テリー伊藤 コラムVol.33 TKO木下が歌舞伎町のホストになった

2020年、後輩芸人にペットボトルを投げつけるなどのパワハラ行為でマスコミから姿を消していたTKOの木下隆行と、2022年、後輩芸人を巻き込んだ7億円投資トラブルが発覚し暫く自粛していた相方の本木武宏の2人が、フジテレビ「27時間テレビ」に登場し、木下は仲間にペットボトルを投げつけて笑いを取り盛り上げた。「NEWSポストセブン」によれば木下は、月に2回ほど新宿歌舞伎町のホストクラブで働いているらしい。失礼ながら余り男前とは言えないので、ホストクラブ激戦区の歌舞伎町で太刀打ち出来るのか心配になるが、記事によると16歳の頃2年間ホストをやっていたと堂々の告白もある。16歳でホストをやっていたのもどうかと思うが、生きる事には逞しい。ちょっと見直した。謹慎中に彼と会ったが、卑屈にもならずひょうひょうと話していたので、根性座っていると感じてはいたが、16歳からの水商売経験と聞き納得した。

怖いもの知らずの10代でのホスト経験は理解するが、現在は52歳。たとえ月2回とはいえ、歌舞伎町まで行って、それっぽい洋服に着替え、フロアーでお客様を待つのは相当図太い神経が無いと出来ないのでは。人気ホストが居並ぶなか、女性客はお目当てのホストを指名して席に着く。50過ぎたおっさんホストを誰が指名してくれるのか。当然木下もそのような危機は想定内で、友人女性にお店に来てよと事前電話もしているはずだが、木下の事だから女友達の数など少ないに決まっている。サ~どうする。予想では開店から閉店まで指名ゼロはそう遠くはない。来月にも一人閉店状態になるはず。寂しく、切ない歌舞伎町ホストクラブ通勤が続く…。

実はここからがお笑い芸人木下隆行の見せ所。歌舞伎町ホストクラブ残酷物語の顛末を相方の本木とステージで話したらお客さんに絶対に受けるし、話題になる。今までのネガティブなイメージなんか一瞬に何処かに飛んで行くはず。頭の良い木下のことだから私に言われなくても、全て織り込み済みではないか。そう考えると芸人さんはいい。どんな逆境になっても、世間から白い目で見られても、一発逆転のチャンスが大有りなのだ。

それにしても、やっぱりホスト入門はハードルが高い。しかしチョットやってみたい!だが、私の場合、髪型無理、ホストファションの服も持ってない。お酒飲めない。夜すぐに眠くなる。人の話を聞かない。完全に面接で落とされる典型的なタイプでした。でも面白そうだから木下のお店行ってみよう。

テリー伊藤(演出家)

1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。
2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。
テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。
その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。
著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。
演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。
YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ
LALALA USAでコラム連載中
https://lalalausa.com/archives/category/column/terry

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