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Archive for 運営スタッフ

大学理事長・大使館

学校法人津田塾大学 理事長 島田精一

失敗しても逃げず、繰り返し反省することで人は成長する 学校法人津田塾大学 理事長 島田精一(しまだせいいち) ■プロフィール東京大学法学部卒業。三井物産株式会社 代表取締役副社長CIO、日本ユニシス株式会社代表取締役社長CEO、独立行政法人住宅金融支援機構理事長などを歴任。株式会社ISE最高顧問。著書に『苦境をチャンスにかえる仕事術』(平凡社、2014年)などがある。 「変革を担う、女性であること」をモットーに、数多くの人材を排出してきた津田塾大学。創設者は新5000円札の顔、津田梅子だ。理事長である島田精一氏に、津田塾大学の魅力や大学が求める学生像、教育改革についてお話を伺った。 ■どのような学生時代を過ごしてこられましたか 中学・高校時代は部活動のバレーボールに打ち込む毎日で、努力と継続の大切さを学んだように思います。本を読むことも大好きで、暇さえあれば読書に没頭していました。特に影響を受けたのは、ゲーテの『イタリア紀行』です。この本を通じて異文化に興味を持ち、世界に目を向けるきっかけになったと思います。大学時代はアジアの留学生と積極的に交流しました。タイ、ベトナム、インドの学生たちの相談に乗り、生活のサポートもしました。その経験から異なる文化や考え方を理解する重要性とともに、意見の違いを恐れず率直に話すことの大切さを学びました。大学卒業後は三井物産に入社し、世界各国でビジネスの経験を積みました。その後、日本ユニシス(現、BIPROGY株式会社)の社長や住宅金融公庫の総裁を経て、津田塾大学の理事長に就任しました。 ■大学での取り組みについてお聞かせください 理事長として新しい学部の設立や教育改革に力を入れてきました。特に、2017年4月、千駄ヶ谷キャンパスに総合政策学部を新設したのは大きな成果です。この学部はデータサイエンスとソーシャルサイエンス、英語の3分野を統合した革新的な学部です。本学ではデータサイエンスやリベラルアーツに力を入れ、学生が多角的に物事を考えられる力を養っています。課題解決型の教育を重視し、学生が自ら課題を見つけ、取り組む力を育てています。実際の社会問題に取り組み、解決策を提案します。これにより実践的なスキルとともに、自信と達成感を得られるのです。また、英語教育にも力を入れており、学生たちが実際のビジネスシーンで使える英語力を身に付けることを目指しています。 ■学生へのメッセージを 前向きに明るく、挑戦することを恐れないでください。困難に遭遇すると、時には逃げ出したくなることもあると思いますが、逃げていては失敗が経験になりません。繰り返し反省をすることで人は成長し、成功へと向かうのです。また、わからないことがあれば教えてもらう謙虚な姿勢が大事です。成功者ほど素直で勉強する姿勢を持っています。なぜなら教えてくれる人たちの存在が自分自身を成長させると知っているからです。 学生新聞2024年10月1日号 津田塾大学2年 石松果林

コラム

テリー伊藤 コラムVol.32 世界一のせっかち男

私は大の“せっかち”である。スターバックスに行ってもゆっくり落ち着いてお茶を楽しめない。10分で出てくる。高級レストランに行っても、メニューをろくに見ずに注文することもしばしば。ウエイターもあきれ顔。更に、注文した料理が早く来ないかと、つい調理場の方を見てしまう。料理長が心を込めて作った美味しい料理を食べるのがこれまた早すぎる。子供の頃から母親に「よく噛んで味わって食べなさい。」と再三注意された。大人になってもまったく治っていないのだ。むしろ速さは増している。一緒に行った人は二度と私と食事には行きたくないはず。 “せっかち”はこれだけでは無い。スーパーマーケットの買い物も早い。いつもと同じ食品を素早く買ってしまう。お店の滞在時間がとにかく短い。駐車場に車を停めるためにかかる時間の方が長い。一見良いように思えるが、ショウケースにある目新しい野菜、果物、お惣菜、お菓子などが目に入らず、いつもワンパターンのもばかり選択。玉子、トマト、レタス、きゃべつ、玉ねぎ、大根、ホウレンソウ、人参。お魚は鮭、イワシ、サンマ、鯵、時たまタイ、カジキマグロ、ししゃも。作る料理はいつも一緒。肉を買っても料理は生姜焼き、すき焼き、カレー、牛ステーキ。これが1年のローテーションなのだ。新しい出会いがない。 “せっかち”人生はスポーツクラブでも。まず脱ぐ速度は絶対スーパーマンより速く、トレーニング後はシャワーで身体を洗い、浴槽には入らず、サウナ室でもゆったりすることなく5分で退室。仲間は休憩室で今日の疲れを癒しながら知り合いと談笑しているのに、私はサラッと髪を乾かして即出てくる。受付けでかけられる言葉は「もうお帰りですか。」が定番。スポーツクラブでも私の“せっかち”ぶりは評判になってしまった。 大好きな洋服屋さんでもこの癖は直らない。店内を一周回って目ぼしいものがあるとすぐ購入、おかげで何着も同じ洋服が我が家のクローゼットに鎮座する。そう言えばひとつだけ、のんびりしているものがある。車の運転です。これがむちゃくちゃ安全運転なのだ。首都高、制限速度60km、第三京浜制限速度80kmは何故かちゃんと守る。横断歩道でも歩行者が見えた段階で必ず一旦停止。深夜の空いた道路でも安全運転。余りのゆったり運転のため後ろのからクラクションを鳴らされる事も。私自身このゆったり感を日常に持ち込めたたら良いと思いながら今日も寝床に。毎日が慌ただし過ぎるので、寝つきが悪いのなんのって。 テリー伊藤(演出家) 1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ」LALALA USAでコラム連載中https://lalalausa.com/archives/category/column/terry

