テリー伊藤 コラムVol.79 コンビニエンスストアが消える日

朝の車通勤の途中でコンビニに寄ることが多い。セブン-イレブンでコーヒーを買う。スターバックスもいいがチョット高いので毎日は行かない。とは言ってもコンビニで無駄遣いをしているのだが。ドジャースの大谷、山本選手が活躍した翌日はスポーツ新聞を買うし、今年の夏のような猛暑だと朝からハーゲンダッツのアイスクリームかガリガリ君をつい買ってしまう。朝食を摂ってこない日はアメリカンドッグを頬張る。まるでやっている事が高校生と変わらない。これが冬になるとおでんが恋しくなってくる。鮭、お赤飯のおにぎりも欠かせない。普通この歳になると栄養バランスを考えないといけないのに。

買い物が終わって店から出てきた時にふとこんなことが脳裏を横切った。「もしコンビニが日常生活から消えたらとうなってしまうのか…」コンビニが初めて日本に登場したのは約50年前、江東区豊洲に出来たセブン-イレブンと言われている。勿論私はコンビニがない時代を知っているが、今消えたらどうなるのだろう。

朝のコーヒー、サンドウィッチ、おにぎり難民になることは間違いない。昼時だってサラリーマンや現場仕事の人は路頭に迷うことに。インフルエンザが流行したらマスクも除菌剤もティッシュも購入しづらくなる。料理の途中でお醬油、ソースが無いのに気づき慌てても近所のコンビニは無い。トイレットペーパーなら更に悲惨な結果が待っている。電気、ガス、水道、税金などの公共料金の振り込みはついでに出来たのに。緊急時の水、軍手、電池予備も気になる。コンビニロスを考えただけで世の中パニックになりそうだ。

恐らく1ヶ月もすれば知恵ある人は自宅前で商売を始めるのでは。普通のお宅の玄関先で綺麗な娘さんが手作りコーヒー販売営業をすることに。それを目当てに男性陣は早起きしそう。住宅街の至る所ではおにぎり屋さん、サンドイッチハウス、移動スタミナドリンクショップなどが乱立するのも想像出来る。事務的なコンビニのレジと違ってそこかしこから「いってらっしゃい」の声が聞こえてきそうだ。そして、小さな町の商店街は息を吹き返す事に。おばあちゃんの薬局、昔懐かしい駄菓子屋も見てみたい。豆腐屋さんのラッパも復活するに決まっている。一番嬉しいのは人々の交流が広がり、町の皆が顔見知りになる事では。

コンビニが消えるのは大変だが、人間て何かを無くすと新たな物を手にする才能がある。そんな時代が来ても面白い。毎日が縁日。お祭り状態な日常。その日が来たら私は “夕暮れの一人ホストクラブ・テリー” を開店します!
お客さん来るはずです……

テリー伊藤(演出家)

1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。
2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。
テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。
その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。
著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。
演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。
YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ
LALALA USAでコラム連載中
https://lalalausa.com/archives/category/column/terry

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。