テリー伊藤 コラムVol.69 2025年サンタクロースがやって来る
一番好きな季節がやって来た。夏も大好きなのだが、間もなく訪れるクリスマスシーズンに日々ワクワクしている。若い頃から好きだったが、その想いは年々加速している。ハロウィン終わった頃から街は動き出しホリデーイルミネーションに彩られてゆく。私の場合それでは待ちきれないため10月に入ると家でも車の中でもクリスマスソングを流し始める。定番のマライア・キャリーやワムやディーン・マーチンではなく、1940~50年代のクラッシック・クリスマスソングが豊かに盛り上げてくれる。いつも一緒のドライバー鈴木君にしてみれば3か月間も聴かされて迷惑に違いない。
華やかな街並みも良いが、ヨーロッパの片田舎で家族で静かに過ごすクリスマスイブに憧れる。日本で言えばお正月に故郷(出来れば雪深い東北地方が嬉しい)に久しぶりに帰り、親戚一堂が集まり、こたつや囲炉を囲んで代々伝わるお雑煮、おしるこを食べる情景と似ているのでは。まだ見ぬ北欧の小さな町も訪ねてみたい。都会ではサンタクロースのイメージも商業ベースになり過ぎている。スーパーマーケット、コンビニ前で安売りの呼び込みをしているサンタを見ると複雑な気持ちに。ピザのケータリングのお兄さんがバイクにまたがりサンタ姿で走られても。そうなんです、サンタクロースの神話が都会では無くなってきている。夢みる子供たちにとっても一大事なのだ。サンタさんは人々に暖かな微笑みを与えないと。
そんな思いから、私が先生をしている「東京国際大学」の学生20名と共に全員サンタクロースのスタイルで「障害者支援施設」と「老人福祉センター」など3か所にお邪魔します。授業とは関係無いのだが、嬉しいことに学生皆んな喜んで参加してくれる。大学側も賛同してくれて大型バスを用意してくれた。当日は楽しい計画も考えています。クリスマスの思い出になってくれれば。
それにしても、どうしてこんなにクリスマスが好きなのか。私の実家は築地の魚河岸で商いをしている玉子焼き屋。一年で一番忙しい季節。おせち料理の用意のお客さんでごった返しています。鮭、たこ、いくら、きんとんが街に氾濫し、両親も寝る時間もなく働いていた。築地っ子は誰もがそうだったように、クリスマスムードは皆無。私も辛うじてシュークリーム、シベリア(古っ!) を食べた記憶が。サンタさんの出番など全く無かった。トナカイに乗って現れてくれても魚を積んだ自転車に邪魔者扱いされていたかもしれない。そんな子供時代を過ごしたせいか、余計にクリスマスへの憧れが強い。今年のクリスマス皆さんにとって素敵な思い出の日になりますように。HO!HO!HO~♪

テリー伊藤(演出家)
1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。
2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。
テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。
その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。
著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。
演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。
YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ」
LALALA USAでコラム連載中
https://lalalausa.com/archives/category/column/terry


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