学生新聞インターン

菜々緒 失敗あっての成長、恐れずチャレンジを

菜々緒(ななお) ■プロフィールドラマ・映画・CM等幅広く活躍中。昨年は劇場版『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』、映画『怪物の木こり』に出演。10年ぶりの写真集「DIVINE」発売も話題となった。今年10月期のテレビ朝日系金曜ナイトドラマ『無能の鷹』主演が決定。今年8月にNANAO OFFICIAL FANCLUBを開設。 映画やドラマを見ていると、軸のぶれないかっこいい女性というイメージが強い菜々緒さん。しかし、インタビュー中の気さくでかわいい姿が印象的で、とても親しみやすい。「求められるものに対して120パーセントで返したい」と語る彼女に、女優業への思いや大切にしている考え、主役を務めるドラマ『無能の鷹』の見どころについてお話を伺った。 忙しくも充実した学生時代 高校生のときに渋谷でスカウトされたのが芸能界に入るきっかけだったのですが、高校時代はまったく芸能活動はしていませんでした。しかし、大学生になって将来のことを考え始めたときに、一般企業で働く自分の姿が想像できなかったのです。そのときは、自分のことがあまり好きではなかったので、自分を好きになれるきっかけがほしいと思い、芸能活動を始めました。背が高いこともコンプレックスだったので、自分がネガティブに思っている部分を活かせたら良いなと思うようになりました。 「第7回 ミス東京ガールズコレクション」でグランプリを受賞したことをきっかけに、モデルの仕事を始めました。スイッチが入るととことんやり尽くす性格なので、この仕事を始めようと決めたときに、大学2年間で卒業のための単位をほぼ全部取りました。中途半端にしたくなくて、活動できる時間を確保するために、「まず単位をとってしまおう!」と考えたのです。それからは学校やアルバイト、オーディションと忙しく、青春と呼べるような大学生活ではありませんでした。しかし、自分がやりたいと思うことを楽しくやっていたので、苦労しているという感覚はありませんでした。 自分を底上げしてくれる撮影の現場 ドラマや映画をつくるときの現場の雰囲気が好きです。みんなで力を合わせて一つのことに向かって突き進むようなエネルギーにワクワクします。この業界は向上心を持っているプロフェッショナルな方がたくさんいます。私自身も向上心を持って新しいことに挑戦したいと思うタイプなので、この環境が自分にはとても刺激的で飽きないなと感じています。また、作品を見てくださった方から「元気が出ました」「作品に影響されて、仕事を選ぶきっかけになりました」などとメッセージをいただくことがあります。作品に参加するたびに、人に何かのきっかけや勇気を与えるような素晴らしい仕事をさせていただいているんだなと思い、やりがいを感じています。私は台詞を覚えるのが苦手なので台本を読むのは大変です。台本が出来上がるのが撮影の前日というときもあり、長台詞が全然覚えられなくて2時間ぐらい現場を止めてしまったことがあります。そのようなときは周りの方がサポートしてくださって乗り切ることができました。また、現場がすごく過酷なときは、気力と体力が勝負です。苦労することや苦手なこともまだまだたくさんありますが、そういう自分と対面するタイミングが自分にとって大切な時間です。人間誰しも失敗することによって成長していきます。失敗を恐れずに何でも行動することが大事だと思います。 「無能」ですが、何か? 主演ドラマ『無能の鷹』について 最初はダメダメだったけれど、周りの人の影響を受けながら主人公が成長していったり、仕事ができる主人公がどんどん仕事をこなしていく話ではなく、この作品は主人公が最初から最後までずっと無能。「これは新しいな!」と思いましたね。原作漫画を教えてもらった後、一気に読んでしまいました。周りの誰が何と言おうとただスッといる、そんな禅とか仏の道を行くような主人公、鷹野の破壊力は、生きづらさを感じている人たちにとって、神のような存在に見えるのではないかと思いました。今の時代にすごくピッタリなお仕事ドラマです。私自身が完璧主義的なところがあり、どちらかと言えば鷹野とは真逆です。そのような自分がオファーを頂いて演じることにも運命を感じています。それをコミカルなお仕事コメディーでお届けできるのがうれしいし、自分自身が楽しみな役です。会社や学校、家庭で人間関係に悩んでいるような人たちが、作品をとおして肩の力を抜いて、「自分なりに頑張ってみようかな」という受け取り方をしてくれたら良いなと思います。 人生楽しんだもの勝ち、新たなチャレンジへ 何でも楽しんだもの勝ちだなと思っています。人生にはすごく波があって目の前のことに一喜一憂しがちですが、それを全部味わい尽くし、楽しみ、目の前のことに向き合っていけば、自分に必要なものや状況、必要な人が目の前に現れるのではないかなと思っています。あまり自分を大切にできなかった時期もあったので、最近は自分が好きなことをやったり、好きなものを買ったりして自分を大切にすることを意識しています。最近、お仕事で海外に行ったのですが、新しいことにチャレンジするという意味でも、もっと海外での活動も視野に入れていけたらいいなと思っています。そして自分の好きなことを突き詰めていけるといいですね。 小学生新聞2025年9月15日発刊 東洋大学2年 越山凛乃/津田塾大学2年 石松果林 金曜ナイトドラマ「無能の鷹」 2024年10月11日(金)スタート!よる11:15~深夜0:15テレビ朝日系24局(※一部地域を除く)女性コミック誌「Kiss」(講談社)で現在連載中のはんざき朝未による大人気コミックス『無能の鷹』が実写ドラマ化。職場や、学校や、家庭で、毎日がんばるすべての人へ。自分を褒めたり、息を抜くのが苦手な“がんばりや”さんへ送る、超・脱力系お仕事コメディ。 法政大学4年 鈴木悠介/上智大学3年 白坂日葵/東洋大学2年 越山凛乃/武蔵野大学4年 西山流生 撮影:広田成太 <中国語記事> 菜々緒 在失败中成长,不要害怕接受挑战。 菜々緒(Nanao) ■简介 菜々緒活跃在各种电视剧、电影和广告中。 去年,她出演了电影版『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』、电影『怪物の木こり』,她十年来出了一本写真集「DIVINE」也是热门话题。 今年 10 月,她将出演朝日电视台周五晚间剧『無能の鷹』。 NANAO OFFICIAL FANCLUB 于今年 8 月成立。 在观看菜々緒的电影和电视剧时,她给人的印象是 “以自己为轴心,不可动摇的冷酷女人”。 但在接受采访时,她亲切可爱的样子却让人印象深刻,非常平易近人。 我们采访了她对演艺事业的看法、她的重要想法以及她在剧中饰演女主角的电视剧『無能の鷹』的亮点。 ■忙碌但充实的学生时代 我高中时在渋谷被星探发掘,因此进入演艺圈,但高中期间我根本没有从事任何演艺工作。 但是,当我成为一名大学生,开始考虑自己的未来时,我无法想象自己会在一家普通的公司工作。 当时,我不太喜欢自己,所以我开始表演,因为我想有机会让自己喜欢上自己。 我还对自己的身高有一种情结,所以我开始想,如果我能利用自己的负面形象,那该有多好。 我是在「第七届东京女子选美大赛」上获得大奖后开始做模特的。 我的个性是一打开开关就会全力以赴,所以当我决定开始这个职业时,我几乎修完了大学两年毕业所需的所有学分。 我不想半途而废,所以为了有时间参加活动,我想 “先修完学分再说吧!”。 我想。 从那时起,我就开始忙于学业、兼职和试镜,大学生活称不上青春。 不过,我喜欢做自己想做的事,所以并不觉得自己在挣扎。 ■拍摄场景可以提高我的水平 我喜欢拍摄电视剧或电影时的现场气氛。 大家齐心协力、为一件事而努力的劲头让我感到兴奋。 这个行业中有很多专业人士都雄心勃勃。 我自己就是那种希望不断进步和尝试新事物的人,所以我觉得这种环境对我来说非常刺激,而且我永远不会厌倦。 我也会收到看过我作品的人的留言,说我的作品让他们感到振奋,或者说我的作品影响了他们选择自己的工作。 每当我参与一部电影的制作,我都觉得自己给了人们一个机会和勇气去做一些事情。 我觉得我在做一项很棒的工作,它给了人们机会和勇气,我觉得很有成就感。 我不擅长背台词,所以阅读剧本对我来说是一个挑战。 有时剧本要到拍摄前一天才能准备好,有一次我不得不停止拍摄两个小时,因为我记不住任何一句长台词。 在这种时候,周围的人都会支持我,我也就挺过来了。...

学生新聞インターン

安全保障という国の根幹を支える 自衛隊サイバー防衛隊

自衛隊サイバー防衛隊は、2022年に国の要請を受けて発足した新しい部隊であり、防衛省・自衛隊の情報通信ネットワークの監視とサイバー攻撃への対処を24時間体制で行っている。サイバーセキュリティの世界では、技術は日進月歩で進化しており、目に見えない世界での戦いなのだ。現代社会においてその重要性は増々高まっている。自衛隊サイバー防衛隊の仕事やその魅力について、市ヶ谷駐屯地の自衛隊サイバー防衛隊隊本部の隊員の方々にお話を伺った。 ■自衛隊サイバー防衛隊の任務について教えてください 自衛隊サイバー防衛隊は、自衛隊が独自に構築しているネットワークである防衛情報通信基盤「DディーアイアイII」を防護する役割を担い、その維持管理や監視を行っています。全国の駐屯地間のネットワークを保護し、有事の際にも自衛隊自前のネットワークで対応できるように日々訓練を重ねています。自衛隊サイバー防衛隊の主な任務は、24時間体制でネットワークを監視し、異常がないかをチェックすることです。サイバー攻撃や機器の故障、ネットワークのトラブルなどにも迅速に対応します。また、陸海空自衛隊のサイバー専門部隊はそれぞれのシステムを防護し、装備品に対する防護も行っています。なお、全国のサイバー専門部隊は、部隊同士で日々、相互に連携を行っています。 ■どんな人が向いていますか 自衛隊サイバー防衛隊の隊員には探究心があり、日々進歩する技術に対して興味を持ち続けられる人が求められます。また、しっかりと情報管理ができ、自衛官としての責任感を持っている人が向いています。チームで仕事をするため、コミュニケーション能力が高く、チームワークを重視できる人が適しています。リーダーシップも重要で、自分を律し、部下を指導する力がある人ならなお良いと思います。また、仕事をするうえで大事にしていることは幾つかあります。まず、余裕をもって仕事にあたることが重要です。予備のものを用意するなど、事前準備を徹底します。あとは、人の話を聞くことも重要です。それぞれの立場によって異なる意見を尊重し、チームとして最適な方向を見出すために、しっかりと話を聞くことが大切になります。さらに、目標と目的を明確にすることで、指示の理由や期日の背景を明確にし、チーム全体に理解させることが大事です。これにより、愉しみながらやりがいを持って取り組むことができます。なお、基本的なことですが、何人かで関わって仕事を進めるため、人間関係が大切です。チームワークが良好であることが仕事の質を高めます。 ■自衛隊サイバー防衛隊の隊員になる方法は 隊員になるには幾つかの選択肢があります。まず、防衛大学校に入学し、卒業後に幹部自衛官として自衛隊サイバー防衛隊に配属されるという方法があります。あるいは、高校卒業後に自衛隊一般曹候補生として入隊し、訓練を受けた後に自衛隊サイバー防衛隊に配属されるルートです。こちらは最短で3〜4年目くらいからサイバー分野に進むことができます。このほか、民間企業でサイバーセキュリティの経験を積んだ後、自衛隊サイバー防衛隊に転職する方法があり、自衛官や事務官・技官として活躍することもできます。 ■小学生へのメッセージ スマホだけでなくパソコンを触って、そのメカニズムを勉強してみるのも面白いのではないでしょうか。コンピュータやサイバーに興味があるなら、防衛省が主催するサイバーコンテストに参加して腕だめしをするのもいいと思います。また、キャンプや海外旅行など、リアルな体験も大切です。やりたいことを見つけるために、いろいろなことに挑戦してみてください。探求心を持って勉強し、プログラミングや英語に挑戦するのも良いですね。 小学生新聞2024年9月15日発刊号 日本大学4年 鈴木準希 <INFOMATION> ■自衛隊メタバース基地 2024年6月3日オープン。自衛官の生活空間や戦車、護衛艦、戦闘機の操縦体験など楽しいコンテンツが盛りだくさん。「宿舎エリア」「港エリア」「訓練エリア」「講堂エリア」の4つのエリアで普段はなかなか知ることができない自衛隊の生活を体験できます。 https://cluster.mu/w/7eb4a518-8fa1-4592-a816-e3c771648b27 ■陸上自衛隊広報センター「りっくんランド」 ワクワク!ドキドキがとまらない!見て触れて体感して「体験型ミュージアム」陸上自衛隊の組織・編成、任務・役割、活動状況を学べ、戦車などの大型装備品をはじめとした各種装備品を間近で見ることができます。フライトシミュレータの操作やVRゴーグルを装着しながら戦車・水陸両用車などの疑似乗車体験ができます。 https://www.mod.go.jp/gsdf/eae/prcenter/ ■自衛隊音楽祭まつり 自衛隊音楽まつりは、毎年11月中旬ごろに実施する自衛隊の音楽イベントです。陸海空自衛隊の音楽隊はもちろん、ゲストバンドとして海外の軍楽隊が出演することもあります。楽器による演奏に加え、自衛太鼓による迫力満点の演舞もあります。皆様のお越しをお待ちしています。 https://www.mod.go.jp/gsdf/event/marching_festival/index.html 取材協力:防衛省・自衛隊 自衛隊サイバー防衛隊

