株式会社ココナラ 代表取締役社長CEO 鈴木歩

個人が社会と繋がるチャンスを提供する!

株式会社ココナラ 代表取締役社長CEO 鈴木歩 (すずきあゆむ)

■プロフィール

早稲田大学法学部を卒業後、株式会社リクルートに入社し、HR・ブライダル領域での商品企画・営業、アドテク新規事業での事業開発を経験。その後、株式会社リクルートホールディングスにて海外経営企画として、グローバル・ガバナンス・組織体制検討、海外リサーチ、海外グループ会社サポートなどを担当。2016年5月よりココナラに参画。

スキルマッチングプラットフォームで圧倒的な知名度を誇り、今年3月に上場を果たした株式会社ココナラ。代表の鈴木社長は、学生時代からイベントの運営を通して、誰かの将来を後押しするきっかけづくりにやりがいを感じていた。ユーザーの反応を大切に現場の最前線で活躍する姿に迫る。

■イベントの運営に注力していた学生時代

大学は途中からは最低限でしか通わず、イベント運営をメインに活動していました。もともとDJをしていて、1,2年生の頃は音楽サークルを作ったのですが、もう一段階飛躍したいという思いで、イベントを開催するようになりました。音楽イベントだけでは人が集めづらいので、ファッションショーやヘアショーとコラボしながら1000人くらいのお客さんを集客していましたね。

就活の時期になっても、目の前のイベントに夢中だったので、就活をしなくても特に焦りはありませんでした。しかし、周りがだんだんと企業に内定していく姿を見て、一度企業に入ってビジネス感覚をしっかりと身につけた方が良いのではないかと思い直すようになって。最終的には、自主留年をして就活をする道を選びました。大手を中心にいくつか受けたのですが、その中でも人生の選択肢を提供するリクルートは自分の価値観に一番合っていると思い、就職を決めました。学生時代のイベント活動でも、出会いの場を作ることによって誰かのキャリアの後押しができることにやりがいを感じていたので、後にできた「まだ、ここにない、出会い。」に象徴されるように、魅力的な事業を行っている会社だったので迷いはありませんでした。

■ユーザーとの距離感が近く、手触り感のある仕事がしたい

ココナラに転職したのは、丸10年リクルートで働いた後です。当時は、リクルートで海外の経営企画を担当していたんです。ニューヨークと日本を行ったり来たりしながらグローバル・ガバナンスの検討をするなど、刺激的で面白い仕事をさせてもらっていたのですが、ユーザーとの距離が近い事業の中で手触り感のある仕事をまたいつかやりたいなと思っていました。そんな時にちょうど、ユーザーオリエンテッドで自分の価値観に合ったココナラから声をかけていただいたので、初めての転職に踏み切ったんですよね。

■小さな会社から上場企業へ成長

5年前は赤字で、このまま運営していったら1年後にはキャッシュが尽きるかもというスタートアップにはよくある状況でした。プロダクトを作るにしてもエンジニアの数が足りず、当時は無名だったので採用も大変でしたね。最初は個々の能力で成果を上げるプロ集団という感じだったのですが、 “one team for mission”というバリューを掲げて、今ではプロダクトと社員のビジョンが一致して、組織として一体感を持って前進できています。大変だったことも今振り返ると全てが今に繋がっている思い出深い出来事ですね。

マーケットプレイスは、取引が発生して初めてスタートするので、立ち上げ時はマッチングしやすいようにあらゆる変数を減らしてスタートさせました。例えば、場所や時間の変数をなくすためにオンライン上での取引に限定したり、価格もワンコイン一律にして購入時のハードルを下げたりするといった工夫です。その後、段階的に価格帯やカテゴリーを増やしていって、今では40万件のサービスと、270万件のレビュー数があり、価格帯は500円から100万円まで出品可能な大きなプラットフォームにまで成長しました。このレビュー数の多さは、目に見えないサービスに対する信頼と安心に繋がり、ユーザーを引き込む一因にもなっています。

■個人が社会と繋がるチャンスを提供する会社

何かを頑張りたいと思ったときにそのチャンスすらないのは不幸せじゃないですか。必ず成功を約束できるわけではないですが、自分が社会と繋がって頑張りたいと思ったときに、そのバッターボックスに立てる状態をつくりたいという思いがあります。

ココナラはスキル、知識、経験の領域においてホリゾンタルにあらゆるカテゴリーを扱っているという点が一つの強みだと思います。最近ではWEBサイト制作、デザイン、動画制作といったビジネス系のサービスの取引が伸びており、よりビジネス利用の信頼性を担保していく機能開発に力を入れていきたいと考えています。ゆくゆくはサービス版のAmazonとして、“誰かに何かをお願いしたいと思ったときはココナラ”といった信頼あるブランドに成長していきたいですね。

■現場の最前線で行動

自分自身は本来けっこう適当なタイプだと認識しているので、だからこそ仕事上は計画的に行うように意識していて、今後の施策もあらかじめ常に細かく300近くリストアップしたりしています。普段から現場のメンバーともよくコミュニケーションは取っていて、気軽なディスカッションの場などは毎日たくさんあります。仕事をする上での楽しさも、ユーザーとの距離の近さにあります。プロダクトや機能をリリースしたら、良いも悪いも直接フィードバックを貰えるという点にやりがいを感じますね。

■ビジョンに共感し、オープンマインドな人と働きたい

一緒に働くうえで一番大事なのはfor missionであることですね。 “一人ひとりが『自分のストーリー』を生きていく世の中をつくる”というビジョンに共感してくれる人と働きたいです。また、社風から言うと、率直でオープンなコミュニケーションが取れる人ですね。「こういう社会をつくりたい!」というビジョンドリブンで動けるひと、そして本音をその場でしっかり伝えて議論をした上で前へ進める人がいいですね。

■message

学生時代は自分に自信を持つこと、自信を持てるようにアクションを取ることが大切です。100回失敗しても、それは次の成功の糧になると思うので何回でも挑戦して1つでも成功体験を積めると良いですね。社会に出たらイレギュラーな出来事もたくさんありますが、一歩足を踏み出す原動力は経験に基づく根拠のない自信だったりするので、学生時代の頑張りに立ち返って自信を取り戻せるような経験をしておけると良いと思います。

学生新聞オンライン2021年3月31日取材 国際基督教大学 4年 鈴木菜桜


日本女子大学 2 年 神田理苑 / 国際基督教大学 4 年 鈴木菜桜 / 慶応義塾大学 1 年 宮田峻輔 / 慶応義塾大学 1 年 伊東美優

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