岸井 ゆきの 想いを届けるために自分の熱量を大切にし全員が同じ温度感を持つ

岸井 ゆきの(きしいゆきの)

■プロフィール

1992年生まれ、神奈川県出身。2009年に女優 デビュー 。2017年映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』で映画初主演を務め、第39回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞受賞。 映画、ドラマ、舞台とさまざまな作品に出演。

■映画『やがて海へと届く』で伝えたかったことは何ですか。

私が演じた真奈は、大切な人を突然亡くしたことの現実と上手く付き合えていない。そんな姿がとても切ないと感じました。友情というテ ーマの中で、監督から“壁”を表現したいという話をされました。人には壁があり、わからないという美しさがあるからこそ仲良くなれる。私自身も尊敬する友人にはどこか言及できない部分を感じることがあります。この映画では後ろ姿が印象的なので、そこからも誰かを追いかけているような部分を感じてもらえたらと思います。

■大切にしていることは何ですか?

どんな作品でも自分の熱量を大切にしています。熱量がなければどれだけ良い作品でも人の気持ちを動かすことはできないと思います。監督や役者だけが熱量を持つのではなく、チーム全体が同じ温度感でやれる ことが大切です。今回の映画でも監督とはたくさん話をしましたし、幅広い年代を演じるために、メイクさんなど多くの人に支えてもらいました。誰もが良いものを作りたいと思っています。こうしないといけないというこだわりよりも、熱量を大切にしていけたらと思います。

■大学生へのメッセージをお願いします

やりたいことは全部やってみることです。悩むこともきっと楽しいと思います。また、今まで別れは卒業式のような区切りがあったと思います。しかし、今回の作品で真奈が突然大切な人を失ったように、これからは別れはまるで潮の満ち引きのように突然始まるものになり、人生が枝分かれしていく瞬間にもなると思います。でもどうか怖がらないで進んで行ってください。

取材を終えて

質問に対して一つひとつ丁寧に答えてくださる岸井さんの姿がとても印象的でした。現場の温度感を大切にされているのが言葉の端々から伝わってくるような取材でした。

学生新聞別冊2022 年4月号 津田塾大学4年 川浪亜紀

津田塾大学4年 川浪亜紀 / 明治学院大学4年 小嶋櫻子  撮影:カメラマン 広田成太

『やがて海へと届く』
4月1日(金) TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
配給:ビターズ・エンド
©2022 映画「やがて海へと届く」製作委員会

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