』の撮影で約8カ月間カナダに滞在していました。日本と海外では撮影の方式や雰囲気なども違い新鮮で、海外での撮影が楽しかったのもありますが、なにより演技によって国を越えて何かを伝えられるということに魅力を感じました。今後も女優として様々なことにチャレンジしていきたいです。

■映画『生きててごめんなさい』について

今作のヒロイン莉奈は、みんなと同じことをしようとしているのに、なかなか上手くいかない女の子です。今回私はそんな莉奈を演じさせて頂きました。オーディションの前にはじめて台本を読んだ時から、この子は私が演じたい!と思っていたので、受かったと分かった時は本当に嬉しかったです。
『生きててごめんなさい』は、監督との打ち合わせがかなり濃密でした。皆さんにもそれぞれ生い立ちがあるように、映画の登場人物にも描かれていないだけでバックボーンが存在します。監督からいただいた台本には、セリフや動作だけでなく、登場人物の細かな設定が記載されていて、それをもとに、打ち合わせでは私の莉奈のイメージと監督の莉奈のイメージを擦り合わせていきました。これは私自身でも驚いた事なのですが、莉奈を演じている中で台本にない涙やセリフが自然と溢れてくることがあり、私自身が莉奈と重なることができた様に感じました。
『生きててごめんなさい』、ひいては映画やドラマを観る時は、ぜひ登場人物のバックボーンに思いを馳せながらご覧下さい。その余白を楽しむことができれば、映画やドラマがまた一段と楽しくなると思います。

■大学生へのメッセージ

私はバレエをやっていた頃から、女優になりたいという憧れを抱いていました。受験勉強などで忙しく、女優業から離れていた時期もありましたが、今は女優業をやらせていただいてます。
何かを始めるのに、遅い・早い、環境が整っている・整っていないもありません。本当に興味のあるものは、いずれチャレンジしてみたくなる日が来ると思います。それならば、興味を持った今がチャンスです。どんどんチャレンジしていきましょう。

学生新聞オンライン 法政大学3年 鈴木悠介

『生きててごめんなさい』(#イキゴメ)
黒羽麻璃央   穂志もえか
松井玲奈 安井順平 冨手麻妙 安藤聖 春海四方 山崎潤 長村航希 八木アリサ 飯島寛騎
監督 山口健人  企画・プロデュース 藤井道人
制作プロダクション:スタジオねこ  配給 渋谷プロダクション
製作 「イキゴメ」製作委員会  JAPAN/DCP/アメリカンビスタ/5.1ch/107min
©2023 ikigome Film Partners

公式サイト:https://ikigome.com/ 
公式Twitter:https://twitter.com/ikigome_movie  
公式Facebook:https://www.facebook.com/ikigome
シネ・リーブル池袋、ヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺ほかにて全国順次公開中

法政大学3年 鈴木悠介 / 國學院大学3年 島田大輝 / 中央学院大学4年 田根颯人

ヘアメイク:川又由紀(HAPP’S)
スタイリスト:前田勇弥
衣装:ブラウス(¥18,150)、パンツ(¥18,920)
グラムトーキョー(LAYMEE) 03-3746-9950

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