参院議員

文部科学大臣 衆議院議員 盛山正仁

課題解決のために――こどもの未来をつなぐ教育改革 文部科学大臣 衆議院議員 盛山正仁(もりやままさひと) ■プロフィール1953年生まれ。東京大学法学部卒業。神戸大学大学院法学研究科修了。同大学院経営学研究科修了。博士(法学)、博士(商学)。1977年旧運輸省入省。2005年に第44回衆議院議員総選挙初当選(現在5期目)。教育における情報通信(ICT)の利活用促進を目指す議員連盟・幹事長も務める。2023年9月に第23代文部科学大臣に就任。座右の銘は一期一会。 文部科学大臣として教育、科学、スポーツ、文化・芸術という広範囲にわたる職務に全力で取り組む盛山大臣。大臣の目指す改革とは何か。教員現場が抱える課題に真摯に向き合い、解決策を探る。教育改革から働き方改革、ロケット開発まで、幅広い課題について大臣にお話を伺った。 私は幼い頃から公的な仕事に憧れを抱いていました。小学生や中学生のときは医者になりたいと思っていたのですが、高校生になると政治家や公務員になりたいと思うようになりました。医学よりも政治学のほうが自分に合っているのではないかと考えたのです。ただ、将来は「人の役に立つ仕事」をしたいという根本的なところは、医者になりたいと思っていた小学生のころからとあまり変わっていないように思います。実際に政治や法律について学んでみると、自分が想像していたものとの差異を感じ、苦労することはもちろんありました。そのような状況の中でも公務員や政治家になりたいという思いは変わらず、大学卒業後は公務員となり、役所に入りました。そして28年5ヵ月もの間、役人として運輸省や国土交通省などで業務をこなしていたのですが、51歳になったころに、学生時代からの夢であった政治家になるためにはそろそろ行動に移す時がきたのではないかと考え、役所を退職しました。これを機に政治家への道を歩き始めたのです。 ■教育について考える 文部科学省が所轄する分野としては、大きく分けて教育、科学、スポーツ、文化・芸術の4つの分野があります。これまで環境省や厚生労働委員長などを務めていた私は、教育の分野に大きく携わった経験がありませんでした。唯一、文部科学大臣に就任する以前に携わったことがあると言えば、学校教育のICT化の推進だったと思います。これは小学校1年生から6年生までのすべての児童にタブレットを支給するというものです。これによって、教員が児童に一方的に教える授業スタイルから、タブレットを用いて児童一人ひとりに寄り添った授業を行うスタイルに変化し、より質の高い教育が提供されるようになったと考えています。しかし、教育に関しては他にもいくつか課題が残っています。 ■教育現場が抱える課題 1つ目の課題は、教員の働き方に関してです。彼らの業務は、授業をするだけではなく、授業の準備や事務作業、そして部活動の顧問など多岐にわたります。このことからわかるように、教員の拘束時間は一般企業に比べてとても長いものになっています。また、これだけでなく、学校組織のあり方やモンスターペアレントによる教員の心的被害の増加など、教員の働く環境には多くの課題があり、働き方改革が求められています。2つ目の課題は、子どもたちに関するものです。テクノロジーの発展によって、幼いころからICTを利用することが当たり前になり、彼らの周りにはたくさんの情報が溢れています。簡単に利用できるデバイスが近くにあることは学びの自由を与える一方で、SNSでの批判や非難、不登校のきっかけになるなど多くの問題が発生する原因になっています。この現状に対して文部科学省も看過できないと考えていて、どうアプローチしていくのか議論することが求められています。また、タブレットでの教育を推進していく一方で、子どもたちが実体験を積んで学んでいくことも大切だと考えています。子どもたちからその機会を奪わない仕組みづくりを考えるのも我々の仕事だと思っています。私自身は、学びのベースとしては現実世界にあると思っています。そして、リアルな学びはタブレット学習だけでは補うことができません。実際に、鉛筆やはさみを持ち、手を動かして学び、考えることでやっと補うことができるのだと思います。子どもが健全に育つために、さまざまなことを体験できる環境を創ることは、文部科学省だけではなく、両親や教員をはじめとする子どもと関わるすべての人たちに求められていることだと思います。 ■やりがいと展望について 文部科学省では、教育をはじめとしてパラリンピックからロケット開発まで、幅広い分野の業務を行っています。この広範囲にわたる業務に携わっていくためにはたくさんのことを学ばなくてはならず、大変な面もあります。しかし、たくさんの人が関わり、いろいろなことが求められる仕事だからこそ面白くもあり、私は文部科学大臣という仕事に誇りとやりがいを感じながら業務を推進しています。来年度、私は主に3つのことに注力して取り組んでいきたいと考えています。1つ目は教員の働き方改革です。前述したように、教員の置かれている現状を改善し、職場環境を整えることは、教育の質を高めることにもつながると思います。2つ目は、博士を増やすことです。研究を充実させるためには、研究分野の裾野が広がらないといけません。裾野が広くないと山が大きくならないのと同じことです。博士の数が増えなければ研究成果も上がっていきません。そのためには多くの人が博士になれるような仕組みを整えていきたいと考えています。3つ目は、ロケット開発です。宇宙は遠い存在のように思いますが、実は身近な存在であります。私たちが普段何気なく使っているGPS機能も宇宙衛星によるものです。私たちの生活は、宇宙とは切っても切れない関係にあり、強いつながりがあります。だからこそ日本も自分たちの手でロケットを打ち上げることが必要なのだと思っています。 ■小学生へのメッセージ “好奇心”を大切にしてほしいです。「なぜ、このようなことになるのだろうか」ということを日常生活の中で考えてみたり、不思議に思ったりすることがあたりまえになるような生活をしてみてください。また、何事においても自分の頭でしっかりと考え、目標をたてること。そして目標を達成するために、実際に取り組んでみることが大切です。自分の頭で考えて行動し、自分の未来を勝ち取ってほしいと思います。 小学生新聞2024年9月15日発刊号 国際基督教大学2年 渡邊和花 法政大学4年 鈴木悠介/国際基督教大学2年 渡邊和花/東洋大学2年 越山凛乃/中央大学3年 前田蓮峰

イベント・企業紹介

第8回 全国豆腐品評会

一般社団法人 全国豆腐連合会(本社:東京都台東区上野、会長(代表理事):東田和久)は、全国6ブロックの地区大会予選より選出された「豆腐」の日本一を決める全国豆腐品評会を2024年9月7日(土)に開催しました。 我が国が世界に誇る伝統食品「豆腐」は、サスティナブルで優良な植物性タンパク質摂取源であることに加え、その機能性や汎用性の高さから世界から注目され「TOFU」として定着しています。品評会の様子を取材させていただきました。 ■一般財団法人全国豆腐連合会 会長(代表理事) 東田和久 豆腐品評会は「おいしい豆腐とは何か?」という疑問から始まりました。今回のイベントは8回目の開催で、初回は京都で行われました。私は京都で豆腐を作っていて、京都の豆腐もおいしいけれど、日本各地を旅して食べた豆腐がとても美味しかったことから、全国大会を開いてみようと考えました。日本の食文化において豆腐は欠かせないものであり、国産大豆を使ったおいしい豆腐を広めたいという思いが背景にあります。会場には、たくさんの豆腐が並んでいますが、豆の種類によって味が全く違うことを感じてもらいたいです。そして、手作りの豆腐は、同じ材料や条件でも、作る人によって味が変わる点が魅力です。今回出品されている豆腐は全て、オートメーション化された豆腐とは違い、人が関わって作っている豆腐だからこその、味の深さがあります。 ■一般財団法人全国豆腐連合会 副会長 大石眞太郎 今回のイベントで第8回目となりましたが、年々、参加者が一段と美味しい豆腐を作ろうと奮闘してくださり、豆腐のレベルが上がっています。豆腐のチェーン店を作るのは難しいかもしれませんが、将来的には地域の豆腐屋さんがパン屋さんのように町で利益を出せる形にして、スーパーに頼らなくても成り立つ豆腐屋が増えればいいなと思っています。国産大豆の自給率の低さの問題などもありますが、良い方向に進めるためにも、若い人にもぜひ豆腐のことを知ってほしいと思います。 ■日本豆腐協会 会長 三好兼治 日本の豆腐文化は世界で最も多様化しており、寄せ豆腐、木綿豆腐、絹ごし豆腐、充填豆腐など、見た目は似ていても味や食感が全く異なるんです。お店で並んでいる豆腐を見ただけでは違いが分かりにくいかもしれませんが、実際に食べ比べるとその違いがはっきりと分かると思います。特に若い人たちの中には、豆腐はあまり味がないと思っている人も多いのですが、何もかけずに食べてみると驚くほど味の違いを感じることができるはずです。 【審査方法】 豆腐の「味」、「風味」、「後味」、「食感」、「総合評価」の5項目につき各5点、ただし「好み」のみ1.25倍とし、その合計点にて評価する。 【審査対象】 木綿豆腐部門、絹ごし豆腐部門、寄せ・おぼろ豆腐部門、充填豆腐部門の4部門。大豆、(水)以外の原材料および豆腐用凝固剤以外の添加物を使用していないもの。 ■感想 ~取材を終えて~ この取材に参加するまで、豆腐は食感こそ異なれど味に大きな違いはないと思っていました。実際に食べ比べをしてみると、豆腐の食感や味、色味までもがそれぞれ全く異なっていて驚きました。生産者の方々の豆腐に対する熱い思いも伝わり、豆腐という食材の奥深さを改めて感じました。審査員一人一人の豆腐に対する愛情を取材を通じて実感しました。これからも全国豆腐品評会が長く続き、豆腐に興味を持つ若者が増えてくれたら嬉しく思います。       学生新聞オンライン2024年9月7日取材 城西国際大学1年 渡部優理絵 法政大学4年 島田大輝 / 城西国際大学1年 渡部優理絵

