「私たちの小さな一歩〜世界中の家庭で笑顔が咲くために〜」

第3回世界環境学生サミットグラプリ受賞者 

慶應義塾大学 1年 鈴木華子(すずきはなこ)

プロフィール

慶應義塾大学法学部法律学科1年生。児童虐待に課題意識を感じ、高校時代に学生団体リトルオレンジを設立し、「専門家と中高生が虐待防止を考えるシンポジウム」を主催。参加者の満足度は100%と、充実した会となった。その後、実践的な保育教育の実現可能性について模索しつつ、活動を継続している。趣味は読書や料理、映画鑑賞。

登壇したきっかけ
 友人が出場したことをきっかけに、自身も登壇を決めました。登壇した理由は主に三つあります。まず第一に、日本の虐待に関わる現状について多くの方々に知っていただきたかったからです。現在、児童相談所の人手不足や虐待を受けている子供が自発的に助けを求めることができない現状があります。また、アメリカでは、アルバイトでベビーシッターが経験できる等、若いうちから子育ての方法を学ぶ仕組みが整っています。しかし、日本では中高生を始めとして、全国民に対しての実践的な保育児童教育が不足しているため、保護者になり、いきなり子育てをしようとしても難しい部分があります。これらの日本の問題を多くの人に伝え、自分のできることから行動に移します。
 次に、自身の目標や、達成するための手順に対し、客観的な意見が欲しかったからです。実際に登壇した結果、日本には実践的な育児教育がないことに関して不安を感じている同年代の意見を得ました。これからも多くの方々に動画を視聴していただきたいです。
 最後に、自分の活動に協力してくださる方を見つけたいからです。その結果、“現状を変えたい”という私の思いに熱く共感してくれた友人や、暖かく応援してくれた運営の方々がいたのでとても励みになりました。

中高生へ実践的児童教育を届けたい
 プレゼンの内容は SDGsの「質の高い教育をみんなに」をテーマに、自身が社会に対して課題意識を抱えている児童虐待の解決策として、中高生を中心に実践的な児童教育を届けるための提案でした。その中で、そもそも虐待がなぜ問題なのか、虐待の根底にある問題は何かなどを、具体的な数字を基にお話させていただきました。
 具体的には、実践的な児童教育として一ヶ月間のプログラムを考えています。そのプログラムは一か月に計4回開催され、育児に関する知識や経験を積むことができます。4回の内容をご紹介すると、1回目は児童相談所の児童心理士さんが子供の心境を教えてくれるプログラム、2回目は実際に子育てをした経験のある保護者の方を講師として招き、大変だったエピソードや、その乗り越え方を教えていただきます。そして、3回目は保育士さんをお呼びして、育児に必要な事前準備や注意事項の確認をし、4回目では実際に保育園へ訪問して子供の面倒を見る機会を提供したいと思っています。全世代、全性別を対象としておりますが、特に中高生や妊娠を公表できない方にもいらっしゃっていただきたいです。というのも、妊娠を公表していれば、ファミリー学級で子育ての仕方を教わりますが、公表していなければ、教わりません。よって、様々な背景を持った多くの方々に開かれた場でありたいです。

活動に関するやりがいや苦労
虐待問題をみんなで一緒に考える機会を作ったことに非常にやりがいを感じました。高校時代に、学生団体リトルオレンジを設立し、「専門家と中高生が虐待防止を考えるシンポジウム」を主催しました。その会では、中高生だけではなく、専門家の意見も交えて虐待問題のどこが問題なのかを探ることができ、中高生からは「詳しく学べて良かった」、専門家からは「中高生の意見や考えが聞けて嬉しかった」という声が上がりました。
 苦労したことは、自分自身に子育ての経験がないため、保護者の気持ちへの寄り添い方を追求したことです。以前、MAKERS UNIVERSITY U-18という、現状に課題意識を感じ、活動を起こす若者の集まりにていただいた、「実体験のない人こそ現状を変えることができる」という言葉に支えられています。それから、「今変えるという決意が重要だ」と思いながら行動しています。

今後の展望
 実践的な保育教育を行い、各地に広げていきたいと考えています。そのために、協力者を見つけ、積極的に活動していきます。
 そして、自分が親になった際、子供が望むことを伸び伸びと行うことを応援したいです。何においてもそうですが、自分の正しさを押し付けないことが一番重要だと考えています。

message
 私は、困難に直面した際には、一度過去から離れ、0から仕切り直すことを心掛けています。そうやって、自分自身が信じていること、望んでいることを考え直すことが大切だと考えています。

学生新聞WEB2021年7月2日取材 早稲田大学3 年 Nang Honey Aung

世界環境学生サミット 統括 山形航汰

 世界環境学生サミットは、中学生〜大学生が7分間のプレゼンテーションを行い、世界へ発信する場です。学生の学生による学生のためのサミットをコンセプトに開催された第1回から第3回を経て、世界6か国。全地方から学生が参加し、のべ65名のエントリーとなりました。

    この世界環境学生サミットは大小関わらず、自分達の取り組みやSDGsへの想いを発信したい学生達のためにどこからでも参加できるオンライン完結の場として開催しております。

    そこで、僕が学生に知って欲しいことは「子供だから」「大人だから」という制限を外して自分のやりたいこと・想いに向けて前に進んで欲しいという想いがあります。

    例えば、インドでは環境活動家リシプリア・カングジャムさんがわずか9歳の内から大人達に環境問題を訴えかけているのです。

    今日本でもSDGsの認知度は高まってきてますが、知るだけではなく行動に移さないと人が住めない環境へと歩むことになりかねません。この熱い想いを持つ学生がまだまだたくさんいることを僕自身感じています。そんな素晴らしい学生達がもっと発信しやすい環境を作っていきますので、共に発信し、かけがえのない仲間を作り、誰ひとり取り残さない世界を築く一歩になって欲しいと思っております。

■運営メンバーの紹介

山路はるかさん
高校3年
https://youtu.be/HE-X1G0bH-k

平井鈴音菜さん
大学2年
https://youtu.be/w8rM2aqBP9E

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