アルフレッサ株式会社 代表取締役社長  福神雄介 

「自分で完結的に仕事ができるようになって、初めて魅力がわかる」

アルフレッサ株式会社 代表取締役社長  福神雄介 (ふくじんゆうすけ)

■プロフィール

1999年3月 慶應義塾大学法学部法律学科卒業、2000年4月 アルフレッサ(株)に入社。2016年6月より特殊医薬品流通の専門子会社であるエス・エム・ディ(株)の代表取締役に就任、2019年4月からアルフレッサ(株)ロジスティクス本部長、2020年6月にアルフレッサ(株)代表取締役に就任、現在に至る。

「すべての人に、いきいきとした生活を創造しお届けします」という企業理念を元に事業展開しているアルフレッサ。主に医療用医薬品、医療機器、医療用検査試薬等の卸売販売を行っている。高齢社会、コロナ禍と健康・医療が注目されている昨今、どんな想いで経営に取り組んでいるのか、福神社長にお話を伺った。

 小中高は内部進学校だったため、ずっと学校の勉強と、高校時代はずっと応援部に入っていたため、一年中制服を着ていました。大学に入り、水上スキーを本格的に始めました。子供の頃、アメリカに行っていた時に軽く経験したことがあったため、先輩に「うまい!」とおだてられた結果、大学2年の頃に個人と団体の両方で日本一になりました。といっても、マイナーなスポーツのため2・3回勝ったら優勝できるスポーツでした。(笑)水上スキーと言うニッチな領域で勝つことと、今の会社での「医療の物流」と言う両方ニッチな業界で勝ってきたので、学生の頃からそのような軸があったのかもしれません。その後、怪我で引退したため、モーターショーなどのディレクターのバイトなどをしていました。そのため、学生時代から人の上に立ち、指示を出す経験をさせていただきました。大学を卒業し、大学院への進学を考えていましたが、アメリカのフロリダに留学に行くことになりました。

■今の仕事を始めたきっかけは?

 祖父が作った会社に入社しました。アメリカでしっかり学校に入り直し、M B Aを取ろうとしていたところ、父親から「会社が上場するから、日本に帰ってこい。上場の経験なんて会社で一生に一回しかないから、この一回を逃したら二度と味わえない」と言われ、日本に帰ってきました。帰国直後、上場準備のため、会社のお金の動きや経理、決算書や、なぜこの会社に利益が出ているのかの仕組みなど全てを書き起こしていました。その後、留学先のアメリカに戻ろうとしたのですが、父親に「営業は若い間しかできないから、今のうちに経験しておいた方がいい」と言われ、2年半ほど営業を経験させていただきました。その間に会社が合併し、新たに設立されたアルフレッサ ホールディングス㈱で、海外事業やグループ会社の事業再編・再生を担当しました。その後、特殊医薬品流通の専門子会社の代表取締役、ロジスティクス本部長などを経て、2020年から代表取締役に就任致しました。様々な部門を経験させていただいたため、常に冷静に自分と周りを見直す視点を持ち続けることができるようになりました。

■会社の魅力、他社との差別化を教えてください。

 私たちの会社の魅力は、長い歴史と規模感が圧倒的なところです。4月は1日で約200億円もの薬が売れます。このような規模の会社で仕事をすると、小さなイノベーションですごく大きな規模の仕事と掛け合わせを行うことができます。私たちの会社は卸の会社なので、配達するだけのイメージがあるかもしれませんが、実際はI Tを使った様々なバックグラウンドがあります。例えば、ワクチンの温度をマイナス20度に保って届ける必要がある製品もありますが、それも、温度管理技術研究所を自社で構えており、日々研究や立証、証明を行っています。また、その薬がどのルートでどこの医療機関にどのくらい届けられているのかも、全てデータとして私たちが管理しています。そのため、外から見たらただ薬を運ぶだけに見えるかもしれないですが、膨大なI Tやデータが裏側で動いています。これからは、このような裏の仕事や、私たちがどのくらい日本国のライフラインを支えているか伝えられるように発信していきたいと思っています。
 他社との差別化は、最新のデジタルツールの導入があります。社員にiPadなどの導入などは他の会社より早く行っていました。また、リハビリ、医療、介護などの多職種をつなぎ、地域密着型のネットワークを作り、その中でお薬が供給できるような消費需要に対して供給する事業なども、他より早く進めています。

■どんな人と一緒に働きたいですか?

 とても複雑でステイクホルダーも多い大変な仕事ではありますが、やりがいを凄く感じることができる職種です。表に見えるのは配達だけですが、バックグラウンドには巨大なデータやI Tがあり、ロジカルなものになっています。コロナの時もワクチンの配達や、不良品の回収でとても責任のある大きな仕事を受けることができる仕事はなかなかありません。私たちの行う仕事は、社会的インフラに必要不可欠です。また、私たちは凄く身近に多くの人の命を助けています。薬を運ぶと言うサービスは、患者さんの命に関わるものです。毎日ここまで人の命に関わる仕事を行い感謝される仕事はなかなかありません。ですから、使命感を持ってこの仕事に取り組める人と一緒に働きたいです。

■大学生へのメッセージ

 長い期間を使わないとできない海外旅行や留学、勉強など、学生でしかできないことをやってほしいです。これから仕事を探したり、社会人になる上で、いろんな人から情報を集めて業種を絞っていくと思いますが、最初は思い込むことが大事だと思います。どんな仕事でも成長機会や経験値を積むチャンスにあふれているはずです。給料が高い・休みやすいなど条件ではなく、面白そうとか興味があるところに、どんどんチャレンジしてほしいですね。その場が自分に合っていなくても必ず成長に繋がっています。仕事の本質を理解して、自分で完結的に仕事ができるようになってからが面白いので、小さくならず思い切って社会に出てほしいです。

学生新聞オンライン2021年12月1日取材 日本大学 3年 大橋星南

日本大学4年 辻内海成 / 日本大学 3年 大橋星南

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