イベント・企業紹介

「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2024」受賞セレモニー

世界を変革する未来のイノベーターの発掘を目的に、30歳未満の30人を選出する「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2024」。その受賞者発表セレモニーが8月26日、東京・渋谷ストリームホールにて開催された。 「30 UNDER 30」は、『Forbes』US版にて2011年にスタート。世界を変革する未来のイノベーターの発掘を目的に、毎年若き変革者を選出してきた。第7回目となる今回は、80人以上のアドバイザーから候補者の推薦などの協力を得て、最終的に編集部にて30人を選出。アドバイザリーボードには、青井浩(丸井グループ代表執行役員CEO)、南場智子(デライト・ベンチャーズ・マネージングパートナー/ディー・エヌ・エー代表取締役会長)などの日本を代表する経営者が参加。また、きゃりーぱみゅぱみゅ、川谷絵音といった国内外で活躍するビッグアーティストや、世界中にファンを抱えるイラストレーター/アニメーターの米山舞など各界の実務家・有識者らもアドバイザリーボードとして参加した。 ■「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2024」Audi 特別賞(ENTERTAINMENT賞) 俳優 今田美桜 特別賞をいただけるとは思いもせず、大人になったような気分です。皆様に注目していただけていると思うと、大変嬉しい限りですね。周囲からはたくさん刺激を受け、今があると思っています。同じ芸能界であったり、地元の友人であったり、それぞれが活躍している様子を見て自分も頑張ろうと思えます。憧れの先輩方を見て、自分も後悔せず20代を終えられるように、目の前のことを一生懸命に取り組んでいきたいと思っています。そして、自分も刺激を与える存在になれるよう、一瞬一瞬を大切にしたいです。来年の朝ドラ「あんぱん」では主演を務めるので、皆様に観ていただけると嬉しいです。朝ドラの舞台である高知県にはよく行くので、車でゆっくりドライブしてみたいですね。 ■シンガーソングライター・a子(えーこ) 私はこれまで自分の信じる道を突き進み、周囲の支えを得ながら、様々なチャレンジを続けてきました。特に、今回の受賞は自分一人の力ではなく、多くの人々のサポートがあってこそだと感じています。仲間たちと共に新しいプロジェクトを立ち上げ、未来に向けた取り組みを進めている中で、こうした評価をいただけたことが大きな励みになります。私は常に、何か新しいことに挑戦することを大切にしてきました。これからも自分の信念を持ち続け、チームと共にさらなる高みを目指し、新しい価値を創造していきたいと思います。特に、社会に貢献できるプロジェクトに取り組むことで、私たちが次の世代にどんな影響を与えるかを考えながら、これからも努力を続けていきます。皆様の期待に応えられるよう、一層精進してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ■俳優 穂志もえか これまで、トモダチや周囲の人との繋がりや出会いを大切にしてきました。血がつながっていなくても、家族のように私のことを考えてくれている人たちがいて、彼らに支えられてきました。活動の原動力は、ねことお味噌汁です。家に帰ってねこを見ると頑張らなきゃなと思いますし、お味噌汁を飲むと体調も整って気持ちがシャキッとします。私は世界を変えようとか何かを切り開いていこうという強い目的意識を持って生きていません。どちらかというと流されるままに生きています。ただ、世の中にある風潮とかに縛られず1人1人が自分らしく生きていける世の中であってほしいと願っています。今回、この賞をいただけたということは、私のようなマイペースな生き方が認められた瞬間でもあると思うので、意味のあることだと考えています。これを励みにこれからの人生、活動を頑張りたいです。 ■特殊メイクアーティスト 快歩 幼い頃から、何かを想像したり、作ったりすることがとても好きでした。そのような私にとって、“特殊メイク”は自分の空想の世界を形にすることができる魔法のようなものなのでした。特殊メイクというものは、複雑な工程が多く、一人では作り上げることが難しいです。だからこそ、アトリエメンバーの存在は私にとって、必要不可欠な存在だと思っています。また、どんなときでも私を支え、好きなことをやらせてくれた両親にもとても感謝しています。 私は、今まで自分が好きなことややりたいことを追求し続けてきました。そうする中での私の原動力となっているのは、“想像できない不思議な世界をつくる”という想いです。誰もがみたことないような作品を作ることは、私にとってとても面白いことです。今後も“特殊メイク”を通じて、世界中の人々にワクワクを届けていきたいと思っています。 ■株式会社FinT 代表取締役 大槻祐依 Forbes JAPAN 30 UNDER 30はもとより知っていたので、今回賞をいただけて大変嬉しく思います。私は早稲田大学在学中に、SNSを使ったマーケティング事業を行う会社「FinT」を立ち上げました。社員は100名で、若者の活躍の場を広げたいという思いから、平均年齢は26歳と若いです。起業して8年目になりますが、若者の変化に対する対応力が強みであることは変わらず、毎年新しい景色を見させてもらっていますね。それは、やはり仲間の支えがあるからです。それぞれの強みを生かして「日本を前向きにする」ことを原動力に、日本初のグローバル企業を目指しています。最近、若者は未来に希望を持てなくなっているような気がします。日系企業の世界展開のお手伝いをすることで、日本の良さを海外に発信していくことが目標です。学生の皆さんには、ぜひ好きなことややりたいこと見つけて、とにかくたくさん試してみることをおすすめしたいですね。 ■令和ロマン 髙比良くるま お客様の支えがあって、今回の賞に繋がったと思っています。仕事上、家族や友人と過ごす時間よりも、お客様との時間の方が長いので、もしかしたら家族や友人よりもお客様の方が本当の自分を知っているかもしれません。お笑い芸人という職業は、お客様がいてはじめて成り立つので、いつも支えられています。私の原動力となっているのは大谷翔平さんです。彼とは同い年なんですよ。どんなに仕事で手応えを感じても、次の日に大谷さんがホームランを打っているのを見ると、「まだまだ自分も頑張らないと」と思います。まだ大谷さんを超えることを諦めていません。そして今、全国の小学校にボールを配ろうと思っているんです。彼が全国の小学校にグローブを配っていたでしょう?でも、グローブだけでは野球ができないことに、彼は天然だからまだ気づいていないんです(笑)。 ■受賞セレモニーを取材した感想受賞された皆さんは人生100年時代と言われる現代社会において30に満たないご年齢で世界を変えるイノベーターとして活躍されている方々でした。受賞者の方々が総じて仰っていたことは、学生時代はとにかく自分の楽しいと思えることを探すことです。何がしたいのか分からない時は、とにかく好きなことをしてみることで進むべき道がわかると教えてくださいました。私自身、将来のやりたいことは既に決まっていたのですが、これを機にたくさんチャレンジすることで今までとはまた違った将来が見えると強く感じさせられました。大妻中野高等学校3年 加藤眞優花 学生新聞オンライン2024年8月26日取材:中央大学3年 前田蓮峰/上智大学3年 白坂日葵/上智大学3年 池濱百花/国際基督教大学2年 渡邊和花/津田塾大学2年 石松果林/大妻中野高等学校3年 加藤眞優花

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株式会社ヤマダホームズ 代表取締役兼社長執行役員 清村浩一 

