武本悠佑 無駄な努力はない。やり続けることに意味がある。
■プロフィール
1998年5月1日生まれ/佐賀県出身。特技のダンスを生かした TikTokの投稿がバズり話題に。現在TikTokのフォロワーは110万人越え。2020年にミュージカル『新テニスの王子様』白石蔵ノ介役で俳優デビュー。2022年ミュージカル『刀剣乱舞』~江水散花雪~南泉一文字役として出演し、さらにドラマ「さよなら、ハイスクール」などにも出演し活動の幅を広げている。
現在は2.5次元作品を中心に活躍し、2020年12月にはミュージカル『新テニスの王子様』白石蔵ノ介役を演じている武本悠佑さん。今年開演したミュージカル『刀剣乱舞〜 江水散花雪〜』でも南泉一文字を演じるなど、活躍の場を広げている。そんな武本さんの舞台に対する思いや学生に伝えたいことなどを伺った。
■Kis-My-Ft2 玉森裕太さんに憧れて目指した芸能界
僕は佐賀県出身なんですけど、少し田舎だったので、「都会の子は学校終わったらきっとゲームとかをしているんだろうな」と思いながらも、自然をアスレチックにして外で遊んだり、部活でボルダリングをしたりなど、アクティブな幼少期を過ごしていましたね。
芸能の世界には全く興味がなかったのですが、高校生の時に、家族と一緒にKis-My-Ft2のコンサートに連れて行ってもらい、玉森裕太さんを見て、「ステージの上で歌って踊り、いろんな人を幸せにできる仕事っていいな。自分もこんな風に表現できたらいいな」「夢ややりがいがあるな」と思ったことから、芸能の世界を目指し始めました。
コンサートに行っていなかったら、今この業界に僕は居なかったかもしれないですね。
■お手本にしたい人を探したらあとは走るだけ。
「東京までは行けないなぁ、どうしよう」と考えていたときに、ダンスボーカルグループの募集していたので、まずは何か始めてみようとオーディションを受けました。事務所から送られてくる先輩の動画を見て、それぞれが個人でフリを覚え、その中からオーディションを通じてメンバーが選ばれるという形でした。ステージに出られるかどうかは努力次第でした。その事がきっかけで今こうして歌やダンスに生かされていると思います。
僕は何かをしたい時に、お手本にしたい人を探すようにしています。今はお芝居を中心にやらせてもらっていますが、すごい人の真似から始めるのが近道だと思っています。真似したなかに、自分の色を足すことで、すごくいい形になると思います。芸能活動を始めた当時は、周りは経験者で僕だけ未経験という環境だったので、毎晩寝ずに鏡の前で朝まで踊り、そのまま劇場へ行くような生活もしていました。「やろう」と思ったことは行動に移すタイプなので、今までガムシャラに走ってきたのがよかったのかもしれません。
■ファンの方の意見で頑張れる
応援してくださる方の「こういう部分が成長したね」とか「歌が良くなった」「あの時に比べてこうだった」などの意見を、参考にしています。自分の成長過程を一緒に過ごしてくださるファンがいて、その方々に意見をもらえることは、自分にとって大きなモチベーションになっています。
■舞台は「生もの」である
舞台って「生もの」なんです。舞台の公演回数はたくさんの数を繰り返します。毎回見に来てくれる方もいます。毎回同じだとチケット代をいただくのも申し訳ないですし、見ている側もつまらないじゃないですか。なので、舞台上では毎日違う工夫をしています。それこそ、歌って踊ってお芝居して……と全部やるので、どれか一つでも毎回変化を付けると、また違ったものになります。
ダンスや表情、歌のアレンジも含め、舞台はチャレンジの選択肢がたくさんあるのも面白みの一つだと思っていて、歌が好きなお客様でも、ダンスが好きなお客様でも、どんな人が見ても楽しんでもらえるコンテンツなのかなと思っています。また、後々映像作品にもチャレンジしたいと思っています。映像の場合は、眉毛の動かし方や、瞬き一つで表現も変わりますし、またどれだけオーバーにやるのかなどもすごく重要です。映像でいつか演じてみたいのは、昔から憧れていた特撮作品です。いつか絶対挑戦したいです!!
■BTSジョングクから学ぶステージ
僕は韓国アイドルが好きで、特にBTSのジョングクが好きです。彼のすごいところは、絶対にステージ上では手を抜かないことだと思っています。すごくストイックで、「自分と同い年の人が遊んでいても自分は努力していた」という歌詞の曲を出しているくらいです。僕は手抜きをしない人が好きなので、本当に尊敬しています。舞台の本番期間は作品の曲しか基本聞けませんが、たまにジョングクさんの曲を聴いて励まされつつ、ステージ上での見せ方を勉強しています。
■何事も、やり続けることに意味がある。
「報われない努力はあっても、無駄な努力はない」という言葉が、僕はすごく好きです。正直、努力したら絶対に報われるなんて甘ったるい世の中ではないと思っていて、色々な人が出てくる中で、選ばれる人はほんの一握りだと思っています。僕はもともと7年間ボルダリングを続けていましたが、このスポーツは体幹が鍛えられるので、今のダンスでもそれが生きて、褒めてもらうことも多いです。長い間継続していた努力が、今に繋がっているのだなと思います。報われなくてもとにかく継続することに意味があると思うので、学生のみなさんも一緒に頑張りましょう!
学生新聞オンライン2022年5月29日取材 法政大学1年 佐伯桜優
法政大学1年 佐伯桜優 / 日本女子大学4年 神田理苑 / 中央学院大学4年 田根颯人 撮影協力:カメラマン 広田成太
この記事へのコメントはありません。