株式会社テラスカイ 代表取締役社長 佐藤 秀哉

自分が納得いくまで悩む。その先の人生にはよいものがある。

株式会社テラスカイ 代表取締役社長
佐藤 秀哉(さとう ひでや)

プロフィール

佐藤 秀哉(さとう ひでや)
東京理科大学卒業後、日本IBMに入社。13年間営業職の経験を積んだのちに、株式会社セールスフォース・ドットコムの日本法人立ち上げに携わる。執行役員営業統括本部長として、日本市場を開拓する。
その後、子どものころからの夢を叶えるため2006年に株式会社テラスカイを起業。テラスカイは、創業12年目となる2018年に東京証券取引所一部に上場した。

クラウド業界の最先端をひた走るテラスカイの佐藤社長に、学生時代の過ごし方、現在に至るまでの仕事への向き合い方と仕事に対する想いを伺った。/em>

■学生時代は塾講師のアルバイトに専念


学生時代は塾講師のアルバイトをたくさんしていました。ありがたいことに私の授業を受けたいという生徒さんが多くおり、おかげで夏休みの期間中は結構な金額のアルバイト代を稼いでいました。この塾講師経験では、プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力が磨かれました。講師として前に立ちつつ、相手の立場になって対話をし、理解を深めてもらう。ここでの技術は、社会人になってから大変役に立ちました。

■逆境の中での働き方

学校卒業後はアメリカのコンピュータ関連企業IBMの日本法人、日本IBMに就職しました。エンジニアとして大学時代は学んできましたが、中小企業を対象とする営業職としてスタートしています。若手社員のうちから、一企業の社長に多額の投資を必要とするシステムの提案をする仕事は、会社経営をする方の本音が聞ける良い勉強の機会でした。

大量採用時代の入社組でしたので、IBMでは同期生が1,800人もいました。そのような中で、「自分で頑張るしかない」と覚悟を持ち、先輩社員を捕まえては「教えてください!」と頭を下げ、自分なりに工夫を重ねて、毎日仕事を教えてもらいました。自分一人だけの力では、営業が成り立ちませんので、社内の人たちにどうやったら協力してもらえるかということを工夫しながら、仕事を取り、実績を作っていきました。

■社長になる、という夢

母が会社経営をしていた影響で、小さいころから社長になるという夢を私はもっていました。初めはIBMで社長になろうという気合を持っておりましたが、自分の入社5年前後の社員は1万人以上います。その中から一人しか社長にはなれない。非常に優秀な同僚を見て、客観的にこの中で社長になるのは厳しいと判断し、起業の道を考えていました。
そんな折、セールスフォース・ドットコムの日本法人立ち上げメンバーとして声をかけていただきました。経営の勉強をしようと、最初の転職をしました。
セールスフォース・ドットコムは、今は世界的に有名な企業ですが、その当時は無名に近いです。ましてやクラウドに大事な情報を保存したり、日々の業務で使うといったことに不安がる人が多く、苦労しました。しかし、IT業界は、日本よりアメリカが先行しています。アメリカでの事例や市場の動きを見て、必ず日本でも普及するという自信がありました。マーケティングやPRにも力を入れ、市場を開拓していきました。

2006年に、クラウド専業のシステムインテグレーターとして、テラスカイを起業しました。「クラウドインテグレーター」として、日本初の会社です。Salesforceやクラウドシステムをより活用していただくために、私たちが持つ技術と知識で、お客様企業のシステム活用とビジネス成長を支援しています。

■クラウドのリーディングカンパニーでありつづけるために

「情報をいち早くキャッチする」、クラウドのリーディングカンパニーの社長として、大事にしていることです。これまで鍛えた感性を稼働させ、積極的に人と会い、新聞などから新しい情報をつかみ、その活用機会を探ります。信頼を寄せていただいているお客様にご迷惑をかけるわけにはいきません。チャレンジ精神だけではダメです。信頼性と安定性を兼ね備えながら、新しいものを取り入れて提案・実行していかなくてはならないのは、かなり難しいです。チャレンジできるかどうか、受け入れてくださるお客様や実行する社員などと密にコミュニケーションを取りながら、新しい技術を取り入れるべきか判断しています。

■ともに働く人に求めること

プロフェッショナル意識の高い人と働きたいです。私たちの主戦場であるIT業界、クラウド業界は毎日新しいものが出てくるため、勉強を重ねて追い続けなければいけません。そんな勉強を喜んで、楽しんでやれるような人が、テラスカイの社員には多くいます。また、勉強するだけでなく発信することで情報が集まってきますから、勉強と発信の両方を楽しめる方と同じベクトルをもって、働きたいですね。

■大学生に向けてメッセージをお願いします

大学時代と入社後にも言えることですが、何事も愚直に一生懸命にやることが大事です。嫌なことがあっても、納得がいくまでやってほしいです。悪い面が明確になることも、大きな勉強になります。悩みを突き詰めた結果、自分で自信をもって取った行動の結果は、絶対によくなります。

学生新聞WEB2020年11月24日取材

  津田塾大学 3年 川浪亜紀

日本大学 3年 辻内海成  / 津田塾大学 3年 川浪亜紀

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