チャンスに恵まれないことがあっても、絶対に心を腐らせてはいけない 株式会社ヤマダホームズ 代表取締役兼社長執行役員 清村浩一 (きよむらこういち) ■プロフィール1964年福岡県生まれ。1982年ベスト電器入社、執行役員経営企画部長 兼 社長室長を務めたのち、2018年株式会社ヤマダ電機に転籍。経営企画室経営戦略室長を務め、株式会社ヤマダホールディングス執行役員経営企画室長 兼 サステナビリティ推進室長を経て、2023年9月より株式会社ヤマダホームズ代表取締役 兼 社長執行役員に就任。 「くらしまるごと」をコンセプトに掲げ、住まいに関する様々なサービスを展開しているヤマダホールディングス。暮らしの大部分を占める住宅の販売に力を入れ、EV車や家庭用蓄電池、太陽光パネルによるエネルギーの自給自足を実現できるサスティナブルな住宅を生み出し続ける、ヤマダホームズの清村浩一社長に話を伺った。 ■入社当初は「偉くなりたい」という想いはなかった 高校時代、身体がとても丈夫でしたので、皆勤で出席していました。毎日休まずに通えたことは、私の唯一の自慢です。高校卒業後は、「ベスト電器」という家電量販店に入社し、家電製品を販売する販売員として働いていました。当時は新聞配達など中学生も働けた時代でした。家が経済的に苦しかったので自分が生きるために様々なアルバイトを経験したことで、大人の立ち振る舞いが自然と身についていたのでしょう。入社後の対面接客は、すんなりとこなしていました。今思うと私にとって接客業は天職だと感じています。学生時代の私は、社長になるなんて思ってもいませんでした。将来の展望で「偉くなろう」とか「お金持ちになろう」とはあまり考えておらず、ベスト電器で家電製品を売ることで、家電製品を通じてお客様に喜んでいただき、その成果が給料に反映されることにやりがいを感じていました。「人の上に立ちたい」とか「偉くなりたい」という欲はありませんでしたが、今振り返ってみて、誠実に働いていれば機会が与えられるんだなと、43年間経過したいま実感しています。 ■予想していなかった会社人生設計に社長という大役 2015年にベスト電器が経営危機に陥り、ヤマダホールディングス(当時:ヤマダ電機)に助けてもらい、グループ傘下に入りました。会社の歴史は、ヤマダホールディングスのほうが浅いのですが、規模や売上利益、資本は圧倒的にヤマダホールディングスが大きかったですね。グループ傘下後、5年ほどはベスト電器に残って仕事をしていましたが、6年前に自ら手を上げ、ヤマダに異動が出来ないか交渉しました。ヤマダに入社後は財務部に配属され、その後、経営戦略室長、経営企画室長といった役割を5年半ほど務めました。ちょうど60歳を迎えようとするタイミングで、山田会長より「ヤマダホームズの社長に就いてくれ」とお声がけいただきました。家電量販業界に長く携わっていたので、当然住宅のことなど知らないことが多いのですが、社長という役職に就くことは一生涯にあるかないかの大変貴重なことなので、自分の歴史を刻むためにも引き受けました。当時、山田会長が大勢いる従業員の中から私に声をかけてくださった理由はご本人しか知り得ませんが、山田会長の隣で3年ほど一緒に仕事をしていた経験があるので、「あいつだったら体力もあってヤマダホームズの再建に貢献してくれるのでは」と思ってくださったのではないでしょうか。 ■YAMADAスマートハウスで、お客様のニーズにより柔軟に対応 ヤマダホームズの住宅は、他社と比べ付加価値が高い住宅を販売しているという歴史があり、耐震性や気密性、断熱性、快適性、こういった強みを我々は既に持っています。住宅は人生で一番高い買い物です。ご予算やプラン、建物性能などお客様一人ひとりに合わせたニーズに対して真摯に向き合い、ご提案できるかどうかが、お客様満足につながる鍵ですね。お客様にもひとりひとり違った様々なニーズがあり、将来のプランやご要望、ご事情などは、実際に接してみないとわかりません。それらに応じて、最適な提案ができるように、いつも心がけています。最近ではEV車(電気自動車)の取り扱いも始め、住宅とワンセットにしたYAMADAスマートハウスを販売開始しました。太陽光パネルにより創られた電気を家で使い、余った電気はEV車に貯めていただけます。そうすることで昼夜問わず常に再生可能エネルギーでまかなうことができるため、環境にも優しく、かつ、災害時に停電した際にもEV車に貯めた電力を使用できるため、2~3日は生活ができます。また、家具などのインテリア製品を含めてセットで販売することで、お客様のニーズに合わせてより柔軟な提案ができるようになりました。 ■今後目指すのは、1年間で5000棟の住宅を建てること 現在、ヤマダホームズは年間3000棟ほどの住宅を建てていますが、今後は1年間で5000棟の住宅を建てられるように会社を成長させていきたいです。ヤマダホームズはそのポテンシャルを持ち合わせています。1年で5000棟の住宅を建てることができれば、ようやくハウスメーカーとして一人前の会社になれると思いますので、今後の目標としてぜひ邁進していきたいですね。 ■どんな苦境におかれても、絶対に心を腐らせるな 私は2023年9月16日に「ヤマダホームズ」の社長に就任しましたが、現在1800人の部下がいます。就任して部下の皆に伝えていることがあります。「仕事をするうえで辛いこともあるし、誰にも認められなくて自分を卑下してしまうことや、あるいは自分の置かれた立場を嘆くこともあるだろう。立ち止まる時があるかもしれないが、そういった時に絶対心を腐らせるな」と。確かにチャンスに恵まれない時もあるかもしれませんが、決して自分の心を腐らせずに、今、目の前にあることを確実にこなしていけば、必ず誰かがあなたの実力を見つけてくれます。あなたを見つけてもらうチャンスは訪れるので、絶対に腐ってはいけません。そのことを念頭において毎日仕事をしてください、と伝えています。このことは全て私の経験から得た言葉です。 ■学生へのメッセージ 未来の日本をつくるのは皆さんです。それを忘れずに、これから社会人になって、人として道を外さずに、毎日頑張って生きてください。それを実践すれば、自ずと結果がついてきます。社会に出れば困難なことや異なる考え方を持つ人にも出会いますが、それに怯むことなく自信をもって取り組んでください。未来の礎を作ってきたのが僕たちや先輩の世代なので、これからは皆さんの時代です。明るく元気に頑張ってください。 学生新聞オンライン2024年5月23日取材 京都芸術大学1年 猪本玲菜 高崎経済大学4年 髙橋邑弥 / 京都芸術大学1年 猪本玲菜 / 慶應義塾大学3年 塚紗里依 / 津田塾大学2年 石松果林 / 武蔵野大学4年 西山流生

コラム

テリー伊藤 コラムVol.31 大谷選手「50本塁打&50盗塁」に思いを馳せ

ドジャース大谷翔平(30)が2024年8月23日のレイズ戦で日本人初のサヨナラグランドスラムを放ち、メジャー史上最速で「40本塁打&40盗塁」を達成した。試合後、MVPコールの合唱が響き渡る中でのヒーローインタビューで大谷は「最後に打てて良かった。ドジャースに来てから一番の思い出になっていると思います。」と格別な瞬間に酔いしれた。スタンド総立ちのファンを見つめながら「今日は最後僕は打ちましたけど、そこまでのチャンスを作ってくれる作業が必要なので。そういう人たちのお陰で今日打てたのは自信になりますし、自分の役割を先ずはしっかりやりたい。」何処までも謙虚なのだ。余韻に浸るわけでもなく試合後20分でスタジアムを後にした。大谷は既に明日を見つめている。 今シーズン際立って盗塁の数が増えている。過去最高は2021年の26個、今シーズンは何処まで増やせるのか。隙あらば次の塁を狙う塁上の大谷は、まるで獲物を狙う豹のようだ。プレー中一瞬たりとも気を抜かない。これって本当に凄いこと。日本のプロ野球を見ると、ホームランバッターにはその役割があって、走りは走塁のスペシャリストに任せる傾向がある。オフのトレーニングも、ホームランを打つための肉体作りに専念する。チーム、監督はホームランバッターに怪我をされては困るので盗塁の指示を出さない。これは高校野球、大学野球でも同じではないか。ましてエースで4番なら尚更。それが野球の常識だと思っていたのに、大谷が覆してくれた。 「現役メジャーリーグで最もレジェンドな選手は誰か」の最強論争になると必ず2人の名前が出てくる。先ずはニューヨーク・ヤンキース、アーロン・ジャッジ選手。今シーズン2度目の60本塁打に挑む球史に残るスーパースターだ。ジャッジ選手のホームランを打つ能力、外野手としての守備能力、ランナーを刺す矢のような確実な返球は、メジャーリーグの過去を探しても例を見ない。もう1人はもちろん大谷選手。今シーズンはリハビリのため投手としては出場していないが、その実績には目を見張る。かつて投打で活躍した選手と言えば、最初にアメリカ野球殿堂入りした伝説のベーブ・ルースしかいない。大谷選手の優位な点は走塁ではないか。打って、投げて、走って、野球選手としてそれがどんなに凄い事かは大谷が立証している。「どちらが偉大な選手なのか?」はメジャーリーグファンにとって最もホットな話題では。しかし論争の結論は未だ決める段階ではないかも知れない。楽しみは後にして、今は大谷の「50&50」の達成を応援しないと! テリー伊藤(演出家) 1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ」LALALA USAでコラム連載中https://lalalausa.com/archives/category/column/terry

