アイドル 塩見きら

模試1位の才女が、アイドルと教育の二刀流を極めるワケ

アイドル 塩見きら(しおみきら)

■プロフィール

しおみきら 25歳 。1998年11月6日生まれ 愛媛県出身 津田塾大学数学科卒業 。2019年にアイドルグループ「神宿」に加入。2023年にグループ活動休止後はソロアイドルとして活動。数学、サウナ、野球観戦(阪神ファン)、など豊富な趣味を生かして多方面で活躍。その一方で小中高生に向けてキャリア教育授業を行っている。そのほか最新情報は公式 X(@Kira_KMYD)公式Instagram(@kira_kmyd)にて。

名門私立大学に在学中、偶然目にしたアイドルグループ「神宿」の新メンバーオーディションを受けメンバーになった塩見さん。「しおみぃ」との愛称で親しまれ、グループ活動休止後はソロで活躍の幅を広げ続けている。アイドルのみならず、キャリア講師活動やタレントとしても活躍する塩見さんに、お話を伺った

高校時代、数学全国模試で1位を取った経験がありますが、初めから数学が得意だったわけではありません。小学生の頃は、数学は得意どころかむしろ苦手だと感じていました。でも、中学生になり、塾の先生に「算数と数学は違う」と言われて頑張った結果、最初のテストで良い成績を収めることができ、得意科目になったのです。
高校卒業後、都会への憧れを抱き、津田塾大学に進学しました。キラキラした大学生活を思い描いていましたが、現実はそう輝いていませんでした。寮生活の中で徐々に引きこもりがちになり、1限のチャイムを部屋で聞く日々が続きました。この頃は、「自分は何をやっているのだろう」と疎外感や劣等感に苛まれてばかりでしたね。
楽しくない生活が続いた20歳のある日、偶然Twitterで見かけたアイドルオーディションに応募しました。同い年の女の子たちがステージでキラキラ輝いている姿に強く惹かれたのです。そのオーディションで奇跡的に約3000人の中から選ばれ、晴れてアイドルになることができました。ただ、オーディションを受けてる事を、両親に報告しましたが、「何をやっているの?」と反対されたことを覚えています。最終審査で合格した後、「大学は卒業する」という約束で、ようやく芸能活動を認めてもらえました。

■アイドルとしての喜びと苦悩

現在はグループ活動休止中の為、ソロでアイドル活動をしています。基本的に仕事はすべてが楽しいです。特に大きな喜びを感じるのは、人とのつながりを感じたとき。自分を知ってくれたり、私のことをほかの人に広めてくれたりするファンの方々や「この方が塩見さんの強みが出るよ」とアドバイスしてくれるスタッフさんたちには、本当に感謝しています。好きなことで生活できている毎日は、本当に幸せで楽しく、辛くはありません。アイドルになってよかったと心から思います。
もちろん、アイドルとしての苦労もあります。一時期は、誹謗中傷に悩んだこともありました。最初は心無い言葉に落ち込んでいましたが、「私に興味を持っている人がいるんだな」「嫉妬されるくらい頑張ってるんだ」と考え方を変えてからは、あまり落ち込まなくなりました。また、スケジュールが忙しいことで、他のことを考えないという工夫もしました。朝が早いアイドルの生活には慣れるのが大変でしたが、今ではしっかりとこなしています。
私のアイドルとしての目標は、ファンの方々が塩見きらのファンであることに誇りを持ってもらえるように日々頑張ることです。アイドル活動を始めた当初は、人に関心がありませんでした。けれど、最近はファンの方々がどんなことを考えているのかに興味を持ち、人と話すのが楽しいです。ファンの皆さんが楽しんでくれる限り、アイドル活動を続けていきたいと思っています。

■初グラビア解禁、新たな挑戦に意欲

5月8日発売の週刊誌にて、初めてグラビアに挑戦しました。今後のソロ活動をさらに充実させるための第一歩として、アイドル活動を始め5周年を迎えた4月29日のタイミングを機に決断しました。「神宿」で活動していた時には一度もグラビアを経験しなかったので、ずっと挑戦してみたいと思っていました。
私のアイドルとしての軸は、ステージに立ち、歌うことです。今回のグラビアを通して、より多くの人に自分を知ってもらい、ライブに足を運んでもらえたらうれしいです。実際、グラビア解禁後にはSNSのフォロワーが増え、新たに私を知ってくれた方々がいることを実感しました。これからも挑戦し続け、楽しいことに積極的に取り組んでいきますので、どうぞご期待ください。

■アイドル活動だけではない、未来のための教育

私は今、アイドル活動に加えて、小中学生に向けたキャリア教育の授業を行っています。ファンの皆さんが私を好きなことを自慢してもらえるように、私自身の実体験を通じて誹謗中傷やネットリテラシーの怖さを伝えることを目的としています。
かつて、普通の大学生からアイドルになったとき、謂れのない誹謗中傷を言われたことがありました。当時はショックでしたが、小中学生たちには「誹謗中傷の言葉は心からのものではなく、ただのストレス発散だ」と伝えています。また、誹謗中傷に対しては開示請求ができることや、加害者になる可能性があることも教えています。
授業を受けた子どもたちからは、お手紙や話を聞く機会をもらい、頑張るためのパワーをもらっています。「アイドルに憧れていたけど、大変だと知った」という感想を聞くと、小学生もいろいろと考えているのだと感慨深いです。みんなが楽しんでくれるならば、いつか体育館でライブも開いてみたいです。今後は、誰かのためになるような活動を続けていきたいと思います。

■学生に向けてメッセージ

学生の皆さん、心から「今が楽しい」と感じられていますか? もしも「楽しくない」「学校に行きたくない」と思っていても、「人生終わった」などとは絶対に思わないでください。自分の好きなことに一歩踏み出すだけで、人生は劇的に変わります。泣きながら部屋に引きこもっていた私が、今こうして心から楽しく活動できているのは、アイドルになるという夢に向かって一歩踏み出したからです。
また、SNSが急速に普及している現代では、自分が傷つくリスクも高まっています。時には心無い言葉を浴びることもあるかもしれませんが、あまり気にしないで大丈夫です。まずは自分を大切に守ってあげてください。

学生新聞オンライン2024年5月16日取材 津田塾大学2年   石松果林

京都芸術大学1年 猪本玲菜/上智大学2年 小椋ソフィア/津田塾大学2年   石松果林

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