SOMPOひまわり生命保険株式会社 執行役員 CHRO(人財開発部長)野田美智子
保険会社が学生たちに求めること。それは、一生懸命さと誠実さ。

SOMPOひまわり生命保険株式会社 執行役員 CHRO(人財開発部長)野田美智子(のだみちこ)
■プロフィール
SOMPOひまわり生命保険株式会社名古屋支社に営業事務として中途入社。東京本社に転勤してからは主に社内業務改革を担当。
管理職として、システム、内部監査、営業、広報とさまざまな業務に従事し、2023年から現職。
日々、お客さまの健康を支え続けているSOMPOひまわり生命保険株式会社。同社の人財開発部長である野田美智子さんは、「実は人財開発部長就任前には、人事の経験はなかった」と語る。しかし様々な職種を経験したからこそ、運用できる健康経営と社内キャリア制度を生み出し、独自の人財育成を行っている。現在に至るまでの経緯や今後にかける想いを聞いた。
短大での2年間は、アルバイト漬けでした。お金を稼ぐことを目的にしていたのではなく、様々な職場・職種を経験したいという好奇心が大きかったです。授業がある時間帯以外は、飲食店・イベントスタッフ・塾などで働いていました。その中で、様々な職種の人たちとの人間関係を構築できたことは、今でもいい思い出です。しかし、事務系の業務をしたことがなかったため、事務職に憧れを抱いていました。そのため就職活動では業界や業種ではなく、一般事務の就職先を選んでいました。
■商社から生命保険会社への転身(転職)
就職活動をしていたある日、電車から、名古屋鉄道関連の商社の広告が窓から見えました。どういう仕事をしているかは知らずに、何となくその会社に惹かれてエントリーをしたところ、無事に事務職として入社することができました。
仕事はとても楽しかったのですが、雇用形態は契約社員でした。ゆくゆくは正社員になりたいと考えていたので、転職をしようと思っていました。当時は各生命保険会社が事業を拡大していた上、保険会社に対して良いイメージをもっていたこともあり、生命保険会社に就職しようと考えました。その中でも、ご縁のあったSOMPOひまわり生命保険株式会社に入社を決めました。
■多職種の経験を経て、人財開発部長に任命される
入社当時は、営業店で事務対応を行っていましたが、しばらくして他の営業店の事務指導を担うようになりました。
また、事務処理全般の仕組みを見直す業務に携わった経験を活かし、システム部門に異動したり、社内ルールの妥当性や機能を確認する内部監査を担ったりしました。その後は再び営業店に異動し、今度は営業を担うなど、学生時代と同じように様々な職種を経験しました。
それら経験のなかで、人との繋がりや部門ごとの課題を直に感じる機会が多くありました。そうした経験があって人事部門への移動、CHROに任命されたと考えています。
■社内も社外も健康に
当社の魅力は、社内・社外ともに健康応援を実現できている点だと考えています。たとえば、現在、お客さまにご提供しているのが、「健康☆チャレンジ!制度」という取り組みです。これは、保険の一定期間内に禁煙に成功したり、血圧・BMIといった健康状態に関わる数値が改善された場合に、その後の保険料が割安になる仕組みです。また契約日に遡って保険料差額相当額を「健康チャレンジ祝金」としてお受け取りいただけるという、今までにないサービスです。2020年4月に開始して以来、4年間で約2万人がチャレンジに成功しています。
社内に対しては、禁煙セミナー、ハイキング、健康にまつわるイベント等を開催しての健康推進や、ワクチンの予防接種費用を一部補助するなど、日常的な部分から社員の健康を支えています。
このような健康応援を続けた結果、8年連続で健康経営優良法人2024(大規模法人部門)ホワイト500に選ばれています。
■社員の未来を支える:「ひまわりMYパーパスキャリア制度」
当社のキャリア制度として、「ひまわりMYパーパスキャリア制度」というものがあります。
