映画『ChaO』ジャパンプレミア

この度、『鉄コン筋クリート』(06年)『海獣の子供』(19年)『映画 えんとつ町のプペル』(20年)など、これまで数々の名作を世に送り出してきたSTUDIO4°Cの最新作『ChaO』が、8月15日(金)より全国公開を迎えます。
『となりのトトロ』『魔女の宅急便』(宮崎駿監督)のラインプロデューサーを務めた田中栄子が主宰するクリエイティブ集団STUDIO4°Cは、ハイクオリティな映像と独特な世界観で世界中に多くのファンを抱えていますが、最新作で描かれるのは【種族と文化を超えた恋と奇跡の物語】。オリジナルアニメーションとなる本作では、絵を1枚1枚描く手書きアニメーションにこだわり、圧倒的な作画量と美しい背景美術で、瑞々しくもかわいく人間と人魚の恋模様を描く作品になっています。
本作の公開を前に『ChaO』とのスペシャルコラボドルフィンパフォーマンスと日本最速上映となる舞台あいさつ付試写会が7月1日に実施されました。
スペシャルコラボドルフィンパフォーマンスでは、W主演の鈴鹿央士さん(ステファン役)と山田杏奈さん(チャオ役)、そして太田駿静さん(ジュノー役)、その後、監督の青木康浩さんも舞台あいさつ付き特別上映会から参加しました。先日アヌシー国際アニメーション映画祭で審査員賞を受賞してから国内では初の上映となりました。
■ステファン役 鈴鹿央士さん

僕が演じたステファンは、過去の出来事から海の生物を傷つけないスクリューを開発する青年で、その一途に頑張る様子を出したいと思っていました。人生を捧げて何か一つのことをやり続ける姿が素敵で、僕もこんな風に仕事をしたいです。撮影前は、いろんなアニメを見てステファンの声を想像したり、監督とイメージを合わせる日を作ってもらったり。練習だと思っていたら監督が「これ録れるね」と言って本番が始まった時はドキドキでした(笑)。
そんなステファンを想い続ける、チャオのチャーミングさと一途さも魅力です。まだ人間と人魚がうまく共存していない社会が舞台だけど、それでもまっすぐに行動するチャオにキュンキュンしますし、二人の繊細な心情が丁寧に描かれているところも見どころだと思います。また、独創的な世界観の映画なので見れば見るほどハマっていくと思います。楽しい気分になって、軽やかに映画館を後にしてもらえたら嬉しいです。
上智大学4年 吉川みなみ
■チャオ役 山田杏奈さん
チャオは本当に可愛くて一途で、人間界の生活にまだ慣れていないながらも、一生懸命頑張る姿がとても愛おしく感じました。演じながら、そんなチャオのまっすぐな気持ちに、私自身も癒されていました。声優としての経験はあまりなかったのですが、監督やスタッフの皆さんにアドバイスをいただきながら、自分なりにチャオらしさを探して、丁寧に役に向き合いました。自分と似ているところは少ないと思っていましたが、取材で「表情に気持ちがすぐ出るところがチャオと似ている」と言われて、たしかにそうかもしれないなと感じました。誰かをまっすぐに思い続けられるチャオのような存在には、憧れや尊敬の気持ちがあります。海の中の幻想的な世界や美しい街並みも見どころのひとつで、登場するキャラクターたちも個性豊かで本当に魅力的です。観終わったあと、あたたかい気持ちになれる作品だと思うので、ぜひこの夏は『ChaO』を観てください。
東洋大学4年 太田楓華

■ジュノー役 太田駿静さん(OCTPATH)

皆さんにいよいよ映画を観てもらえること、すごくワクワクしています!
僕は、ステファンとチャオがお互いを理解し合っていく様子に惹かれました。
初挑戦の声優がこの作品で本当に光栄です。正直不安もありましたが、声優業界のルールやマナーを勉強してブースに入りました。トップバッターでの収録でまだ見えていない部分もありましたが、監督と話しながら気負うことなく、楽しく収録を進められました。
僕が演じたジュノーとリンクするのは、「まっすぐ過ぎて周りが見えなくなるところ」です。福岡から東京に上京する時に、親にあまり相談せずに突っ走った自分と重なりました。
この映画と同じくらい衝撃的だったのは、101人でデビューを争うオーディションで初回順位が6位だったことです。天狗になっているつもりはなかったのですが、OCTPATHのメンバーからは「当時天狗だったね。嫌いだった」と言われます。今となっては、幸せです。
昭和女子大学2年 阿部瑠璃香
■監督 青木康浩さん
国内で初めての上映になるので、皆さんの反応が重要で、日本の方にどれだけ受け入れて頂けるのか、反応一つ一つが細かく気になります。
ステファンもチャオも二人とも不器用です。見終わった後に、どのキャラクターも可愛かったり、カッコ良かったりするように作りました。それぞれのキャラクターに感じることがあると思うので、ぜひ楽しんでください。
2か月前に「アヌシー国際アニメーション映画祭」が決まり、他の映画も楽しめるのかなと思っていたのですが、そんな暇はありませんでした。思いがけず審査員賞を頂けて、スタッフで驚いて喜んだ次第です。
本当に作品を見たお客様の反応がありがたくて、安心しました。現地ではチャオが大人気でした。ぬいぐるみを持っていると「どこで買えるの?」「写真撮らせてと」声をかけられる程です。また、夜中の1~2時まで紙が無くなるほどサインを書きました。
昭和女子大学2年 阿部瑠璃香

学生新聞オンライン2025年7月1日取材 上智大学4年 吉川みなみ(構成)

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