料理愛好家 平野レミ

平野レミ (ひらのれみ)

料理愛好家。主婦として profile家庭料理を作り続けた経験を生かし、「料理愛好家」として活躍。
“シェフ料理”ではなく、“シュフ料理”をモットーに、テレビ、雑誌などを通じて数々のアイデア料理を発信。また、講演会、エッセイを通じて、明るく元気なライフスタイルを提案するほか、レミパンやジップロンなどのキッチングッズの開発も行っている。

『平野レミのオールスターレシピ 家族の絆はごはんで深まる』(主婦の友社)好評発売中。

美味しくて簡単な料理でキッチンから幸せを発信

――どんな学生時代を過ごしていましたか
自分の心に正直であることは昔から変わっていません。高校は勉強漬けの進学校だったのですが、より自由な学校へ行きたいと思い、2年生のときに転校しました。そうしたら毎日が楽しくなりました。
父がいつも繰り返し言っていた「好きなことを見つけて徹底的にやりなさい」という言葉が支えになりました。料理と出会ったのも好きな野菜栽培を続けていたから。庭の畑で育てていたトマトを一口かじってみたら、これで何かできないだろうかとふと思い、トマトグラタンを作りました。食べてみたらとても美味しくて、算数の世界では1+1=2になるけれど、料理の世界では食材を組み合わせて美味しく作ろうという気持ちが入ると、1+1=10にも100にもなるという魅力に気付きました。そこから料理にのめり込むようになりました。

――今の仕事を始めたきっかけをお聞かせください
和田誠(ご主人)には沢山の友人がいて、家にはいつもお客様が来られていました。そのたびに料理を振る舞っていたら、食通で有名だったピアニストの八木正生さんに、「四季の味」という料理雑誌に、食についてのリレーエッセイを書いてみないかと打診されました。いったんはお断りしたのですが、とうとう根負けして1回だけならということでお引き受けしました。ところがそのエッセイがきっかけで料理の仕事をいただけるようになり、道が開けたのです。
当時からシェフではなくシュフ目線の簡単で美味しい家庭料理を心掛けていました。初めて料理番組に出演したときに、包丁を使わないでトマトを手で潰したら、そんなやり方は見たことがないとテレビ局の人から抗議されました。しかし、「これが私のやり方なので変えることはできません」
ときっぱりお断りしました。世間体を気にするよりも気持ちに正直であることを大切にしています。

――子どもたちにメッセージをお願いします
好きなことを夢中でしていると辛いとか努力という言葉は縁遠く、あっという間に時間が過ぎていきます。嫌なことをやらなければいつもおだやかな笑顔でいられます。そのためにも夢中になれるものを見つけることですね。


小学生新聞2022年9月15日発刊号 日本大学3年 柴野桃七

日本大学3年 石田耕司/日本大学3年 柴野桃七/津田塾大学4年 宮田紋子

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