アララ株式会社 代表取締役社長 岩井 陽介

時代の先を読み、新しいコンテンツを作り続ける!

アララ株式会社 代表取締役社長 
岩井 陽介 いわい ようすけ

■プロフィール

1998年に株式会社サイバードを創業し、専務取締役に就任。モバイルコンテンツのサービス企画全般、モバイルコマース事業、海外事業に携わる。2000年に上場。その後、海外で普及していたギフトカードに着目し、2006年に株式会社レピカ(現アララ株式会社)を設立、代表取締役社長に就任。キャッシュレスサービス事業、メッセージングサービス事業を中心としたSaaS型B2B2Cビジネスを展開。昨年11月に東証マザーズに上場。

小さい頃から社長になりたいと思っていたという岩井社長。学生時代から積極的に社会と関わることでビジネスセンスを磨き、常に時代の最先端を意識して行動してきたという。
その経歴をたどると、困難な状況にもフレキシブルに対応し、新しいサービスを生み出し続ける貪欲な姿勢があった。

商売人が多い大阪で生まれ育ち、幼いころから成功者の伝記を読むことが好きで、将来は漠然と社長になりたいと思っていました。父親に連れられ食事に行くたびに、この店の売上はいくらだ、と質問されるので、お店に入ると売上を計算する変なクセが今でも変わりません。(笑)

■アクティブに行動していた学生時代

大学では入学してすぐ、イベントサークルに入って1年生の頃からパーティー券を売ったり、自分でイベントを主催したりしていました。当時は大学生をターゲットにしたマーケティングがブームで、友人達と学生企業を始め、リサーチやフリーペーパーの発行、人材派遣等様々な事業をしていました。バブル真っ盛りの時代で、稼いだお金も毎晩遊びに行ってすぐになくなってしまいましたが(笑)。
4年生になって就職をするか、このまま事業を続けるか悩みましたが、当時は超売り手市場で周りも楽しそうに就活をしていたので、私も就職の道を選びました。社員の平均年齢が25才以下で、若手が活躍している環境に惹かれ、当時のリクルートコスモスに入社しました。
広報室に配属されたのですが、ちょうどリクルート事件の真っ最中だったので、事件のことで毎日電話がかかってきて大変でしたね。

■時代の先を読み行動し続ける

バブル崩壊後リクルートコスモスの不良物件と共に当時のリクルートビルマネジメントに転籍になり、その後先輩に誘われて、大阪のマーケティング会社に移りました。ちょうどその頃インターネットが出始めて、もともとパソコン通信に興味があったこともあり、何かインターネットに関連する事業がやりたいと思い始めました。電子専門学校に通う友人から情報収集をしたり、学生時代に一緒に事業をやっていた友人とインターネットの勉強会をしたりして、そのまま28才の時にパラダイスウェブという会社を立ち上げました。そこでは、“Hello”という自分のマイページを作ることができるサイトを運営していたのですが、会員が5000人を超えてきたくらいからサーバーが動かなくなってしまい、泣く泣く閉鎖することになりました。

そんな中、世間では携帯電話を持ち始める人が増え、ケータイでもそのうちインターネットができるようになるのではないかと考え、ケータイ向けサービスの企画を始めました。
NTTドコモがiモードを始めるという情報を聞きつけたので、iモード向けのサービスを始めようと、1998年にパラダイスウェブを母体にサイバードという会社を作りました。日本で一番最初の携帯コンテンツプロバイダーというポジションでスタートしましたね。

■臨機応変に新しいサービスを生み出し続ける

もともと“Hello”を運営していたこともあり、コミュニケーション系のサービスをもう一度やりたいという思いから、iモードでそれを再現するコンテンツ開発も開始しました。

しかし、NTTの出していたサービスで事件が起きた関係で、そのコンテンツは開発途中で打ち切りになってしまいました。それでも諦めず、今度はPHS版に切り替えてリリースし、ヒット。iモードではサーファー向けの波情報から始まり、着メロ、ゲーム、占いなど、次々にサービスを開発し、2000年の12月に当時最短で上場を果たしました。

その後も、モバイルコマースやメディア連携といったいろいろな事業を立ち上げ、最終的に海外事業にも着手しました。その時、当時日本ではほとんど普及していなかったギフトカードという存在をアメリカで知り、大きな可能性を感じたのがきっかけで、2006年にレピカを立ち上げ、電子マネー事業を始めました。さらにメッセージングサービスやデータセキュリティサービスといった新しい事業をスタートさせ、2010年にはスマホの普及に合わせ、スマホのARアプリを展開する子会社アララを設立しました。2016年にレピカと合併して、現在はアララという社名で全てのサービスを集約して運営しています。

■2度目の上場

時代の流れの中でキャッシュレスの需要が高まり、アララのキャッシュレスサービスも大きく利用者を増やし、創業14年目の2020年にアララは東証マザーズに上場しました。サイバードが上場してから20年目、2度目の上場は本当に時間がかかり、大変でした(笑)。

■アララの強みは製品開発力

「アイディアとテクノロジーで革新的なサービスを提供し、便利で楽しい、みんながハッピーになる社会を創る」という企業理念を掲げ、新しい技術を積極的に取り入れた製品開発に力を入れています。IT自体どんどん進化していくので、開発をやめたらその製品は終わったも同然だと考えています。とにかく技術の進化に対して貪欲にキャッチアップしていくことを大切にしていますね。

■どんな人と働きたいか

創業以来ずっと同じ企業理念でやっているので、それに共感してもらえる人にと働きたいです。あとは、自分の頭で考えて行動できる人です。ぼんやりしていたり、人から言われて動いたりするのではなく、「もっとこうしたらよくなるんじゃないか」と、いろいろなことに疑問を感じ、それを実行に移せる人がいいですね。

■今後の展望

ここ最近はキャッシュレスサービス事業がものすごい勢いで伸びているので、そこをもっと強化していきたいですね。「キャッシュレスのその先へ」というビジョンを掲げて、今後現金を使うことが無くなっていく社会を想像しながら動いています。誰でも使えて、安全安心で、一番身近なキャッシュレスサービスを実現していきたいと思っています。

■message

自分で考えたことを実際に行動に移すということをやり続けてほしいですね。思いついたらすぐ行動。やりたいと思ったときにすぐ動かないと、やりたい気持ちが薄れて、何をしたかったのかわからなくなるので。あとはいろんな刺激を受けるということですね。情報がないと行動に移せないので、アンテナを張り巡らせて、情報をキャッチアップすることも大切にしてほしいです。

学生新聞WEB2021年1月28日取材 国際基督教大学 4年 鈴木菜桜

早稲田大学 3年 原田紘志 / 国際基督教大学 4年 鈴木菜桜

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