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株式会社エキスパート 代表取締役 七里信一

誰よりも早く行動するからこそ、勝負に勝てる 株式会社エキスパート 代表取締役 七里信一(しちりしんいち) ■プロフィール株式会社エキスパート 代表取締役社長。東京都生まれ。高校卒業後に自衛隊に入隊後、看板会社で大工を経験した。その後、独立して内装業を営んだが、会社のサイトを作成したことをきっかけにインターネットのコンサルタントにシフトチェンジをした。現在では、6500人以上の生徒が在籍している生成AIの学校「飛翔」で学長を務めている。 自衛隊、大工、内装屋など、多様な経歴をもつ七里信一氏。現在、彼は生成AIエンジニア養成学校「飛翔」にて学長を務め、生成AIプロンプト研究所を運営しており、日本の生成AI業界のトップを走っている。今回は、そんな彼に生成AI事業を始めるまでの経緯、これからの時代に必要なことや大学生へのメッセージを伺った。 小さい頃は、親が飲食店・手芸ショップ・生地屋などの店舗経営をしていたため、お店の手伝いをよくしていました。中学校の頃には、親の飲食店で店長も任されていましたね。何かを売って、感謝され、その対価としてお金をもらうというビジネスの基礎を、この時期から経験できたのは非常に良かったなと思います。今、独立しているのもこの経験があったからですね。また、小学生の頃からパソコンにはかなり詳しかったです。小学校3年生の頃に父親が最新のパソコンを貰ってきたのが興味を持ったきっかけでした。その後すぐに、自分で本屋にいってプログラミングの入門書を買い、勉強を始めました。気づいた頃には、学校で先生に対してパソコンの使い方を教えていました。そのような幼少期を経て、高校卒業後は自衛隊隊員になり、看板会社に務め大工を経験し、独立して内装屋を営むことになりました。内装屋からインターネットの領域にシフトチェンジしたきっかけは、会社のサイトを作ったことです。内装屋へ独立したのはいいものの、当初は顧客リストもないため仕事がない状態でした。そこで、もともとパソコンの知識があったので会社のHPを作ることにしたんです。2003年当時、インターネットを使えるのはお金持ちだけだったので、会社役員や会長などといった方からの依頼がたくさんきました。多い時には、1日5件も予約が入ることもありました。そして、無事に内装屋の仕事を獲得できたのですが、お偉いさんはあまりインターネットに詳しくなかったので、並行で彼らにインターネットコンサルも行うことにしました。そしたら、めちゃくちゃ儲かることに気づき、2005年ごろには内装屋の仕事をやめてネットコンサル一本に絞りました。現在は生成AI関連のサービスを取り扱う会社の代表をしています。 ■誰よりも早く行動するから、結果が手に入る 生成AIを取り扱っているのは、今一番売れる商品だからです。生成AIが出てきた時は本当に衝撃的でした。初めてChatGPTを叩いた時のことをいまでも鮮明に覚えています。「メルマガを書いてください」というプロンプトを打ち、出力され出した最初の20文字を見た段階で、私はこれを極めるために生まれてきたのだと思いました。その日中に直近数ヶ月の予定を全部キャンセルして、睡眠と会社以外の全ての時間はAIを触ることに費やしました(笑)。私は、実はたくさんの「日本で初めて〇〇した人」という称号を持っているんですよね。今では当たり前になったメルマガに添付ファイルを付けたのも私ですし、日本で初めてコロナ融資コンサルタントをしたのも私ですし、SEO対策が出てきた時もほぼ1番乗りでやりました。先ほどお話しした内装屋さんのサイトを作ったのも、たしか日本で10番目くらいだった気がします。このように私は誰よりも早く新しい領域を開拓するということを大事にしているのですが、これのメリットは、大きく2つあると考えています。1つ目は、周りに知識がないことです。新しい領域というのは自分に高度な専門知識がなくとも、周りがもっと知識がないため比較的簡単にコンサルをすることができるのです。例えば、LINEが流行り出した時に、LINEの本を20冊買ってスライドにまとめコンサルをしたのですが、本の内容をまとめただけなのに非常に喜ばれました。2つ目は、追い風が吹いているということです。新しい領域というのは市場がまだ未成熟で、これからどんどん拡大します。例えば、日本の生成AI市場は、いま大体1000億円規模の市場ですが、今後10年で1兆円規模の市場になると言われています。早いうちから市場のシェアを握っておけば、市場の成長に合わせて勝手に規模や売り上げも伸びていくという寸法です。だからこそ私は、いいものを見つけたら、誰よりも早く学んで教える側に回るということを大事にしているのです。 ■これからの時代を生き抜くためには、複数のことに手を出そう 今後、生成AIによって万人の技術レベルの差が縮まってくると私は考えています。例えば、昔は10〜20年修行してやっと一人前に家を建てられるのが当たり前の世界でした。しかし、いま道具がどんどん発展していて3年くらい修行すれば簡単に家を建てられるようになりました。これと同じことが生成AIでも起こります。ノーコードや画像生成AIなどの発展により、10年以上経験を積んだ人と2,3年経験を積んだ人の技術レベルが同じになってくるのです。結果、ホワイトカラーの仕事が激減したり、価格崩壊が起こったりするでしょうだからこそ、読者の皆さんには、いろいろなことに手を出してみて欲しいです。いまはひとつを特化する時代ではありません。たとえ時間をかけて1つのツールや技能を極めたとしても、技術革新によって代替される可能性が高いためです。だから、一気に3つくらいのことを、本気で取り組むことを持って欲しいです。 ■大学生へのメッセージ 大学生に伝えたいこととしては、2つあります。1つ目は、とにかく誰よりも早く行動して欲しいということです。これに関しては今回の記事を通して伝わっていたら嬉しいです。 2つ目は、年配の人に好かれましょうということです。自分で言うのもなんですが、自分はかなり年配の方に好かれるタイプです。そんな僕が考える彼らから好かれるためのポイントは4つです。1つ目は、当然のこととして礼儀正しいこと。2つ目は、お礼をきちんとすること。僕は人と会う時は、どれだけ昔のことでも必ず感謝するということを大事にしています。3つ目は大袈裟に喜ぶこと。4つ目は、その人が喜ぶことを褒めること。特に、その人が自慢したいことや褒められたいことを引き出せるキラークエスチョンを投げかけると良いです。若いのだから、年配の方の力を借りていろいろ挑戦してみてください。 学生新聞オンライン2024年6月22日取材 法政大学4年 鈴木悠介 武蔵野大学4年 西山流生 / 昭和女子大学3年 竜澤亜依 / 国際基督教大学3年 中村悠琳 / 国際基督教大学2年 丸山実友 / 京都芸術大学1年 猪本玲菜 / 専修大学3年 増田音生 / N高等学校2年  石川輝 / 上智大学3年 網江ひなた / 國學院大學2年 寺西詩音 / 早稲田大学3年 湯浅克巳 / 法政大学4年 鈴木悠介 / 東洋学園大学4年 石原秀真

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株式会社アズパートナーズ 代表取締役社長 兼CEO 植村健志

「企業風土」を残しつつ、テクノロジーで介護を変える 株式会社アズパートナーズ 代表取締役社長 兼CEO 植村健志(うえむらけんじ) ■プロフィール早稲田大学卒業。上場デベロッパーにて共同住宅開発に従事。東証一部上場企業の常務取締役を経て、2004年にアズパートナーズを創業し、代表取締役に就任。首都圏を中心に、介護付きホーム(介護付有料老人ホーム/一般型特定施設入居者生活介護)と在宅介護事業であるデイサービス等の運営を行う。一般社団法人 全国介護付きホーム協会 副代表理事も務める。 首都圏を中心に介護付きホーム「アズハイム」を運営している株式会社アズパートナーズ。現在、介護付きホームの数は27箇所にまで拡大し、ご入居者からも高い支持を得ている。その最大の魅力は、現場を支えるテクノロジーだという。代表取締役社長の植村健志氏に創業から経営、社員の働き方、会社の今後の方向性について話を伺った。 幼少期から野球一筋の生活を送っていたので、大学に入ったら何か別のことを始めたいという想いがありました。そこで、大学入学後に調理師の免許を取り、4年間和食屋で板前として厨房に立ち続けました。その一方、大学ではスキーツアーやイベントを企画するサークルを立ち上げ、スポンサーをつけて利益を上げたりもしました。この時の体験が、今の経営の基礎となったのかもしれません。 ■いい仲間と楽しく仕事ができる会社に 大学を卒業してからは、新卒で入社した会社で約10年間働きました。その後、一度転職をして考えたのは「会社は企業風土が大事」だということ。そして、30代後半になると「自分自身で企業風土を作るために、起業したい」という思いが強く湧いてきました。その時に、どんなビジネスが良いかを考えた結果、思い至ったのが「高齢者の住宅」です。世の中は少子高齢化が進んでいて、高齢者がどんどん増えています。そこで、それまで住宅産業で働いていた経験を活かして「高齢者の住宅」を作ろうと考えました。これが、会社創業のきっかけです。「良い企業風土を作る」という想いで創業したため、創業から20年間大切にしているのは「いい仲間といい仕事をする」ということです。そして、周囲の方々から「アズパートナーズの人って良いよね」と言っていただけるような会社を目指してきました。最初、この業界に入ったとき、自分が想像していたよりも、実際の介護の職場環境はひどいものだと知り、衝撃を受けました。高齢者はどんどん増えていく中で、職員はみんな疲れており、若者が入ってもすぐに去ってしまう。このままだと大変な事態になるという危機感を、ひしひしと肌身で感じました。だからこそ、この会社は、社員みんなが楽しんで働けるような会社にしようと決めました。 ■業界を震撼させたテクノロジーの導入 もう一つ、この業界に入って気が付いたのは、「この業界は、圧倒的にテクノロジーの導入が遅れている」ということです。私がこの業界に入った当初は、介護の記録が全て手書きで、全てがアナログで管理されていました。人手が足りず、人員を増やせば赤字になってしまう状況で、人が少なくても社員がゆとりを持って働くには、テクノロジーの導入は必須だと考えるようになり、デジタル技術を導入し効率化を進めていこうと決意し、業界に先駆けて積極的に導入していきました。こうした取り組みを魅力に感じ、多くの若い人材が集まってくれたおかげで、今は新卒社員が中心となって現場が回るようになりました。 ■生産性向上につながった「EGAO link®(エガオリンク)」 数あるデジタル機器の中でも、私たちが評価されたのは、2017年にスタートした「EGAO link®」です。これは、当社が主体となって考案したもので、各種メーカー様の機器をリンク(つなぎ合わせ)させることで、スタッフの業務負荷の軽減および情報の一元化を目的に開発しました。このシステムは、ご入居者のベッド上での状態把握や、呼吸や心拍、介護の記録などを全てスマートフォン一台で管理できるようにまとめたものです。よって、スマートフォンを見るだけで、各居室のご入居者が今どのような状況かがわかります。従来の介護付きホームでは、記録、見守りセンサー、ナースコールなどは全て別々の会社の商品をそれぞれの機器ごとに管理していたのですが、このシステムの開発によって、業界で初めて全ての機能をまとめて、効率的にスマートフォンで管理ができるようになりました。導入には1事業所あたり2,000万円から3,000万円ほどのコストがかかるため、当初は迷いもありました。しかし、デジタル化を進めたことで効率の良い人員配置が可能になり、生産性も向上しました。各ホームで総労働時間の大幅な短縮を実現することができたため、コストダウンだけでなく、お客様に向き合う時間を増やすことができたのです。かつて夜勤に3人の配置が必要だった60室規模のホームでも、導入後は2人で回るようになりましたし、長い目でみれば決して高い投資ではありません。 ■介護の世界でより発信力のある存在になる 我々には、様々なお客様がいます。だからこそ、社員にも色々な人がいて良いと思っています。特定のタイプや性格を設定する必要ありません。勉強ができる人、音楽が得意な人、スポーツが得意な人、様々な人たちが活躍できる会社でありたいと考えています。また「業界を変えたい」「制度設計をやりたい」「広報をやりたい」など、それぞれ仕事に想いを持って望める方に入っていただきたいですね。そして何よりも、うちの企業風土に共感してくれる方に入社いただきたいです。楽しんで仕事をするためには、仕事に想いを持つことが不可欠です。自分の仕事にどんな意味があるのかを考えなければいけません。もちろんどんな想いを持つかは自由なので、一人ひとりに耳を傾けつつ、その中で会社として何ができるのかを考えなければならないと感じています。どのようなサービスや制度があれば、社員やお客様が喜んでくれるのかをしっかりと意識したいですね。これからは、この会社をもっと若い人たちが活躍できる場にしていきたいと考えています。そして企業風土、文化を残していきたいです。若い人たちが中心となってこの介護の業界を盛り上げて、変える。テクノロジーをこの業界に浸透させるためには、我々がもっと発信力を持つ会社にならなければならないと感じています。また、介護の会社でありながら、介護のDXサポート事業やAIケアプランなど、他社とも協力しながら色々と取り組んでいきたいです。テクノロジーや人材、サービスをどんどんこの業界に発信しながら、新しいことに挑戦できるこの環境下で、いまだかつてないような事業もスタートさせたいですね。 ■大学生へのメッセージ 若い人達は何かにチャレンジして、なおかつそれを楽しんでほしいです。チャレンジはハードルが高いと感じ、失敗を恐れて躊躇してしまうかもしれません。ただ、私は経営をしてきて、「チャレンジは楽しい」ということを30年かけて知りました。そして学生さんが何かチャレンジするときのリスクは、ほとんどリスクではないと思うことができます。「チャレンジは楽しい」ということを頭に入れておくと、就活でも何でも色々楽しくなっていきますよ。 学生新聞オンライン2024年5月17日取材 国際基督教大学2年 若生真衣 中央大学4年 松島鈴音/国際基督教大学2年 若生真衣/津田塾大学3年 小川蘭

