株式会社Z会エデュース 代表取締役社長 高畠 尚弘

生徒と全力で向き合い 改善策の積み重ねが重要!

株式会社Z会エデュース 代表取締役社長
高畠 尚弘(たかばたけ なおひろ)

1970年石川県生まれ。1993年、早稲田大学政治経済学部を卒業して、株式会社Z会に入社。社歴のほとんどを教室事業のさまざまな業務に従事し、2015年の教室事業分社化に伴い、会社設立とともに株式会社Z会エデュース代表取締役社長に就任。株式会社栄光の役員も兼務し、グループ内のさまざまな教室事業にも関わっている。趣味はサッカー観戦(ゴール裏)と野球観戦(外野席)。

目の前にいる生徒と真摯に向き合い、現状に対しての改善策を模索し続ける高畠社長。今の子どもたちに必要なのは「アウトプット」の力であり、これを養う「書く力」が重要なのだという。常に向上心を持ち、新しいことに果敢にチャレンジする高畠社長が目指す教育とは。

学生時代を振り返ってみますと、学問に打ち込むというよりスポーツやアルバイト、課外活動に明け暮れた毎日を送っていました。
大学時代の専攻は政治学でしたが、塾講師をしていたこともあり、教育にはずっと関心があり、いろんなことにチャレンジできる会社に就職したいと考えていました。Z会は、通信教育、教室、出版など多岐にわたる事業を展開していて、選択肢が多くてとても魅力的でした。就職活動を通して、会社の雰囲気がよく、本質的な指導を重視する教育理念も自分にフィットしているなと感じていました。
たとえば、大手の競合塾はたくさん宿題を出し、週に何回も授業があります。一方、Z会では、1題1題をしっかり考えさせて定着させていく教育方針なので、効率よく学び、成績を伸ばしていくことができます。また、生徒は自主的な学習姿勢を身につけられますので、週に1~2回の通学で力をつけることができます。

これから必要なのはアウトプット力

他社との差別化において重要なのは、やはり「一人ひとりをしっかり見る」ところです。これからの社会では子どもが必要とされる能力は「書く力」だと考えています。インプットさせるだけではなく、「アウトプット」させることが重要であり、これに必要なのが書く力だと考えています。今の子どもは、学校の国語の授業でノートを縦に書くということを教わっていないのでは? と担当授業で感じることがあるぐらい、書くことに対しての意識が低いことに懸念を抱いています。Z会の教室では、もともとが通信教育の会社ということもあり、一人ひとりの答案に時間をかけて添削しています。そのため、どの塾よりも赤ペンを使っているという自負があります。生徒には「ここに理由を入れよう」、「具体例を書いてみよう」など、正しいか正しくないかではなく、どうすれば相手に正確に伝えることができるようになるかを意識させるような指導をしています。
 私は「目の前の生徒に全力で向き合うこと」で教育を通した社会貢献が可能になると考えています。よりよい教育を目の前の生徒にどれだけ提供できるかが大事ですね。そしてその結果、社会で活躍する人を増やしていきたいと考えています。だからこそ手のかかる添削にこだわっていますし、先生方にもその姿勢を求めます。彼らの成績を伸ばすことも重要ですが、「社会の中核を担う人材に必要な知性・感性を育む」ことがもっと大切なことであり、Z会の教室は、そこにブレない信念を持っています。また生徒を増やすことは大事ですが、辞めずに続けてもらえるかも重要です。生徒の継続率も評価基準にしています。なぜなら生徒の継続率は、塾として十分なサービス提供が出来ているかどうか、顧客の満足度を測る指標になってきて、塾への長期的な信用につながるからです。

より良い教育を追求しチャレンジし続ける

今後はもっといろんな街に「Z会の教室」を作っていきたいです。そのためには、理念に共感してくれる人、仲間を増やしていきたいです。また常に現場感は大事にしていたいですね。より良い教育を追求していくために新しいことにチャレンジし続けたいと思っています。教える喜びを持ち続けるため、また、実際に生徒に接することでさまざまな新しいアイデアを得られるように、現在も中学受験の授業を週1回、担当をしています。そして、来年はどんな新しいことをしようかと常に意識をしています。10年後というすごく離れた未来を考えるだけではなく、目の前のことで改善できることはないかを常に考えています。教育は人間を相手にする仕事なので、今どうするかという積み重ねが、最終的には将来に繋がり、重要になってくると思っています。
目の前の生徒が社会で必要とされるスキルを身につけ、人間的に成長できるようにサポートをしていく。そして、将来、社会で活躍している教え子が自分のことを覚えていてくれることが一番の喜びです。単純に偏差値をあげる手助けをするのではなく、社会の中核を担う人材に必要な知性・感性を育むことが私たちの使命だと思っています。指導で心がけていることはとにかくほめること、ほめてから注意するようにしています。ほめられたことが自信に繋がり信頼に繋がります。親御さんたちにもお子様の成長を実感していただけると嬉しいですね。

*message*

大学生は、時間があることが最大のポイントだと思うので、それを上手に活用して、さまざまなことにチャレンジして欲しいです。小・中・高・大学とどんどん学年が上がっていくうちに、同質の仲間と付き合うことが多くなっていきます。似たような思考の人ばかりと付き合っても視野は広がりません。アルバイトや旅行などを通して、新鮮な出会いを増やしてほしいですね。井の中の蛙になるのではなく、異なる仲間に出会うことが人間的に成長するために重要だと思います。

学生新聞2020年4月20日号より(慶應義塾大学2年 原田栞奈)

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