アートアクアリウム美術館GINZA オーナーインタビュー
(株式会社マルハン 代表取締役 東日本カンパニー社長 韓 裕)

 「ありたい姿」を大切に、地域社会から愛される会社へ

株式会社マルハン 代表取締役 東日本カンパニー社長 韓 裕

■プロフィール

1963年生まれ、京都府峰山町出身。京都商業高校進学後、3年夏に甲子園出場。準優勝に輝く。法政大学卒業後、ホテル、ゴルフ、不動産事業を展開する企業を経て、90年マルハンに入社。営業本部長として売上高1兆円企業への舵取り役を担う。06年代表取締役副社長、08年代表取締役、21年東日本カンパニー社長就任。

パチンコホールを中心に総合エンターテインメント事業を展開する株式会社マルハンの新会社「株式会社AQUA ART RELATIONS」(運営:マルハン東日本カンパニー)が銀座三越で「アートアクアリウム美術館GINZA」を主催している。今回は「株式会社AQUA ART RELATIONS」がアートアクアリウム美術館を開くに至った経緯や開館に対する想い、さらには美術館の見どころについて伺った。

新会社「株式会社 AQUA ART RELATIONS 」設立の経緯について

日本橋にあるアートアクアリウム美術館に訪れる機会がありました。その際にアートアクアリウム美術館 運営会社の亀井会長に直接ご案内いただき、作品だけでなく美術館の歴史や事業についてお話くださいました。常設展とイベント事業の2軸で展開し、2007年にスタート、コロナ前までに累計で1080万人のお客様がご来場と伺いました。しかし、近年はコロナの影響で人が集まらず厳しい状況にあるため、イベント事業だけを残し、常設展を切り離して他社に売却を検討、常設展は銀座三越に移転が決定するも、再構築が必要という状況にありました。当時コロナの影響で屋内型娯楽施設であるパチンコの成績が低迷していたため、事業の分散の必要性が社内で重要視され始めているところでした。そのタイミングもあり、エンターテインメント事業の拡大という意味でも、常設展の権利を引き継ぐことを決意しました。

「アートアクアリウム美術館GINZA」開館の想い

コロナ禍によりさまざまな事業がダメージを受け、銀座も人がいなくなり、百貨店業界も厳しい状態を経験しました。その中で銀座や百貨店をもう一度元気にする、アートアクアリウム美術館を起爆剤にもう一度経済を盛り上げようという気運がありました。マルハン東日本カンパニーとしても新しい事業が認知されること、非日常空間を感じて頂きたいという想いと新しい事業を成功させるという期待感をもってオープンに至りました。

企業名「RELATIONS」とあるように、アートをきっかけに人と人との繋がりを築いていきたいという想いもあります。マルハン東日本カンパニーでは、10年ビジョンを掲げるうえで、リレーションシップ戦略というものがあります。①従業員 ②お客様 ③パートナー(お取引先様) ④社会 これら4つの領域とのリレーション、関係性を深めていく・拡げていくというものです。マルハン東日本カンパニーは会社と従業員との絆や信頼関係が良好で、エンゲージメントが常に高いことが強みです。それをお客様やお取引先様、社会に対しても同じように強めていくことでシナジーを生み出し、活性化していくことが大事だと考えています。そういう意味では今まで全く接点のなかった三越様とご縁ができたことはこの考え方のおかげだと思います。 社会とのリレーションについては、これまでも、従業員が地域のごみ拾いをしたり、地元のお祭りに協賛し、従業員も実際に参加したりするなどの取り組みを率先してやってきました。パートナー(お取引先様)とのリレーションでは、取引先は使ってやっているという考えになりがちだからこそ、対等な関係性を意識し、業者ではなく、しっかりご担当者様の名前を呼んで関係性を築くなども意識しています。このように4つの領域を中心に関係性を作り、愛される企業になるという想いを大事にしています。企業としての「ありたい姿」を共有して私たちにできることに取り組む姿勢をモットーにしています。実際に現場でもそういう小さなことがかけ算になって会社の原動力になっていると感じています。

「アートアクアリウム美術館GINZA」の見どころ、楽しみ方

日本橋と銀座の違いは百貨店内なので、スペースが少しコンパクトになり、天井高がとれないことです。その分、会場内をまわりやすく、ストーリーを感じられるような形になっています。金魚は中国の鮒がルーツで400~500年前に日本に入ってきたと言われており、鑑賞として多くの品種が生み出されています。私たちにとって馴染み深い金魚ですが、上下左右前後と見る位置によって見え方が異なり、色の鮮やかさ、色合い体形と様々な表情が見られる面白さがあります。和の空間で、水族館とはまた違う作品体験を味わって頂きたいと思います。アーティストや企業様とのコラボなども視野に入れながら話題性を保ち、つい載せたくなる、教えたくなる空間を創っていきたいと考えています。

今後の取り組みについて

GWには多くのお客様にご来場いただきました。月日の経過で自身の見方が変わることや、一緒に行く人が変わることによって感じ方や捉え方も変わると思います。そういうことも含めてここに携わる一人ひとりが情熱を注ぐことが、この非日常空間を多くのお客様に長く楽しんで頂き愛される場所になるのだと信じています。

大学生へのメッセージ

いつの時代においても若い人が世界を創っていきます。「若い人は〇〇だ。」というネガティブなメッセージにめげずに、ビジョン・世界観をもって進んでください。新しい道を創るのは皆さん自身です。私自身昔やっていた野球は半分以上やらされている状態でした。しかし、それはまったく自分のためになりません。他者から「やれ!」「やりなさい!」と言われても、自分が「こうしたい」という想いがない限りエネルギーは生まれません。「こうなりたい」「こうしたい」というものを探すことはとても大切で、そういうものを見つけて、希望をもってチャレンジしてください。やりたいことが見つからなくても、まずは見つけようとすることが大事です。人は描く以上のものにはなれません。そして次に重要になるのが、行動することです。行動しないと何も生まれません。ワクワクしながら自分がなりたい姿をイメージして、臆することなく進んでください。

学生新聞オンライン2022年5月9日取材 日本大学 3年 石田耕司

関東鍼灸専門学校 3年 竹原孔龍 / 立教大学 2年 福田さくら / 日本大学 3年 石田耕司
提灯リウム

■施設概要
施設名称  アートアクアリウム美術館 GINZA (英語表記:ART AQUARIUM MUSEUM GINZA)
開業日   2022年5月3日(火・祝)
所在地   銀座三越新館8階 (東京都中央区銀座4-6-16)
営業時間  10:00~19:00(変更になる場合がございます)
休館日   銀座三越の休館日に準ずる(加えて、メンテナンス等により不定期で休館の場合がございます。詳しくは公式サイトをご確認ください。)
公式HP   http://artaquarium.jp/

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