コラム

テリー伊藤 コラムVol.30 徳利(とっくり)がタートルネック

パンケーキを食べながらこんな事考えていた。これって昔ホットケーキって言っていたよね。最初の2年間くらいそれに気がつかず別の食べ物だと思っていた。冷静に見るとホットケーキは上にバター、パンケーキはゴージャスに生クリーム、フルーツ、生チョコレート等が乗っている。これって新装開店のお店が、店内の調度品を豪華にして値段設定を高くしている感じ。氷いちごもストロベリーフラッペに変身し女性に大人気。芸能人にもいます、改名して心機一転デビュー。スパゲティもいつの間にやらパスタになり、代官山のイタリア料理店ではスパゲティは死語になりつつ。ミルクコーヒーはカフェオレになって気取ってワンランクアップ。 食べ物ばかりじゃない。背広もいつのまにかスーツに。スラックスもファション雑誌ではトラウザーになっていた。ももひきがスパッツからレギンスに2段階出世。ジーパンはジーンズからデニムへの転身。とっくりのセーターはタートルネックに。 街を見渡すと食堂街がフードコートに。下町築地育ちの私にとって余りの変身ぶりに、先日行った横浜のモールのフードコートではどうやって食券を買っていいやら、オーダーの仕方にも戸惑うばかり。外国人観光客のことをいつからかインバウンドという。最近の円安傾向で喜んでいる外国人目当てに、調子に乗って高額で料金設定しているインバウンド価格のお店が増えてきたのには困ったもんだ。 夏になると毎年ニュースになった日射病も熱中症に改名。かつては仕事をしない連中をプータローと呼んでいたが今やニートとなって、なにやら意味ありげ。仕事しなくても正義がある感じになっているのが不思議なのだ。TV特番でよくやっていた「宇宙から謎の円盤がやって来た」も「未確認物体UFO現る」とカッコ良くなる。おそらくNASAなどの宇宙船を見て、いくらなんでも宇宙の果てからくるのに円盤型はないだろうと感じたのでは。話を続けよう。「あいつ助平な男」と言っていたのが「エッチな男」に、助平とエッチは別物のような感じがするがその議論は別の機会に。AV女優も知らない間にセクシー女優に。私個人としてはセクシー女優のほうがそそられるが…。 言語って面白い。名前ひとつでまさに心機一転するが、考えてみるとイメージチェンジの為に日本語が外国語に変わっただけでは。これはまずい。日本の言葉を盛り上げ成長させていく方が痛快なはず。外国映画でKARAOKE、SUSHIって日本語が出てくると嬉しくなる。とっくりのセーターはお酒を入れる徳利が語源。こんな素敵な言葉、死語にしたくない。と言いながら私は生クリーム大盛りのパンケーキ食べてます。 テリー伊藤(演出家) 1949年、東京築地出身。早稲田実業中等部、高等部を経て日本大学経済学部を卒業。2023年3月、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。テレビ番組制作会社IVSテレビに入社し、「天才たけしの元気が出るテレビ」「ねるとん紅鯨団」などのバラエティ番組を手がける。その後独立し、テレビ東京「浅草橋ヤング洋品店」など数々のテレビ番組の企画・総合演出を手掛ける。著書「お笑い北朝鮮」がベストセラーとなり、その後、テリー伊藤としてメディアに多数出演。演出業のほか、プロデューサー、タレント、コメンテーターとしてマルチに活躍している。YouTubeチャンネル「テリー伊藤のお笑いバックドロップ」LALALA USAでコラム連載中https://lalalausa.com/archives/category/column/terry

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株式会社物語コーポレーション 代表取締役社長 加藤央之

「なりたい自分」を描くことが、自分の人生を豊かにするはじまり 株式会社物語コーポレーション 代表取締役社長 加藤央之(かとうひさゆき) ■プロフィール1986年愛知県生まれ。神奈川大学卒業後、物語コーポレーションに新卒入社。 店舗勤務からお好み焼事業部事業部長、業態開発本部本部長、副社長などを経て2020年9月に代表取締役社長に就任。経営理念推進・サステナビリティおよびマーケティング領域を管掌。 焼肉きんぐや丸源ラーメン、寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵など、多くの業態で成功を収めている物語コーポレーション。国内外の店舗数は700店舗を超える。今回は、そんな物語コーポレーションの代表取締役社長である加藤央之氏に、学生時代の話や物語コーポレーションの強み、大学生へのメッセージなどをお伺いした。 私が将来について真剣に考えるようになったきっかけは、就活の面接でした。「あなたのなりたい自分はどんな自分ですか」と聞かれ、答えられなかったのです。その面接があった夜、ファミレスに行き自分のなりたい将来像について初めて真剣に考えました。何日も考えた結果、自分はダサい大人にはなりたくない、すなわち、「かっこいい大人」になりたいのだと気づくことができました。その後、「かっこいい大人」をブレイクダウンし、ロールモデルについて考えてみると、高校時代にバイトをしていたうどん屋さんの店長に行きつきました。私が彼のことをかっこいいと思った理由は、大きく2つあります。1つ目は、彼の人間力です。誰に対してもちゃんと自分の思ったことを口に出し、実行していた彼は、自分の中に芯があり非常に活き活きとしているように見えました。2つ目は、彼のプロフェッショナル性です。彼は1人で独立してうどん屋さんを運営していたのですが、仕事に対する真摯な姿勢に惹かれました。そんな彼が独立前に働いていた会社こそ、この物語コーポレーションなのです。就職説明会に参加して経営理念である「Smile & Sexy」を知った時、彼は独立後もこの理念に従って生きていたからかっこいいのだと感じました。最終的に、この会社でなら自分は人間力とプロフェッショナル性を磨き、芯のあるかっこいい大人になれると思い、入社を決めました。入社当初は、実は10年くらいこの会社で学んだのちに独立しようと思っていたのですが、今は社長をやっています。理由は2つあります。1つ目は、よりプロフェッショナルなことに挑戦できるからです。当然のことですが、多店舗展開を狙わず1店舗を繁盛させるのと、100店舗の出店を見据えた最初の1店舗を繁盛させるのだと難易度が違います。1店舗だったら技術がある料理人を雇うことや、実地調査でその地域に供給が足りていない店を出店することで勝つことができるかもしれない。しかし、100店舗だとどこに出店しても差別化できるということを考えなければいけません。自分はフードビジネスのプロとしてどちらにチャレンジしたいかという観点で、独立よりも物語コーポレーションでやっていくことを選びました。2つ目は、シンプルにみんなと働くことが楽しいからです。自分にとって会社の仲間はすごく大事であり、心温まる仲間です。彼らと一緒にこれからも働きたいなと思い、独立よりも物語コーポレーションを選びました。 ■理念と人財こそが強み 物語コーポレーションの強みは理念と人財です。飲食業界はすでに成熟しきっているマーケットであり、明確な差別化を生み出すことは非常に難しいです。だからこそ、小さな差別化を積み重ねていかなければなりません。例えば、接客の質や仕入れルートの改善による値段の見直しなど、些細なことでも実践し、お客さまから選ばれるお店になることが大切です。そして、このような小さな差別化を生むのは、結局人なのです。ここで指す人の定義を表しているのが、弊社の経営理念である「Smile & Sexy」です。Sexyとは自分の考えややりたいことを、誰に対しても臆せず正々堂々と発信しようという意味が込められています。しかし、いくら積極的に発信したとしても、その人自身が感じの悪い人であれば、周りからの協力を得られずやりたいことを実現することは難しいでしょう。一方、Smileには笑顔に象徴される人間力を磨き、応援される人になろうという意味が込められています。このように自己表現の姿勢(Sexy)と応援される人間力(Smile)を両立した人を目指すという理念に共感した人財が、弊社には集まっています。また、この理念や一人ひとりの自己実現を後押しするために、社内ではさまざまな工夫をしています。例えば、新入社員ではなく幹部候補生、中途社員ではなくキャリア社員と呼ぶことにより、少しでも発言をしやすい環境づくりを行っています。他にも、月に一回「なんでも提案実行委員会」という新メニューの提案やオペレーションの改善案、人事制度への意見など、大小問わず店舗から意見を吸い上げる制度もあります。ここで挙がった意見は、幹部陣が精査して実行可否を決め、もしやらないものが出た場合にも全て理由付きで返答を行なっています。このように理念に共感し、自己表現する姿勢がある人財が多いからこそ、たくさんの発信から議論が生まれ、深まり、弊社は焼肉やラーメンなど業態に縛られずに、お客さまに選んでもらえるお店でいられるのだと思っています。 ■今後の展望 今後の展望として、「成長戦略3本柱」を掲げています。1つ目は、選ばれるブランドづくり(NO.1戦略)です。国内市場はすでに成熟し、今後縮小していきます。だからこそ、お客様に選ばれるお店になりシェア率を上げていければなりません。そのために、今後も小さな差別化を重ねていきます。2つ目は、成長を加速させる新業態開発です。一般的に、フードビジネスの会社が大きくなる時というのは、1つのヒットフォーマットが生まれた時だと考えています。最初のヒットフォーマットというのは、再現性のないひらめきから生まれたものだったりすることもあるので、この成功要因を自分たちの知見としてため、他のブランドにもどんどん拡大していきたいです。新たな業態はすぐに開発することはできないので、調子のよいブランドがあるうちに新業態開発に取り組み、未来の成長エンジンを今からつくっておく必要があります。ちなみに、3年前に初出店した「焼きたてのかるび」は、未来の成長ドライバーになれると期待をしています。3つ目は、海外事業の展開加速です。日本の人口は減っていますが、世界の人口は増え続けています。例えば、インドネシアの平均年齢は29歳で、人口も増え続けています。このように今後伸びていく市場に身を置くことが重要だと考えています。他にも、北米や東南アジアの諸国にも展開を進めていきたいと考えています ■大学生へのメッセージ 一度きりの人生、ぜひ自分らしく生きてください。1日24時間のうち、8時間が睡眠、8時間がプライベート、8時間が仕事だとした時に、多くの人はプライベートを充実させようとします。一方で、仕事はお金を稼ぐための手段であり、耐える時間だと思っている人が多いのではないでしょうか?でも、もし、その仕事すら楽しめれば人生を2倍楽しむことができます。そのために大事なことは、何事も自分自身の意見を持つことです。自分がいいと思うものは何なのか?自分だったらどうするのか?ということを考え、勇気を持って発信してみてください。物事を自分ごと化して、目標とする結果を追い求めていく。そこから生まれる「自分らしく生きているという充実感」が、自分の人生をより豊かにし、誇りを持つことにつながるのです。 学生新聞オンライン2024年6月25日取材 法政大学4年 鈴木悠介 法政大学4年 鈴木悠介 / 慶應義塾大学3年 山本彩央里

