『THE DAYS』超豪華ワールドプレミア舞台挨拶
カンヌ国際映画祭《男優賞》受賞の役所広司が帰国後初登壇!
竹野内豊、小日向文世、小林薫、遠藤憲一、石田ゆり子
日本を代表するキャスト&スタッフ9名が結集
動画配信サービスNetflixは、2011年に起きた福島第一原発事故を、圧巻の臨場感でリアルに描いたオリジナルドラマ『THE DAYS』を制作。役所広司主演のNetflixシリーズとして、2023年6月1日(木)より全世界同時配信することになりました。
全8話からなる本作は、入念なリサーチに基づき、政府、会社組織、そして原発所内の三つの異なる視点から、事故を克明にとらえた極限のサスペンスです。あの日、あの場所で何があったのか。事故に対峙する者たちのそれぞれの視点が描かれています。
世界での配信開始を前に、『PERFECT DAYS(原題)』が出品されたカンヌ国際映画祭から帰国したばかりの主演・役所広司をはじめ日本を代表する超豪華実力派俳優らが集まり、ジャパンプレミアにて舞台挨拶が行われました。
■役所広司さん(福島第一原発所長)
プロデューサーの増本さんからお話を頂いた時は、原発事故や亡くなった方々のことを映像にして良いのか躊躇いはありました。
しかし、「あの時、あの場で何が起きたのか伝えるべきだ」という増本さんの思いを聞いて、参加したいと決断しました。
日本で起きた原発事故を、世界中190の地域に届くことは非常に大きな意味を持ちます。今一度、世界中のエネルギー問題についても国民一人一人が考え、判断するきっかけになってくれればいいなと思います。
『THE DAYS』を見て下さった皆様にもこの作品の魅力を発信して、広めていってほしいですね。
■竹野内豊さん(中央制御室当直長)
原発事故から12年が経ったとはいえ、事実は忘れてはならない。その事実を映像の中から感じ取り、考えるきっかけになってもらえればいいなと思います。
実際に起きたことを演じるにあたり、当時の作業員の方々の思いだけは大事にしようと心がけていました。極限状態の中に置かれた作業員の精神状態は計り知れません。
撮影中も、自分自身で問いかけても答えが出ないシーンが多くありましたが、役所さんとの共演シーンで、役所さんの演じる声一つだけで引っ張られるものがあり、助けて頂けたと思っています。
■小日向文世さん(内閣総理大臣)
まず、世界中のみなさんに見て頂けるという初めての体験にワクワクしています。役所さんがカンヌ国際映画祭で受賞されたことで、この作品もさらに注目されてみんなに見てもらえるのでは、と期待しています。
原発事故が起きた時はちょうど舞台の本番中で、石田さんと夫婦役をやっていました。その時は舞台に立つことに必死でした。でも今回、この作品の台本を読んで、いかに現場が凄まじい状況だったのかを改めて感じましたね。また、当時の内閣総理大臣が実際にどのように対応していたのかについても興味深いと思い、演じてみたいと思いました。
■小林薫さん(ベテラン運転員)
私は、このキャストの中で唯一、常に完全防護服とマスクで覆われた衣装で、誰が演じているかわからない状態で出演しています。撮影の度に、監督が「大丈夫です、ちゃんと見えていますよ」と何度も声をかけてくれましたね(笑)。
演じてみて感じたのは、作業員の方々は家族や身近な人のために、自らの仕事に誇りを持ち、こんなにも命がけになれるんだということです。現場の作業員の方々のおかげで、事故がもっと悲惨な状況にならなかったのだと思いました。
■遠藤憲一さん(行方不明になる若手運転員の父)
事故が起きた時に現場にいて行方不明になった息子の安全を祈る父親役を演じています。撮影は重く大変でしたが、妻役の石田ゆり子さんがいらっしゃることで、僕は撮影の合間だけは幸せな気分になれましたね。石田さんの方は、僕の顔を見ても幸せにならないと思うので、そこは申し訳ないなと思っていました(笑)。
親の立場を演じたことで、事故には表に出てくる被害者だけでなく、その裏にもっと多くの人々、例えば家族たちの不安や苦しみが関わっていることに改めて気づくことができました。
■石田ゆり子さん(行方不明になる若手運転員の母)
作品が完成してから、私は一気に8話分を見て「すごいものを見てしまった」と思いました。映像を通して台本を読むだけでは伝わらない迫力を感じ、事実を形に残すことは辛いし勇気のいることですが、意味があると確信しました。
私は、ほとんど台詞のない役なのですが、その分、心の中に沢山の言葉が詰まっているのだと思います。口には出さないけれど密度の濃い祈りの気持ちを抱きながら、撮影に臨んでいました。
■西浦正記監督
ようやくこの映像を披露することができてとても嬉しく思います。あの時に我々が紡いだ日々を残した映像となっています。皆様にはこの映像の中に入ってもらい、その場にいるような気持ちで見ていただけたら何かヒントがあると思います。
■中田秀夫監督
4話と5話を監督しました。普段はホラーやサスペンス作品を作っており、史実を基にした作品は初めてでした。ただ、津波のドキュメンタリーを自分で作っていたので感慨深かったです。
■増本淳プロデューサー
実は、この企画を役所さんに提案したのは2018年なんです。新型コロナウイルスの影響で中断せざるを得ない状況になり、この企画自体がなくなってしまうのでは、という不安もありました。
でもキャスト、スタッフ全員が「また集まってやろうよ」と言ってくれたおかげで、5年かかってこうして実現できました。6月1日から全世界で全話公開されるので、家族や友人たちと感想を共有し合ったりして、一人でも多くの人に見てもらえるようになればいいなと思います。
学生新聞オンライン2023年5月30日取材 上智大学2年 吉川みなみ
<作品情報>
タイトル:『THE DAYS』
出演:役所広司
竹野内 豊 小日向文世 小林 薫
音尾琢真 光石研 遠藤憲一 石田ゆり子
企画・脚本・プロデュース:増本 淳
監督:西浦正記 中田秀夫
原案:門田隆将「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」(角川文庫刊)
エグゼクティブ・プロデューサー:高橋雅美 高橋信一
プロデューサー:関口大輔 増子知希 髙田良平
製作:ワーナー・ブラザース映画 制作:リオネス
Netflix作品ページ:https://www.netflix.com/title/81233755
(公式サイト:https://warnerbros.co.jp/tv/thedays/ )
この記事へのコメントはありません。