高橋文哉 周りと異なれ!意識を変えて道を切り開こう

俳優 高橋文哉(たかはしふみや)

■プロフィール
2019年『仮面ライダーゼロワン』で俳優デビュー。以降、ドラマ『最愛』『君の花になる』『女神の教室~リーガル青春白書~』などに出演。昨年は映画『交換ウソ日記』で恋愛映画初主演、ドラマ『フェルマーの料理』ではW主演を務めた。直近では『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』が公開し、映画『からかい上手の高木さん』(5月31日)が公開を控えている。

2019年のデビュー以来、映画やドラマに大活躍の高橋文哉さん。大人気コミックの『からかい上手の高木さん』の映画化で、主人公の同級生である西片役を演じている。しかも役どころはコミックで描かれている世界の10年後という設定だ。イメージを膨らませるのも大変そうだが、本作品の見どころや役者としての心構えなどを伺った。

■仮面ライダーへの出演が役者としての基礎に

幼少期は木に登ったり缶蹴りをしたりと、外遊びが好きな子どもでした。また兄の影響で、小学校から中学校まではバレーボールに夢中でした。
自分にとってターニングポイントとなった『仮面ライダーゼロワン』でも、オーディションを受けたときは、「正直、受からないだろう」と思っていました。でも、そんな中で強く意識したのは「周りと違うことをすること」です。
たとえば、アドリブの一人芝居にしても、他の参加者が10秒ほどで終わらせるところを1、2分かけてアピールしたりしました。こうした他者との差別化が功を奏したのか、思いがけず合格できました。
『仮面ライダーゼロワン』は役者としての基礎を作っていただいた作品です。撮影中は、周囲からの意見は全部受け入れようと意識しました。

■見てくれる人がいるから頑張れる

役をいただいてからは、まず頭の中でその人物のイメージを作りあげて、お芝居に落とし込んでいきます。
演じた中で一番大変だったのは、ドラマ『君の花になる』のアイドル役。歌とダンスは未経験だったので、当時は大変さより苦しさという感情に
近かったです。周りとの差を埋めるために、歌やダンスの練習を日々の習慣に取り入れながら、コツコツ努力を重ねました。今までにない経験でしたが、その分ライブシーンの撮影は感無量でした。
撮影中は、カメラの先にいる視聴者の方々を想像しながらお芝居をしています。なぜなら、僕にとって視聴者の方が「あの作品を観た」と言ってくれることが一番嬉しいからです。どんなに辛くて大変な状況でも、「周りに褒めてもらいたい」「視聴者の方に喜んでほしい」という気持ちがモ
チベーションとなって、いつも僕を奮い立たせてくれます。

■俳優としての使命と責任感

俳優業は一作品ごとに期限とゴールが決まっている分、やると決めたらやる。たとえ次の作品が決まっていても、まずは目の前の役に全力で向き合います。クリエイティブの現場では、自分が失敗するとチーム全体を巻き込み、多くの人に迷惑をかけてしまいます。もちろん失敗はできないですし、遅刻や体調を崩すこともできません。そのくらい、俳優業は大きな責任の伴う仕事だと考えています。だからこそ僕自身、常に気を引き締めています。
最近は僕のことを知ってくれる方が増えて、本当に嬉しいかぎりです。それと同時に、「俳優・高橋文哉」として責任を持つ覚悟もできつつあります。昔から自分を強く見せようと生きていましたが、最近はそんな理想の自分に追いついてきたと感じています。これからも俳優として成長し続けたいと思っていますが、僕がきっかけで俳優を目指す人がいてくれたら幸せですね。

■映画『からかい上手の高木さん』について

以前から原作漫画を知っていただけに、自分に「西片」という役が務まるのか、最初は少し不安な気持ちもありました。原作がある作品は毎回完コピを意識しているのですが、今回は原作の10年後という設定。漫画とアニメを何度も見て、頭をかく癖や手を置く位置など、西片の癖や西片らしさを意識した上で本番に臨みました。
シーンごとに西片の動きや表情などの特徴を台本に書き出したりもするのですが、本番直前には一旦すべて忘れるんです。演技をわざとらしくしないためにも、頭の中を空の状態にしてから撮影に入ります。役についてインプットした履歴があると、一度頭を空っぽにしても身体が勝手に動くんです。
撮影で印象的だったのは、自然豊かな小豆島ですね。「高木さん」の聖地でもある小豆島で撮影できたことに、凄くワクワクしましたし、島の魅力を肌で感ました。クランクイン前にはサイクリングをしながら、西片がどんな場所で育ってきたのか、この島でどんな人に成長するのかを想像して、島の雰囲気を存分に堪能しました。地元の人とコミュニケーションを取ることで、西片が小豆島に24 年間居続ける理由が分かったような気がしました。
「西片役は僕にしかできない」と思いながら自信を持っているつもりですが、一方で皆さんがこの作品に対して、どのような反応をするのか少し怖い気持ちもあります。あくまでこの作品が原作の10年後だということを忘れずに、観ていただきたいです。
この作品には、原作でも描かれてきた西片と高木さんのちょうどいい関係や、2人にしか出せない空気感があります。そんな2人の日常会話や関係性を見て、「こんなことでキュンとできるんだ」と感じてもらえたら嬉しいですね。

学生新聞2024年4月1日発刊号 国際基督教大学1年 若生真衣

映画『からかい上手の高木さん

出演:永野芽郁 高橋文哉
監督:今泉力哉
公開:2024年5月31日(金)全国東宝系にて公開
©2024映画『からかい上手の高木さん』製作
委員会 ©山本崇一朗/小学館

津田塾大学1年 石松果林/立教大学3年 緒方成菜/駒澤大学4年 本多杏衣/専修大学4年 竹村結/慶應義塾大学4年 伊東美優/上智大学短期大学部2年 大野詩織/国際基督教大学1年 渡邊和花/国際基督教大学1年 若生真衣/津田塾大学4年 大川知

撮影:広田成太

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。