株式会社ビッグ・エー 代表取締役社長 打海直也

お手頃価格と安心をお客さまに届ける、ディスカウントの力

株式会社ビッグ・エー 代表取締役社長 打海直也 (うつみなおや)

■プロフィール

1990年3月都内大学を卒業後、転職を経て、1996年9月ジャスコ㈱(現イオン㈱)入社。
2013年7月 イオンビッグ㈱ 食品商品部長、2016年3月 同社 商品本部長、2016年5月 同社 取締役 商品本部長、2020年3月 同社 取締役 営業管掌、2022年3月 イオン㈱ DS戦略チーム、2023年3月 マックスバリュ南東北㈱ 代表取締役社長、2024年3月 ㈱ビッグ・エー 代表取締役社長(現任)。

「いつでも、どこでも、安全で良い品をより安くご提供し、お客さま生活をより豊かにする」という経営理念のもと、生鮮食品・加工食品を中心としたハードディスカウントチェーンストアの運営をしてきた株式会社ビッグ・エー。打海直也社長に、自身のキャリアや商品の安さの秘密について、お話を伺った。

大学時代を振り返ると、あっという間に4年間が過ぎていました。その中で得た貴重な経験と時間は、仕事を順調に進める礎となっています。特に印象的だったのは、昭和から平成に変わった1989年のお正月明けです。これは、私が就職活動を始めた年でもありました。1989年は今の世界の枠組み決めるような出来事が世界各地で起こった年でもありました。経営学部に在籍していたのですが、当時は、自分が将来、代表取締役社長になるとは想像もしていなかったです。

私のキャリアは、転職の中で形成されました。28歳の時にジャスコ(現イオン)に入社し、その後も様々な業態で経験を積んできました。ビッグ・エーに入社する前は、マックスバリュ南東北でディスカウント事業に携わっていました。時には、人事異動で希望通りにならないこともありましたが、どんな困難にも立ち向かおうという姿勢でやってきました。このとき経験した多様な経験は、現在の仕事に大いに役立っています。

現在所属しているイオングループは、学歴や年齢、国籍、性別に関係なく、誰にでも公平、公正にチャンスが与えられるという魅力があります。ベトナムの方や中国の方など、国籍を問わず多様な人材が活躍しているのも特徴です。

■お手頃な価格で提供する秘訣

ビッグ・エーでの仕事は、「お手頃な価格で、かつ短時間で提供するお店」というディスカウントの理念を実現することに力を入れています。コスト削減のために、我が社で行っていることは大きく四つあります。

まず一つ目は、物流までの一括管理です。「日本初で唯一のHDSのチェーンストア確立」を合言葉に、物流システムを整備しています。このシステムのもと、首都圏1都4県の300店舗以上に、毎日メーカー直送をしています。店舗の出店については、5カ所の物流センターを基点に展開しており、条件をクリアした場所を常に探し、出店計画を立てています。

二つ目として、品揃えやサービスを絞り込むことでコストを削減しています。生活必需品に絞ることで、お客さまに利便性を感じていただいています。サービスを限定的にすることで無駄を排除し、コスト削減を図っています。一方で、ブランドコミットメントが強い商品については、多くの選択肢を提供することを重視しています。また、店内の陳列についても効率的な運営を目指しています。

さらに三つ目には、SRP(シェルフレディパッケージ)などの導入を通じて、陳列作業時間削減に取り組んでいます。例えば、カッターを使わず誰でも簡単に開封でき、そのまま陳列ができるオリジナルの段ボールや即席のカップ麺の使用は、その代表的な事例でしょう。これにより、陳列にかかる時間が大幅に短縮され、少人数で店舗を運営できるようになりました。

最後に、イオングループの一員として、ビッグ・エーは安心・安全を最優先に考えた独自商品の開発に取り組んでいます。価格競争には限界があるため、商品にメッセージ性を込め、他社との差別化を図っています。

■社員が働きやすい環境の整備

経営者として仕事をする上でも、現場での実務を大切にしています。しかし、それ以上に私が大事にしているのは、従業員一人ひとりの意見を聞くことです。現場の声を大切にし、経営の決定に反映させることで、社員のモチベーションを高めようとしています。店の大きさは違っても、本社が決めたオペレーションがきちんと実行されているかのチェックが必要です。出来ていない場合は決まりが悪いことが多いため、現場にはよく顔を出すように心がけています。今後も、社員が働きやすい環境を整えることには注力していきたいですね。

■ビッグ・エーの成長へ期待

今後も成長し続けるために、出店計画を進めているところです。特に、コスト削減とローコストオペレーションの実現が成長の鍵となります。今の会社をしっかりと成長させることに集中し、社会インフラとしての役割を果たしていきたいと考えています。

ビッグ・エーの成長に向けて、一緒に働く仲間を募集する新卒採用では、柔軟性と瞬発力を重視しています。しかし、まだまだ若者に対して、会社の魅力を伝えきれていないので、どのように情報を発信していくかが課題です。特にZ世代は、生活中心の考え方を持っているため、その価値観に合わせたアプローチも進めていきたいですね。

■大学生へのメッセージ

情報が溢れる現代だからこそ、自分の目標をしっかりと定め、それに向かって努力していきましょう。ただ、実際のところは、多くの学生さんが、自分の将来像をあまり描けていないように感じます。採用面接でライフステージごとの将来の姿を聞いてみても、答えられない学生がほとんどでした。情報が無自覚に入ってくる現代では、情報の処理能力を高めるだけでなく、考える習慣を身につけることも重要になります。自分の信念を持ち続け、膨大な量の情報を前にしても判断できる人に成長してください。私自身、大学時代に得た経験と人脈は、今でも大きな財産となっています。皆さんも学生生活の中で様々な経験を積み、多くの人と関わりを持ち、自分自身を成長させてください。どんな経験も無駄にはなりません。社会に出た時に、それが必ず役に立つ時がくるでしょう。

学生新聞オンライン2024年6月6日取材 津田塾大学2年 石松果林

法政大学4年 島田大輝 / 津田塾大学2年 石松果林

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