GMOインターネットグループ株式会社 取締役 グループ副社長執行役員・COO グループ代表補佐 グループ人財開発統括 西山裕之

乗り越えられない試練はない。その先に新しい世界がある

GMOインターネットグループ株式会社
取締役 グループ副社長執行役員・COO グループ代表補佐 グループ人財開発統括
西山 裕之(にしやま ひろゆき)

■プロフィール
神戸大学中退後、(株)リョーマを創業し起業家として活動。1999年にグループジョインし、まぐクリック(株)〈現、GMOアドパートナーズ(株)〉を364日(当時の史上最短上場記録)でNASDAQジャパン〈現、JASDAQ〉への上場を果たす。2015年にGMOインターネット(株)〈現、GMOインターネットグループ(株)〉取締役副社長に就任。COOとしてグループ代表補佐および人財開発部門統括を務める。

インターネットインフラを中心に事業展開をしているGMOインターネットグループ株式会社。1995年に創業し、2051年までに売上10兆円、利益1兆円、会社数207社、パートナー(社員)20万人の目標を掲げる。創業期に宣言したこの55ヵ年計画に向かって邁進する西山COOに、自身のキャリアと共に会社の成長戦略を伺った。

大学に入ってしばらく生活をしていたら、就職のためというのか、いわゆるいい会社に入るために大学に来ているような違和感を覚えました。そう思い始めると大学では刺激がなくなり、学校外に活動の場を求めるようになり、合宿免許の斡旋ビジネスを仲間とやり始めました。
このような形で最初は大学に籍を置きながらビジネスを始めたのですが、結局、大学を中退し、事業の道を選びました。その理由は自分自身、学業と事業の二股は中途半端だと感じていたことと、父親に「大学に籍を置きながらいつでも逃げられるような環境でやっていてその業界で戦っているプロに勝てるのか?」と言われたことからです。「大学卒業」というタイトルは自分にとって本当に必要なのかを考え、この決断をしました。

■運命を変えた熊谷代表との出会い

大学を辞めた後は、時代を切り開くような存在になりたいという願いを込めて「株式会社リョーマ」を立ち上げました。しかし、会社は軌道に乗らず、最終的には売却したのですが、このときの仲間は今でもかけがえのない盟友です。
その後、30代になり再び会社を立ち上げ、出版や音楽などのメディアコンテンツを提供する会社を経営している中で、現グループ代表の熊谷と出会い、一緒にやらないかと誘われたのです。熊谷からは「インターネットは革命だよ!革命に参加しなくてどうするの?」と言われました。そのときは自分の会社もあったので正直迷いました。しかし、インターネットが普及したらすごいことになるというワクワク感があり、面白いことができるのではないかと思いました。
それ以来、「すべての人にインターネット」。この理念でずっとやってきています。

■できる人が集まる仕組みをつくる

GMOインターネットグループの魅力を一言で表せばベンチャー企業の集合体であることです。「自分たちが全てをやるのではなく、やれる人が集まれる仕組みをつくる」ことがグループの役割だというのが基本にあります。
なぜそのようなスタイルを取ろうと思うかというと、インターネットサービスは無限大であり、いろいろな方向に広がっていきます。一人で考えられることは限りがあります。それよりも専門家たちが集まる仕組みをつくり、会社を利用してもらう方が成長戦略を描くにははるかに大切だと考えているからです。私たちはこれを「梁山泊経営」といっています。

■No.1&STEAM人財採用 〜新卒年収710万円プログラム〜

「No.1&STEAM人財採用〜新卒年収710万円プログラム〜」を立ち上げたきっかけはコロナ禍です。2011年の震災を契機に、毎年、避難訓練やリモート環境で仕事をする訓練を行ってきました。そのため他に先駆けていち早く全面リモートワークに切り替えられたのですが、実際にやってみるといろいろな問題が出てきました。たとえば捺印です。ハンコを押すために感染の危険を冒して出社しなければなりませんでしたが、私たちには「電子印鑑GMOサイン」というサービスがあります。印鑑廃止の方針から2日後には印鑑を完全廃止しました。これだけでも出社のための時間は削減できますし、捺印作業自体も数秒で終わります。
このように、コロナ禍を機に始まったリモートワークで課題の洗い出しと共に業務の棚卸しを行いました。そして一人ひとりが生産性を高めることで生まれた利益はパートナー(従業員)に還元し、給与をナンバーワンの水準にしていくことを決定しました。
私たちは100年単位で継続する企業グループを目指しています。そのための人財投資に還元することにしたのです。その一環として、STEAM人財と呼ばれる次の世代を支える人財に集まってもらうために立ち上げたのが「No.1&STEAM人財採用〜新卒年収710万円プログラム〜」です。これまでにないイノベーションに対し、まずやってみよう! と自ら動く行動力を持つ皆さんに、ぜひ挑戦していただきたいと思います。

*message*

今の時代、昔よりも仕事が増えて「生きていくのに困らない時代」になっています。そこで大切なのは「怖がらず自分に自信を持って勝負できるかどうか」だと思います。新しいことに挑戦してみた結果うまくいかなかったとしても、必ず別の方向に道は開けるものです。
GMOイズムのスピリットベンチャー宣言にあるのですが、あなたに解決できない問題はそもそもあなたに起こりません。自分が課題だと思うことは誰かが期待しているから課題になるのです。何があっても今の私にできるギリギリの範囲なのだと思って、乗り越えた先の新しい世界を見てみたいと思いませんか?

学生新聞2022年10月1日発刊号 日本大学3年 和田真帆

明治大学4年 酒井躍/日本大学3年 和田真帆/立教大学4年 須藤覚斗

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