リビン・テクノロジーズ株式会社 代表取締役社長 川合大無

「世の中にインパクトを与えたい」との想いから創業者へ

リビン・テクノロジーズ株式会社 代表取締役社長 川合大無 (かわい だいむ)

■プロフィール
1975年生まれ
千葉県出身
東京農業大学農学部卒
剣道3段

(略歴)
1998年4月 ニチモウ株式会社入社
2000年7月 バリューコマース株式会社入社 
2003年2月 株式会社サイバーエージェント入社
2004年1月 当社設立 代表取締役社長就任(現任)

消費者のニーズを汲み取り、「住生活領域における社会問題をテクノロジーの力で解決する」を使命にサービスを展開するリビン・テクノロジーズ株式会社。今回は同社の代表取締役社長である川合大無社長に、起業をしようと考えたきっかけや経緯、さらには今後のビジョンや大学生へのメッセージについて伺った。

小学生の頃から剣道をしていて、年上の人には敬語を必ず使うなど礼儀を重んじる習慣が身についていました。そのため、「年下からタメ口で話されることが嫌だ」という理由で、現役で合格した東京農業大学に進学しました。学生時代は、勉強よりも深夜のコンビニや居酒屋などのアルバイトに力を入れていました。
将来のビジョンを考えるようになったのは、就職活動を始めてからです。様々な分野の仕事を見始めたものの、実際に自分が働いているイメージが湧かず、自分が何をしたいのか考えるようになりました。せっかく自分の人生の多大な時間を注ぐなら、それに値する大きなことを成し遂げたいと考え、「世の中にインパクトを与えたい」という人生の目標ができました。その目標を達成できそうな職業をいくつか考えた結果、経営者になろうと決め、創業することに決めました。

■実務経験を求めて、5年間で3社を経験

経営者になるためにはまず実務経験が必要だと考え、ビジネスのノウハウを学べそうな企業を5年間で3社経験してから会社を設立する計画を立てました。1社目のニチモウ株式会社では営業事務を務めたおかげで、営業以外の実務は全て覚えることができました。最初は「楽しい」と思える仕事内容ではありませんでしたが、これも経営者になるためには必要であると考えていたため、モチベーションが下がることはなく、一生懸命仕事を覚えました。その後、2社目ではバリューコマース株式会社というアフェリエイト広告会社で営業を経験し、トップ営業マンになりました。3社目は株式会社サイバーエージェントでインターネット広告代理店の営業として働き、ネットマーケティング全般の知識を身につけました。

■経験を生かした起業のスタート

勤めていた会社を辞め、起業した時点では、どのような事業をするかは決めていませんでした。最初は企業に心理カウンセラーを派遣するサービスを思いつきましたが、サービスを作ることができませんでした。考えた結果、今までの経験からネット広告代理業ならできると思い、立ち上げました。どのように売上を上げていくか考えたときに、同じようなものが同じような価格で提供されるサービスでは採用力が重要であると気が付きました。ただ、すでに名の知れている大手に採用力で追いつくことはとても難しいと思い、自社でサービスを展開し、他社との差別化を図っていくしかないと考えました。
そこから検索数が多く、顧客ニーズも高いにも関わらず、きちんとしたサービスやサイトが少ない分野をリサーチし、不動産の査定サイト、お墓の比較サイト、ホームページを月定額で更新するサービス、アパレルのオンラインショップといった4つの新規サービスを約1年半でスタートさせました。そのうちの1つである不動産査定サイトが今のメイン事業となっています。 

■求めるのは、自主性、創造性、先見性を持つ人材

何かを変えたい、こういうことをやりたい等の思いや意見を自分から発信しているような、自主性のある人がいいですね。そういった思いがないと、先を見据えて動いていけないと思うのです。すぐ目の前のことではなく、一つや二つ長期的な視点を持ち行動していける人、また自らの考えを発信し周りを巻き込み自分の考えを基軸とし、目標達成に向けて仲間とともに実行していくことができる人と仕事をしたいと思っています。
当社では意見を出しやすい環境作りに力を入れているため、新卒、中途関係なく意見できるように目安箱のようなものを制度化して設置しています。どんな立場でも、オフィス清掃から新規事業プランまでどんなことでも提案できるようになっています。そこに入ってきたものは毎週の経営会議の際に必ず審議されます。また、新しいことを取り組んでいくために四半期に一回、社内で新しい企画やサービスの新機能、業務改善などを提案するプレゼン大会を実施しています。そこで良いものがあれば採用し、事業として推し進めていきます。実際にリースバックの比較サービス、リノベーションのお問い合わせメニュー案などが採用、リリースされました。

■今後の展望

まずは東証プライム市場に上場し、ゆくゆくは従業員1000人規模の企業を目指していきたいです。なぜなら、運営に1000人規模の人員を要する事業を展開できれば、世の中の人の行動パターンを変えられる力を持てると思うからです。それこそ私が大学生の時に掲げた、「世の中に大きなインパクトを与える」という目標に近づけたといえるのではと考えています。そのために、既存サービスの拡大に加え、新規サービスの開発やM&Aなどにより、第2、第3の収益の柱の創出に注力しています。

■Message

大学生のみなさんに伝えたいのは、まずは目標を定めることです。自分が最終的にどんな人になっていたいかを今のうちから思い描くことが大切ですね。目標があることで人はそれに向かって行動していくことができますから。目標がないと迷走したり、周りに流されてしまったり、自分が本当にやりたいことをやれないこともあります。
あとは「継続」です。継続して努力し続けることはかなり難しいです。毎日何かをさぼらずに継続することができるのは才能であるのと同時にどこかで必ず何か大きなリターンが返ってきます。若いうちは「柔軟性」があります。最初自分には合わない、無理だと思えたことも継続できたり、新たな発見があるかもしれません。若くて柔軟性と時間があるうちにできることを増やすということは非常に大切だと思います。

学生新聞オンライン2022年11月2日取材 専修大学3年 中島菜摘 / 成蹊大学2年 角田迅斗

法政大学1年 佐伯桜優 / 専修大学3年 中島菜摘 / 中央学院大学4年 田根颯人 / 成蹊大学2年 角田迅斗 / 立教大学4年 須藤覚斗

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