株式会社コパ・コーポレーション 代表取締役社長 吉村泰助

大学時代での演劇との出会いが人生を変えた!

株式会社コパ・コーポレーション 代表取締役社長 吉村泰助 (よしむらたいすけ)

■プロフィール

1968年新潟県生まれ。國學院大學文学部卒業後、日本シール株式会社の宣伝販売員として所属。独立後、1998年に有限会社コパ・コーポレーションを設立。2020年6月に東京証券取引所マザーズ市場に上場し、実演販売の文化の継承と業界の発展に貢献している。

大学で演劇研究会に入ったことをきっかけに実演販売に出会い、そのままプロの道へ進んだ吉村社長。好きなことを続ける中で沸き起こってきた問題意識から会社を立ち上げ、実演販売兼卸売業という独自の形態で事業を拡大させてきた。周りに流されず自分の経験で突き進んでいく吉村社長にお話を伺った。

■毎日演劇の稽古に励んでいた大学時代

大学には一浪をして國學院大學に入りました。サークルは文芸部か映画研究会に入ろうとしていたのですが、たまたま模擬店を見に行ったときに隣のブースにあった演劇研究会の先輩と意気投合してしまい、そのまま入部することになりました。演劇研究会といっても、野球部より運動していたんじゃないかというくらい、毎日稽古とテントづくりで忙しくしていました。大学にはほぼ毎日行っていましたが、ずっと演劇をしていたので、大学1年の時は4単位しか取れませんでしたね。(笑) 

■アルバイトで実演販売と出会う

アルバイトは、演劇研究会が代々引き継いでいた秋葉原デパートで行われる実演販売の手伝いをしていました。普段は在庫を出すといった裏方の仕事をしていたのですが、実演販売の人が休憩に入って店番を頼まれたときに、ボーっと立っているだけではつまらないので自分なりに喋ったりもしていました。お客さんにバッシングされることもありましたが、路上演劇だと思うとモチベーションが上がり、実演販売の面白さにはまっていきましたね。

■就職はせず、実演販売のプロへ

当時はバブル絶頂の時代だったので、学生は会社から手厚い接待を受けて入社するといった超売り手市場でした。私はせっかく大学で演劇と実演販売の経験を積んだならそのまま実演販売のプロを目指したほうが面白いと思い、就職活動はしませんでした。実演販売のプロは歩合制で、当時頑張れば2週間で初任給くらいは稼げていたので、就職しないことに抵抗はありませんでしたね。その後バブルが崩壊して、就職した人たちの苦労話を聞くと、周りに流されず実演販売のプロになって良かったなと感じています。

■俳優たちが舞台をしながら食べていけるように

26歳の頃に当時所属していた日本シール株式会社の宣伝販売員から独立し、30歳でコパ・コーポレーションを立ち上げました。起業のきっかけは、当時続けていた演劇で俳優仲間が就職したいと言い始めたことです。舞台をしながら俳優たちが食べていけるような環境を作りたいと思い、演劇興行と実演販売卸業の2つの事業を展開する会社としてスタートしました。今では実演販売のできる卸売業に特化していますが、昔の名残で、俳優や芸人、歌手といった芸能活動の経験がある社員も多いです。また、実演販売を会社組織として運営することで社会的な信用力をつけたいという思いもありました。昔、実演販売はテキ屋といったイメージや、人から見下される傾向がありました。「嘘言って売ってるんでしょ」と言われることもあり、そういったイメージを払拭しなければ良い商品が回ってこないと思いました。今では上場も果たし、少しでも実演販売が社会に求められ、価値を生み出せればいいなと思っています。

■“売る”がキーワードの会社

商品は売れなければ意味がありません。実演販売士を送り込んで販促活動をすることは、サッカーで言うフォワードがゴールを決めるのと同じように、最終的に商品に価値を生み出す大切な役割があると思っています。だから、私たちが力を入れるのは実演トークの開発です。「換気扇の汚れ気になってますね?」「ダイエットに困ってますよね?」とお客さんの抱える問題意識を明確化し、アッと驚く手段で解決する。実演販売はコンテンツ作りなので、何を話したいかで扱う商品を選定したりもします。物語に合わせてキャストや舞台装置を決め、お客さんを感動させる。実演販売は演劇とあまり変わらないですね。

■社会に出てからわかるラポール形成の大切さ

いい実演トークができても、お客さんが聞いてくれなければ意味がありません。実際に実演販売の現場に立つと、お客さんは3m以上離れて見ていることがほとんどです。なぜなら人間は生存本能から警戒心があるので、いつでも逃げられる状態にしておきたいからです。だから本当の意味で言葉が通じるというのは、日本語をいかに正しく使うかではなく、ラポール=信頼の架け橋を築いた上で話すということです。これは実演販売に限らず、社会に出たら誰しもが経験することだと思います。「どこの馬の骨が来たんだ」と警戒されるところから始まるので、最初に相手に対して安心、安全、親近感を与えることは大切なことです。

■自分自身が好きな人は伸びる

一緒に働きたい人として、まず第一に自分嫌いな人はダメですね。自己嫌悪に陥っている人はいくら褒めても自分で自分を否定してしまうので手の施しようがありません。一方、自分のことが好きな人はどんな環境でもエネルギーを自家発電することができるので成長スピードが速いと思います。特に実演販売士は少しナルシストぐらいのほうがいいです。アウェイの現場で働かなければならない状況も多いので、いつでも自分を肯定的に捉えられるストレス耐久性があると強いですね。

■message

世の中を変えるのは“若者の力”以外の何者でもないと思っています。大学時代は、何かしらの夢や目標を持って、エンジョイしながらそれに向かっていってほしいです。同じ夢を貫き続けることも良いし、コロコロ変わったっていい。学生に限ったことではないですが若いうちはトライアンドゴーを繰り返して、社会をよりよく変えていける人になってほしいですね。

学生新聞オンライン2021年8月17日取材 日本大学4年 辻内海成

東海大学 2年 濱穂乃香 / 国際基督教大学 4年 鈴木菜桜 / 日本大学 4年 辻内海成

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