テリー伊藤 コラムVol.78 デジタルデトックスしていますか
大学の講義の度に学生たちに「スマホばかりの生活だと思考回路が偏る事もあるので、人間が作れない物に触れることが大切、自然界にあるものや生物に1日10分は接して欲しい。」と話している。少し前にこんな記事を見つけた。坂口志文大坂大特任教授(74)と共に、本年度ノーベル生理学・医学賞に輝いた米国のフレッド・ラムズデル博士(64)は、受賞発表時にハイキングをしていたため快挙に12時間も気がつかなかった。博士は当時妻と米国北西部の山岳地帯をキャンプとハイキングで横断する3週間の横断中だった。数時間後に携帯電話に届いた祝福メッセージに気が付き受賞を知った。博士はインタビューに「受賞は全く予想していなかった。頭や心を休ませるためデジタル器具から離れた”デジタルデトックス”を好み、自身の携帯をマナモードにしていた。」とコメントしている。とてもホッとするコメントで嬉しくなってしまった。早速学生たちにこの記事のことを話してみたい。
実は自然界と触れ合うことは次のビジネスヒントにもなっている。正六角形を並べた「ハニカム構造」(英語のhoneycomb(ハチの巣)に由来し、ミツバチの巣がこの形をしている)からヒントを得て、段ボールや発泡スチロールが作られた。ハニカム構造は強度が高いため飛行機の素材としても昔から利用されている。痛くない注射針は蚊からヒントを得て誕生した。そう聞くと痛そうだが、ギザギザした形状が実際は皮膚に刺す時の痛みを軽減してくれるそうだ。ハスの葉の特性を応用して生まれたのが撥水性のあるウエアーやヨーグルトの蓋。ハスの葉の表面は水を弾き、汚れにくい構造になっている。レインウエアや鞄など撥水性を持つ製品は元々はハスの葉構造がヒントだった。海に潜むサメの鮫肌の凹凸の皮膚構造は水中での抵抗感を減らしているため、スピードを重視する競泳用水着に応用されている。その他、カワセミのくちばしは新幹線の構造に多大な影響を与えている。水面の小魚をスムーズに捕獲するために細く尖っているが、新幹線の先端にこの構造を応用する事で空気抵抗は減少し騒音も緩和された。
まだまだ自然界からヒントを得た事実は限りない。のんびりしながら新たなアイデアが生まれるかも。楽しいじゃないですか。異常に寒がりな私は普段は暖房全開の部屋から一歩も出たくない。しかし今年の冬は雪中キャンプに挑戦してみたい。人生に一度くらいは吹雪の一夜もいいかも。とんでもないアイデアが浮かぶかも!いや絶対浮かぶ。その時は報告しますね。



テリー伊藤(演出家)
1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。
2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。
テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。
その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。
著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。
演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。
YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ」
LALALA USAでコラム連載中
https://lalalausa.com/archives/category/column/terry


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