学校法人津田塾大学 理事長 島田精一
失敗しても逃げず、繰り返し反省することで人は成長する
学校法人津田塾大学 理事長 島田精一(しまだせいいち)
■プロフィール
東京大学法学部卒業。三井物産株式会社 代表取締役副社長CIO、日本ユニシス株式会社代表取締役社長CEO、独立行政法人住宅金融支援機構理事長などを歴任。株式会社ISE最高顧問。著書に『苦
境をチャンスにかえる仕事術』(平凡社、2014年)などがある。
「変革を担う、女性であること」をモットーに、数多くの人材を排出してきた津田塾大学。創設者は新5000円札の顔、津田梅子だ。理事長である島田精一氏に、津田塾大学の魅力や大学が求める学生像、教育改革についてお話を伺った。
■どのような学生時代を過ごしてこられましたか
中学・高校時代は部活動のバレーボールに打ち込む毎日で、努力と継続の大切さを学んだように思います。本を読むことも大好きで、暇さえあれば読書に没頭していました。特に影響を受けたのは、ゲーテの『イタリア紀行』です。この本を通じて異文化に興味を持ち、世界に目を向けるきっかけになったと思います。
大学時代はアジアの留学生と積極的に交流しました。タイ、ベトナム、インドの学生たちの相談に乗り、生活のサポートもしました。その経験から異なる文化や考え方を理解する重要性とともに、意見の違いを恐れず率直に話すことの大切さを学びました。
大学卒業後は三井物産に入社し、世界各国でビジネスの経験を積みました。その後、日本ユニシス(現、BIPROGY株式会社)の社長や住宅金融公庫の総裁を経て、津田塾大学の理事長に就任しました。
■大学での取り組みについてお聞かせください
理事長として新しい学部の設立や教育改革に力を入れてきました。特に、2017年4月、千駄ヶ谷キャンパスに総合政策学部を新設したのは大きな成果です。この学部はデータサイエンスとソーシャルサイエンス、英語の3分野を統合した革新的な学部です。
本学ではデータサイエンスやリベラルアーツに力を入れ、学生が多角的に物事を考えられる力を養っています。課題解決型の教育を重視し、学生が自ら課題を見つけ、取り組む力を育てています。実際の社会問題に取り組み、解決策を提案します。これにより実践的なスキルとともに、自信と達成感を得られるのです。
また、英語教育にも力を入れており、学生たちが実際のビジネスシーンで使える英語力を身に付けることを目指しています。
■学生へのメッセージを
前向きに明るく、挑戦することを恐れないでください。困難に遭遇すると、時には逃げ出したくなることもあると思いますが、逃げていては失敗が経験になりません。繰り返し反省をすることで人は成長し、成功へと向かうのです。
また、わからないことがあれば教えてもらう謙虚な姿勢が大事です。成功者ほど素直で勉強する姿勢を持っています。なぜなら教えてくれる人たちの存在が自分自身を成長させると知っているからです。
学生新聞2024年10月1日号 津田塾大学2年 石松果林
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