俳優 山時聡真

当たり前を当たり前にしないことに気づく

俳優 山時聡真(さんときそうま)

■プロフィール
2005年6月6日生まれ。2016年に映画「ゆずの葉ゆれて」で俳優デビュー。
2023年にスタジオジブリのアニメーション映画「君たちはどう生きるか」で主人公・眞人の声を務めて話題に。近年の出演作に、ドラマ「民王R」(2024年)、「ちはやふる-めぐり-」(2025年)、映画「蔵のある街」(2025年)などがある。

映画『90メートル』で菅野美穂さんとダブル主演を務める山時聡真さん。5歳から芸能活動をスタートし、現役大学生として学業と俳優を両立している。そこには「何事も楽しんでやりたい」という強い信念がある。そんな山時さんに俳優を続けている理由や大切にしていること、映画出演が決まったときの気持ち・撮影中のエピソードなどを伺った。

僕は5歳の頃から芸能活動を始めましたが、実は中学1年生の時に、この活動を続けるか悩んだ時期がありました。それでも今の事務所にどうしても入りたいという気持ちがあり、最後のチャンスにかけてみました。ご縁をいただけたことがきっかけで、仕事として向き合っていこうと覚悟を決めたことが、今も俳優を続けている理由です。
俳優の仕事の魅力は、自分ではない誰かの人生を生きられることです。少し飽き性なところがある僕にとって、作品ごとに新しい人生を経験できるこの仕事は、とても性に合っていると感じています。なので、学業との両立を大変だと思ったことはほとんどありません。強いて言うのなら、学校行事に参加できないことがあるのは残念でした。でも、ノートを見せてくれる友達や先生、周りの人の優しさに助けられて学校生活を送ることができました。きっと一人では、この仕事を続けられなかったと思います。

■感謝と謝罪を忘れずに

仕事をする上でも、一人の人間としても大切にしていることは、「ありがとう」と「ごめんなさい」という言葉です。当たり前のことですが、この言葉ですべてが成り立っているような気がします。感謝があるから行動でき、謝罪ができるから誠実に生きていける。自分が言われて嬉しい言葉だからこそ、意識して口にするようにしています。
俳優をやっていて嬉しかったのは、「救われた」という言葉をもらったときです。ドラマを見て「同じ境遇で元気が出た」といったコメントを見て、誰かの人生を少し明るくできているのかもしれないという実感がわき、やりがいを感じました。これからも俳優を続けていきたいですし、「何事にも楽しんで取り組みたい」という気持ちをずっと持ち続けたいと思っています。いつか日本アカデミー賞の舞台に立つことを目標に、まずは新人俳優賞を目指して一歩ずつ進んでいきたいです。

■映画『90メートル』で感じてほしいことは、「生きる喜び」

映画『90メートル』への出演が決まった時は、正直プレッシャーが大きかったです。オーディションの際に脚本を読み、「10代の今の自分が演じたい」と強く思いました。だから、出演が決まった瞬間に、覚悟も一緒に固まった気がします
僕が演じた主人公の佑は、バスケとお母さんが大好きな人物です。僕自身がずっとバスケ部だったのもあり共通点の多い役でした。演じる上で特に大切にしたのは表情です。あえて猫背にしてみたり、言葉のないシーンでは、どのような感情なのかを常に意識していました。
現場では、特に母親役の菅野美穂さんと中川駿監督に助けていただきました。菅野さんは本当に優しくて、本当のお母さんがいるような感覚でした。すべての場面において100%で演技をされている姿勢に感銘を受けましたし、これからの俳優人生にとっても、大きな学びになりました。また、僕がテイクを重ねてしまったシーンがあり、自分が求めているものが分からなくなってしまった際、中川監督が「チームでやっているのだから、何度でもやっていいんだよ」と声を掛けてくれて、心が軽くなったことを覚えています。
この作品について、台本を読んだときは少し難しい話だと感じていましたが、実際に演じる中で、たくさんの人たちの優しい温もりを感じました。田中偉登くん演じる大平翔太の「もっとお前と一緒にバスケしたかったわ」というセリフを聞いた時は、映っていないところで号泣してしまったのですが、作品を重く受け止めすぎなくていい。友達や周囲の人と関わっていく中で、自分が生きている喜びを感じてほしいなと思います。

■大学生へのメッセージ

佑は周囲の人の優しさに気づけずにいましたが、実は僕たちも、当たり前すぎて気づけていないことがたくさんあるのかもしれません。僕は、この作品を通して「自分が愛されている」ということを実感しました。大学生のうちにしかできないことはたくさんあります。映画『90メートル』は、そんなきっかけを与えてくれる作品です。まずは一日一日を大切に過ごして、学校生活を後悔のないものにできるよう頑張ってほしいと思います。

学生新聞オンライン2026年2月6日取材 武蔵野大学3年 吉松明優奈

映画『90メートル』

3月27日(金)全国公開

出演:山時聡真、菅野美穂、西野七瀬、南琴奈、田中偉登

監督・脚本 : 中川駿

主題歌:大森元貴「0.2mm」(ユニバーサル ミュージック / EMI Records)

配給:クロックワークス

©2026映画『90メートル』製作委員会

公式HP:movie90m.com 公式X:@movie90m

https://movie90m.com

城西国際大学2年 渡部優理絵/武蔵野大学3年 吉松明優奈/東京薬科大学3年 庄司春菜

スタイリスト 西村咲喜 / ヘアメイク Nestation 髙橋幸一

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