大野詩織

歌手 ・俳優 阿部顕嵐

不安な未来を楽しむか、悩むか。人生はその違いで大きく変わる 歌手 ・俳優 阿部顕嵐 (あべあらん) ■プロフィール1997年8月30日生まれ、東京都出身。俳優としての活動を中心に、映画、ドラマ、舞台と幅広い作品に参加。また、「7ORDER」のボーカルとしての音楽活動や、自身のオリジナル映像やグッズの企画プロデュースなど、活動は多岐にわたる。 中学1年生から芸能活動を始め、舞台やドラマ、映画など俳優として活躍し、音楽活動では「7ORDER」のメンバーである阿部顕嵐さん。前向きでブレない姿勢が印象的な阿部さんに、仕事をする上で心がけていることや今後の展望、前向きでいられる秘訣などを伺った。 ■活動していたからこそ、勉強に力を注いだ学生時代 僕が中学1年生だった2010年に、母が事務所に履歴書を送ったことがきっかけでこの業界に入りました。小さい頃は野球が大好きだったので、芸能界に興味はありませんでした。当時はスマートフォンが発売されたばかりの頃で、「これを買ってあげるから行ってほしい」とお願いされ、オーディションに行きましたね。結局スマートフォンは買ってもらえなかったのですが(笑)。元々勉強が好きな方で、活動しているからこそ勉強もしなくてはいけないなという思いが強くなり、より勉強をするようになりました。この活動をしていなかったら、奔放に遊んでいたかもしれないです。小さな頃から通っていた塾に加え、予備校にも通い、学校と活動と両立していました。学生時代から、勉強と活動といった二足の草鞋を履いている感覚がありますね。大学へ行くのは親孝行からだったのですが、勉強ができるとカッコいいという想いで頑張っていました。表彰や成績上位の掲示など、やった分だけ目に見えて結果が出たことが学生時代の自信に繋がりました。 ■すべての経験は、いずれ繋がって活きてくる 音楽もお芝居もダンスも、すべてが繋がっていると感じます。それぞれにリズムや流れがあるので、繋がりが見えてきますね。たとえば、お芝居の仕事で相手とやり取りをする場面では、相手を感じて返すことが大切です。その呼吸はダンスや音楽のセッションと似ていて、両者にも活きているのかなと思っています。演技は勉強に近いと思う部分もあります。作品一つひとつのシーンには、「こう見せたい」という目的がありますよね。どこが大事なのか理解した上で、ゴールから逆算して自分がどうアプローチするかを常に考えています。ただ、全部覚えても必要ないこともあるので、いらないことは省いて、効率よく作品にアプローチするようにしています。趣味として映画を観る時も、その映画のテーマを考えながら見ることが楽しいです。中学1年生から芸能界に入りましたが、今思えば、いろいろな大人と遭遇し、まるで社会人1年目のようでした。僕はありがたいことに環境に恵まれていたので、とんとん拍子でここまでこられたのですが、常にライバルがいる厳しい世界で戦ってきた経験は、いろんな意味で現在に活きていると思います。 印象的な作品は16~17歳の時に初主演したドラマ『近キョリ恋愛~Season Zero~』ですね。主演をとして真ん中に立つのは簡単なことではないので、仕事に対してより一層の責任感を持つようになりました。勉強もかねて演技メソッドの本を読むこともありますが、お芝居については実際に経験することが一番の勉強だなと思います。常に学び続ける姿勢を大事にしていて、「自分は上手い」と思わず、常にビギナーズマインドで取り組んでいます。これは僕の好きな禅の考え方でもあります。真っさらな状態で挑むことで、新しい知識をスポンジのように吸収でき、上達に繋がるのではないかと思います。去年出演した舞台『ラビットホール』は現実的なお芝居をもっとしたいなと思うきっかけになりました。共演者の方や演出家さん、スタッフさんなど全員が刺激的で、純粋に楽しかったですね。悔しいことも楽しいこともありますが、もっと前向きになろうと思えた作品でした。7ORDERとして活動し始めて、人のありがたみをより感じました。CDのシーリングスタンプを一つずつ自分たちでやって梱包したことも、直接は見えない相手だけど支えてくれている人たちを感じられたよい経験だったなと思います。 ■自分らしく前向きに 僕は多方面で様々な活動をしていますが、「どこに行っても自分は自分だ」という気持ちが軸にあります。場所によって求められることは違いますが、素直な気持ちで取り組み、自分がわくわくできて、自分らしくいられることを重視しています。この仕事のやりがいであり、僕自身の生きがいは、自分たちが良いと思うことを協力して作り上げて発信し、いろいろな人に反応してもらえること。いいものを作ろうという一心で集まれるのも素敵だし、それが形として残るのも良いなと思っています。僕は常に前向きなのですが、10代の頃は一喜一憂することも多く、落ち込むこともありました。その経験があったからこそ今は「考えていても仕方がない」という考えに行きつきました。常に前が見えない中で歩き続けているような人生を、楽しくとらえるか、悩んでしまうか。僕の場合は前者のタイプで、どちらを選ぶかで人生の方向性が大きく変わると思っています。あと、体を動かすなど、自分がリラックスできるものを見つけることも大事だと思います。「これをしたら気持ちが前向きになる」という瞬間を増やすことがおすすめです。 ■今後の活動拠点として「世界」を見据える これからは、より俳優活動に力を入れていきたいと思っています。興味があるものは何でも挑戦してみたい。特に、古典的なドラマが好きなので、大河ドラマなどの時代劇に出たい思いがあります。尊敬する俳優は真田広之さんなのですが、ハリウッドと日本のチームが手掛ける『SHOGUN 将軍』のように、国内外の作品にも挑戦したいです。海外で活動の場を得ることができたら、日本の文化を世界に発信していきたいですね。 ■大学生へのメッセージ 自分が興味のあるものは、すぐに行動してほしいなと思います。僕自身も意識しています。思い立った時にすぐ動かないとその後タイミングを逃してしまうので、「明日ではなく今日やろう」と先延ばしにしないように心がけています。20歳の時に一人旅でアメリカを周ったのですが、良い意味で怖いもの知らずだった学生時代の経験は、今に深く活きています。「何に価値を見いだすか」という自分のものさしを大切に、先のことはあまり考えすぎず、今を全力で生きていきたいです。 学生新聞オンライン取材2024年3月15日 上智大学短期大学部2年 大野詩織 立花朱音/上智大学短期大学部2年 大野詩織/中央大学2年 前田蓮峰/駒澤大学4年 本多杏衣/國學院大學1年 寺西詩音