この制度は2024年4月からスタートしたもので、他部署にチャレンジができる「他部署チャレンジコース」、社員のスキル・実績・経験・思考に基づいて他部署からスカウトがくる「スカウトコース」、課長や支社長といった管理職を目指す「マネジメントチャレンジコース」、自部署にて自身のビジョンを目指す「自部署チャレンジコース」、ジョブローテーション制度の「一般コース」の5つがあります。
社員は、自分自身の人生の目的や働く意義である「MYパーパス」に沿ったコースを選択し、希望を出すことができます。
どのコースでも、社員のMYパーパスに関しては、とても強く意識をしています。他部署にチャレンジしたい人に対しては、MYパーパスを叶えるためにその部署で何ができるかをヒアリングし、現在の部署にとどまる希望を出した社員には、なんとなく留まるのではなく、何をしたいかを提示してもらいます。MYパーパスを意識させることで、自律的にキャリアを考えてもらえますし、MYパーパスに沿った部署で働くことができれば、社員自身のパフォーマンスや会社の生産性が大きく上がると考えています。
この制度を円滑に進めるため、人財開発部長として、企画の立案や社内調整、課題の共有だけでなく、制度全体のサポート、調整等の黒子としての役割も担っています。
また、現在は、他部署チャレンジで異動した社員が、異動先の業務やチームに慣れるための研修制度も作成しています。
他にも先ほどの健康経営の仕組みづくりや人財採用の最終面接官、給与の支払い確認など人が関わる業務の多くに携わっています。このように多様な業務に関われるのは、過去の事務職の経験が大きく活きているかもしれません。
今後の目標としては、人事制度をより安定させていきたいと考えています。具体的な施策はまだ検討中ですが、障がい者の方を含めたすべての社員がもっと働き甲斐を得られるようにしたいという想いがあります。また、がんなどの大きな病気に罹ったとしても、治療と並行して働ける仕組みを整えたりもしているので、どんな人・どんな状態でも安心して働くことができる会社にしたいです。それと並行して、お客さまに対して「健康」を還元できるようにしたいですね。
■パーパスの達成には、一生懸命さと誠実さ
当社のパーパス「“安心・安全・健康”であふれる未来へ」を達成するためにも、採用活動には力を入れています。
採用活動を行う中で、特に学生たちに求めているのは、すべてに一生懸命、かつ誠実であることです。保険会社は、新聞のように目に見える製品を提供しているわけではありません。そのためお客さまからどれだけ信用を得られるかがカギとなってきます。自らお客さまのニーズを探して有益な情報を提供したり、パーパスの実現ために自ら課題を見つけて改善したりする人でないと、一緒に働くことは難しいと思います。常に、自分と他者に対して何ができるかを考えられる人にぜひきてほしいと思います。
その一生懸命さと誠実さを見極めるため、最終面接では、学生に対して苦労を乗り越えた経験を聞くようにしています。苦労を乗り越えた話にはリアリティがあり、その人の考え方や人柄が伝わってきます。実際に経験した話であれば、深掘りをしても具体的なエピソードや論理的な説明が返ってくるので、その人の本質を見抜く点で非常に重宝しています。
■パーパス実現へ向けて、失敗から成功へ、共に成長する仲間へ
私自身が就活をしていた時は、かなりいいかげんにやっていました(笑)。しかし、今の仕事はとても楽しいですし、やりがいを感じています。ただ、「過去にこういうことをやっていたら違う人生だったかも?」と考えることもありますが、だからといって後悔もしていません。何が正解かはわかりませんが、学生時代は人生の一部であり、あっという間に過ぎ去ってしまうのです。その一瞬を全力で楽しんでほしいと思います。
また、当社の健康経営はまだまだ発展途上です。失敗・失敗・成功を繰り返して成長をし続けているので、くじけず一緒にパーパスに向かってくれる学生の方たちは、ぜひ当社にエントリーをしてください!
学生新聞オンライン2024年11月20日取材 武蔵野大学4年 西山流生

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