BEYOND STADIUM 2022 開催

東京都のパラスポーツ応援プロジェクト「TEAM BEYOND 」は、音楽やお笑いなどのエンタメ、アート、子育てなど、日常生活の中にあるさまざまな“好き”とパラスポーツの魅力をつなぐ体験型イベント 『 BEYOND STADIUM 2022 』 が2022年11月5日(土)に東京体育館にて開催されました。木梨憲武さんと AK-69 さんが共同制作した応援ソングも初公開されました。

今回は木梨憲武さん、ウンパルンパさん、豊島英さんの3名にBEYOND STADIUM 2022の感想やパラアスリートへの想い、「好き」なことなど、お話を伺いました。

BEYOND STADIUM 2022 第2部 集合写真

■タレント・歌手・画家 木梨憲武(きなしのりたけ)

今回、AK-69さんと応援ソングを共同制作させていただきました。この歌を起点に障害があってもなくても東京都、日本、世界中の全員をチームにしていきたいと思っています。

またパラアスリートのみなさんと関わることで、障害を持っているからと悲観的になるのではなく、圧倒的なパワーを持っていると感じました。以前から視覚障害を持っている落合啓士さんなどのパラスポーツ選手と食事に行くこともありましたが、一緒にご飯を食べる時は電車を乗り継いでお店まで来てくれますし、ブラインドサッカーでは鈴の音とゴールの後ろからの指示だけでボールを操っているので、本当にすごいと思っています。

また目が見えなくても、僕の絵の展示会に足を運んでくれて、アートを感じにきてくれました。今後は触って楽しめる作品など、いろんな方が参加できるアートにも挑戦してみたいですね。アートと障害を掛け合わせた展示会などを開催したいです。

自分だけではなく、みんなで協力して、団体の力でパラスポーツも盛り上げていきたいと思います。

大学生へのメッセージ

「あなたと一緒に何かをしたい!」と思われる人を目指してほしいです。僕は若い年代のみなさんと一緒にいろんなことをやりたいなと思っています。明るい雰囲気の方が近づきやすいかなと思うので、元気でいることを意識しています。若者が知っていることを教えてもらって、経験がある大人から提案させてもらって、それがマッチして大勢の方がより参加してくれれば、いいものが出来るから負けはないと思うんです。
一緒にやることで、見えないものでも見えてくるかもしれないし、なかったものも形が出来てくるはずです。一緒に新しい世界を創っていきましょう!

中央学院大学4年 田根颯人

津田塾大学4年 宮田紋子 / 川村学園女子大学4年 岡﨑美諭 / 中央学院大学4年 田根颯人 / 東海大学4年 大塚美咲 / 日本女子大学4年 神田理苑

■TikToker ウンパルンパ(うんぱるんぱ)

今回、ブラインドサッカーに初挑戦しました。ブラインドサッカーとは、いわゆる「見えないサッカー」。ゴールキーパー以外が全盲の選手で、アイマスクを装着し、音の出るボールを用いてプレーします。僕は「WINNER’S」というチームで普段からサッカーを練習しているのですが、実際にブラインドになると想像以上に難しくて、でも面白さ・奥深さを感じました。視覚情報を当てにできない分、普段使わない感覚、神経を研ぎ澄ますことでいつも以上に五感を強化することができて得るものが多いなと思いました。

このイベントは「好き」が一つのテーマでしたが、今熱中しているのはサッカーとモノマネです。人間観察や真似をすることが好きで、これまで監督や先生などになりきってきました。しかしモノマネというのは扱うのが難しいコンテンツだなと思います。やり方を間違えると「本人を小馬鹿にしている」と思われかねないからです。しかし、しっかりとブランディングを確立することで視聴者の方の気持ちを晴らすことも可能ですし、そこにやりがいを感じています。実際に視聴者の方から「ウンパさんの動画を見たら勇気が出て、学校に行くことができた」と言っていただいた時は、とても嬉しかったです。モノマネを通して、パラスポーツを世に広めていきたいですね。

大学生へのメッセージ

もし今、人生の岐路で迷っている学生がいたら、「自分を信じて突き進んでいってください」と伝えたいです。実は僕は去年まで大学で教員を目指していました。しかしいざ進路を選択する時に、周囲の反対を押し切ってまでして選んだのは教員ではなく、その時夢中になっていたSNSでの活動でした。自分で選んだ道なら、人のせいにせずにどんなことがあっても自分の責任で発展していけると思ったのです。迷った時は自分を信じて好きなことを大切にして欲しいなと思います。

