株式会社山田養蜂場 営業統括部統括部長 井筒雅之
お客様の健康のためウェブの可能性に挑戦する
■プロフィール
2004年入社。法学部卒業。入社から7年で販売促進部門の部長に抜擢され、その後、事業部長を経て2018年にテレマーケティングを含む通販営業本部の副本部長に就任。翌年、店舗や流通部門も含む現在のポジションへ昇進。アグレッシブな手法で、山田養蜂場の現在の「販促の基軸」を築いてきた立役者である。
「病気の娘の健康回復のために」という創業者の素朴な家族愛から生まれた山田養蜂場。「ひとりの人の健康を守るために」という強い想いで、お客様一人ひとりと向き合いながら商品を届けている。通信販売主体で事業を行っている山田養蜂場のウェブ戦略について、営業統括部統括部長の井筒さんに伺った。
学生の時は「健康に関する仕事で人や社会に貢献したい」と思い、就職活動をしていました。友人や父親の病気を目の当たりにして、老化や病気は避けられないものだと感じ、人にとって欠かせないテーマである「『健康』のために何かできたら」と考えたことがきっかけです。母が私にローヤルゼリーをくれたことがあったのですが、そのメーカーである山田養蜂場について調べていくなかで「娘の病気を治すために、何の文献も資料もないなか研究を始めた」という創業者の話に感銘を受け、採用試験を受けました。企業理念はその会社の羅針盤である、と就職活動の時は重要視しており、山田養蜂場の企業理念はお飾りではなく本物だと感じ、心打たれました。
■ウェブの可能性にチャレンジ
弊社のお客様は年齢層が高いため、情報が届きやすいよう、これまではテレビ、新聞、折込チラシを中心にメディア展開をしてきました。
しかし、今はウェブの割合が年々増えており、年齢が高い方もスマートフォンを持ち、ウェブを見るようになってきています。ウェブの多くのメリットのなかでも、特に、たくさんの情報を伝えることができる点、即時性がある点が挙げられます。私たちは商品づくりに自信と誇りを持っているので、商品の背景を十分に伝えることができる点はウェブの良さですね。紙広告だと掲載できる情報量が制限され、掲載日を待つ必要がありますが、ウェブでは伝えたいときに伝えたいことをすべて伝えることができます。サイトに訪れる方の属性(年齢や性別などの情報)がわかりますし、紙メディアよりもターゲットが絞りやすい。
弊社は元々通信販売事業をしているので、購入者の属性や購買履歴がわかり、お客様一人ひとりに合った情報をお届けできるという通信販売の強みも生かすことができています。まだまだ開拓中ではありますが、ウェブでの展開は健康食品の販売にマッチしていると考えています。ウェブは商品や素材の研究過程、エビデンス、商品開発に関する私たちの考え方やサービスにかかわるポリシーなどさまざまな手法を使って伝えることができるメディアなので、いろいろなことができるのではないかとワクワクしています。
■モノを売るのは難しい、だけど面白い
私が最初にマーケティングに携わったのは、地方紙の新聞記事体広告を書いた時でした。その時は、1件のご注文があり、自分が書いた広告で商品を買ってくれた方がいたことにとても喜びを感じました。同時に、1件しか注文が来なかったことで、モノを売ることの難しさを感じました。
ウェブは情報を発信できる範囲が広く、多くの技術があってそれもどんどん変わっていくので、関わっていてとても楽しく、魅力的です。今の時代ウェブとリアルは切り離せないものですが、連動させるべき部分と切り離すべき部分があるとも感じています。
山田養蜂場のウェブマーケティングは業界標準より少し後ろを走っていて、まだ独自性や強みは少ないと考えています。しかし、ウェブは日本中、そして世界中の方に買っていただくチャンスを与えてくれます。どんな方がどんな場所でファンになってくださるかわからず、ウェブマーケティングに正解はありませんが、どんどんチャレンジしていきたいと思います。
本社は自然環境の豊かな田舎にありますが、常に新しいことをしていこうという気概と、通販というテクニカルな仕事をしている環境が、会社の中にはあります。そのギャップが山田養蜂場の魅力の一つです。これからも、皆さん一人一人の健康を支えていく社会的使命感とやりがいを持って、商品やサービスを提供していきたいです。
■message
学生のうちに、思いっきり話して、読んで、感じて、考えて、好きなところに行って欲しいですね。社会人になっていろいろな仕事の状況、人の言葉、環境に触れていくなかで、日々考え、日々悩みます。考え悩む時に、今まで経験した体験や考え、実感がとても役に立つからです。私は大学時代、法律を勉強していました。その勉強が今、直接役に立っているわけではないですが、勉強した時の思考方法はとても役立っています。思いっきり経験を積んで、感じて、自分の幅を広げて欲しいと思います。
学生新聞2021年4月号別冊 津田塾大学3年松本麗奈
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