スマドリ株式会社 代表取締役社長 高橋徹也
自分らしい飲み方で、お酒の「最高のスタート」を

スマドリ株式会社 代表取締役社長 高橋徹也 (たかはしてつや)
■プロフィール
アサヒビール入社後、営業や営業企画を担当した後、2009年からマーケティング部にてビールやチューハイ、ノンアルコール商品などを担当。現在はスマドリマーケティング部長として「スマートドリンキング」を推進するとともに、アサヒビールと電通デジタルの合弁会社であるスマドリ株式会社の代表取締役社長を兼務している。
アサヒビールと電通デジタルの合弁会社となるスマドリ株式会社。4月に表参道にオープンした「SUMADORI Meets」。実際にカクテルを体験しながら、代表の高橋徹也氏に、スマドリの成り立ちを伺った。その取材からは「飲めない人も飲める人も、お酒の場を楽しいものだと感じてほしい」という熱い思いが伝わってきた。
高校時代はボート部に所属していました。大学でも続けようかと迷いましたが、さらに経験の幅を広めたいと思い、ボランティアサークルに所属しました。近隣の小学生と一緒に遠足や一泊二日のキャンプに行くなどの活動をしていたのですが、小学生が楽しめるように企画・実行することは大変でしたね。アルバイトは飲食や家庭教師などを経験しました。当時は、ビアホールのウェイターをしていたため、もしかしたらその経験が、今に行き着いているのかもしれません。就職活動の際は、軸として「自分が何を好きなのか、何が楽しいのか」を大切にしていました。これは今でも一貫した考え方なのですが、その中でもお酒が好きだったため、ほぼ志望を固めてアサヒビールを受けました。
■アサヒビールでの経験、そこから生まれたスマドリ
アサヒビールに入社後、営業を4〜5年経験しました。その後は営業をデータで支える分析や資料作りなどのサポート業務を経験し、さらに会社全体の営業戦略を練る営業企画の仕事も担当しました。2009年からはマーケティング部に在籍しています。そこではチューハイをはじめ、ビールやノンアルコール飲料など、アサヒビールの主要な商品に携わってきました。現在はノンアルコールを取り扱うスマドリマーケティング部の部長を務めながら、その延長線上で立ち上がったこのスマドリ株式会社の社長も兼任しています。
「スマドリ」とは、アサヒビールが2020年から提唱する「スマートドリンキング」の略称です。この文化をより多くの人に広めるべく、2022年にはアサヒビールと電通デジタルの合弁会社としてスマドリ株式会社を立ち上げました。
この会社が始まったのは、「飲まない人のことも知らなければ」という想いからです。
我々アサヒビールの人間は、飲む人のことしか知らない。これまでは飲む人を中心に調査してきました。電通デジタルさんは、やはり発信力やSNSの部分が強みです。我々アサヒビールは商品開発の力があります。この強みの掛け合わせでより良いものを生み出せると考えています。
スマドリ社全体の主な業務としては、SUMADORI Meetsという体験型店舗の強化です。SUMADORI Meetsが目指すのは、お酒の場を楽しみ、良い思い出を持ち帰るための体験の場を作ること。単なる飲食の場ではなく、体験の場を提供できる点がこれまでとの差別化ポイントです。
2022年にスマドリ社を立ち上げて最初に取り組んだのは、「スマドリ」のバーを渋谷につくったことです。何かをつくること自体、そもそも大変ですが、飲む人ではなく“飲まない人”のバーをつくることは、苦労の連続でした。電通デジタルさんの調査の力や発信力も借りながら、納得できるバーになったと思います。
■初めてのお酒をトラウマにしない
大学生との共創や行政にも力を入れています。特に「スマドリ」のターゲット層が20代ということもあり、20代の大学生や若い人、飲めない人に対して、お酒の入り口に対してどうやって体験してもらうかを中心に取り組んでいます。
大学生になって、20歳を迎え、初めてお酒を飲もうとしたときに、いきなり飲み屋に連れて行かれて、個人の適量を超える量を飲んで倒れてしまうようであれば、嫌な思い出しか残らないですよね。そういうネガティブな体験を無くしたいという思いが、この会社の根源にあります。お酒の飲み方は本当に人それぞれです。量をたくさん飲める人もいれば、一杯で赤くなってしまう人、全く飲めない人もいます。SUMADORI Meetsの1番のコアは、自分らしい飲み方や楽しみ方を、この店で見つけることができるということです。皆さんの中にも、お酒を飲みに行った際に自分の総量が分からず、かなり酔ってしまった経験がある方もいると思います。その前の段階で、0.5%といった度数の低い段階のものから試すことができます。自分で度数を選べるので、ここに来ていただいて、自分の飲み方を見つけて「あ、こういう飲み方をすれば、自分は楽しめるんだ」と感じることができれば、飲み会文化を嫌いにならないと思っています。
最終的には、「スマドリ」という新しい文化を日本の社会の中に作っていくことが、この会社のミッションです。現在、「スマドリ」の認知度は50%です。3年前には「スマドリ」という言葉を知らなかった方々の約半分が今、知っているという状態は、第1段階としては良いことだと思っています。ここからもっと他の世代も含めて認知率を上げていきたいです。
■一緒に働く上で重要なのは、「楽しめる力」
仕事をする上では、個人的には明るくポジティブな方がいいなと思います。ポジティブや明るさにも色々なものがあると思いますが、ワイワイするだけというよりも、冷静で論理的な部分は持ちつつ、たとえ困難があってもその中で今やっていることを楽しめる人がいいですね。「嫌だな」と思うことでも、見方を変えて楽しいと思えることは重要です。そうすると、前向きに仕事に取り組めて、結果的に上手くいくと思います。
大学時代はやはり、自分の興味のあるものや面白いと感じたことに素直に飛び込んでみることは大切だと思います。その中で上手くいかないことは絶対にあります。しかし、そこで終わりにするのではなく、失敗を「次の一歩に進むための武器」や「次のための階段」だと捉えてほしいです。社会に出ると価値観の違う人にたくさん出会い、思い通りにいかないことも増えますが、困難を糧に、引き返さず歩みを進められる人は、きっと大きく成長できるはずです。
学生新聞オンライン2026年5月20日取材 東京女子大学3年 浮田梨紗

情報経営イノベーション専門職大学2年 山田千遥/武蔵野美術大学2年 石井生成/京都芸術大学1年 猪本玲菜/東京女子大学3年 浮田梨紗


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