株式会社ディー・エヌ・エーゲーム事業本部マーケティング統括部UXブースト部副部長 川口隆史

テクノロジー×クリエイティブで広告効果を最大化

株式会社ディー・エヌ・エーゲーム事業本部マーケティング統括部UXブースト部副部長 川口 隆史(かわぐち たかし)

■プロフィール

2009年に株式会社ディー・エヌ・エーに新卒入社。2012年からマーケティング領域に従事し、アプリマーケティングの立ち上げ、様々なゲーム/エンタメアプリのデジタルマーケティング担当を経て、2016年よりゲーム領域のデジタルマーケティング責任者に。2020年より現職。

ゲームや動画配信などのエンターテイメント事業と、ヘルスケアやオートモーティブなど社会課題を解決する事業を行い、2つの領域で事業を展開しているDeNA。どのようにターゲットにメッセージを伝えし、浸透させていくのか、ゲーム領域のマーケティングのマネージャーである川口さんにデジタルマーケティングについて伺った。

 DeNAのデジタルマーケティングでは集客を目的としたスマートフォンの広告出稿をメインの業務としています。具体的には、アプリの新規ダウンロードを目的に、Face-bookやTwitter、YouTubeなどの大規模メディアの運用広告を活用しています。運用広告では、広告経由のダウンロード数やそこから生み出された売上などの数値をリアルタイムに把握することができるので、効果を見ながらターゲティングや広告クリエイティブを都度調整しながら効果を最大化させていっています。
 デジタルマーケティングの仕事の魅力は、PDCA(plan-do-check-act)サイクルが短く、仮説検証を大量に繰り返せることと、大規模メディアの技術力により広告自体の進化が非常に速いことだと思います。また、媒体社や広告代理店など社外の方と話すことが多く、社外の様々な方と議論しながら仕事ができることも魅力の一つです。

■広告は目的に合わせて使い分け

 デジタルマーケティングとテレビCMなどのマスマーケティングはそれぞれ特徴が違うため、DeNAではどちらも重要視しています。例えば、テレビCMは幅広いターゲットに伝えることができるので、1周年企画などの大規模出稿の際に展開することが多く、デジタルマーケティングはターゲティングを細かくできて少額からでも配信可能なので定常的な施策として利用するなど、デジタルとマスをマーケティング戦略に沿って使い分けています。  
 ただしデジタルマーケティングにおいても、やはりどういった広告クリエイティブを出すか、「いかにユーザーの心を動かすか」といったエモーショナルな部分も大きく効果に影響するので非常に大事にしています。

■「伝わる」方法をきめ細やかに模索する

 広告以外にもLINEアカウントやプッシュ通知などにも多くの工夫を凝らします。伝えたい内容を小さな画像や短い文章でどう適格に表現するか試行錯誤しますし、通知を送るタイミングも議論を重ねます。例えば、スマートフォンの画面に表示される画像領域や文字数を意識して画像やテキストを作り、複数の候補の効果を比較してよりよいものにどんどんブラッシュアップしていきます。
 また、通知タイミングに関しては、通知を見てもらえなければ意味がないので、ユーザーの方の生活を想像して「日中は仕事だから、時以降、でもそのタイミングは各社狙うゴールデンタイムで通知が集中してしまい結果見てもらえないのでは?じゃあ、18時59分にしようか」などと試行錯誤を繰り返すイメージです。

■生き続けるDeNAQuality

 私の就職活動時代、DeNAは若い人にも裁量権があり、いろんなバックグラウンドを持つ人が多く、ここに入ったら楽しく働けそう、成長できそうと感じたので入社を決めたのですが、若い人にも裁量がある組織である理由として、DeNAQualityという行動指針が浸透しているからだと思います。DeNAQualityの一つに、役職にかかわらず、しっかりと自分の考えを示す「発言責任」があります。新入社員だったとしても、相手が先輩や上司であることを理由に遠慮して発言しないことをよしとせず、自身の意見を発信することを求められます。
 このDeNAQualityが、組織の規模が拡大していっても守られてきたことが、現に若い人の裁量権があることに繋がっていると感じています。

■message

 学生時代は学生時代しかできないことをやってほしいと思います。例えば飲食店でアルバイトするとか、いろいろなところに旅行にいくとか。そういった経験が社会人になったあとにユーザー理解という文脈で生きてくることも多いと思います。
 社会人になってからは、どんな仕事でもまずは必死にやってみることをおすすめしたいです。仮に今の自分がやりたいと思っている仕事じゃなかったとしても、そこから得られるスキルは必ずあります。また、必死にやることで自分に向いている仕事や自分のやりたい仕事の解像度があがっていくと思うので、是非そういったマインドで社会人になってもらえると良いな、と思っています。

学生新聞別冊2021年4月号 横浜市立大学3年 小熊結菜

国際基督教大学4年 鈴木菜桜 / 慶應義塾大学1年 伊東美優 / 横浜市立大学3年 小熊結菜

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