株式会社バイク王&カンパニー 代表取締役CEO 澤 篤史
バイクを、もっと身近に。もっと永く。

株式会社バイク王&カンパニー 代表取締役CEO 澤 篤史(さわ あつし)
■プロフィール
1998年9月に(株)アイケイコーポレーション(現:(株)バイク王&カンパニー)に入社。1999年7月に営業部長に就任。その後、経営企画室長、経営管理室長、社長室長、企画本部長、マーケティング戦略部門長などを歴任。2017年にバイクライフプランニング事業部担当執行役員、2021年に取締役執行役員、バイクライフプランニング事業部管掌、2024年に代表取締役CEOに就任。
バイクを中心に、中古モビリティの買取・整備・販売・レンタルまで幅広く事業を展開する、株式会社バイク王&カンパニー。澤CEOにバイク王の魅力や今後の展望について掘り下げていく中で感じたのは、「このビジネスを通じてバイクに長く乗り続けてもらいたい」という澤CEOの熱い思いであった。
■バイク業界をもっと良くしたいという思いから、この業界へ
私の家族や親戚はみなバイクに乗る家系で、私自身も昔からバイクに乗ることが大好きでした。バイクは乗用車とは違って、雨風や四季の匂いを直接感じることができます。そうした感覚を味わえるところが、バイクの大きな魅力だと思っています。
高校卒業後は、1年ほどホテル業界で働いていました。その当時のバイク業界は、常連のお客様やバイクに詳しい方にとってはとても魅力的な場所である一方で、免許を取り立ての方や初めてお店に来る方にとっては、少し敷居が高く感じられる面もあったと思います。
バイクが好きだった私自身も、「もっと多くの方が気軽にバイクに触れ、楽しめる業界にできるのではないか」と感じていました。自分がバイク業界に入り、この業界をより良くすることに少しでも貢献できるのであれば、自分の中でも大きな価値を見出せるのではないか。そう考えたことが、バイク業界へ入るきっかけになりました。
その中で、弊社の創業者の1人である加藤義博さんが当時経営していた会社の面接を受けた際に、加藤さんの考えと私の考えが非常にリンクしたんです。それが入社を決める大きな理由になりました。その会社が、現在のバイク王&カンパニーです。
■入社してからのミッション
入社した当時、私にとって最大のミッションは、全国各地に店舗を展開していくことでした。京都、大阪、名古屋、福岡、関東では川崎や八王子など、本当に全国各地を飛び回っていました。なかなか家に帰れない日もありましたが、それだけ店舗展開には力を入れて取り組んでいました。
また、当時の創業者には、会社を株式上場させたいという大きな目標がありました。その頃の会社は、営業部門には非常に力を入れていた一方で、経理財務や人事、総務といった管理部門の体制は、まだ十分に整っていませんでした。
そこで私は、株式上場という目標を実現するために、営業から経営企画へと移りました。店舗展開も上場準備も、共通していたのは、世の中の方々から一定程度認めてもらえる会社にしていくということです。
もちろん、株式上場を進めていく過程では、従来の考え方や仕組みを見直す必要もありました。変革の過程では、戸惑いや葛藤もありましたし、決して簡単な道のりではありませんでした。
それでも、会社をより良くしていくため、そしてバイク業界をもっと良くしていくためには、必要な改革だったと考えています。だからこそ、これまで突き進んでこられたのだと思います。
■バイクを軸に、買取から販売・レンタルまで展開
弊社では、モビリティ、特にバイクを中心にビジネスを展開しています。具体的には、お客様からのバイクの買取に加え、買い取ったバイクの整備、販売、レンタルまで、幅広く取り扱っています。
バイク業界では一般的に、バイク屋さんがオークションに出品されたバイクを落札して仕入れることが多いです。一方でバイク王では、買取を通じてお客様から直接バイクをお譲りいただくことができます。これは、当社の大きな強みの一つです。
お客様から直接お譲りいただくことで、車両の状態や背景を把握しやすくなります。そのため、より安心してご提案できる車両を取り扱いやすいという特徴があります。
お客様に買取先としてバイク王を選んでいただける理由の一つは、お客様が「面倒くさい」と感じる部分を、私たちが一手に引き受けてきたことにあると思っています。
何かを買うときは、多くの場合、嬉しいイベントになります。一方で、売るときには手続きなどが面倒に感じられることもあります。そこで私たちは、出張買取などをはじめ、お客様の負担となる手続きや面倒事を引き受けることで、私たちの価値をつくってきました。
また、お客様とは、買って終わり、売って終わりの関係ではなく、アフターサービスも含めて長期的な関係を築いていきたいと考えています。そこには、私自身の「お客様にバイクに長く乗り続けてもらいたい」という思いがあります。
今年7月より始めた特定小型原付の通販サイト「トクテコ」においても、モビリティ通販の弱点であるサポート体制の不安を、弊社のアフターサービスの質で補い、お客様に長く安心して利用していただけるよう取り組んでいます。
■バイク業界のこれからについて
バイク業界は、人口減少や高齢化の影響を受ける一方で、一律に縮小している市場ではないと考えています。確かに、原付一種を中心とした実用需要には減少傾向が見られます。しかし、日本自動車工業会の統計によると、原付二種以上、つまり51cc以上の保有台数は増加しています。また、ツーリングや趣味性の高いバイクライフへの関心も、根強く残っています。
さらに、若年層、女性、リターンライダー、まだバイクを保有していない方など、接点の作り方次第で新たな需要を生み出せる層も存在します。つまり、バイク市場は悲観すべき市場ではなく、まだ多くの人に価値を届けられる市場だと思っています。
まだバイクに触れていない方、久しぶりに乗りたいと考えている方、これから興味を持つ可能性のある方は多くいます。だからこそ、さらなる飛躍を遂げるためには、バイク業界自体がより高いホスピタリティを持ち、ユーザーに寄り添っていくことが必要です。
そうすることで、バイク業界全体をより良い方向へ導いていくことができると思っています。
また、市場を成長させる上では、業界全体で連携していくことも大切です。サービスの質をより良くしていくためには、競合他社と足を引っ張り合うのではなく、互いに協力し合いながら、お客様を支えていくことが必要だと考えています。
国内だけでなく、海外に向けた事業展開も視野に入れています。海外には、日本とは異なる形でバイク市場が成長している地域もあります。そうした市場に対して、バイク王としてどのように価値を提供していくか、現在模索している段階です。
■学生へのメッセージ
学生の皆さんには、自分の中で「やりたい」と思うことを、少しずつで良いので可視化していってほしいと思います。これは、「どんな大人になりたいか」と考えても良いと思います。
そして、そのやりたいことや、なりたい自分に近づくために、どのようなことに取り組んでいけば良いのかを考え、進路を決めていくことが大切です。
可視化するためには、考えることを諦めないことが大事です。自分と向き合い、考え続けた経験は、社会に出てから働くモチベーションにもつながっていくと思います。
学生新聞オンライン2026年8月26日取材 早稲田大学3年 中澤京平

早稲田大学3年 中澤京平/成城大学2年 小澤実桜/かえつ有明中学校2年 狩野百福


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