駐日マレーシア大使 ダト・シャフリル・エフェンディ・アブデゥル・ガニー
■マレーシア
マレーシアは東南アジアに位置し、マレー半島とボルネオ島の一部からなる。首都はクアランプール。面積は約33万平方キロメートルと日本よりやや小さい。人口は約3350万人。民族は約7割がマレー系で公用語はマレー語。通貨はリンギット。国家元首はイブラヒム第17代国王で9州の統治者で互選する。首相は2022年よりアンワル・イブラヒムが務める。


■駐日マレーシア大使 ダト・シャフリル・エフェンディ・アブデゥル・ガニー

Profile:
英国のケント大学で英語学と政治学を学んだ後、クアラルンプールで公共管理の教育を受ける。1994年に外交職に就いてから2022年に日本に着任するまでの間、ニューヨーク、ワシントンDC、台北、そしてオマーン国に赴任。国家勲章を受章し「ダト」の称号も授かる。
▼大使になられた理由
学生時代は英国で過ごしました。政治学を学んでいたのですが、各国でいくつもの歴史的な出来事が起こりました。ソ連ではペレストロイカの政策を進めていたり、米国はレーガン大統領が政権を握り、冷戦終結に導いているなど、世界情勢が激しく変化している時代でした。そのような中にあって、「自国であるマレーシアの存在を世界にどう示していくか」について考えるようになりました。このことがきっかけで外交官を目指すという夢ができたのです。また、大学に通う中でさまざまな国際的背景を持つ人たちと交流ができ、もっと世界を知りたいと思うと同時に、マレーシアを世界に向けてもっと発信していきたいという思いが強まりました。
▼大使の仕事で大切なこと
外交官に必要なのは、常に世界の動きを学び、自国の発展にどう生かしていくかを考える姿勢です。1980年ごろの日本は、高度経済成長を経て大きく成長しました。私は、そのときに日本がいかなる困難を乗り越えて復興を成し遂げたのかを学びました。
また、30~40年前の中国は存在感があまりありませんでしたが、今では世界でもトップレベルの経済大国へと成長しています。このように、ここ数十年の間でも世界は大きく変わっています。その時々において観察して学び、吸収することが大切です。マレーシアも1980年ごろに「ルックイースト政策」を打ち出し、日本や韓国から学び、発展させてきました。
▼マレーシアをセールスする
他の国々にマレーシアをセールスすることも大切な仕事です。そのため、マレーシアにとって何が一番良いことかを考えています。たとえば、日本から投資を引き出すには日本の強みである技術を導入し、代わりにマレーシアは人材を提供します。
主要産業である観光業についてもさまざまな政策を実施しています。マレーシアには美しい海や山があり、生物の多様性など素晴らしい自然の宝庫です。世界で最も古い自然公園である「タマンネガラ国立公園」やオランウータンの生息地も誇りの一つです。
また、マレーシアは多民族国家のため、いろいろな言語や文化が楽しめることも魅力です。
来年は「マレーシア観光年2026(Visit Malaysa 2026)」が開催されるため、観光振興により一層力を入れて取り組んでいます。世界中から多くの人がマレーシアに訪れてくれることを期待しております。
▼日本の学生に伝えたいこと
いろいろなことに挑戦してたくさんのことを吸収し、また、失敗からも多くを学んでください。そして、どのような道に進みたいかを探求していってください。自分の行動に責任を持ち、正しいことを貫く姿勢を大切にしてください。さらに、読書等から他の人の考えを学び、客観的に物事をとらえる視点も養ってほしいと思います。
学生新聞オンライン2025年9月30日取材 法政大学1年 渡辺碧羽
■大使おススメのとっておき情報!!
マレーシアは大自然とグルメが魅力です。サバ州やサラワク州の緑豊かな熱帯雨林、ランカウイの穏やかなビーチやペルヘンティアン島の澄み切ったターコイズブルーの海など豊かな大自然をお楽しみください。食事はナシレマッ、サテー、チャークイティオ、ラクサなどの国民食が人気です。また、お土産にはバティック生地、東マレーシアの手芸品などがおススメです。




法政大学3年 島田尚和/法政大学1年 渡辺碧羽


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