津田塾大学4年 宮田紋子

中央学院大学4年 田根颯人 / 川村学園女子大学4年 岡﨑美諭 / 津田塾大学4年 宮田紋子 / 東海大学4年 大塚美咲 / 日本女子大学4年 神田理苑

■車いすバスケットボール 豊島英(とよしまあきら)

パラスポーツでこれほど大規模なイベントを開催できるようになったこと、そしてその場にアスリートとして関われたことが素直に嬉しいです。今回のイベントは東京2020パラリンピックに紐づいた一過性の盛り上がりという位置付けではなく、いわゆる定期的に開催する文化祭のような大型祭典として開催できたと思います。そこに大きな意義を感じていますし、パラスポーツが着実に確立された存在になってきていると感じています。

1日を通して印象深かったのは「誰でも簡単に競技体験ができるブースがたくさんあった」という点です。私が長年携わっている車いすバスケットボールは、比較的認知されている競技だと思いますが、まだまだ浸透していない競技は多くあります。認知拡大を進める方法は多々ある中で、効果的なのは「身近なものであることをいかに感じてもらえるか」です。今回のイベントで体験した皆さんに、パラスポーツの魅力を感じてもらい、もっともっと関心を寄せていただきたいです。また、そこから得たワクワク感を一人でも多くの方に共有していただけたら、それほど嬉しいことはありません。どれほど些細なきっかけで知ったとしても、おそらく気がついた頃にはパラスポーツの奥深さの虜になっているはずです。

大学生へのメッセージ

皆さんが持つ高い吸収力と大きな発信力で、パラスポーツの魅力を存分に伝えてもらえたらなと思います。私たちも子どもたちや皆さんの世代を中心にパラスポーツと触れ合う機会を積極的に創出していくので、新しいものを受容する柔軟性を持っていて欲しいですね。

日本女子大学4年 神田理苑

川村学園女子大学4年 岡﨑美諭 / 日本女子大学4年 神田理苑 / 中央学院大学4年 田根颯人 / 津田塾大学4年 宮田紋子 / 東海大学4年 大塚美咲

■BEYOND STADIUM 2022に参加した感想

今回のイベントで初めてパラスポーツの車椅子バスケットボールを体験させていただきました。同じバスケットボールでもパラスポーツは全く別のスポーツであると気がつき、また体験したことで新たな魅力を知り今までとは別の視点から観戦することができると思いました。イベント最後のTEAM BEYOND応援ソングでは木梨憲武さんの魂でみんなを応援するための曲を歌いたい気持ちとAK-69さんのHIPHOPのリズムが一体化し心に響きました。「限界はないという、生きてて壁にぶち当たることはあっても、同じ人間として立ち向かう」という歌に込められたメッセージに勇気をもらったと同時にパラスポーツの魅力や楽しさをさらに広めていきたいと強く思いました。スポーツをする人も、観る人も、支える人も、あらゆるメンバーがひとつのチームとなって盛り上げるTEAM BEYONDとして私も今後パラスポーツの新たな魅力と楽しさを見つけていきたいです。

川村学園女子大学4年 岡﨑美諭

「障がいのある方々のための、自分には関係のないもの」というこれまでのパラスポーツへのイメージが覆されるイベントでした。車椅子バスケの体験ブースでは、ジャンプができない故の腕の力だけでシュートを決める難しさや、ちょっとした車椅子の位置によってボールの飛び方が変わる面白さを始めて実感しました。
タレント、パラスポーツ選手によるトークセッションのコーナーでは、パラスポーツならではの心動かされる熱いエピソード、会場全体が笑いで包まれるような面白いエピソードが盛りだくさん。今まであまり注目したことがなかったパラスポーツですが、これをきっかけに注目の選手を見つけて応援してみたい!という気持ちになりました。
また今回のようなイベントは、参加目的が好きなタレントやライブを見るためだったとしても、それをきっかけにパラスポーツへの関心が少しでも高まる人が増えれば、障がいの有無による心の壁をなくすことに繋がるのではないでしょうか!

東海大学4年 大塚美咲

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